~シャルロット Side~
シャルロット
「会社を辞めるって…もしかして僕のせいですか!?」
僕の亡命と同時に会社を辞めるというイリスさんに原因は僕自身にあると思った
けど…
イリス
「それは違います。」
シャルロット
「え?」
イリス
「元々私を含めたこの支部の社員は今の会社に不満を持っているんです。」
シャルロット
「不満?」
イリスさんはハッキリと否定すると理由を話し始めた
イリス
「社長が会社を率いていた頃は不満も無くとてもやりがいがあったんです…ですが…」
そこまで言えば次に何を言おうとしているのか想像出来てしまった
イリス
「あの女が現れたせいでデュノア社は変わってしまいました…奴に反抗した者は全員クビにされ、真面な職に就く事すら出来なくされてしまいました…」
シャルロット
「………」
イリス
「そんな社員を1人でも救おうと社長は不満を持つ者を『左遷』と言う形で逃がしてくれていたんです。クビにされて路頭に迷うよりは最低限の収入が得られる分マシだと言って…確かにその通りでした…」
シャルロット
「お父さん…」
そんな事までしてたんだ…
子供の僕だけでなく…社員の皆も…守って来たんだ…
イリス
「その左遷先の1つがこの支部です。ココに集まった我々は社長に多大な恩義を感じています。そんな社長から秘密裏に連絡を受けた私達はお嬢様を逃がす為の準備を進めていました。」
シャルロット
「………」
イリス
「それが終わると同時に私達は証拠隠滅も兼ねて退社する事になっています。退社後の再就職先は既に社長が手配してくれているので何も問題はありません。」
シャルロット
「…イリスさん…」
イリス
「社長の下で働けなくなるのは残念ですが私達が恩を感じているのは社長個人であって会社ではありません。ですから今の会社を辞められて清々しています。ですからお嬢様が気に病む必要は無いのです。私達は自分の意思で辞めるんです。」
シャルロット
「そう…ですか…」
イリスさん達が今日までデュノア社に残っていてくれたのは全部お父さんのお陰だったんだ
でも、それも限界が来てしまったのか…
シャルロット
「イリスさん…今までお父さんの為…会社の為に頑張ってくれて…本当に…ありがとうございます!!!」
僕にはこんな事しか出来ない…
お礼を言うしか出来なかった…
イリス
「…そのお言葉だけでこれまでの苦労が報われます…」
シャルロット
「………」
イリス
「お嬢様…これから一人で生きて行くのは大変でしょうが負けないで下さい。社長は…お父上は何時でも貴方の事を想っている事を忘れないで下さい。」
シャルロット
「ハイ!!!」
イリスさんからの激励に僕はいつの間にか涙を流していた…
………
……
…
シャルロット
「それじゃあイリスさん…」
イリス
「ハイ…お元気で…」
シャルロット
「お世話になりました。」
僕達はイリスさんに見送られて事務所を後にした…
その途中で…
鈴
「それでどうするの?」
シャルロット
「え?」
鈴が話しかけて来た
鈴
「今からアンタの新しい家に行くのかって事。」
シャルロット
「あ…」
そうだった…そこが僕の新しい家になるんだよね…
まだ実感が沸いてないから思い付かなかった…
シャルロット
「うん…このまま行くよ…」
一夏
「じゃあ俺も一緒に行くぜ。師匠の所に戻るから目的地は一緒だからな。」
鈴
「私も永遠に挨拶するつもりだから一緒に行くわ。」
シャルロット
「うん、ありがとう。」
こうして僕の第2の人生が始まった…
お父さん…僕は頑張ります!!!
~シャルロット Side out~