IS世界を舞う剣刃   作:イナビカリ

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第128話:イグニッションプラン開幕

 

 ~ラウラ Side~

 

ラウラ

「遂にこの日が来たか…」

 

 今日は欧州の次期主力機を決める一大イベント…【イグニッションプラン】開幕の日だ

 私は自分の部隊【黒兎隊】の者達と参加していた

 参加と言っても半分は警護も兼ねているがな…

 

「隊長、全員配置に着きました!」

 

ラウラ

「ご苦労!」

 

 私にそう報告して来たのは【黒兎隊】の副隊長の『クラリッサ』だ

 この【イグニッションプラン】は次期主力機を選定する発表会…我がドイツが出すISは私の【シュヴァルツェア・レーゲン】だ

 だから私達は警護と同時に参加者でもあった

 

クラリッサ

「ところで隊長、今回一番の注目されているのは何処の国だと思われますか?」

 

ラウラ

「ん?」

 

 クラリッサの問いに私は…

 

ラウラ

「我がドイツだ!!!」

 

クラリッサ

「あの隊長…気を使われるのは分かりますが、私は隊長の正直な意見が聞きたいのですが…」

 

 う~む…バレたか…

 まあ、冗談半分に答えてやったから分かるか…

 しかし、正直な意見か…

 それはやはり…

 

ラウラ

「イギリスだろうな…」

 

 兄上の恋人の一人でもあるセシリアのいる国だ

 流石に第5世代の【ハルファス・ベーゼ】は出せないがそれでも注目を集める事は出来る

 それに聞いた話ではイギリスの出すISは改造前のセシリアの【ブルー・ティアーズ】の2号機だそうだ

 恐らく性能も【ブルー・ティアーズ】以上だろう…

 尤も、乗り手がセシリアでなければ私の敵では無いだろう…

 私が正直に答えると…

 

クラリッサ

「私も同意見です。噂ではイギリスが一番人気だとか。」

 

ラウラ

「だろうな…」

 

 我がドイツも少し前は1,2を争う人気を誇っていたが研究所の馬鹿共が私のISに【VTシステム】を組み込んでいた事が篠ノ之博士の手で暴露されたせいで各国から非難を浴びまくったからな…

 まあ、私としてはあんなシステムを積んだ連中が捕まって清々してるからいい気味だとしか思わないけどな

 

クラリッサ

「それに噂の第5世代を見に来た者もかなりの数いるそうですよ?」

 

ラウラ

「セシリアが来るとは限らんぞ?」

 

クラリッサ

「それでも気にはなりますよ。」

 

 確かにそうだな…

 

クラリッサ

「それで隊長はIS学園で第5世代を目にしているんですよね?どんなISでしたか?」

 

ラウラ

「ん?【ハルファス・ベーゼ】の事か?それとも本音の【ワイバーン・ガイア】の方か?」

 

クラリッサ

「どちらもです。隊長のISと比べてどう感じましたか?」

 

 クラリッサのその質問に周りにいた他の隊員達やスタッフたちも興味津々な様で聞き耳を立てているな…

 だが、そうだな…

 

ラウラ

「…【シュヴァルツェア・レーゲン】が『玩具』にしか見えなかったよ…」

 

全員

「玩具!?」

 

 私の答えにクラリッサだけでなく全員が驚きの声を上げた

 それもそうか…自分達の技術の粋を込めて開発したISを私が玩具呼ばわりしたんだからな…

 だがな…

 

ラウラ

「驚くのも無理ないが…それしか言いようが無くてな…」

 

クラリッサ

「た、隊長がそこまで言うなんて…」

 

ラウラ

「こんな事で嘘は言わん…」

 

全員

「………」

 

 そう、嘘を言う必要が無い…

 いや、言う気になれない…

 あの力を目の当たりにすれば誰だって本当の事を言うしか無いからな…

 

 ………

 ……

 …

 

 それから暫くして【イグニッションプラン】が開幕した

 我がドイツは【VTシステム】の件で人気が下がったが、それでもイギリス程では無いが注目されているようで見学者はそれなりの数が来ていた

 私は隊員達とローテーションを回しながら警備とプレゼンを行っていた

 そして…

 

クラリッサ

「隊長、交代です。暫くは私達で回しておきますので休憩がてら他の国を見て回ってはどうですか?」

 

ラウラ

「そうだな…ではお言葉に甘えさせて貰うとするか…」

 

 クラリッサの言う通り時間が出来た事だし他の国のブースを覗いてみるか…

 もしかしたらセシリアや顔見知りがいるかもしれないしな…

 顔見知りと言えばシャルロットのいるフランスは結局【イグニッションプラン】に参加出来なかったようだな…

 まあ、スパイとして送り込んだシャルロットの正体が全員にバレてしまったから当然の結果だな…いや、それ以前にアイツがデータを手に入れる事に成功してもほんの数十日で新型を開発する事なんて出来る筈無いか…

 フランスに篠ノ之博士のような人がいると言うなら話は別だが、そもそもそんな人がいればフランスは【イグニッションプラン】への参加が許されてるよな…

 

ラウラ

「では後を頼む。」

 

クラリッサ

「ハッ!!!」

 

 私は後を任せると各国の見学に出向いた

 暫く見て回っていると…

 

 ドゴオオオオオオオォォォォォォォォンッ!!!

 

ラウラ

「!?」

 

 突然会場内を爆発音が鳴り響いた…

 

 ~ラウラ Side out~

 


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