~一夏 Side~
俺は今、自分の耳が信じられなかった!
真耶
「それでは、1年1組のクラス代表は織斑一夏君に決定しました!あ、1繋がりでゴロもいいですね!それでは皆さん拍手!」
パチパチパチパチ…
火ノ兄にボコボコにされた試合から、一晩明けた朝のHRで俺がクラスの代表に決定した
一夏
「ちょ、ちょっと待ってください!なんで俺なんですか!俺は火ノ兄にズタボロに負けたんですよ!オルコットにも勝った火ノ兄がなるんじゃないんですか!」
千冬
「お前は一週間前の事も覚えとらんのか…」
一夏
「え?」
一週間前?…何かあったっけ?
千冬
「私は言った筈だぞ。火ノ兄はクラス代表に出来ないと!お前が真っ先に突っかかってきた筈だが?」
一夏
「あぁっ!?」
そうだ!思い出した!千冬姉の言う通りだ!
千冬
「火ノ兄の力は昨日の試合で全員分かった筈だ!まだ何か異議のある奴はいるか?」
生徒達
「………」
誰も何も言わない…そうだよな…あれだけの強さを見せられたらな…でも、それなら…
一夏
「な、なら、オルコットは!」
セシリア
「わたくしは辞退しました。昨日の試合が終わった後に織斑先生に伝えてあります。」
一夏
「な、何で…」
千冬
「お前には記憶力が無いのか?オルコットが立候補したのはお前の言動にキレて叩きのめす為だぞ。」
一夏
「あ…」
そう言えばそうだ…俺、あの時、火ノ兄やオルコットにキレられても仕方のない事を言ったんだ…
千冬
「まあ結局出来なかったが、あの場合は仕方がないからな…そういう訳でオルコットも除外される。残ったのは推薦されていたお前だけだ。いい加減諦めて現実を受け入れろ!」
一夏
「…はい…」
真耶
「それでは織斑君。無事に代表に就任したのでクラスの皆に一言お願いします。」
一夏
「ええぇっ!」
何て言えばいいんだ…
一夏
「え、ええっと…が、頑張ります………」
ズコッ!
また皆コケた…
ガンッ!
千冬
「お前はもう少し気の利いた事が言えんのか!」
一夏
「…す、すみません…」
千冬
「それからお前、火ノ兄とオルコットに言う事があるだろ。」
一夏
「え?………あ!」
…そうだ、一週間前、俺は火ノ兄を馬鹿にしてオルコットを侮辱したんだ…
…その後、火ノ兄に滅茶苦茶に言われて、オルコットと一緒に無視されたけど
…それも元は俺の言った事が原因だ
…俺があんなこと言わなかったら二人とも何も言わなかったんだ
一夏
「…火ノ兄…オルコット…その…すまなかった!!」
永遠
「ワシは別に気にしとらん。ワシよりもセシリアに謝れ!それと、これからは考えて物を言え!お主、このままじゃと無自覚に周りを傷付けて終いには後ろから刺されるぞ!」
一夏
「…ああ…気を付ける…」
永遠
「(…もう手遅れかもしれんが…)」
ん?最後の方は声が小さくて聞こえなかったな…何て言ったんだ?
永遠
「後、お主を腰抜けと言った言葉は取り消さんし謝らんぞ。取り消して欲しいんじゃったら違うと証明するんじゃな。」
一夏
「…分かってる…ちふ、織斑先生にも昨日言われた…」
永遠
「さよか、まあ頑張るんじゃな。」
一夏
「…ああ…」
後は、オルコットにも謝らないと…
一夏
「オルコット…本当にすまなかった!」
セシリア
「もういいですわ。それから、わたくしも永遠さんと言いたい事は同じです。後ろから刺されて死ぬなんて惨めな死に方ですわよ。」
一夏
「…はい…」
…本当にそうなりそうで怖い…
セシリア
「それから織斑さん。クラス代表は他の生徒よりもISの戦いを多く経験できます。知識も経験も実力も何もかも不足している貴方には丁度いい機会ですわよ。」
一夏
「え!そうなのか?」
セシリア
「ええ、あなたは嫌がってますけど、代表にはこういうメリットもあります。」
千冬
「オルコットの言う通りだ。織斑、お前はただでさえ他の奴らより遥かに遅れてるんだ。その位しないと追いつけんぞ。」
一夏
「…分かった!…やってやるよ!いつか火ノ兄やオルコットを越えてやる!!」
パチパチパチパチ…
皆が応援してくれてる!…俺、頑張るぞ!!
永遠
「そう言う事はワシに一太刀入れてから言うんじゃな。ま、頑張れ。」
セシリア
「そうですわね。いつになるか分かりませんけど♪」
う!…いきなり心が折れそう…でも、頑張る!!
~一夏 Side out~
~箒 Side~
クラス代表が決定しHRが終わると一夏は、何故かあの火ノ兄の所に向かった
一夏
「頼む火ノ兄!俺を鍛えてくれ!!」
何だと!一夏、お前には私が教えているじゃないか!
永遠
「断る!」
一夏
「何で!?」
永遠
「…初日に織斑先生が言ったじゃろ。ワシは放課後になったら家に帰って畑仕事をするんじゃ。お主を鍛える時間なんぞありゃせん。」
一夏
「で、でも、お前、時々オルコットと放課後に話してるだろ!だったら俺にも…」
永遠
「阿呆!セシリアとは一時間程度しか話しとらんわ!その程度の時間で鍛えるのはそもそも無理じゃ!」
一夏
「そ、そんなぁぁ~~…だったら、オルコット!」
貴様は私と言うものがありながら…
セシリア
「別に教えて差し上げても良いのですが…」
一夏
「だったら頼むよ!」
セシリア
「…わたくしもお断りしますわ。」
一夏
「どうして断るんだよ!」
セシリア
「でしたら、まずは後ろの方を説得して下さい。」
一夏
「え?」
一夏が後ろを振り向いてこっちを見た
一夏
「…箒?」
箒
「一夏!お前には私が教えているだろ!他の奴の手を借りるとはどういうことだ!」
一夏
「そ、それは…」
セシリア
「説得出来たらまた来て下さい。その時は教えてあげますわ。」
一夏
「…はい…」
説得だと!フン!私がそんな事を許すわけないだろ!
千冬
「………」
この後、この時の会話を聞いていた千冬さんが一夏にオルコットから教わるように言って来た
私は反論したが一週間ISの事を何も教えていなかった奴は黙っていろと言われ、何も言い返せなかった
ただ、オルコットも忙しいらしく週に2,3日しか教えられないと言っていた…その時は邪魔してやろうと思ったが…千冬さんから邪魔すれば補習を増やすと脅された
~箒 Side out~
次回『第044話:実習授業』