IS世界を舞う剣刃   作:イナビカリ

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第044話:実習授業

 ~永遠 Side~

 

 クラス代表も決まり今は午前中最後の授業じゃ

 今日からISの実技に入るらしくての、全員今はISスーツに着替えてアリーナに集まっとる

 もっとも、ワシはスーツが要らんからいつもの制服じゃが

 しかし、うら若い娘子達がこげな格好しとると目のやり場に困るのぉ…はよ慣れんと…

 

本音

「ね~ね~ひののん♪」

 

永遠

「本音か、何かの?」

 

本音

「何でひののんは制服なの~?」

 

永遠

「ワシのISはスーツがいらんからな。いつもの格好で十分なんじゃよ。」

 

本音

「へ~いいな~♪」

 

永遠

「そうかの?」

 

本音

「うん♪だってこれ着替えるの面倒だもん♪」

 

永遠

「さようか。」

 

千冬

「お前達、お喋りはそこまでだ!授業を始めるぞ!」

 

 織斑先生が来たんでワシ等はクラスの列に並んだんじゃ

 

千冬

「それではこれよりISの基本的な飛行操縦をしてもらう。火ノ兄、織斑、オルコット。試しに飛んで見せろ。」

 

 織斑先生に呼ばれたワシ等はクラスの者達の前に移動したんじゃが…

 

永遠

「織斑先生…ワシはどっちの機体を使えばいいんかの?」

 

千冬

「そうだったな…なら、【ドットブラスライザー】を使え。それと、後で【戦国龍】も出してもらう。」

 

「!?」

 

永遠&千冬

「………」

 

 織斑先生の言葉に篠ノ之が反応しおったな…まあ今はほっとくか…

 

永遠

「…あいよ。」

 

 ワシは返事をすると、軍刀を抜き正面に円を描いて【ドットブラスライザー】を展開した

 

千冬

「…火ノ兄…お前のISはそうしないと展開出来ないのか?」

 

永遠

「…どうもそうらしいんじゃよ。」

 

千冬

「それなら仕方ないか…しかし…」

 

 織斑先生がワシの隣を見ると未だに展開できずに苦戦中の織斑がおった…ちなみにセシリアはとっくに展開しとる

 

千冬

「早くしろ!」

 

一夏

「は、はい!」

 

 織斑先生に睨まれた織斑は腕を突きだしガントレットに手を添えて集中してやっと展開しおった

 

千冬

「遅い!熟練したIS操縦者は展開まで1秒とかからないぞ。以後精進しろ!」

 

一夏

「…はい…」

 

 織斑がやっと展開したから織斑先生は授業を進めた

 

千冬

「…よし、飛べ!」

 

 織斑先生の指示と同時にワシとセシリアは急上昇した

 織斑は反応に遅れたんかワシらより下を飛んどる

 

一夏

「お~~~い!待ってくれ~~~!」

 

千冬

『何をやっている!【ドットブラスライザー】はともかく、スペック上の出力は【白式】は【ブルー・ティアーズ】より上の筈だぞ。』

 

 飛んでいきなり説教とはのぉ…

 

一夏

「自分の前方に角錐を展開するイメージって何だよ?感覚が掴めないんだよな。」

 

セシリア

「織斑さん、教科書はあくまでも参考ですわ。自分に合った方法を見つけるのがよろしいですわよ。」

 

一夏

「そう言われても…大体、空を飛ぶ感覚自体あやふやなんだよ。なんで浮いてんだ?これ?」

 

セシリア

「説明しても構いませんが長くなりますわよ?反重力力翼と流動波干渉の話になりますわよ?」

 

一夏

「わかった。説明はしなくていいです。」

 

永遠

「お主じゃ半分も理解出来まい。」

 

セシリア

「そうですわね。」

 

一夏

「ぐっ!本当の事だから言い返せない!」

 

永遠

「ようは慣れじゃよ慣れ。飛ぶのに慣れるしかないんじゃよ。」

 

一夏

「…慣れ…か…」

 

永遠

「そうじゃ。何事も慣れる事から始まるんじゃ。」

 

『一夏っ!いつまでそんな所にいる!早く降りてこい!』

 

永遠

「何じゃ五月蝿いのぉ!今の声は篠ノ之か?」

 

 いきなり怒鳴り声が聞こえおったな

 篠ノ之の奴、山田先生のインカム奪って喋っとるな

 お!織斑先生に殴られて踞っとる

 

一夏

「…ここからでも地上の様子がよく分かるな。全員の顔がしっかりと見分けられる。」

 

セシリア

「これでも機能制限がかかっているんですよ。本当なら広大な宇宙空間での自分の位置を把握する為の物ですから。」

 

永遠

「しかし、何がしたいんじゃあの娘は?あげな事すれば殴られるのは分かりきっておったじゃろうに?」

 

セシリア

「本当ですわ。」

 

一夏

「………その…すみません…」

 

永遠

「別にお主が謝らんでも…」

 

セシリア

「…いいですわよ。」

 

一夏

「…はい…」

 

 こやつも苦労しとるのぉ…

 篠ノ之なら背中から刺しそうじゃしな…

 

千冬

『お前達、急降下と完全停止をやってみろ。目標は地上から10㎝だ。』

 

セシリア

「了解です。では永遠さん、織斑さん、お先に。」

 

 織斑先生の指示が来て最初に動いたのはセシリアじゃった

 さすがは代表候補生じゃ、簡単に合格した様じゃな

 

永遠

「なら、次はワシが行こう。」

 

 そう言って地上に向けて加速していったんじゃ

 地上に近づくと態勢を変えて減速を掛けていくと、何とか地上ギリギリで止まる事が出来たんじゃ

 

千冬

「12㎝か…惜しかったな。次は上手くやるように。」

 

永遠

「…無念。」

 

セシリア

「惜しかったですわね。」

 

永遠

「そうじゃな。まあ、そのうち慣れるじゃろ。」

 

セシリア

「フフッ♪そうですわね♪」

 

 ドガアアアァァァーーーンッ!!

 

永遠

「何事じゃ!?」

 

セシリア

「何がありましたの!?」

 

 突然、アリーナ中に衝撃が走ったんじゃ

 ワシとセシリアは音のした方を見ると、そこには砂埃が舞っておってデカい穴が開いておった!

 

永遠

「…のうセシリア、この穴もしや?」

 

セシリア

「多分そうでしょう…」

 

千冬

「馬鹿者!!誰が地面に大穴開けろと言った!!」

 

 やはりアイツか…

 

永遠

「織斑の奴、地面に突っ込んだようじゃな…」

 

セシリア

「その様ですわね…」

 

千冬

「全く呆れてものも言えん…」

 

永遠

「まあ奴にはいい経験じゃろ。」

 

セシリア

「それもそうですわね。」

 

千冬

「………そうだな。」

 

 織斑先生も交えてそんな話をしとると…

 

「一夏!昨日あれほど私が教えただろうが!」

 

永遠

「…セシリア、ああ言っとるがどうなんじゃ?」

 

セシリア

「アレを教えていると言っていいのか…擬音だらけで何を言ってるのか分かりませんでしたわ。」

 

永遠

「何じゃそれは?そげな教え方あるんか?」

 

セシリア

「本人は教えているつもりなんでしょう…」

 

永遠

「そうか…まあ、篠ノ之に頼んだあやつが悪い。」

 

セシリア

「そうですわね。」

 

千冬

「………」

 

 さて、一応声を掛けとくか…

 

永遠

「織斑~、生きとるか~?」

 

一夏

「あぁ、大丈夫だ。」

 

 やっと這い出て来たか…

 

「ISを付けていて怪我をするわけないだろ。」

 

永遠

「お主は何を言っとるんじゃ?」

 

セシリア

「篠ノ之さん、あくまで殆ど怪我をしないだけですわ。内部に衝撃が入る事で、打撲のような痕が残る事もありますわよ。」

 

永遠

「そんな考えしとるといずれ大怪我するぞ。」

 

「何だと!?」

 

千冬

「黙れ篠ノ之!二人の言う通りだ!ISがあるからと言って怪我をしない訳ではない!過信は大怪我の元だ!他の者も覚えておけ!」

 

生徒達

「はい!!」

 

「クッ………」

 

千冬

「授業を続けるぞ!織斑、武装を展開しろ。その位は出来るな?」

 

一夏

「は、はい。」

 

千冬

「よし、始めろ!」

 

 集中する為に剣を構えるような姿勢になりおったな…これがこやつのやりやすい姿勢かの?

 暫くして、両手に光が集まりその光が収まるとその手には【雪片弐型】が握られておった

 

千冬

「遅い!0.5秒で出せるようになれ!」

 

 厳しいのぉ…展開が1秒、武器が0.5秒か…

 

千冬

「次はオルコット!」

 

セシリア

「かしこまりました。」

 

 今度はセシリアが指名された

 左手を肩の高さまで上げて、一瞬光るとそこには専用ライフル【スターライトmkⅢ】が握られておった

 そして、それを構え、セーフティを解除した

 

千冬

「1秒か…中々の速さだ。展開時の姿勢も問題ない。」

 

セシリア

「ありがとうございます。」

 

 さて次はワシか…ってワシの武装は…

 

千冬

「最後に火ノ兄…と言いたいが【ドットブラスライザー】には拡張領域(バススロット)に武器はあるのか?」

 

永遠

「無いのぉ…ちなみに【戦国龍】もじゃ。」

 

千冬

「やはりそうか。ならお前はやらなくてもいい。その代わり最初に言ったように【戦国龍】に機体を替えろ。」

 

永遠

「あいよ!」

 

 しかし、何故【戦国龍】に替えるんじゃろうか?

 

 ~永遠 Side out~

 

 




 次回『第045話:名刀・六道剣!』


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