~千冬 Side~
私達は火ノ兄が【戦国龍】の
既に観客席は殆どの生徒が帰っていた
永遠
「ではやるかの。」
火ノ兄はそう言って刀を抜き【戦国龍】を展開した
僅かに残っていた生徒達は現れた【戦国龍】に驚いているようで、全員の視線が集まっていた
千冬
「火ノ兄、頼む。」
永遠
「おうよ!
火ノ兄がそう言うと、【戦国龍】の周りに6つの色の異なる光の柱が現れた
それぞれ、赤・白・緑・黄・青・紫の色だった
永遠
「来たれ!【
光が弱まると光の柱の中にそれぞれ光の色と同じ色の鎖で縛られた剣が現れた
千冬
「何だあれは!?6つの剣?」
ザワザワ…
他の生徒達も騒ぎ出したな、早めに片付けた方がいいかもしれん
永遠
「ここはお前の出番じゃな!」
火ノ兄はそう言って、6本の柱の一つ、白い柱を見つめると…
永遠
「大地を揺るがす凍える剣!【地神刀オオテンタ】!!」
火ノ兄が剣の名前らしきものを呼ぶと、白い柱の中にあった剣を縛る鎖が砕け、それと同時に柱も消え去り中にあった剣が地面に突き刺さった
ズズーーーンッ
残りの5つの柱は白い柱が消えると同時に中の剣ごと消えていた
それにしても地面に刺さっただけでこの揺れとは、どれだけ重いんだ?
セシリア
「【地神刀オオテンタ】…」
真耶
「この剣で穴を塞ぐんですか?」
永遠
「そうじゃ。」
千冬
「一体どうやるんだ?」
永遠
「まあ見とれ。」
火ノ兄はそう言って【オオテンタ】という巨大剣を掴んだ
すると【戦国龍】の装甲、赤い部分が白く変色していった
セシリア
「!?…な、何ですの!?」
千冬
「白くなった!」
真耶
「でも、白い龍もカッコいいですよ!」
千冬
「そういう事では無い!?」
真耶
「すみません…」
ザワザワ…
さらに喧しくなってきたな…
千冬
「火ノ兄!早く終わらせろ!周りが騒ぎ出した!」
永遠
「あいよ!………ほい!」
返事をすると刀を振り上げ気の無い掛け声とともに振り下ろし地面に突き刺した
千冬
(やる気あるのか?)
そう思った瞬間…
ズズズズズズズッ…
千冬
「な、何だ!?………こ、これは!?」
私達の目の前で凹んでいた地面が盛り上がって来た
ズーーーーーンッ!!
次の瞬間にはあれほどの大きな穴が無くなりアリーナの地面はまっ平らになっていた!
永遠
「終わったぞい。」
千冬
「これは…」
セシリア&真耶
「………」
山田先生もオルコットも呆然としてるな…
ザワザワザワザワ…
千冬
「火ノ兄!何をしたんだ!」
永遠
「これが【戦国龍】の
火ノ兄はそう言って持っている大剣を見せた
千冬
「…その刀の能力!…いや、一つだと!?その刀にはまだ何かあるのか!?」
永遠
「さよう、【地神刀オオテンタ】は大地と氷を操る刀!この刀を使えば軽い地震を起こす事もこの学園程度なら氷漬けにする事も出来るんじゃよ!」
千冬
「何だと!?」
真耶
「じ、地震に…氷漬け…」
永遠
「さらにこの刀を使用している間は【戦国龍】の防御力も上昇しての【地神刀オオテンタ】は【
生徒達
「………」
生徒も今の説明を聞いていたのか、さっきまでの騒がしさが鳴りを潜めているな…まあ、分からなくはないな…
…しかし、何か忘れているような…
セシリア
「…あの、永遠さん…確かその刀を出す時…6つの光の柱が出てきましたけど…もしかして、その刀の様な物が…後、5本あるという事ですか…」
そ、それだ!?
千冬
「ひ、火ノ兄!どうなんだ!オルコットの言う通りなのか!?あんな天変地異を起こすような刀が後5本あるのか!?」
永遠
「そうじゃ。」
千冬
「な!」
全員
「何だってえええぇぇぇぇぇーーーーーっ!!!!」
永遠
「うるさいのぉ…」
1本の刀でこれだけの力だぞ!…それが全部で6本だと!?
…確かにこんなものを6本も持っていれば束も化け物を超えていると言いたくもなる…
真耶
「ここここんなのが後5本!…ぜぜぜ全部出したらどうなるんですか…」
そうだ!こんな物を同時に使用されたら下手をしたら学園どころか島そのものが沈むぞ!
永遠
「安心せい!」
真耶
「え?」
セシリア
「永遠さん?」
いつの間にかISを解除していた火ノ兄が笑いながら言った
永遠
「この
千冬
「そ、そうなのか…」
永遠
「そうじゃよ。」
真耶
「よ、よかったです~…」
千冬
「だが、例え1本でも強力なのは確かだ。使用する時はくれぐれも注意しろ。」
永遠
「分かっとるぞい!」
千冬
「よし、穴も塞がったから、今日はもういいぞ!」
永遠
「ん!じゃあ帰るかの。」
セシリア
「そうですわね。わたくしも部屋に戻りますわ。…それから織斑先生。」
千冬
「ん?」
セシリア
「代表の件ですが、わたくしは辞退いたします。」
千冬
「ああ、分かってる。お前の場合は織斑と試合をする為だからな。」
セシリア
「結局出来ませんでしたけど。」
千冬
「今回は仕方ない。…代表の件は分かった。後はゆっくり休め。」
永遠
「なら今日はこれで。」
セシリア
「また明日ですわ。」
千冬
「ああ、またな。」
さて、二人は帰したし残りの仕事をサッサと終わらせるか
後で一夏の見舞いにも行かないとな
~千冬 Side out~
~楯無 Side~
私は今、驚きを通り越して驚愕していた!
管制室からアリーナに戻る彼らを見かけたから気になって後をつけて来たけど、まさかこんな物を見る事になるなんて!
火ノ兄君が試合で開けた穴を自分で塞ぐのは分かるけど、問題はその方法よ!
【戦国龍】の
楯無
「…【
あれ1本でこの力…しかも、あれで能力の全てじゃない…
そして、同じ物が後5本もある…
楯無
「…もし、あの模擬戦の時に【戦国龍】を使ってきていたら…」
考えただけで震えが来るわ…
楯無
「…織斑一夏より彼の方が要注意人物ね!…彼に後ろ盾が無いのは不味いわね…どっかの馬鹿が手を出して彼が【戦国龍】を使ったら周囲が廃墟になりかねないわ。」
愛用の扇子にいつの間にか『危険人物』と出ていた…
何とかしないと…下手をすると日本が壊滅するかもしれないわね…
楯無
「…今度、織斑先生に相談しておこう…」
簪ちゃんを守る為にも!
でもまさか、その簪ちゃんがあんな行動を取るなんて、この時の私は思っても見なかったのよ!
~楯無 Side out~
次回『第042話:一夏の反省会(+モッピーの野望)』