~永遠 Side~
ワシが自分の素性を簪・本音・鈴の3人にバラしてからさらに1週間が経った
あの試合から2週間たったので謹慎しておった篠ノ之も登校してきおった
2週間ぶりに会っていきなりワシを睨んできおったが無視した
関わると碌な事になりそうに無いからのぉ
ちなみに篠ノ之は謹慎が解けると同時に部屋の移動が通達されたらしい
何でも篠ノ之が移動できる部屋の準備が終わったそうじゃ
まあ元々男の織斑と一緒に住んどる事の方がおかしい訳じゃから当然の事なんじゃがな
さらに学園ではもうじき学年別個人トーナメントとか言う催しがあるそうじゃ
面倒じゃから出たくなかったんじゃが全員強制参加の行事らしいから早々に諦めた
ついでにワシの方でも問題と言うほどでも無いんじゃが…数日前からクロエがおらんくなった
何でも束さんが以前使っておったラボで独自に研究をしとるらしい
内容は分からんが毎日定期的に連絡をくれておるから安心しておる
そして今日のワシはハッキリ言って焦っておる!
理由は簡単、寝坊したんじゃ!
どういう訳か今日はいつもの時間に起きる事が出来んかった!
ワシは大急ぎで束さんの朝食を用意して畑仕事を済ませるとISを展開して学園に飛んで行った
~永遠 Side out~
~一夏 Side~
あれから俺はどうしようかずっと悩んでいた…
この学園に来てからの俺は何もかもが空回りばかりしていた…
しかもその全てが俺自身の言葉と行動が原因で失敗している…
だから誰かを責めるという事も出来なかった…
火ノ兄とオルコットに喧嘩を売った時も俺自身の傲慢さが原因だった…
クラス代表を決める試合に向けて勉強も訓練も何もしていなかった…
鈴の気持ちに気付かず傷付ける事しかしなかったのも俺だ…
今迄の自分を思い起こすと本当にどうしようもない奴だと思った…
これじゃあ火ノ兄の言う通りクズって言われても仕方ないと思った…
何とかして今の自分を変えないといけない…
そう思ってもどうすればいいのか分からなかった…
そんなある日の朝…
生徒1
「やっぱりハヅキ社製がいいなぁ。」
生徒2
「ハヅキってデザインだけじゃないの?」
生徒1
「そのデザインがいいのよ!」
生徒3
「性能的にミューレイのがいいなぁ、スムーズモデル。」
生徒2
「物は良いけどさぁ、高いじゃん。」
俺が教室に来るとクラスメイトの何人かがカタログを見ながら話し合っていた
どうもISスーツのカタログ雑誌みたいだ
その中の一人が俺に気付くと聞いて来た
生徒3
「織斑君のISスーツってどこのなの?見た事の無い型だけど。」
一夏
「あ~何でも特注品らしい。どっかのラボで作ったそうなんだ。イングリッド社のストレートアームモデルって聞いたな。」
生徒1
「へ~そうなんだ~。」
真耶
「ISスーツは肌表面の微弱な電位差を検知して操縦者の動きを各部位に伝達、それを受けてISは必要な動きを行います。」
スーツの解説をしながら山田先生が教室に入って来た
真耶
「また、スーツは耐久性にも優れているので小口径拳銃の銃弾なら完全に受け止めます。ちなみに衝撃は消せませんのであしからず。」
生徒2
「山ちゃん詳しい!」
真耶
「先生ですから…って山ちゃん?」
生徒3
「山ピー見直した。」
真耶
「今日がスーツの申し込み開始日ですからね。予習してあります。…って山ピー?」
山田先生って色んなあだ名がつけられてるんだよな…俺が知るだけでも8つはあるぞ
真耶
「あの~教師をあだ名で呼ぶのはちょっと…」
生徒1
「あ!そう言えばまーやん!火ノ兄君はスーツがいらないけど何でなの?」
真耶
「まーやんって…はぁ~…ええっと火ノ兄君ですね?彼の場合はあの2機のISにスーツと同じ機能が組み込まれているので必要無いんですよ。」
生徒2
「そうだったんだ。」
生徒3
「少し羨ましいな~…着替える必要ないんだもんね~…」
真耶
「それは私も同意見です。正直私も着替えるのが面倒ですからね。織斑先生も同じ事を言ってましたよ。」
生徒1
「そうなんですか!?」
そう言えば代表を決める試合の時そんな事言ってたな…
千冬
「諸君おはよう。」
生徒達
「おはようございます!」
千冬姉が来ると一瞬で空気が変わった
千冬
「さて、今日から本格的な実戦訓練を開始する。訓練機だがISを使用するから気を引き締めて行うように。各自のスーツが届くまでは学校指定の物を使って貰うが、それを忘れたら水着で受けて貰う。それも無いようなら下着でも構わんだろう。」
千冬姉…このクラスには男が二人いるんだぞ
千冬
「HRを始める前に火ノ兄なんだがアイツは寝坊して遅刻だ!来たら注意しておく!では山田先生始めて下さい。」
真耶
「は、はい!」
火ノ兄が寝坊なんて珍しいな…アイツの場合そうなると完全な遅刻になるんだよな…
真耶
「今日はまず転校生を紹介します!しかも2人ですよ!」
生徒達
「ええええええぇぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!!」
また転校生!少し前に鈴が来たばかりだぞ?
真耶
「入っていいですよ。」
?1
「失礼します。」
?2
「………」
教室のドアを開けて入って来た二人の生徒を見て俺を含めたクラスの全員が固まった
真耶
「転校生のシャルル・デュノア君とラウラ・ボーデヴィッヒさんです。」
一夏
「え?」
何故なら挨拶をしながら入って来た生徒の服装は…俺と同じ男物の制服だったからだ
~一夏 Side out~
~千冬 Side~
今このクラスは全員が固まっている…その理由は…
真耶
「それではお二人とも。自己紹介をお願いします。」
シャルル
「はい。シャルル・デュノアです。フランスから来ました。この国では不馴れな事も多いのですが皆さんよろしくお願いします。」
二人の転校生の内の一人が男だからだ
あのオルコットでさえ驚いて固まっている
生徒1
「お、男…」
シャルル
「はい、この学園には僕と同じ境遇の人がいると聞き、本国から転入して………」
千冬
「………」
シャルル・デュノアか…礼儀正しい立ち居振る舞い、整った顔立ち、髪は金髪で背中まで伸び、後ろで束ねている
一夏や火ノ兄と比べたら細い手足、全体の印象は貴公子と言ったところか
だが、何だこの違和感は?
まさかコイツ…
生徒達
「き…」
シャルル
「はい?」
千冬
「まずい!」
私は急いで耳を塞いだ
生徒達
「きゃああああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーっ!!!!」
ええい!相変わらずだなコイツら!
生徒1
「男子!新しい男子!」
生徒2
「しかもうちのクラス!」
生徒3
「さらに美形!織斑君達と違った守ってあげたくなる系!」
生徒4
「地球に生まれて良かった~!!」
千冬
「騒ぐな貴様等!静かにしろ!?」
真耶
「み、皆さん!まだもう1人の自己紹介が終わってませんよ!」
私と山田先生が注意するとやっと静かになった
だが…もう一人の転校生がまさかコイツだったとは…
ラウラ
「………」
視線を正面から私に変えたか…私が言うのを待ってるのか?
千冬
「…挨拶をしろ…ラウラ。」
ラウラ
「はい、教官。」
千冬
「ココでは先生と呼べ。今の私はお前の教官じゃない、この学園の教師だ。」
ラウラ
「了解!」
…絶対分かってないな…
ラウラ
「ラウラ・ボーデヴィッヒだ。」
生徒達
「………」
真耶
「あ、あの…以上ですか?」
ラウラ
「以上だ。」
…はぁ…コイツにデュノアみたいな挨拶を求めるのはやはり無理か…
私はため息をついたせいでラウラの行動に気付くのに遅れてしまった…
ラウラはいつの間にか一夏の前に移動していた
ラウラ
「貴様が!!」
バチィン!!
私が気付いた時にはラウラは一夏を殴っていた…
一夏
「いきなり何しやがる!?」
ラウラ
「私は認めない!!貴様があの人の弟など!!認めてたまるか!!!」
一夏
「…え?」
ザワザワ…
…本当に変わってないなコイツ…
永遠
「何じゃ?やけに騒がしいのぉ?」
千冬
「ん?遅刻だぞ!」
ガンッ!
とりあえず遅刻した事に対して一発殴っておいた
永遠
「グッ!スマン!寝坊してしもうた…申し訳ない!」
シャルル
「え!?」
ラウラ
「何!?」
遅れて来た火ノ兄を見て驚いているな…どうやらコイツ等の所にもまだ火ノ兄の事は伝わって無い様だ…大方、束が情報操作でもしたんだろうな…鈴も知らなかったからな…
シャルル
「な、何で!?男の操縦者は織斑一夏一人の筈じゃ!?二人目がいるなんて…」
ラウラ
「どういう事だ?こんな奴の情報は聞いてないぞ!?」
永遠
「誰じゃお主等?」
千冬
「このクラスに転入してきた二人だ。金髪がシャルル・デュノア、銀髪がラウラ・ボーデヴィッヒだ。」
永遠
「さよか、ワシは火ノ兄永遠じゃ。一応二人目の操縦者となっとる。よろしゅうな。」
シャルル
「あ、はい…シャルル・デュノアです。こちらこそよろしく…」
ラウラ
「…フンッ!」
永遠
「ん?お主は…」
ラウラ
「何だ?」
ラウラを見て何を唸ってるんだ?
永遠
「いや、知り合いに似とると思っただけじゃよ。スマンかったな。」
ラウラ
「そうか…」
知り合いだと?この学園以外で火ノ兄の知り合いと言ったら束ぐらいしかいない筈だが…
…まあいいか…その辺はプライバシーに引っかかるしな
千冬
「そろそろHRを終わる。各自はすぐに着替えて第二グランウンドに集合するように!今日は2組と合同でISの模擬戦を行う。以上解散!」
私は手を叩きながらHRを終わらせた…
千冬
「織斑、デュノアの面倒を見てやれ。同じ男だろ。」
シャルル
「よろしくね織斑君。僕の事はシャルルでいいよ。」
一夏
「ああ、俺も一夏でいい。…て言うか何で俺だけ?火ノ兄は?」
千冬
「アイツの場合は1日の半分は学園にいないからな。いつもいるお前が面倒を見ろ。」
一夏
「あ…そういう事…分かった…」
シャルル
「あの~…どういう事ですか?」
一夏
「その話は後にしてくれ!今は移動が先だ!男子は空いているアリーナの更衣室を使う。実習ごとに結構の移動があるから早めに慣れてくれよ!」
シャルル
「そ、そうなんだ!?…あれ?火ノ兄君は?」
千冬
「アイツならさっきそこの窓から出て行ったぞ。」
シャルル
「窓からって…ここ3階ですよ!?」
千冬
「あの程度の高さはアイツには無い様なものだ。」
アイツは色々と規格外の存在だからな…
シャルル
「は、はぁ~…」
一夏
「ほら急ぐぞ!今日は第二アリーナの更衣室だ!」
シャルル
「あ、うん…」
…しかし、アイツら遅刻せずにアリーナに来れればいいんだが…
生徒5
「ああっ!転校生発見!」
生徒6
「織斑くんと手を繋いでる!」
生徒7
「織斑くんと転校生くんの薄い本……ぐふふふ。」
生徒8
「いた!こっちよ!」
生徒9
「者共~!出会え~い!出会え~い!」
私は廊下で騒いでるやつらの事を無視してアリーナに向かった…
聞こえてくる会話の幾つかがかなり危ない気がしたが無視した…
………
……
…
千冬
「………」
一夏
「遅くなりました!」
シャルル
「すみません!」
千冬
「遅い!!」
ガンッ!
案の定遅刻しおって…
一夏
「な、何で俺だけ…」
千冬
「デュノアは転校初日だから大目に見ただけだ…次からは容赦はせん!」
シャルル
「は、はい!気を付けます!!」
ちなみに火ノ兄は私よりも先にアリーナに来ていた
~千冬 Side out~
次回『第066話:妹襲来!』