IS世界を舞う剣刃   作:イナビカリ

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第129話:奪われたサイレント・ゼフィルス

 

 ~ラウラ Side~

 

ラウラ

「今の爆発は何だ!?」

 

 私は突然の爆発音に周囲を見渡すと周りにいる人々もいきなりの事で混乱していた

 だが、私はすぐに気を取り直すと自分の国のブースへと走り出した

 爆発の方角は違っていたがアレが囮の可能性もあるからだ

 そして、私が到着すると…

 

クラリッサ

「隊長!!!」

 

ラウラ

「クラリッサ!!全員無事か!!」

 

 隊員達やスタッフの安否を確認した

 

クラリッサ

「ハッ!!全員無事です!!休んでいた者も含め全員集まっています!!」

 

 よし!なら…

 

ラウラ

「…何が起きたか分かるか?」

 

クラリッサ

「いえ、私達もいきなりの事で…ですが爆発が起きたのはどうやら『イギリス』のブース近くの様です!!」

 

ラウラ

「イギリスだと!?」

 

 まさか…【ハルファス・ベーゼ】を狙って起きたテロか!?

 いや、仮にテロリストが相手だとしてもあのセシリアから簡単に奪えるとは思えん…それに聞いた話だとセシリアはココにはまだ来ていないと客の誰かが言っていた…

 セシリアがいない事を知らずにテロを起こしたのか…それとも別の狙いが…

 ええい!ココで考えていても仕方ない!!

 

ラウラ

「クラリッサ!!ココでの指揮はお前に任せる!!スタッフとIS、機材の防衛と退避を頼む!!!」

 

クラリッサ

「了解しました!!それで隊長は?」

 

ラウラ

「私は爆発の起きた場所を調べてくる!!何が起きたのか確認する必要がある!!」

 

クラリッサ

「承知しました!!」

 

ラウラ

「何か分かればすぐに連絡しろ!!」

 

 私はクラリッサに後を任せるとISを展開して飛び出した

 

 ………

 ……

 …

 

 それから私は爆発の起きた場所に到着したが、そこはやはりイギリスの出展エリアだった

 私は辺りを見渡していると…

 

ラウラ

「!?…オイ!!しっかりしろ!!」

 

 爆発跡の近くに倒れていた人を1人発見した

 服装からしてイギリスのスタッフの1人の様だ…

 

スタッフ

「うっ…ううっ…」

 

 私がスタッフを抱き起こすと呻き声を上げた

 どうやら怪我は負っているようだが命に別状は無い様だな…良かった…

 だが…

 

スタッフ

「…【サ、サイレント…ゼフィルス】が…」

 

ラウラ

「何っ!?」

 

 【サイレント・ゼフィルス】と言えばイギリスが【イグニッションプラン】に出展したと言う【ブルー・ティアーズ】の2号機…

 まさか…本当の狙いは!?

 私はすぐに周囲をもう一度見渡したが【サイレント・ゼフィルス】らしきISは見当たらなかった

 その時…

 

ラウラ

「!?」

 

 私は咄嗟に倒れているスタッフを抱えてその場を飛び退いた

 すると…

 

 ドンッ!!

 

 そこに攻撃が撃ち込まれた

 

ラウラ

「何者だ!!!」

 

 私はすぐに攻撃の来た方角を見た

 するとそこには…

 

ラウラ

「!?…そのISは!?」

 

 蝶の様な羽を持つ青いISが私にライフルを向けていた

 あのISは…

 

スタッフ

「【サイレント…ゼフィルス】…」

 

 スタッフがISの名を口にした…

 やはりアレが【サイレント・ゼフィルス】か!?

 乗り手は…クソッ!!バイザーで隠れていて顔が見えない!!

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒ…ドイツの代表候補生か…お前がココにいたのは調べがついていたがまさかこんなに早く現れるとは思わなかったな…」

 

ラウラ

「私の事を知っているようだな…」

 

「ああ、曲がりなりにも専用機を持っているからな…本当はセシリア・オルコットが来る前に任務を終えたかったがやはりすんなりとはいかないか…」

 

ラウラ

「セシリアだと!?貴様!アイツがいないタイミングを狙ったのか!?」

 

 という事は狙いはセシリアの【ハルファス・ベーゼ】ではなく始めから【サイレント・ゼフィルス】の方だったのか!!

 

「ああ、こちらも出来る事なら噂の第5世代を手に入れたかったが流石に相手が悪すぎる…だからこちらを狙ったんだよ。」

 

 確かにな…セシリアは私の知る限り兄上が唯一本気で戦った相手だ…

 そのセシリアから【ハルファス・ベーゼ】を奪い取るには【ハルファス・ベーゼ】を操るセシリアを倒さなければならない…そんな事は第3世代のISでは束になってもほぼ不可能だろう…

 だからこっちと言う訳か!!

 

「まあ、目的の物も手に入れた訳だし追手が第5世代の使い手じゃないだけマシだな…」

 

 マシ…だと…

 コイツ…私の事を舐めているな…

 だが、相手の力は未知数…私1人で勝てるかは分からない…

 それなら…

 

ラウラ

「(オイ…セシリアは今どこにいる?)」

 

 確実に勝利する為の方法を取るだけだ!!

 だから、私は倒れているスタッフにセシリアの所在を聞いたんだが…

 

スタッフ

「(オ、オルコットさんは…明日来る予定です…今日は政府と打ち合わせをしている筈です…)」

 

ラウラ

「(そうか…)」

 

 セシリアが来るのは明日だったか…連絡が行けばすぐに飛んでくるだろうが、この状況ではまともな連絡が出来るようになるのに少し時間が掛かりそうだな…

 そこまで計算してこのタイミングを狙った訳か…正体は分からないがコイツは【ハルファス・ベーゼ】を相当警戒しているようだな…

 

「さて、何時までもお喋りをしている暇も無いんでな…奴が来る前に離脱させて貰おう。。」

 

ラウラ

「行かせると思うか?」

 

「………」

 

 コイツは【イグニッションプラン】を潰した!!

 各国が威信をかけた一世一代の舞台を汚したんだ!!

 

ラウラ

「他国で起きた事とは言えこんな事をされて見逃すと思うな!!!」

 

 そうだ!!

 決して…許せるものか!!!

 

 ~ラウラ Side out~

 


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