~簪 Side~
あれからアッと言う間に時間が過ぎ、月曜の朝になった
土日はとても有意義な時間を過ごすことが出来た
今は永遠も一緒に朝ご飯を食べてる
簪
「…永遠…何時頃ココを出るの?」
永遠
「ん?…片道1時間かかるから、7時半には出とるんじゃが…お主らは向こうに着いたら準備をせんといかんじゃろうから少し早めに出るかの。」
セシリア
「そうですわね…制服に着替えないといけませんし…」
本音
「そうだね~…」
鈴
「ってそれなら急いで食べないと!遅刻しちゃうわよ!」
簪
「う、うん!」
私達は急いでご飯を食べ終わると、帰る準備を済ませた
永遠
「全員忘れ物は無いな?」
セシリア&簪&本音&鈴
「は~い♪」
束
「かんちゃん♪これが、束さんがチェックしたデータだよ。これを見ながらやるといいよ♪」
簪
「何から何までありがとうございます!必ず最高の機体を完成させてみせます!!」
束
「うん♪楽しみにしてるよ♪完成したら一度束さんにも見せてね♪」
簪
「はい♪」
そして私達は学園に飛び立っていった
本音は来る時と同じで永遠に抱き上げられたまま移動していた
それを見て私とセシリアは一気に不機嫌になった
本音
「エヘヘ~♪」///
セシリア&簪
「ム~~~…!」
その後、無事に遅刻する事無く学園に到着できた
~簪 Side out~
~永遠 Side~
セシリア
「…簪さん…大丈夫でしょうか?」
放課後になりワシとセシリアは簪が気になったから整備室に向かっとった
永遠
「…本音もおるし…大丈夫だとは思うんじゃが…」
セシリア
「…ですが…」
永遠
「うむ…今迄散々断ってきとるからなぁ…いきなり手伝ってくれと言われて整備課の者達がどう思うかじゃよなぁ…」
セシリア
「…そうですわね…」
そんな話をしとるうちに整備室に着いた…
簪
「お願いします!!私のISを造るのに協力してください!!」
中では簪が整備課の生徒達に専用機の制作に手を貸して欲しいと頼んでおるところじゃった
ワシ等はとりあえず物陰から見ることにした
~永遠 Side out~
~簪 Side~
簪
「身勝手なのは分かってます!!ですが、どうか力を貸してください!!お願いします!!」
本音
「私からもお願いします!」
本音も一緒に頭を下げて頼んでくれた
しばらくして今まで黙っていた整備課の先輩が口を開いた
先輩1
「…二人とも顔を上げて。」
先輩に言われて私達は顔を上げた…
それを確認すると先輩は優しく微笑みながら言った
先輩1
「…やっと私達を頼ってくれたわね。」
簪
「え?」
先輩1
「更識さんが一人で造ってる理由は何となくだけど分かっていたわ。だから、必要以上に手を出さない様にしていたの。」
先輩2
「でもね、もし貴方が協力を頼んで来たらその時は皆で力を貸そうって決めてたのよ。」
簪
「ええっ!?」
先輩1
「だからそんなに畏まらなくていいのよ♪」
先輩2
「貴方は私達を頼ってくれた…それだけで私達は嬉しいのよ♪」
簪
「せ、先輩…」
先輩1
「ほら、泣かないの!」
私はいつの間にか涙を流していた…
簪
「…ウウッ…グスッ…ありがとう…ございます…」
先輩2
「うん♪…さあ皆!やるわよおおぉぉーーっ!!」
生徒達
「オオオオオォォォォォーーーーーッ!!!」
簪
「…皆…」
本音
「かんちゃん良かったね♪」
簪
「うん♪」
~簪 Side out~
~永遠 Side~
セシリア
「良かったですわね♪」
永遠
「ああ!」
千冬
「こっちは何とかなったようだな。」
セシリア
「織斑先生!」
織斑先生がいつの間にかワシ等の後ろに来ておった
永遠
「………簪の事…以前から知っておったのか?」
千冬
「ああ、一夏の【白式】が関係しているからな…話だけは聞いていた。…政府の命令とはいえ倉持の連中には私も腹が立っていたんだ。まさか、全員が更識の機体を放り出すとは思ってもみなかった。」
やはりそうか…あの時、簪は機体を造るヒントを貰いに行くとは言ったが…未完成の理由は言うとらんからな
永遠
「じゃからワシの家に行く事を許可したんじゃな?」
千冬
「そうだ…それで束は何と?」
永遠
「【打鉄二式】のデータを洗い直して直す所をピックアップしたそうじゃ。後、この二日の間は束さんからISについて直々に指導されとったよ。」
千冬
「あの束がそこまでするとはな…何か理由があるのか?」
永遠
「うむ…【白式】は確かに倉持が開発した機体じゃが、実際に完成させたのは束さんなんじゃよ。」
千冬
「何!?」
永遠
「それを倉持に送り返したらああなったらしい。じゃから今回の事はそのお詫びと言うとったよ。」
セシリア
「…束さんも政府と倉持の人達があのような行動をとるとは思わなかったそうです。」
千冬
「…そうだったのか…なら束を責める事は出来んな…」
永遠
「そうじゃな…「あっ!ひののん!」ムッ!」
織斑先生との話に夢中になっていたせいか本音に見つかってしもうた
~永遠 Side out~
~簪 Side~
簪
「永遠!セシリア!それに織斑先生まで!?」
本音が隠れていた永遠を見つけたと思ったらセシリアと織斑先生も出て来た
永遠
「…スマン…気になって見に来たんじゃが…」
セシリア
「…入っていいのか微妙な雰囲気でしたので…」
先輩1
「アハハッ…確かにそうだね♪」
先輩2
「織斑先生は?」
千冬
「ん?…私はこいつ等が覗いていたから声をかけただけだ。…それに、私も更識の機体の事は気になっていたからな。」
簪
「え?…もしかして…」
永遠
「…全部知っとるらしい…じゃから外泊許可を出したそうじゃよ。」
本音
「そうだったんだ~!」
先輩1
「…外泊って?」
簪
「はい…実は………」
私は整備課の皆に土日の間の事を話した…もちろん、束博士の事は言わなかったけど…
先輩2
「なるほど…それなら、まずはその手直しが必要なデータを確認しようか。それから、それぞれが得意な分野に分かれて作業を始めましょう。」
簪
「お願いします!」
セシリア
「わたくしもお手伝いしますわ♪【ブルー・ティアーズ】のデータも使ってください。」
永遠
「ワシも出来る事があれば手伝うぞ。…と言ってもそんなに長くは手伝えんのじゃが…」
簪
「二人とも…ありが「一夏の馬鹿あああああぁぁぁぁぁーーーーーっ!!!」な、何っ!?」
永遠
「今の声は…鈴か!?」
千冬
「織斑の奴…また何かやらかしたな!」
セシリア
「三日前に永遠さんにお説教されたばかりですのに…」
千冬
「何!?どういう事だ!」
永遠
「…あの後、ワシがセシリア達を待っとったらあの馬鹿が来おってな…全く反省しとらんから軽く説教したんじゃよ。その時、鈴との約束を思い出せと言うといたんじゃが…」
千冬
「…さては変な方向に思い出したな…あの馬鹿は…」
セシリア
「…どうします?」
永遠
「放っておくわけにもいかんじゃろ。…簪、ワシは鈴の様子を見てくる。スマンが今日は手伝えそうにない。」
簪
「分かった!」
セシリア
「わたくしも行きますわ!」
千冬
「私も行こう。理由によってはあの馬鹿を成敗せねばならん!」
そう言って永遠たち3人は鈴を探しに行った
本当は私も行きたかったけど、機体を完成させないといけないから我慢した
~簪 Side out~
次回『第055話:織斑一夏…黄昏に死す(笑)』