IS世界を舞う剣刃   作:イナビカリ

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第140話:死神の猛威【ファントム・グルゼオンVS黒兎隊】

 ~三人称 Side~

 

 ガキィィィンッ!!

 

クラリッサ

「グゥッ!?」

 

 試合が始まると同時にラウラは先頭にいるクラリッサに向かって【ヘルサイス】で斬りかかった

 クラリッサの方もブレードで受け止めたのだが…

 

クラリッサ

(何てパワーだ!?受け止めただけでココまでの衝撃が来るなんて!?コレが噂の第5世代の力なのか!?)

 

 たった一撃で【ファントム・グルゼオン】が従来のISとは一線を画す機体であると理解した

 一方のラウラは…

 

ラウラ

(凄い!?これが【ファントム・グルゼオン】の力なのか!?コレで未完成の武装も実装したらどうなるんだ!?)

 

 ラウラ自身も【ファントム・グルゼオン】のその圧倒的な性能に驚いていた

 

ラウラ

(これ程の強さ…セシリアや本音を見て分かっていたつもりだったが認識が甘かった…コレは今までのISとは次元が違う…だが、姉上が託してくれたこの力…使いこなしてみせる!!!)

 

 気合を入れ直すと【ファントム・グルゼオン】を使いこなす為の戦いを再開した

 

 ………

 

 ……

 

 …

 

 ドガァン!ドガァン!ドガァン!

 

黒兎隊

「ハァ…ハァ…」

 

 模擬戦が始まってからまだ10分ほどしか経過していないが【黒兎隊】はすでに半数がリタイアしており、残ったメンバーもクラリッサを始めとして肩で息をするほど疲弊していた

 一方…

 

ラウラ

「………」

 

 ラウラの方はまるで疲れておらずISも全くの無傷だった

 何故なら…

 

クラリッサ

「クッ!!撃てえええええぇぇぇぇぇっ!!」

 

 ドドドドドドドドドドドドドドドッ!!

 

 キキキキキキキキキキキキキキンッ!!

 

クラリッサ

「クソッ!!何て頑丈な『翼』なんだ!?」

 

 クラリッサ達の攻撃は【ファントム・グルゼオン】の閉じた翼によって全て弾かれているからだ

 【ファントム・グルゼオン】の翼はマントの様に閉じる事で全身を守る楯にもなっていた

 更に…

 

ラウラ

「…発射!!」

 

 ドギュゥンッ!ドギュゥンッ!ドギュゥンッ!

 

クラリッサ

「クッ!?」

 

 この状態の時は翼に内蔵されている6門のビーム砲による砲撃も可能となっていた

 つまり、【ファントム・グルゼオン】には未だどこの国も開発に成功していない『ビーム兵器』も搭載されていたのだ

 尤も同じビーム兵器ならセシリアの【ハルファス・ベーゼ】にもあるので造った束やクロエからすればさほど珍しい物でも無かったりする

 それはさておき…

 

ラウラ

「そろそろ終わらせるぞ!!」

 

黒兎隊

「!?」

 

 ラウラはこの模擬戦を終わらせる事にした

 ラウラがそう言った瞬間…

 

 ブゥン…

 

黒兎隊

「消えた!?」

 

 目の前にいた筈の【ファントム・グルゼオン】が忽然と姿を消した

 しかも…

 

クラリッサ

「ど、何処だ!?隊長は何処に消えた!?」

 

隊員

「だ、駄目です!?レーダーにもセンサーにも何の反応もありません!?」

 

クラリッサ

「何だと!?まさか『ステルス機能』まであるのか!?」

 

 肉眼で見つける事はおろかISのあらゆるセンサー類でも感知する事が出来なかった

 これこそが【ファントム(幻影)】の名を持つ由来…超高性能のステルス機能であった…

 そして、ラウラが姿を消すと…

 

 ズシャッ!!

 

隊員

「ガハッ!?」

 

クラリッサ

「!?」

 

 自分達の後ろから聞こえた声に全員が振り返った

 するとそこには一番後ろにいた隊員を【ヘルサイス】で斬り裂いたラウラがいた

 当然の事だが斬られた隊員はSEが0になってリタイアとなった

 

 ………

 

 ……

 

 …

 

 その後…

 

アナウンス

『し、試合終了…勝者…ラウラ・ボーデヴィッヒ…』

 

 クラリッサ達はラウラを捉える事が出来ずあっと言う間に全滅させられてしまった

 この日からラウラは与えられた【ファントム・グルゼオン】を使いこなす為の訓練を始めるのだった

 一方でドイツ上層部は第5世代の【ファントム・グルゼオン】の性能に歓喜するがラウラに言われた事を思い出すと仕方なく自重する事にしたのだった

 尚、ラウラが以前使っていた【シュヴァルツェア・レーゲン】はそのままにするのももったいないので新しいコアを搭載し、副隊長のクラリッサの乗機となったのだった

 

 ~三人称 Side out~

 


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