~セシリア Side~
わたくしは数年ぶりに声を上げて沢山泣きました…
ヒノエさんはわたくしの父が家族を思いやる優しい人だと言ってくださった…
母と一緒にわたくしをずっと守ってくれていたのだとおっしゃって下さいました…
真実は分かりません…それでも、嬉しかった!父と母の二人の娘としての誇りをわたくしに与えてくださいました
セシリア
「…ヒック…グスッ……ハァ…ありがとう…ございます…」
永遠
「…礼を言われることはしとらんよ。…むしろ、ワシの勝手な解釈でお主を泣かせるような事を言ってしまいすまなかった。」
セシリア
「…いいえ!…ヒノエさんのお陰でわたくしは父と母に誇りを持てるようになりました。」
永遠
「…じゃが…真実は分かっとらんのだぞ?違っとったらお主の心は深く傷ついてしまうじゃろう。…そうなった場合はワシはどう償えば…」
セシリア
「…ですから国に戻り次第、父と母の事を調べてみようと思います。…例え、ヒノエさんの予想と違っても今日のこの時、この想いは絶対に忘れません。そして、ヒノエさんの事をわたくしは絶対に恨みません。」
永遠
「…強いのぉ、お主は…」
セシリア
「そんなこと…あ、あの、ヒノエさん!…わたくしの事はセシリアとお呼びください。さんもいりません。…後、ヒノエさんの事を…と、永遠さんと、呼んでもいいですか?」
永遠
「ん?…ああ、構わんよ。セシリア…」
セシリア
「…ありがとうございます、永遠さん♪」///
よかったですわ~…
~セシリア Side out~
~永遠 Side~
セシリアを元気づけたのはいいんじゃが真実はどうなっとるんじゃろうかのぉ…
ワシを恨まんと言うとるが…違った場合、心が傷ついてしまうのは確実じゃしな…
どうするかのぉ…
Prrrrrr
永遠
「ん?すまんセシリアちょっと待ってくれ。…はい、もしもし。」
一体誰が…って、この携帯をくれたのは束さんじゃし、番号を知っとるのも束さんとクロエだけじゃったな
束
『ハロハロ~、とーくん?束さんだよ~♪』
永遠
「ああ、束さん、丁度良い時に、すみませんがちと調べて欲しい事が…」
セシリア
「え!?…束?」
束
『フフン♪分かってるよ。オルコット夫妻の事だね?』
永遠
「何故そのことを?…まさか、この携帯…」
束
『そういうこと~♪ま、その話は後でするとして、とーくん、携帯をスピーカーに切り替えて。』
永遠
「分かった…」
ワシは携帯をスピーカーに切り替えてセシリアにも聞こえるようにした
束
『さて、話は聞いていたよ。セシリア・オルコットちゃん。私は篠ノ之束だよ♪』
セシリア
「し、篠ノ之博士!は、初めまして、イギリスの代表候補生をしております、セシリア・オルコットと申します!」
束
『うん!よろしくね~♪早速だけどね、君の両親の事、束さんがもう調べちゃったよ。』
セシリア
「ええぇっ!?」
束
『もし君が聞きたいならこの場で教えてあげるよ。どうする?』
セシリア
「………お願いします!わたくしは1秒でも早く両親の事を知りたいんです!」
束
『分かったよ。…というか、とーくんってさ…探偵になれるんじゃない?』
ん?それはどういう…そうか!
セシリア
「そ、それは…つまり…」
セシリアも気づいたか!
束
『とーくんの推理は殆んど正解だよ♪君の両親は君を守る為に周りの馬鹿共を騙して排除してきたんだよ。』
セシリア
「ほ、本当ですか?」
束
『フフッ嘘じゃないよ。何なら後で自分でも調べるといいよ。セシリアちゃんは両親に愛されていたんだよ♪』
セシリア
「あ、ああ…ああ、あり…が…とう…ござい…ます!…ありがとうございます!」
永遠
「良かったのぉセシリア。」
セシリア
「うえええぇぇぇーーーーんっ!!…ヒック…ありがとう…グスッ…ございます…うえええぇぇぇぇーーーんっ!!」
また泣いてしまったか…じゃが今度は嬉し涙じゃ…また好きなだけ泣かせとくかの
?
「………ゴホンッ!」
永遠
「誰じゃ?」
咳払いが聞こえた方を見ると複雑な表情をしとる織斑さんと山田さんが立っとった
千冬
「あ~~~お前達…模擬戦の時間だ…すまんがこれ以上は待ってやれん…」
永遠
「なぬっ?…ゲ!開始時間を過ぎとる!?」
セシリア
「グスッ…あぁ!わたくしもですわ!?」
いつの間にかこんなに時間がたっとったのか!
セシリア
「ど、どうしましょう!このままでは試合放棄で不合格ですわ!」
永遠
「落ち着かんか、セシリア!恐らく大丈夫じゃ!」
セシリア
「え?何故ですの?」
永遠
「織斑さんが今頃呼びに来たからじゃ。」
千冬
「まあ、そういう事だ。お前たち二人の試合は今日の最後に変えておいた。」
真耶
「さすがにこれ以上は待てないので急いで準備をお願いします。オルコットさんはこれからすぐですから早くして下さいね。その次が火ノ兄君です。」
セシリア
「はい、すぐに!」
永遠
「頑張るんじゃぞ!セシリア。」
セシリア
「任せて下さい!今のわたくしに不可能はありませんわ!」
そう言うとセシリアは山田さんと試合の準備に向かって行った
千冬
「…あの様子なら試合の方は大丈夫だな。…さて火ノ兄、お前はその間に試合のルールを説明しておくぞ。」
永遠
「はいよ。っとその前に…束さん、セシリアの両親の件、ありがとうございます。」
千冬
「何!?」
束
『いいよ気にしなくて♪束さんとしてもあの子の両親は久しぶりに好感が持てる人達だったからね♪』
千冬
「…束…お前ホントに変わったな。」
束
『おや、ちーちゃん、久しぶり~♪まあ、それはとーくんにお世話になったからだね~♪』
千冬
「聞きたかったんだがお前と火ノ兄はどういう関係なんだ?」
束
『ん~、束さんの乗ったロケットがとーくんの島に墜落してそのまま居ついたんだよ。』
千冬
「…それだけか?…それだけでお前がここまで変わるとは思えんのだが?」
束
『まあその時に色々あったんだよ。とーくんに思いっきり説教されたからね~。』
千冬
「説教って!…内容は分からんがお前がその説教を真面目に聞いたのか?」
束
『失礼だな~…そりゃそうだよ…とーくんの説教は10年前の事なんだから…』
千冬
「な!?…火ノ兄!お前知ってるのか!?」
永遠
「束さんを問い詰めたんじゃよ。ここではあまり言えんがお主にも少し言っとくぞ。」
千冬
「な、何だと!」
永遠
「あの事件が引き金になってこの世界は狂っていったんじゃ!そして、その元凶は束さんとお主じゃ!例え束さんに誘われたからと言ってもお主も同罪じゃ!束さんにはその罪を認識させる為に説教をした!織斑千冬!お前はこの世界を壊した責任をどう取るつもりじゃ!」
千冬
「………それは…」
永遠
「束さんはその答えを今も探しておる。お主はどうじゃ?束さんに全ての責任を押し付けるか?無関係と言って好き放題に生きるか?束さんと同じように償う方法を探すか?」
千冬
「………」
永遠
「まあどうしようとお主の勝手じゃ。じゃが、償うというなら、その時はワシはお主らを手伝うつもりじゃよ。」
千冬
「…わ、私は…」
永遠
「一つ言っとくがワシはお主の正体を誰にも言わん!ワシが言っても意味が無いからのぉ。…さて、説教はこの位にしとくかの。束さん、ワシも試合があるんでもう切るぞ。」
束
『うん、終わったら連絡してね♪迎えのロケットを送るから。』
永遠
「あいよ!それじゃ、また後で。」
携帯の事は帰ってからでいいか
永遠
「さて織斑さん模擬戦のルールを教えてくれんかのぉ。」
千冬
「あ、ああ…」
永遠
「はあ…今はワシの言った事を覚えておればいい。すぐに答えろなどとは言わんよ。…ほれ、いい加減頭を切り替えんか!」
千冬
「…分かった…まずは………」
さて、この人は答えを出せるかのぉ?
~永遠 Side out~
次回『第020話:模擬戦【ドットブラスライザーVS霧纏の淑女】』