~千冬 Side~
私の名前は織斑千冬、IS学園で教師をしている
私は今、弟の一夏がISを動かしたため学園の他の教師たちと一緒に対応に追われている
全く、あいつは何をやっとるんだ!受験会場を間違えるとは後で思いっきり説教してやる!
そんな忙しい中、私に電話がかかってきた
千冬
「もしもし。」
束
『ちーちゃん!さっきのニュース何なの!』
幼馴染の篠ノ之束だ
だがこちらも聞きたい事があったから丁度良い
千冬
「束か!丁度良かった私もお前に聞きたい事があった!」
束
『聞きたい事って?』
千冬
「この件はお前が関係しているのか?」
束
『そんな事してないよ!してたら慌てて電話なんかしないよ!』
千冬
「そう言われてみるとそうだな。」
束は関わっていないと言った、確かにアイツの言う通り関わっているなら電話なんかかけてこないな
私は束に事情を話しながらある事に気づいた
電話の向こうから束以外の男女の声が聞こえる
永遠
『しかしその織斑という奴は大丈夫かのぉ?その学校は女しかおらんのじゃろ?ストレス溜まって死なんといいがな~。』
クロエ
『ありえそうで怖いですね~。』
聞こえてきた会話を聞いて私はその通りになりそうだと思った
一夏の奴、本当に死ななければいいが
それにしても、あの束が妹と私、一夏以外の人間に興味を持つようになるとはな
そのまま束と話しているとアイツは気になる事を口にした
束
『まさかいっくんもISを動かすなんてね~。』
千冬
「まったくだ。」
ん?いっくんも?も、とはどういう意味だ
千冬
「束…今何て言った?」
束
『へ?』
千冬
「今、一夏『も』と言ったな?」
束
『あ!?』
まさか!他にもいるのか!?
~千冬 Side out~
~束 Side~
やばい!何とか誤魔化さないと!
千冬
『答えろ束!今の言葉はどういうことだ!?』
束
「ナ、何ノ事カナ~…」
千冬
『誤魔化すな!お前まさか一夏以外の男の操縦者を見つけていたのか!?』
束
「ギクッ!?」
千冬
『やはりそうなんだな!』
束
「ア、アハハハ…何ヲ言ッテルノカナチーチャン…イックン以外ニISヲ動カセル男ガイル訳無イジャン…」
千冬
『なるほど、今お前と一緒にいる奴がそうなんだな?』
束
「ソ、ソレハ~…」
どうしよ~!もう誤魔化しきれないよ~!
千冬
『後でそいつの詳しい情報を送れ!分かったな!』
束
「………」
千冬
『分かったな!?』
束
「…ハイ…」ガチャ
電話を切った私は恐る恐る後ろを振り向いた
永遠&クロエ
「………」
二人は冷めた目でこっちを見ていた
今の私にできる事はただ一つ!それは
束
「ごめんなさ~~~い!」
DO☆GE☆ZAをする事だよ
~束 Side out~
~千冬 Side~
束からの電話を切った私は今日一番の深い溜め息をついた
千冬
「は~~~~~…」
?
「あ、あの…織斑先生…」
私を呼んだのは同僚の女性教師、山田真耶だった
真耶
「さっきの電話の内容って…」
よく見るとさっきまで対応に追われていた他の教師達も全員が手を止めて私の方を見ていた
千冬
「はい…二人目が見つかったみたいです…」
教師達
「そんな~~~~~~~!?」
この日一番の絶叫が響き渡った
ああ、これで仕事がまた増えるな~…
千冬
「…すみませんがそういう事です。…私は理事長にこの事を報告してきます…」
教師達
「悪夢だ~~~~~~~!?」
本当にその通りだ!今日は確実に徹夜の残業決定だな…
こんな事になるなら束に余計なことを聞かなければよかった…
ハァ~…
~千冬 Side out~
次回『第016話:入学前のお願い』