~三人称 Side~
ラウラ
「オオオオオオオォォォォォッ!!!」
ラウラはプラズマ手刀を構え襲撃者に仕掛けた
しかし…
襲撃者
「フン!」
ドン!ドン!ドン!
襲撃者は【サイレント・ゼフィルス】の大型ライフル【
ラウラ
「チッ!」
ラウラはAICで防ぐが…
襲撃者
「フッ…」
バシュッ!
襲撃者は今度は【サイレント・ゼフィルス】から小型の物体を射出した
それは…
ラウラ
「『BT兵器』だと!?」
【ブルー・ティアーズ】と同じBT兵器だった
コレが使えるという事は…
ラウラ
(奴はBT適正があるという事か!?)
ラウラの考えの通り目の前の襲撃者はBT適正が高い事を意味していた
しかも、襲撃者が【サイレント・ゼフィルス】から射出したビットの数は全部で『6基』
それはつまり…
襲撃者
「ほぉ?流石は最新型…1号機の欠陥が直されているな?」
1号機【ブルー・ティアーズ】の欠点…それはビットを使用している間は他の動作が出来ないと言う欠点が修正された事を意味していた
尤も、セシリアはこの欠点を特訓で克服していたのだが、【サイレント・ゼフィルス】はBT適正がある者ならビットとの同時行動が誰でも出来る機体に仕上がっていた
襲撃者
「行けっ!!!」
ラウラ
「クッ!?」
ラウラは舌打ちをしながら向かって来るビットに悪戦苦闘していた
【シュヴァルツェア・レーゲン】に搭載されているAICは一方向にしか展開出来ない為、多方向からの攻撃に対しては相性が悪かった
ラウラ
(【ハルファス・ベーゼ】と比べれば性能もビットの数も向こうが圧倒的に下だが、それでもキツイ!!クソッ!?あの時、私がセシリアに勝てたのはやはり偶然だったか!!)
ラウラはビットを躱しながら以前セシリアと鈴に喧嘩を売った時の事を思い出していた
あの時、ラウラがビットを使うセシリアに鈴共々勝利出来たのはセシリアの動きに機体が追いついて行かなくなった為、偶然勝てただけでしかなかった
改めてBT兵器の厄介さを思い知ったラウラは防戦一方となっていた
襲撃者
「どうした?代表候補生の実力とはこの程度か?折角の専用機が泣いているぞ?」
ラウラ
「だ、黙れ!!!」
襲撃者の言葉を否定するラウラだが…
ラウラ
(悔しいがコイツの実力は私以上だ…どうする!?)
自分との実力差をハッキリと感じていた
このままでは自分に勝ち目は薄い事を痛感していた
ラウラ
(…せめてクラリッサ達が来てくれれば…)
自分1人では捕縛は無理と判断していた
その為、ラウラはラウラは戦いながらクラリッサ達【黒兎隊】に避難が終わり次第援護に来るように要請を出していた
ラウラ
(後は援軍が来るまで奴を押さえておけば…)
ラウラは援軍が到着次第一気に勝負を決めようとしていた
だが、ラウラはある事を失念していた
それは…
ドガァァァァァンッ!!!
ラウラ
「グアアアアアァァァァァッ!!」
ラウラは突然、ビットとは違う別方向から攻撃を受けた
ラウラ
「な、なんだ…一体…」
攻撃の来た方を向くと…
ラウラ
「!?…もう1人だと!?」
そこにはもう1体のISがいた
黄色と紫のカラーリングをされた8本の足を持つ異形のISだった
ラウラはそのISを見て…
ラウラ
「そのISは…アメリカから強奪された【アラクネ】!?」
目の前のISに見覚えがあった
それはアメリカから盗まれ、行方不明となっていた第2世代型の【アラクネ】だった
そして、これこそがラウラの失念していた事だった
ラウラは襲撃者が目の前の1人だけしかいないとは考えていなかったが他にもISがいる事を考えていなかったのだ
?
「何手間取ってんだ?目的のブツを手に入れたんならとっとと行くぞ!」
襲撃者
「分かってる。」
ラウラ
「ま、待て!!」
2人に増えた襲撃者を相手にラウラは援軍が到着するまで足止めしようとしたが…
?
「あん?うぜえんだよ!!」
ドガァァァンッ!!
ラウラ
「グアアアアアァァァァァッ!!」
襲撃者
「フンッ!!」
ドン!ドン!ドン!
ズガガガァァァァァァンッ!!
ラウラ
「ウアアアアアァァァァァッ!!」
【サイレント・ゼフィルス】と【アラクネ】…2体の同時攻撃に成す術がなかった
ラウラ
「グッ…ウウッ…」
襲撃者
「…トドメだ…」
ドンッ!!!
ラウラ
「!?」
ドゴォォォォォォォンッ!!!
【サイレント・ゼフィルス】のトドメの【スターブレイカー】が直撃し大爆発が起きた
そして…
ラウラ
「うっ…ぐっ…」
【シュヴァルツェア・レーゲン】はSEが尽きており、ラウラも意識を失っていた
ラウラが倒れたのを確認すると…
?
「さて、邪魔者は片づけた事だし…行くぞ…『エム』…」
エム
「分かった…『オータム』…」
襲撃犯の2人は互いの名前を呼び合うと会場を後にした
その数分後、避難活動を終えたクラリッサ達【黒兎隊】が倒れているラウラを発見するのだった…
~三人称 Side out~