IS世界を舞う剣刃   作:イナビカリ

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これからも頑張ります!!


第042話:一夏の反省会(+モッピーの野望)

 ~一夏 Side~

 

一夏

「…うっ…うぅぅ…」

 

 目を覚ました俺の目の前には白い天井が広がっていた

 

保険医

「あら、気づいたのね?」

 

一夏

「ここは…」

 

保険医

「保健室よ。貴方は試合の後ここに運ばれたのよ。」

 

一夏

「…試合…そうか…俺…負けたんだ…」

 

保険医

「織斑先生に連絡しておくから、今はゆっくりしておきなさい。」

 

一夏

「千冬姉に…分かりました…」

 

 俺が返事をすると保険医の先生は出て行った…多分、千冬姉を呼びに行ったんだと思う

 

一夏

「…負けたか…当然だよな…」

 

 俺は試合前に千冬姉に言われた事、試合中に火ノ兄に言われた事、そして今までの俺がしていた事を思い返していた

 

一夏

「…俺は今まで何していたんだろうな…火ノ兄の言う通りじゃねえか…」

 

 自分がどれだけいい加減な事ばかりしていたのか

 

一夏

「…今の俺に誰かを守るなんて…出来る訳無いじゃねえか…」

 

千冬

「…ようやく気付いたか…」

 

一夏

「千冬姉!?」

 

 いつの間にか千冬姉がやって来ていた

 

千冬

「どうだ…今の気分は?」

 

一夏

「…最悪だよ…」

 

千冬

「…ほぉ…」

 

一夏

「…さっきまで…千冬姉と火ノ兄に言われた事を思い出していた…この一週間と入学前の自分を思い出していた…」

 

千冬

「………」

 

一夏

「…そしたらさ…俺がどれだけ口先だけの人間なのかって分かったんだ…自分自身に嫌気が差したよ…これじゃあ、火ノ兄にボコられても仕方ねえよ…」

 

千冬

「なら…試合の時、火ノ兄に言われた事をお前はどう思う…否定するのか?…しないのか?」

 

一夏

「否定したいよ…でも…出来ない…全部本当の事だよ…俺は火ノ兄の言う通りの馬鹿で情けない腰抜けだよ…」

 

千冬

「そうだ!」

 

一夏

「千冬姉…」

 

千冬

「今のお前は、馬鹿で、情けなくて、腰抜けで、いい加減で、口先だけのただの甘ったれた人間だ!」

 

一夏

「グッ!…そこまで言わなくても…」

 

千冬

「全て本当の事だ!」

 

一夏

「…はい…その通りです…」

 

千冬

「もう分かっているようだな。お前が勝てなかった訳が…」

 

一夏

「ああ…勝てる訳ねえよ………千冬姉と同じ武器を持ってるからって同じ事が出来る訳無いのになぁ…ずっと努力していた奴に…勉強も訓練も何一つしなかった俺が勝てる筈ねえよ…思い上がってたんだなぁ俺…」

 

千冬

「その通りだ。」

 

一夏

「…そんな奴が誰かを守るなんて言えば、そりゃ怒るよな…なあ千冬姉…」

 

千冬

「なんだ?」

 

一夏

「…どうすればさ…大切な人を守れる男になれるのかな…」

 

千冬

「…お前は自分で考える事を知らんのか!」

 

一夏

「うぐっ!…すみません…」

 

千冬

「ハァ…全く………まずは強くなれ!」

 

一夏

「え?」

 

千冬

「自分で自分を守れるくらいに強くなれ!」

 

一夏

「自分で…自分を…」

 

千冬

「そうだ!自分も守れない奴が他の誰かを守ることなど出来ん!まず自分を守る!それが出来るようになって初めて誰かを守る事が出来るんだ!」

 

一夏

「………」

 

 まずは自分を守れるようになる、か…難しいな…

 

千冬

「それが出来ない奴が誰かを守るとしたら、それは自分の命を捨てる覚悟のある奴だけだ!お前にその覚悟があるか!」

 

一夏

「…無い…」

 

千冬

「ならば強くなれ!体を鍛えろ!知識を蓄えろ!経験を詰め!」

 

一夏

「………」

 

千冬

「私が言えるのはここまでだ!どうするかはお前が決めろ!それから方法は自分で考えろ!私もそこまで面倒は見んぞ!」

 

一夏

「…分かった…」

 

千冬

「…なら私はもう行く。まだ仕事が残っているからな。」

 

一夏

「あ!千冬姉…もう一つ聞きたい事が…」

 

千冬

「ん?」

 

一夏

「火ノ兄の使っていた剣術って知ってるか?」

 

 【飛天御剣流】…あんな剣術、俺は聞いた事無いんだよな

 

千冬

「ああ、アレか…アレは私も初めて聞いた流派だ。火ノ兄に聞いたらアイツの家にあった秘伝書の様な物に記されていた流派だそうだ。だから、誰が編み出したのかは火ノ兄も知らないらしい。だが、かなり古い流派の様だと言っていたな。」

 

一夏

「そっか…【飛天御剣流】か…」

 

 火ノ兄も詳しくは知らないのか…

 

千冬

「じゃあな、今日はココでゆっくり休め。…ちゃんと反省しろよ。」

 

一夏

「うっ!…はい…」

 

 最後に余計な事言わないでくれよ…

 

 ~一夏 Side out~

 

 

 

 ~箒 Side~

 

「………」

 

 私は今、千冬さんから管制室に勝手に入った事に対するペナルティとして反省文20枚を書くよう言われ、それを書いている

 

「………【戦国龍】…」

 

 だが、私は今日の一夏の試合の時、対戦相手が使ったIS【戦国龍】の事しか頭に無かった

 

「フ…フフフ…【戦国龍】…アレは私にこそ相応しい………必ず手に入れる…フフフフッ…ハハハハハハハハハハハハハハッ………」

 

 私は【戦国龍】を自分が纏う姿を想像していると笑いが込み上げて来た

 

千冬

「五月蠅いぞ篠ノ之!!笑ってないでさっさと書け!!明日の朝までに提出しなければ10枚追加するからな!!」

 

「は、はい!?」

 

 千冬さんが部屋の外にいたのか…気を付けなければ…

 

千冬

「………(分かり易い奴だ…やはり狙っていたか…)」

 

 ~箒 Side out~

 

 




 次回『第043話:クラス代表、織斑一夏』


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