IS世界を舞う剣刃   作:イナビカリ

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第116話:一学期の終わり

 ~永遠 Side~

 

 臨海学校から戻った後も色々あったがそれもアッと言う間に時間が過ぎたのぉ…

 期末テストも終わって今日は一学期の最終日じゃ

 ちなみにテストで赤点取った奴は夏休みの半分は補習で消えるのじゃがワシを始めセシリアや本音、クラスのもん達は1人を除いて全員が赤点を回避した

 織斑はかなり危なかったそうじゃがな…

 それで1組で赤点を取ったただ1人の生徒と言うのは…まあ言わんでも分かると思うが篠ノ之じゃ…

 と言うかあやつ以外取る奴はおらん…織斑は怪しいところじゃったがな…

 それから織斑先生から聞いたところあの女、臨海学校の事件の後に束さんに【紅椿】を叩き返したそうじゃ

 束さんが何も言わんかったから全く気付かんかった…

 にしても、あの女、あげな結果を出したんはどう考えてもあの女の自業自得じゃろうにまさかそれをISのせいにするとは…どんだけ馬鹿なんじゃ?

 束さんの方は織斑先生と一晩中飲みまくってスッキリしたそうじゃが、やはり心配じゃのぉ~…

 取り合えず暫くは様子を見るしかワシには出来んな…

 

セシリア

「永遠さん。」

 

永遠

「ん?」

 

 ワシがそんな事を考えておるとセシリアが話しかけて来た

 

セシリア

「永遠さんは夏休みのご予定はありますか?」

 

永遠

「ワシか?まあ島で畑仕事しながらのんびり過ごすつもりじゃよ。」

 

本音

「永遠らしいね~♪」

 

永遠

「…後は…」

 

「後は?」

 

永遠

「ちと鍛え直そうと思うとる。怪我が治るまで鍛練が出来んかったせいで大分なまっとるようでなぁ…」

 

一夏

「………」

 

 ん?今、織斑から妙な視線が…気のせいかの?

 気のせいじゃよな?

 

永遠

「と、ところでお主等はどうするんじゃ?」

 

 ワシは嫌な予感を振り払うように話題を変えた

 

セシリア

「…わたくしは…国に帰ります。【イグニッションプラン】や他にもやる事がありますから…」

 

永遠

「【イグニッションプラン】?何じゃそれ?」

 

ラウラ

「欧州の次期主力機を決める計画です。ドイツとイギリスは既に参加が決まっているので代表候補生の私達も行かないといけません。」

 

永遠

「ヨーロッパの主力機か…一番の候補は…」

 

シャルロット

「イギリス…って言いたいけど【ハルファス・ベーゼ】は流石に【イグニッションプラン】には出せないよね?」

 

セシリア

「当然です、それに【ハルファス・ベーゼ】はコアも含めてわたくし個人の物となっています。国のISとしてはそもそも出せません。」

 

「え!?よくそんな話が通ったわね?」

 

セシリア

「束さんが直談判して下さいました!」

 

「そう言えばそうだったね。」

 

 あ~、確かに束さんが新しいコアをやるからって事で話を通したんじゃよな…あ!?

 

永遠

「セシリア、帰る前にワシの家に一度来てくれ、渡す物があるんじゃ。」

 

 イカンイカン!忘れるところじゃった!

 

セシリア

「渡す物………あ!?はい!分かりました!!」

 

 …セシリアも忘れとったな?まあ思い出したからいいか…

 

永遠

「簪と本音はどうするんじゃ?」

 

「私は…一度は家に帰るつもりだけど…あの家って余り居心地がよく無いから…多分すぐに学園に戻って来ると思う…」

 

全員

「………」

 

 確かに…家の連中から邪険に扱われておったと言うなら帰りたくないじゃろうな…まあ、その辺はあの『更シスコンダメ無ストー会長』がどうにかするべき問題じゃな…仮にも当主何じゃからな

 それは別にしても休みの間も学園におると言うのはな…

 仕方ない…

 

永遠

「それなら簪、休みの間はワシの島におるか?」

 

全員

「え!?」

 

「い、いいの?」

 

永遠

「何を驚いとる?今までも何度か泊まっとるじゃろ?」

 

「そ、それはそうだけど…一カ月以上も一緒って言うのは…初めてだし…」

 

 あ!そう言う事か!

 付き合っとるから大丈夫と思うたが…流石に一カ月以上となるとマズイか…

 

永遠

「スマン!気が利かんかった…今言った事は無かった事に…」

 

「え!?ままま待って!!!」

 

永遠

「ん?」

 

 何じゃ?

 

「よ、よろしくお願いします…」///

 

永遠

「へ?」

 

「さ、さっきは驚いたけど…確かに永遠の家は居心地がいいし…も、もし永遠がいいなら…お世話になりたい…」

 

本音

「私も私も~!!」

 

 本音まで…まあ最初に言ったのはワシじゃし…

 

永遠

「構わんぞ。」

 

簪&本音

「ヤッタアアアアアァァァァァッ!!!」

 

永遠

「………」

 

 う~む…喜んでくれるのは嬉しいんじゃが…ちと参ったのぉ…

 

セシリア

「ムムムッ…」

 

 一人だけ国に帰るセシリアが不機嫌になってしもうた

 どうすればいいのかと他のもんに視線を向けたが…

 

 サッ!

 

 揃って目を逸らしおって…クッ!薄情者共め!!

 

永遠

「あ~…セシリアさんや、そっちの用事が済んだらいつでも来んさい。待っとるから。」

 

セシリア

「…本当ですか…」

 

永遠

「お主に嘘は言わん!!」

 

セシリア

「…分かりました!向こうの用事が終わりましたらすぐにそちらに向かいます!!」

 

永遠

「ああ、待っとるよ。」

 

セシリア

「ハイ♪」

 

 ふ~…何とか機嫌を直してくれたか…

 

 ………

 ……

 …

 

 それから鈴やシャルロットの予定も聞いてこの話は終わりとなった…

 じゃが…

 

一夏

「………」

 

 やはり…織斑から妙な視線を感じる…

 ワシ…大丈夫かのぉ…

 そんな感じで一学期が終わったんじゃ…

 

 ~永遠 Side out~

 


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