これからも完結目指して頑張ります!!
~ラウラ Side~
私はラウラ・ボーデヴィッヒ…ドイツの代表候補生だ
ドイツのIS特殊部隊【シュヴァルツェ・ハーゼ】の隊長で階級は少佐だ
私は軍の命令でこの学園に転入してきたのだが、その命令は私にとっては渡りに船だった
この学園には私が尊敬する織斑教官がいる
教官に再び我がドイツ軍に来て頂けるように説得する事が出来る
そしてもう一つ…教官の輝かしい功績に泥を塗った男…織斑一夏…奴をこの手で潰す事が出来る
だが、学園に来てみれば驚きの連続だった…
織斑一夏以外のもう一人の男の操縦者…火ノ兄永遠…
こんな奴の情報は私は聞いていない…我がドイツ軍の情報網にもかからないコイツは一体何者なんだ?
そしてそいつはあろう事かISを3機も所有しているとの事だった
その上、教官はそいつの方が自分よりも強いと仰った
私は認めない!織斑一夏と共に私の手で叩き潰し必ずや教官の目を覚まさせてやる!!
~ラウラ Side out~
~三人称 Side~
≪アリーナ≫
真耶
「…オルコットさん、凰さん…【ラインバレル】の武装は何ですか?」
真耶はまずセシリアと鈴に【ラインバレル】の武装について聞いてきた
セシリア
「…両腕に装備された2本の刀だけですわ。」
一夏
「何だそれだけか!」
鈴
「私達が知ってるのはね。」
一夏
「…え?」
セシリア
「永遠さんはわたくし達との訓練ではその2本の刀しか使った事がありません。他の武装に関してはあるのかさえ分かりません。」
鈴
「けど、最低でも後一つはあるわね!それも強力なのが!」
セシリア
「わたくしも同意見です。」
セシリアと鈴は【ラインバレル】に隠された武装があると読んでいた
一夏
「な、ならどうするんだ?」
真耶
「【ラインバレル】と戦った事があるお二人はどんな作戦を考えていますか?」
鈴
「…作戦って言うほどじゃないけど…二つだけ分かってる事があるわ!」
セシリア
「一つは…【ラインバレル】相手に長期戦はこちらが不利!!」
鈴
「二つ目は…アイツにアレを使われたら間合いは意味が無い事よ!!」
一夏
「どういう意味だよ?アレってなんだよ!」
鈴
「言った通りの意味よ!」
セシリア
「わたくし達の作戦はただ一つ!!」
鈴
「一斉攻撃による速攻よ!!」
そう叫ぶとセシリアと鈴は永遠に向かって突っ込んでいった
真耶も少し遅れて二人の後に続いた
一夏
「お、おい!それが作戦?そんなんでいいのか!?」
置いて行かれた一夏もとりあえず永遠に向かって行った
≪観客席≫
千冬
「仕掛けたか…。さてどんな戦いを見せてくれるのかな…」
ラウラ
「教官?」
千冬は【ラインバレル】とセシリア達4人がどのような戦いをするのか気になっていた
≪アリーナ≫
鈴
「はあああああぁぁぁぁぁーーーーーっ!!!」
まずは最初に鈴が【双天牙月】を連結させ斬りかかった
永遠
「むん!」
永遠は両腕の太刀を抜くと左の太刀で鈴の攻撃を受け止めると同時に、右の太刀で鈴に向けて突きを放った
鈴
「わっ!?」
鈴は突きを紙一重で躱すと、彼女の後ろからセシリアが【スターライトmkIII】を撃ってきた
永遠
「くっ!」
永遠はその射撃をバック転の要領で躱すとそのまま回転し二本の太刀で鈴を下から斬り裂いた
鈴
「かはっ!!」
セシリア
「鈴さん!?…くっ!」
セシリアは追撃でレーザーを撃つが永遠は距離を取りながら躱していった
真耶
「!?」
永遠の移動した先に先回りした真耶はアサルトカノン【ガルム】アサルトライフル【ヴェント】をそれぞれ展開し攻撃を仕掛けた
永遠
「はっ!」
永遠は真耶の攻撃に対し、左の太刀を高速で回転させ弾丸の全てを弾き飛ばした
真耶
「そんなのありですか~~~!?」
真耶が驚きながら攻撃をし続けている時、セシリアは斬られた鈴の所に向かった
セシリア
「鈴さん大丈夫ですか?」
鈴
「このくらい平気よ!」
セシリア
「そうですか…しかし、流石は永遠さんですわね。…わたくしの射撃を躱すと同時に鈴さんに攻撃までするなんて…」
鈴
「ホントよ…一夏!ボケっとしてないでアンタも仕掛けなさい!!」
一夏
「お、おう!?」
永遠達の戦闘に入り込めず手をこまねいていた一夏に鈴が怒鳴りつけた
セシリアは【スターライトmkIII】を砲身側に持ち直すと…
セシリア
「行きますわよ!」
鈴
「ええ!」
一夏
「お、おう!」
真耶の攻撃を防いでいる永遠に今度は3人で仕掛けた
永遠
「むっ!」
永遠は3人が接近してくるのに気が付くと、攻撃を防ぎながら真耶に一気に接近して右の太刀で彼女が持っていた武器を切り裂いた
真耶
「しまった!?…がはっ!」
永遠はそのまま真耶の脇腹に蹴りを放った
真耶を蹴り飛ばすと永遠はすぐにセシリア達に向かって行った
セシリア&鈴
「はあああぁぁぁーーーっ!!」
永遠が向かって来るとセシリアはライフルで殴りかかり、鈴は青龍刀で斬りかかったが…
ガキンッガキンッ!!
セシリア&鈴
「くっ!?」
永遠は右の太刀でセシリア、左の太刀で鈴の攻撃をそれぞれ受け止めていた
一夏
「貰ったあああぁぁぁーーーっ!!」
そこに、両腕が塞がった永遠に一夏が後ろから斬りかかった
永遠
「………ふんっ!」
ガンッ!
一夏
「何っ!?」
永遠は一夏の剣を右足で受け止めていた
永遠
「…とりゃあああぁぁぁーーーっ!!!」
永遠はそのままの態勢で回転しセシリア達を弾き飛ばした
全員が離れると永遠は再び距離を取った
セシリア達も一度全員が合流した
鈴
「ホントに強いわねアイツ!」
真耶
「これが火ノ兄君の実力と【ラインバレル】の性能ですか!」
一夏
「…性能か…」
鈴
「一夏…言っとくけど永遠の強さは機体の性能だけじゃないわよ。」
一夏
「え?」
鈴
「確かに【ラインバレル】の性能は無茶苦茶高いわよ。でもね、性能が高いって事はそれだけ扱うのに高い技術と実力が必要って事なのよ。だけど永遠は【ラインバレル】の性能を完全に引き出してるわ。つまりアイツは十分な技術と実力を持ってるって事なのよ。」
一夏
「………そんな奴に勝てるのかよ…」
鈴
「…さあね…ただ【ラインバレル】の倒し方は以前永遠から聞いた事があるわ。」
一夏
「え!?ほ、本当か?」
一夏はまさか自分の機体の倒し方を本人が教えているとは思わなかった
セシリア
「はい。…と言ってもやる事は先程までと同じですが…」
一夏
「へ?」
鈴
「【ラインバレル】の倒し方は反撃の隙も与えないくらいの連続攻撃よ!…後はアンタよ!」
一夏
「…俺?」
鈴
「アンタの【零落白夜】でSEを一気に削りきるしかないのよ。それでも1撃では無理よ。何発も当てないといけないけど…」
一夏
「なら俺に…」
鈴
「…アンタが永遠に連続で攻撃を当てられる訳無いし、結局は【零落白夜】も加えた全員の連続攻撃しかないのよ!」
一夏
「!?…そう…か…」
一夏は任せろと言おうとしたが、鈴から勝てないとハッキリ言われて落ち込んでいた
セシリア
「…わたくし達の作戦は短期決戦!これだけですわ!」
真耶
「分かりました!」
≪観客席≫
千冬
「…短期決戦か…」
ラウラ
「教官。アイツ等は何を考えてるんですか?数の上では圧倒的に有利にも拘らず、突貫をするとは愚か者の考えとしか思えませんが?」
ラウラはセシリア達の作戦が理解出来ずにいた
千冬
「本当にそう思うのか?」
ラウラ
「違うのですか?」
千冬
「少なくとも織斑以外の3人が何も考えないと言う事は無い。特にオルコットと山田先生はな。」
何気に姉からの評価が低い一夏…
ラウラ
「ですが実際…」
千冬
「お前はさっき数の上では有利と言ったが、あの程度の数は火ノ兄には無意味だ。アイツは1対1の戦いは元より1体多の戦いも得意だ。数で潰すならこの学園の教師と生徒が全員でかからなければいけないだろうな。」
ラウラ
「な!?」
千冬
「それに私でもオルコットと凰の二人と同じ事をするだろう。火ノ兄の【ラインバレル】に勝つとしたらそれしか方法が無いからな。」
シャルル
「それはどういう意味ですか?」
千冬
「オルコットと凰が言っていた通りだ。理由は戦いを見ていれば分かる。だが、お前達が理解出来るかどうかは別だ。」
シャルル
「は?」
千冬
「先に一つ教えておいてやる。火ノ兄のISは3機全てが今迄の常識が通用しない機体ばかりだ。その中でも【ラインバレル】が持つ能力は正真正銘の化け物とも言うべきものだ。」
シャルル
「ば、化け物って…そんな大げさな…」
本音
「ホントの事だよ~♪」
シャルル
「え?」
千冬
「布仏か、そう言えばお前は【ラインバレル】の能力を知っていたな。お前から見てあの機体はどう思う?」
本音
「整備課泣かせの機体で~す♪」
千冬
「フッ、整備課志望のお前らしい感想だな。だが私は話だけしか聞いていないのだが本当の事なのか?」
本音
「はい♪多分ひののんもこの試合で使うと思いますけど、ビックリしますよ♪」
千冬
「なら私も楽しみにさせて貰うか。」
ラウラ&シャルル&生徒達
「………」
楽しそうに話す本音と千冬の会話の意味を誰も理解する事は出来なかった
≪アリーナ≫
セシリア達が【ラインバレル】攻略について話し合っている時…
永遠
「…さて…そろそろコイツのお披露目と行くかの………のう…【ラインバレル】…」
永遠は【ラインバレル】の持つもう一つの武装を使用する事を決めた
………
……
…
セシリア
「行きますわよ!!」
真耶
「!?…待って下さい!…アレは…」
セシリア達が一斉攻撃を仕掛けようとした時、永遠は両手に持った太刀を腕の鞘に納めていた
鈴
「刀を仕舞った?何のつもり?」
一夏
「降参!…何てこと無いよな…」
セシリア
「当り前です!…でも、永遠さんは一体何を…」
永遠の行動の理由が分からずにいるセシリア達は次の瞬間驚きの表情に変わった
セシリア&鈴&一夏&真耶
「!?」
【ラインバレル】の腰の【テールスタビライザー】が開くと中からアームが飛び出し、その先端には武器と思われる装備が取り付けられていた
これこそが【ラインバレル】のもう一つの武器【エグゼキューター】だった
永遠はアームから【エグゼキューター】を取り外すと右手で構えた
一夏
「な、何だアレ?」
鈴
「…多分アレが…」
セシリア
「【ラインバレル】の…隠された武装…」
真耶
「お二人の予想通りでしたね!…本当にあったなんて!」
鈴
「でも…アレって一体何なの?」
セシリア
「あの形では近接武器か遠距離武器かの区別も難しいですわね!」
セシリア達が【エグゼキューター】の使用法について考えていると…
ジャキン!
セシリア&鈴&一夏&真耶
「!?」
右手に持っていた【エグゼキューター】の先端部が開き、そこから高出力のエネルギーが溢れ出した
永遠はそのまま両手で持つと大きく振りかぶった
永遠
「うおおおおおぉぉぉぉぉーーーーーっ!!!」
セシリア
「これはまさか!?」
そのまま振り下ろすと、そのエネルギーは大出力の斬撃となってセシリア達に向かって来た
セシリア&鈴&一夏&真耶
「!!」
4人は斬撃をギリギリ躱す事が出来たが…
鈴
「くっ!…何よ今の!………!?…SEが!?」
その余波で4人のSEはかなり削られていた
真耶
「攻撃の余波だけでこれだけ削られるなんて!?それにアリーナのバリアまで!?」
真耶の言う通り永遠の放った斬撃はセシリア達を通り過ぎそのままアリーナのバリアを消滅寸前の状態にまで斬り裂いていた
一夏
「何だよ今の攻撃!!」
セシリア
「アレは…ビーム兵器ですわ!!」
一夏
「ビーム兵器って!?火ノ兄の妹が持ってきたライフルと同じ!」
鈴
「そうよ!でもまさか…【ラインバレル】に既に搭載されていたなんて…」
真耶
「しかも、あの【種子島】と言うライフルよりも遥かに強力ですね…強化されたバリアがあそこまで破壊されるなんて…」
真耶の言葉に全員が【エグゼキューター】で斬り裂かれたバリアの場所を見つめていた
アリーナのバリアは前回のクラス対抗戦から強化されており強度は倍近くになっていた
当然その事は学生全員にも伝えられている
永遠
「どうじゃ?【エグゼキューター】の威力は?一応威力は半分以下に抑えたんじゃがな。」
一夏
「あれで半分以下かよ!?」
セシリア
「【エグゼキューター】…それがその武器の名前ですか!」
真耶
「…【執行者】…ですか…」
一夏
「執行者って?」
真耶
「【エグゼキューター】の意味です。法律・命令・裁判・処分と言った事を実行する人の事です。…この場合は死刑執行人と言った所でしょうか…」
鈴
「…随分物騒な意味ね…ホントに出来そうだから余計に怖いわ…」
セシリア
「…はい…」
一夏
「つまり俺達は今から処刑されるって事かよ!?」
鈴
「…アンタならされてもおかしくないけどね…」
一夏
「どういう意味だよ!?」
セシリア
「ご自分の胸に手を当てて考えてみればいいですわ。」
一夏
「うぐっ…はい…」
自分が今まで無自覚にしてきた事を突かれて言い返せない一夏だった
≪観客席≫
千冬
「…【エグゼキューター】…あんな物を隠し持っていたのか!?」
ラウラ
「…半分以下の威力でアリーナのバリアを消滅寸前にするだと………馬鹿な!?」
千冬
「…布仏、お前は知っていたか?」
本音
「私も知りませんでした!」
千冬
「…そうか…しかし、このバリアは対火ノ兄用に強化したんだが…」
生徒達
「ええええええぇぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!!」
本音
「そうだったんですか!?」
バリアを強化した事は知っていたが、それがまさか永遠の為に強化したとは全員知らなかった
千冬
「そうだ!アイツが本気を出したらこの学園が消滅しかねんからな…可能な限り強化したんだが…一応は織斑の【零落白夜】なら完璧に防げる強度があるが…これでもまだ足りんのか?」
シャルル
「ちょっと待って下さい!いくらなんでもそれはやり過ぎですよ!?」
千冬
「やり過ぎなものか!強度を2倍に上げてこの有様だぞ!」
本音
「そうそう♪」
千冬
「(こうなったら束に強化して貰うしかないかもしれんな…今度相談してみるか…)」
ラウラ
「教官?」
千冬
「何でも無い!………だが、アレを使う前にビーム兵器を出してくるとは…アレと同時に使用したら本当に手が付けられんぞ!」
本音
「ホントですよ~…」
シャルル
「…あの…さっきから言っているアレって何ですか?」
千冬
「【ラインバレル】の持つ特殊能力の事だ。口で説明するのは簡単だが実際に見た方がいいだろうな。」
本音
「それに~言っても信じられないだろうからね~♪」
千冬
「そうだな。」
シャルル
「は、はぁ~…」
≪アリーナ≫
セシリア&鈴&一夏&真耶
「………」
4人は永遠の【エグゼキューター】を見て次にどう動くのか考えていた
その間に永遠は【エグゼキューター】を左手に持ち替え、左腕の太刀を抜いた
鈴
「…実体剣とビーム兵器の二刀流!」
永遠の構えを見て鈴は二刀流と考えたが…
永遠
「………」
永遠は左手の【エグゼキューター】の先端をセシリア達に向けると射撃攻撃を始めた
セシリア&鈴&一夏&真耶
「!?」
4人は突然の永遠からの意外な攻撃に驚きながら躱していた
セシリア
「…くっ!…【エグゼキューター】は射撃も出来るのですか!?」
永遠
「それは違うのぉ。」
セシリア&鈴&一夏&山田
「えっ!?」
4人は永遠の言った言葉が理解出来なかった
何が違うのか分からないからだ
鈴
「何が違うって言うのよ!」
永遠
「【エグゼキューター】は射撃武器じゃ!これが本来の使い方なんじゃよ!!」
真耶
「それ射撃武器なんですか!?」
セシリア
「違うってそういう事ですの…」
セシリア達は【エグゼキューター】は射撃も出来る近接武器と思っていたが、実際は近接戦が出来る射撃武器だったのだ
永遠
「さて、【エグゼキューター】のお披露目はこのくらいでいいかの。」
そう言うと【テールスタビライザー】からアームを出し【エグゼキューター】を収納すると、右腕の太刀を抜いた
セシリア
「…【エグゼキューター】を収納した?…でしたら永遠さんの次の行動は………」
セシリアが永遠の行動を考えようとした瞬間…
…目の前にいた【ラインバレル】が消えた…
………そして次の瞬間
一夏
「ぐあああぁぁぁっ!!」
セシリア達は突然聞こえた悲鳴の方を向くと…
…後ろから【ラインバレル】に斬られた一夏がいた
鈴
「一夏!?アイツ!アレを使ったわね!?」
鈴は即座に【龍咆】で永遠のいる場所に砲撃を行ったが【ラインバレル】は命中する前に再び消えてしまった
鈴
「くっ!…何処にいるの!?」
永遠
「ここじゃよ。」
鈴
「え?」
今度は鈴の目の前に現れ両手の太刀で×の字に斬り裂いた
鈴
「きゃあああぁぁぁーーーっ!!!」
セシリア
「鈴さん!?…【ティアーズ】!!」
セシリアは【ブルー・ティアーズ】を四方に飛ばし永遠の動きに対応しようとしたが…
ザンッザンッザンッザンッ
セシリア
「え?」
ドドドドオオォォーーンッ
4基の【ブルー・ティアーズ】は一瞬の内に斬り裂かれ破壊されてしまった
セシリア
「そんな!?…はっ!?」
永遠は【ブルー・ティアーズ】を破壊され動揺した隙を突き、今度はセシリアの前に現れ横一文字に斬り裂いた
セシリア
「きゃあああぁぁぁーーーっ!!」
真耶
「オルコットさん!」
永遠は最後に真耶の右隣に移動すると二本の太刀による連続突きを与えた
真耶
「うあああああぁぁぁぁぁーーーーーっ!!」
全員に一通り攻撃を加えると永遠は一端距離を取った
≪観客席≫
生徒達
「………」
一方、観客席の千冬達も本音以外は【ラインバレル】の動きを理解出来ずいた
千冬
「…これが【ラインバレル】の能力………まさかこれ程とは…」
シャルル
「あの~…織斑先生…僕の気のせいならいいんですけど…さっきから【ラインバレル】がまるで瞬間移動してるみたいに動いてるんですけど…」
生徒達
「………」コクコク
シャルルの言葉に全員が頷いていた
千冬
「まるでも何もその通りだが?」
シャルル
「へ?」
千冬
「私も見るのは初めてだが、アレが【ラインバレル】の特殊能力の一つ【転送】だ。その力はお前の言った通り瞬間移動だ。他にもワープ、空間転移とも呼ぶな。」
生徒達
「ええええええぇぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!!」
シャルル
「ワープって!本当なんですか!?」
千冬
「実際に目の前でやっているだろ。」
シャルル
「そ、そうですけど…でもワープ何て…」
千冬
「だから言っただろ?お前達が理解出来るかどうかは別だと。」
シャルル
「………」
ラウラ
「教官…先ほど教官は【ラインバレル】の能力の一つと仰りましたが…まさかあの機体には他にも何かあるんですか?」
千冬
「そうだ、【ラインバレル】には二つの特殊能力がある。さっき布仏が言った整備課泣かせと言う意味はもう一つの能力から来た言葉だ。」
ラウラ
「!?…まだあるのか…」
≪アリーナ≫
一夏
「ぐっ…ううっ…一体何が起きたんだ…いきなり後ろから斬られたぞ…」
鈴
「っ…。アレが【ラインバレル】の能力の一つ【転送】よ。瞬間移動って言えばアンタでも分かるでしょ。」
一夏
「しゅ、瞬間移動!?そんな馬鹿な!?」
鈴
「なら今の私達の状態はどういう訳?」
一夏
「そ、それは…」
一夏は否定したかったが、自分達の今の状況が全てを物語っていた
真耶
「話には聞いていましたが、これ程厄介な能力なんて思いませんでしたよ…」
セシリア
「そして【ラインバレル】にはもう一つ能力がありますからね。」
一夏
「まだあるのかよ!?」
セシリア
「そうですわ。…こちらも直接見た方が早いですわね。永遠さん!!構いませんか?」
永遠
「構わんぞ!来い!!」
セシリア
「それでは鈴さんお願いします。」
鈴
「うおりゃあああぁぁぁーーーっ!!!」
鈴は連結させた【双天牙月】を投げつけた
ガキンッ!
一夏
「え!?」
永遠は避けずにその攻撃を受けた
一夏
「な、何で避けなかったんだ?」
鈴
「今の攻撃で出来た傷を見ていなさい!」
一夏
「え?………何!?」
一夏は言われた通り、鈴が付けた傷を見ていると、一夏達の目の前で【ラインバレル】の傷があっと言う間に修復されていったのだ
一夏
「き、傷が治った!?何で!?」
セシリア
「アレが【ラインバレル】のもう一つの特殊能力【自己再生能力】ですわ。」
一夏
「【自己再生】!?」
真耶
「そうです!全てのISには元から自己修復能力が備わっているんですが…」
鈴
「【ラインバレル】の修復速度は通常のISの数百倍。永遠が言うには例えバラバラに破壊されても半日もあれば完全に修復されるらしいわ。」
一夏
「そ、そんな!?」
セシリア
「更にあの能力にはSEの自動回復能力も備わってます。先程の鈴さんの攻撃で受けたダメージもすでに回復していますわ。」
一夏
「な!?SEまで!!」
真耶
「そうです!しかも【ラインバレル】のあの能力はダメージを受けると同時に瞬時に発動します!その上、織斑君の【零落白夜】のようなデメリットが一切無いんです!」
一夏
「そんな奴どうやって倒すんだよ!?」
鈴
「だから最初に言ったでしょ!【ラインバレル】に勝つには速攻で仕留めるしかないって!」
一夏
「だ、だから長期戦は不利って言ったのか!?」
一夏はこの時になってようやくセシリアと鈴が最初に行っていた言葉の意味を理解した
【ラインバレル】を相手に間合いは意味をなさず、戦闘時間が長くなるほど自分達が不利になっていくのだ
≪観客席≫
生徒達
「………」
此方も再び言葉を失っていた
ラウラ
「…な、何だあの能力は…何なんだあの機体は!?」
シャルル
「ビーム兵器にワープ機能、さらに自己再生!?…整備課泣かせってこういう意味だったの!?」
千冬
「そういう事だ。」
本音
「うん♪【ラインバレル】にはメンテが必要ないんだよ~♪分子レベルで修復しちゃうらしいからね~♪」
シャルル
「分子レベル!?」
千冬
「しかも、まだ
ラウラ
「
千冬
「違う。火ノ兄のISは全て一次の状態で
本音
「私もそれは聞いてないですよ~?」
千冬
「なら後で聞いておくか…【戦国龍】みたいな能力だったら対策を用意せんといかんからな。」
本音
「そうした方がいいですね~♪」
千冬
「さて、もう十分なデータも取れた事だし終わらせるか。それに…これ以上はあの4人の精神がもたん。」
千冬はこれ以上続けるとセシリア達4人がただでは済まないだろうと判断し模擬戦の終了を決めた
千冬
「そこまでだ!!これ以上続けると後の授業に響く!!降りて来い!!」
千冬の終了宣言と共に5人は地上に降りて来た
千冬
「全員アリーナに戻るぞ。」
生徒達
「はい!」
千冬達はアリーナへ移動して言った
≪アリーナ≫
一夏
「つ、疲れた~~~…」
鈴
「結局一発も当てられなかった…」
セシリア
「ホントですわ…って鈴さんは一度当てたではないですか!」
鈴
「アレは永遠がワザと当たったからノーカンよ!!」
永遠
「皆大丈夫かの?」
真耶
「大丈夫じゃないですよ~…」
それから千冬達が来るまでの間、4人は疲れを取る為休んでいた
~三人称 Side out~
次回『第069話:剣刃』