IS世界を舞う剣刃   作:イナビカリ

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第045話:名刀・六道剣!

 ~永遠 Side~

 

 織斑先生に言われて【ドットブラスライザー】を解除し【戦国龍】を展開したんじゃが…

 

永遠

「何をするんじゃ?【戦国龍】の武器は刀と槍だけじゃぞ?」

 

千冬

「…確かに普通の武器はな…だが【戦国龍】には他にもあるだろ。」

 

永遠

「…まさか…」

 

千冬

「アレを出せ!」

 

永遠

「何じゃと!?」

 

セシリア

「待って下さい!アレを出すんですか!」

 

真耶

「アレは危険すぎますよ!」

 

一夏

「アレ?…アレってなんだ?」

 

 アレが何か分かっとるセシリアと山田先生は狼狽えておるの、何も知らん織斑や他の生徒達は分かっとらんな

 

千冬

「二人とも落ち着け!?アレが危険なのは私も分かっている!だからこそ一度全てを見ておきたいんだ!」

 

真耶

「え?」

 

千冬

「火ノ兄がアレを使用した時、どれがどういった能力を持っているかを知らないと私達も対応が遅れてしまう!だからこそ一度確認しなければならないんだ!」

 

セシリア

「そういう事ですの…」

 

真耶

「確かにそうですね。アレは危険ですから対処法をキチンと用意しないといけませんね。」

 

千冬

「そういう事だ!火ノ兄も分かったか!」

 

永遠

「んむ。分かったぞい!」

 

一夏

「オイ!そっちだけで納得するな!いい加減説明してくれ!」

 

 そう言えばコイツの事を忘れとったな…

 

千冬

「ああ、すまんな…忘れていた。」

 

一夏

「オオォォーーイッ!!」

 

永遠

「喧しいぞ!今から説明してやるから静かにせんか!」

 

一夏

「…じゃあ何なんだよアレって!」

 

永遠

「せっかちじゃな。アレ言うんは【戦国龍】の単一仕様(ワンオフ・アビリティー)の事じゃ。」

 

 ザワザワ…

 

一夏

単一仕様(ワンオフ・アビリティー)!そのISも使えるのか!」

 

永遠

「使えるぞ。【戦国龍】の単一仕様(ワンオフ・アビリティー)は【六道剣(りくどうけん)】と言う6本の刀を呼び出す能力じゃ。」

 

一夏

「刀?…刀を呼ぶだけで何でそんなに慌てるんだ?」

 

千冬

「阿呆!ただの刀では無いから慌ててるんだ!」

 

一夏

「ただの刀じゃないって…どういう事だ?」

 

千冬

「…織斑…昨日の試合でお前が最後に喰らった技があったな?…アレでアリーナがどうなったか知ってるか?」

 

一夏

「ア、アレか!…た、確かデカい大穴が開いたって…聞いたけど…」

 

千冬

「そうだ。お前がさっき開けたのより大きい穴だ。だがその穴はもう塞がっている。火ノ兄が試合の後に塞いだからな。」

 

一夏

「そうなのか?…でもそれが一体?」

 

千冬

「まだ分からんのか?…その大穴を【六道剣(りくどうけん)】の1本で塞いだんだ。しかも一瞬でな。」

 

生徒達

「ええええぇぇぇぇーーーーっ!!」

 

一夏

「あの穴よりデカい穴を一瞬で塞いだ!」

 

真耶

「そうです!しかも穴を塞いだのは、その刀の能力のほんの一部でしかないそうです!」

 

生徒達

「ええええぇぇぇぇーーーーっ!!」

 

千冬

「これで分かったか!私達はそんな物騒な物を今の内に確認しておきたんだ!」

 

生徒達

「は、はい!」

 

「………」

 

 篠ノ之の奴…口元がゆるんどるな…分かり易い奴じゃ…

 

セシリア

「(永遠さん…アレ…)」

 

永遠

「(分かっとる…じゃが今は無視せい…)」

 

セシリア

「(…分かりました…)」

 

千冬&真耶

「………」

 

 織斑先生と山田先生も気づいとるな…

 

千冬

「…火ノ兄!早速始めるぞ!全員火ノ兄から離れろ!巻き込まれても責任は取らんぞ!」

 

 蜘蛛の子を散らすように離れおったな…

 

永遠

「さて、始めるかの…単一仕様能力(ワンオフ・アビリティー)起動!」

 

 ワシが単一仕様(ワンオフ・アビリティー)を発動させると周りに6色の光の柱が現れた

 

永遠

「来たれ!【六道剣(りくどうけん)】!!」

 

 ~永遠 Side out~

 

 

 

 ~一夏 Side~

 

 ≪1本目【炎龍刀オニマル】≫

 

 火ノ兄が単一仕様(ワンオフ・アビリティー)を発動させると【戦国龍】を取り囲むように6本の柱が現れた

 よく見ると中に鎖で縛られた剣が1本ずつ入っていた

 

一夏

「…アレが【六道剣(りくどうけん)】?」

 

千冬

「そうだ。」

 

永遠

「それで、まずはどれからじゃ?」

 

千冬

「順番はお前に任せる。全部見せてくれればいいからな。」

 

永遠

「ん!…なら、やはりコイツからかの!」

 

 そう言うと火ノ兄は赤い柱の方を向いた

 

永遠

「燃え上れ!猛き炎の剣【炎龍刀オニマル】!!」

 

 火ノ兄が剣の名前を呼ぶと赤い柱の中にある剣を縛る鎖が砕けた

 赤い柱が消えると中から鍔が龍の頭でその口から炎の様な刀身を持つ剣が出て来た

 

一夏

「な、何だよコレ!?」

 

永遠

「これが【六道剣(りくどうけん)】の一振り、【炎龍刀オニマル】じゃ!」

 

一夏

「【炎龍刀オニマル】…カ、カッケエエ!」

 

千冬

「火ノ兄…この剣の能力は何だ?」

 

永遠

「うむ!【炎龍刀オニマル】の属性は炎じゃ。コイツは見た通り炎を操る事が出来るんじゃが…刀身に炎のエネルギーを纏わせることが出来る…後はそうじゃな…例えばじゃが、休火山とかにコイツを刺せば簡単に噴火させる事も出来るの。」

 

生徒達

「ええええぇぇぇぇーーーーっ!!」

 

千冬

「ふ、噴火だと!?」

 

 え!?何だよそれ…

 

永遠

「【炎龍刀オニマル】は【六道剣(りくどうけん)】の中でも最強の攻撃力を持つ刀。ワシはコイツが一番使い慣れとるんじゃよ。」

 

千冬

「そ、そうか…」

 

永遠

「【オニマル】の説明はこんなとこかの。」

 

千冬

「分かった。…なら、次を頼む。」

 

永遠

「あいよ。単一仕様(ワンオフ・アビリティー)解除!………再起動!」

 

 火ノ兄は何故か単一仕様(ワンオフ・アビリティー)を解除して【炎龍刀オニマル】を消して、再び発動させた

 

 ~一夏 Side out~

 

 

 

 ~千冬 Side~

 

 ≪2本目【地神刀オオテンタ】≫

 

一夏

「何で単一仕様(ワンオフ・アビリティー)を解除したんだ?次の刀を出すならそのまま出せばいいんじゃないのか?」

 

千冬

「【戦国龍】の単一仕様(ワンオフ・アビリティー)には一度に出せるのは1本だけと制限が掛かっている。他の刀を出すには一端解除しないといけないんだ。」

 

一夏

「そうなんだ…」

 

永遠

「大地を揺るがす凍える剣!【地神刀オオテンタ】!!」

 

 次に出したのは昨日見せて貰ったあの大剣だった

 

真耶

「ヒエエェェーーッ!?オ、【オオテンタ】!?ガクガクブルブル…」

 

一夏

「や、山田先生!?」

 

 山田先生が急に震えだしたか…分からなくはないが…

 

セシリア

「…仕方ありませんわね…あの剣ですから…」

 

一夏

「え?どういう事?あの剣を知ってるのか?」

 

セシリア

「ええ、先ほど織斑先生が言ってましたでしょう。あの【地神刀オオテンタ】が穴を塞いだ剣ですわ。」

 

一夏

「え!?アレで!?…え?」

 

 私達が火ノ兄の方を見ると【戦国龍】が【オオテンタ】を握る所だった

 すると、鎧の赤い部分が白く変色していった

 

一夏

「し、白くなった?」

 

永遠

「この【戦国龍】はな…【六道剣(りくどうけん)】を発動させてその刀を握ると、機体の色がその刀と同じ色になるんじゃよ。」

 

一夏

「え?でも、さっきは変わらなかったぞ?」

 

永遠

「【オニマル】の色は赤じゃ。【戦国龍】は元々赤じゃから変わる訳なかろう。」

 

一夏

「あ、そっか!」

 

本音

「それで、この剣ってどんな力があるの~?」

 

千冬

「私が教えてやろう。この剣は大地と氷を操れるそうだ。【オオテンタ】の力を使えば地震を起こす事もこの学園を氷漬けにする事も出来るらしい。昨日の穴を塞いだのもその力の応用らしい。」

 

一夏

「地震に氷漬け!?」

 

生徒達

「ええええぇぇぇぇーーーーっ!!」

 

真耶

「ガクガクブルブル………」

 

 だから、山田先生はこんな風になったんだが…

 

千冬

「さらに【オオテンタ】を使用している間は【戦国龍】の防御力も上がるらしい。火ノ兄が言うには【六道剣(りくどうけん)】最強の防御力を持つそうだ。」

 

 最強の防御力を持つ刀…【オニマル】と逆だな…

 

永遠

「そういう事じゃ。さて、次じゃな。解除………起動。」

 

 ~千冬 Side out~

 

 

 

 ~真耶 Side~

 

 ≪3本目【風翼刀ドウジキリ】≫

 

千冬

「次は何だ?」

 

永遠

「風を纏いし神速の刃【風翼刀ドウジキリ】!!」

 

真耶

「【風翼刀ドウジキリ】ですか…」

 

 これが3本目の刀…羽の様な装飾がされた剣ですね…

 

一夏

「あれ?山田先生復活したんですか?」

 

真耶

「あ、はい、何とか…」

 

永遠

「この【ドウジキリ】は風を司る刀で色は緑じゃ。まあ、要するにじゃ…竜巻や台風を作る事が出来るんじゃよ。」

 

生徒達

「ええええぇぇぇぇーーーーっ!!」

 

永遠

「いい加減飽きてきたぞ、そのリアクション…」

 

一夏

「いや、これしか取り様が無いと思うんだけど…て言うか今度は竜巻と台風!?」

 

 織斑君の言う通りですよ~…

 

永遠

「さよう。後はコイツを使うと【戦国龍】のスピードが上がる位かの。」

 

真耶

「どの位上がるんですか?」

 

永遠

「およそ…4倍から5倍じゃな。」

 

真耶

「そ、そんなに…」

 

永遠

「そうじゃ。…やっと半分か…解除………起動。」

 

 ~真耶 Side out~

 

 

 

 ~セシリア Side~

 

 ≪4本目【雷命刀ミカヅキ】≫

 

セシリア

「4本目ですわね…」

 

永遠

「雷光轟く金色の剣【雷命刀ミカヅキ】!!」

 

 これが4本目の刀…鍔がその名の通り三日月の形をしたとても綺麗な刀でした…

 

セシリア

「【雷命刀ミカヅキ】…とても美しい刀ですわね…」

 

永遠

「そうじゃろうな。【ミカヅキ】は【六道剣(りくどうけん)】で最も美しい刀じゃからな。」

 

セシリア

「確かに納得できる美しさですわ。」

 

永遠

「じゃが、ただ綺麗なだけの刀でもないぞ。【ミカヅキ】は六道剣(りくどうけん)随一の切れ味を誇り、光と雷を操れる。その気になれば雷を雨の様に落とす事が可能じゃ。ちなみに色は黄色じゃ。」

 

生徒達

「ええええぇぇぇぇーーーーっ!!」

 

一夏

「そんな事したら死んじまうぞ!?」

 

永遠

「する訳なかろぉ…出来る言うだけじゃ。」

 

 それでも十分恐ろしいですわよ!…まだ4本目だと言うのに…もう何でもありですわね…

 

永遠

「後は【ミカヅキ】の能力じゃが…フム、丁度いい具合にSEが減っとるの。」

 

セシリア

「SEが?何故ですか?」

 

永遠

「ん?言っとらんかったか?【六道剣(りくどうけん)】を出すには一定量のSEが必要なんじゃよ。」

 

千冬

「聞いてないぞ!」

 

永遠

「それはすまんかった。」

 

千冬

「全く!SEが無いならすぐに補給して来い!」

 

永遠

「その必要は無い。この【ミカヅキ】はその為の刀じゃからな。」

 

千冬

「何だと?」

 

永遠

「【雷命刀ミカヅキ】は一度だけじゃが【戦国龍】のSEを完全回復出来る刀なんじゃよ。」

 

セシリア

「え!それでは…」

 

永遠

「今からコイツで回復する。」

 

 永遠さんが【ミカヅキ】を構えると刀が光り出しました

 

真耶

「お、織斑先生!本当に【戦国龍】のSEが回復してます!」

 

 山田先生がディスプレイで確認したのか驚いていました…

 それにしてもこの刀も凄いですわね…まだ、あと2本もあるのですか…

 

永遠

「以上が【ミカヅキ】の能力じゃ。…さて次じゃ。」

 

 ~セシリア Side out~

 

 

 

 ~一夏 Side~

 

 ≪5本目【水覇刀ジュズマル】≫

 

 火ノ兄はそう言って5本目を出し始めた

 

永遠

「荒ぶる海原を制する刃【水覇刀ジュズマル】!!」

 

 5本目は鍔に数珠が巻かれた青い剣だった

 

千冬

「【水覇刀ジュズマル】か…今迄のパターンで言えば…色は青、属性は水、出来る事は…津波か洪水を起こすと言ったところか。」

 

一夏

「え?」

 

永遠

「ほぼ正解じゃな。生憎と洪水は無理じゃ。渦なら作れるがな。」

 

生徒達

「ええええぇぇぇぇーーーーっ!!」

 

千冬

「そうか…惜しかったな。だが、津波は合っていたか………その刀…水害そのものだな…」

 

永遠

「…そうじゃな…さて、【ジュズマル】の能力じゃが…ダメージを5分の1にする。」

 

千冬

「………は?」

 

真耶

「…5分の1…」

 

永遠

「そうじゃ。」

 

千冬

「な、なんだその能力は!つまり何か!そいつを使っている時はお前に5倍の攻撃をしなければならないという事か!」

 

永遠

「そうなるの。」

 

 え!…マジで!?…何その力!?

 

生徒達

「ええええぇぇぇぇーーーーっ!!」

 

千冬

「…5本目も無茶苦茶な刀だな!?」

 

真耶

「………あれ?…火ノ兄君、少し聞いていいですか?」

 

永遠

「何じゃ?」

 

真耶

「えっと、【ジュズマル】はダメージを5分の1にする能力ですよね?そして【オオテンタ】は防御力を上げる能力。この2本って同じ能力なんじゃ?」

 

千冬

「…言われてみれば…どうなんだ?」

 

永遠

「確かに【ジュズマル】と【オオテンタ】は似てはいるが別の能力じゃよ。簡単に言えば【オオテンタ】は機体その物を頑丈にするんじゃ。それに対して【ジュズマル】はSEのダメージを5分の1にするんじゃよ。」

 

千冬

「…なるほど、そう言われると別物だな…」

 

真耶

「そうですね。良く分かりました!」

 

永遠

「分かってくれたようじゃな…ようやく最後の1本じゃな…長かった…」

 

 ~一夏 Side out~

 

 

 

 ~千冬 Side~

 

 ≪6本目【妖刀ムラサメ】≫

 

 本当に長かったな…しかし、これが最後の剣か…一体どんなものだ?

 

永遠

「闇より生まれし全てを喰らう刃【妖刀ムラサメ】!!」

 

全員

「!?」

 

 …何だこの剣は…今迄の5本とはまるで違う…何という禍々しさだ…

 

セシリア

「と、永遠さん…何ですの…この剣…」

 

千冬

「…妖刀だと…」

 

永遠

「【妖刀ムラサメ】…闇を司る紫の刀じゃ…」

 

真耶

「ややや闇ですか~~~…」

 

永遠

「そげにビビらんでもいいぞ…【ムラサメ】は他の5本に比べれば周りへの被害が一番少ない刀じゃぞ。」

 

セシリア

「そうなんですか!」

 

永遠

「そうじゃ【ムラサメ】の能力は吸収じゃ。」

 

真耶

「吸収?」

 

永遠

「さよう!【ムラサメ】に触れたり斬られたりすると相手のSEを吸収するんじゃよ。そして吸収したエネルギーを自分のSEに変えたり攻撃用に変えて撃ち出したり出来るんじゃ。」

 

 …この刀は本当にそれだけのなのか?

 

千冬

「………火ノ兄…それは本当か…」

 

永遠

「どういう事かの?」

 

千冬

「その通りの意味だ!…確かにその刀の能力は脅威だ!だが、他の5本に比べると明らかに地味すぎる!」

 

永遠

「………やはり気付くか…」

 

千冬

「やはりその刀にはまだ何かあるんだな!」

 

永遠

「いや、今言った通りじゃ。…【ムラサメ】には吸収能力しかない。」

 

千冬

「何?」

 

永遠

「じゃがな、その吸収の規模が普通では無いんじゃよ。」

 

セシリア

「普通では無いとは?」

 

永遠

「【ムラサメ】はな、エネルギーと呼べるもんなら何でも吸収するんじゃ。ISのSEだけではない。電気や熱と言った物もじゃ。それも無尽蔵にな。」

 

千冬

「何だと!なんだその剣は!?」

 

真耶

「被害が一番少ないって、ある意味一番危険じゃないですか!?」

 

一夏

「…そうかな?」

 

千冬

「…織斑…今何て言った…」

 

一夏

「え?」

 

千冬

「…どうやらお前は【ムラサメ】の恐ろしさが分かって無いようだな…」

 

一夏

「そ、そんなに恐ろしいんですか…」

 

千冬

「馬鹿者!少し考えれば分かる事だろ!【ムラサメ】はあらゆるエネルギーを吸収する!つまり発電施設の電力を根こそぎ吸収する事も出来るという事だ!病院の様な重要施設の電気が無くなったらどうなるかお前にも分かるだろ!」

 

一夏

「あ!………何だよその剣!?無茶苦茶じゃねえか!」

 

千冬

「今更遅いわ!?」

 

 バゴンッ!

 

一夏

「ウゴッ!…ググッ…すみません…」

 

永遠

「心配せんでもそげな事せんよ。まあ、その気になれば人間の体力や精神力と言った物も吸収出来る代物なんじゃが…」

 

千冬

「そんな物まで!?本当に妖刀だな!?…頼むからそんな事しないでくれよ!…しかし、これで6本全部か…全くどれもこれも自然災害その物だな!」

 

 …噴火・地震・氷漬け・竜巻・台風・落雷・津波・渦・吸収…これをコイツは一人で起こせるんだからな…

 

 ~千冬 Side out~

 

 

 

 ~一夏 Side~

 

 キーン!コーン!カーン!コーン!

 

千冬

「時間か…火ノ兄、お前の【六道剣】の対策はこちらでしておく。使うのはいいが、試合で通用するレベルに下げて使えよ。」

 

永遠

「あいよ!」

 

千冬

「よろしい!では、今日はこれで終わりだ!」

 

生徒達

「ありがとうございました!」

 

 疲れた~…早く着替えて飯にしよ…

 

千冬

「待て織斑、どこへ行く?」

 

一夏

「…え?」

 

千冬

「お前には仕事があるだろ?」

 

一夏

「し、仕事?」

 

千冬

「お前が空けたアリーナの穴、どうするつもりだ?」

 

一夏

「……あ!」

 

 そうだ!俺が地面に激突した時に出来た穴の事、すっかり忘れてた!

 

千冬

「あのままでは邪魔だ!ちゃんと埋めておけよ!」

 

一夏

「ええっ!………あ!そうだ火ノ兄!【オオテンタ】で塞いでくれ…っていない!」

 

 俺は火ノ兄に手伝って(塞いで)貰おうと思ったけど…いつの間にかいなくなっていた…

 

一夏

「そ、そんな………」

 

 俺はこの後、結局一人で穴を埋める事になった

 火ノ兄なら一瞬で終わるのに…

 

一夏

「手伝ってくれたっていいじゃねえかよおおぉぉぉーーーっ!!!」

 

 俺の叫びはアリーナに虚しく響いていた…

 

 ………

 ……

 …

 

永遠

「ん?」

 

セシリア

「永遠さん、どうかなさいましたか?」

 

永遠

「いや、今何か聞こえた気が…」

 

セシリア

「わたくしには聞こえませんでしたわ。」

 

永遠

「…空耳かの?…すまん気のせいの様じゃ。飯にしようかの。」

 

セシリア

「はい♪」

 

 ~一夏 Side out~

 

 

 

 ~箒 Side~

 

 素晴らしい…

 私にはその言葉しか出てこなかった…

 機体も素晴らしかったがその力も一級品だった…

 【戦国龍】と【六道剣(りくどうけん)】…この二つがあれば私は無敵だ…

 一夏に近づく奴らを薙ぎ払う事も出来る…

 待っていろ【戦国龍】…

 お前の真の主が迎えに行くからな…

 フフフフッ…ハハハハハハハハハハハハハハッ……… 

 

 ~箒 Side out~

 

 




 次回『第046話:更識簪』


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