IS世界を舞う剣刃   作:イナビカリ

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第071話:第二回織斑家家族会議

 ~一夏 Side~

 

 …う~ん…オカシイ…

 シャルルは何であんなに一緒に着替えるのを嫌がるんだ?

 

一夏

「分からん………よし!後で火ノ兄に相談しよう!」

 

 これならアイツも怒らないだろ

 とりあえず箒に誘われているから屋上に行くか

 

一夏

「あ!そうだシャルルも誘って行くか。」

 

 俺は着替えの終わったシャルルを連れて屋上に向かった

 けど…後から来た箒はシャルルといる俺を見て露骨に嫌な顔をしていた

 もしかして箒の奴…

 …だとしたら俺…やっちまったのか!?

 

「…どうした!急に顔が青くなっているぞ!」

 

 箒の声…明らかに不機嫌になってる…こんな所をアイツ等に見られたら

 マ、マズイ…パワーボムが来る…

 

一夏

「い、いや…な、何でもない…」

 

シャルル&箒

「?」

 

 俺は屋上を見渡したけどアイツ等はいなかった

 た、助かった…

 けど俺は恐怖心からその時の箒の気持ちについてすっかり忘れてしまっていた

 

 ~一夏 Side out~

 

 

 

 ~簪 Side~

 

 私は昼食を永遠達と食べようと思って食堂で待っていた

 

本音

「かんちゃ~ん♪」

 

「本音、皆も♪」

 

 本音を先頭に永遠とセシリア、鈴がやって来た

 

本音

「アレ?まだ食べてないの?」

 

「うん!みんなと一緒に食べたかったから♪」

 

永遠

「そうじゃったか。スマンな待たせてしもうて。」

 

「ううん♪気にしないで。」

 

 それから私達は昼食を取り始めたんだけど、鈴が午前中の合同授業で起きた事を話し始めた

 

「【戦国龍】の新しい能力?」

 

「そうよ!【剣刃(つるぎ)】って言うのを造る事が出来るのよ。」

 

「【剣刃(つるぎ)】?」

 

セシリア

「【六道剣(りくどうけん)】の様な物です。あの刀の様な属性を持つ剣と思ってください。」

 

本音

「でも~、【六道剣(りくどうけん)】よりは能力が落ちてるんだよね~♪」

 

「それでも十分強力な武器よ。山田先生は専用機を持つ事と同じだって言ってたわ。」

 

「そんなに!?」

 

永遠

「うむ!とりあえずレクチャー用に最初に造らされた奴は織斑にやった。」

 

「あげちゃったの!?」

 

永遠

「ワシには必要無いからのぉ。」

 

セシリア

「ただ、それを知った織斑先生が今度のトーナメントの賞品にしようと考えて、永遠さんにもう一振り造る様に言ったんですわ。」

 

「賞品って…そんな事していいの?」

 

「その話は永遠の造った【剣刃(つるぎ)】を他の先生達や学園長に見せて話し合うそうよ。許可が下りれば賞品用の分を造るんですって。」

 

「そうなんだ…それで、もう一つの【剣刃(つるぎ)】はどうなるの?」

 

本音

「セッシーにあげたよ♪」

 

「え!?」

 

セシリア

「頂きはしましたが先生方の話し合いが終わるまでは手元にありませんわ。」

 

 永遠の造った武器…

 

「…いいなあ~…」

 

「フフン♪安心しなさい!永遠が私とアンタの分も造ってくれるそうよ♪」

 

「ホント!?」

 

永遠

「ああ、ただし、今日はもう疲れたんで後日になるがの。」

 

「それでいいよ!」

 

 私にも造ってくれるんだ~…よかった~…

 

永遠

「二人の分はトーナメントまでには造っておくからの。」

 

「楽しみにしてるわよ♪」

 

「一体どんなのだろ~♪」

 

 凄い楽しみだな~♪

 

 ~簪 Side out~

 

 

 

 ~永遠 Side~

 

 昼食、午後の授業が終わり、放課後になったからセシリア達に挨拶して帰ろうとしたら…

 

一夏

「火ノ兄ーっ!」

 

永遠

「ん?」

 

 織斑がやって来た

 

永遠

「何じゃ?ワシはもう帰るんじゃが?」

 

一夏

「悪い!ちょっと相談に乗って欲しいんだ。」

 

永遠

「相談?…また誰か泣かしたんか!」

 

一夏

「ち、違う!?何でいきなりそうなるんだよ!」

 

永遠

「自分の胸に手を当ててみい!!」

 

一夏

「…すみません…」

 

永遠

「で?相談とは何じゃ?」

 

一夏

「あ、ああ…シャルルの事なんだ。」

 

永遠

「デュノア?何があったんじゃ?」

 

一夏

「実はさ………」

 

 そしてコイツはデュノアの事を話し始めた…

 何でもコイツはデュノアに裸の付き合いをしようと着替えに誘ったらしい

 それを断られて理由が分からずワシに相談したそうじゃ

 それを聞いてワシは…

 

永遠

「………」

 

 ザッ!

 

 ワシとセシリア達は一瞬で織斑から距離を取った

 

一夏

「お、おい…どうしたんだよ?」

 

永遠

「織斑…ワシの半径3m以内に入って来るな!」

 

一夏

「どういう意味だ!!」

 

セシリア

「貴方やはりそっちの方でしたのね!」

 

「噂は本当だったわけね!」

 

「永遠に近づかないで!」

 

本音

「ひののんはノーマルなんだから!」

 

一夏

「またそのネタかよ!!だから俺はホモじゃねえええぇぇぇぇーーーーーっ!!!」

 

永遠

「喧しい!明らかにそっちの奴がする行動じゃろうが!!」

 

一夏

「え?」

 

 コイツ分かっとらんのか!

 

永遠

「いいか!男同士の裸の付き合いとか言う言葉はな、銭湯や温泉で使うもんじゃ!何処の世の中に更衣室で言う奴がおるんじゃ!そう言うんは同性愛者しかせんわい!!」

 

一夏

「ええぇっ!?」

 

永遠

「しかも貴様には気遣いゆうもんが無いんか!男同士でも肌を見られたくない者もおるんじゃ!体に付いた傷や痣を見られたく無い者もおる!」

 

一夏

「そ、そうか!!」

 

永遠

「んな事も分からんのか貴様は!!」

 

一夏

「す、すみません…」

 

永遠

「男同士で一緒に着替えようなんて言う奴はホモ以外いる訳無いじゃろうが!!!」

 

一夏

「そ、そんな…」

 

永遠

「分かったらワシに近づくな!!ホモ斑!!」

 

一夏

「ホ、ホモ斑!?何だよそれ!!」

 

永遠

「お前の事じゃ!!」

 

一夏

「俺はホモじゃなあああああぁぁぁぁぁーーーーーいっ!!!!」

 

「ほぉ~…その話、私も詳しく聞かせて貰いたいな…」

 

一夏

「!?………ち、千冬姉…」

 

 いつの間にか織斑の後ろに姉が来ておった…

 

一夏

「い、何時からそこに…」

 

千冬

「お前がデュノアの事で相談した辺りからだ。」

 

 殆ど最初からじゃな…

 

千冬

「織斑…」

 

一夏

「は、はい!!」

 

千冬

「今夜9時に私の部屋に来い…家族会議だ!!」

 

一夏

「いやだああああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!!!」

 

永遠

「自業自得じゃな。」

 

セシリア&簪&本音&鈴

「ウンウン!」

 

永遠

「さて、ホモは放っておいてそろそろ「あの!」ん?」

 

 今度は何じゃ?

 

 ~永遠 Side out~

 

 

 

 ~シャルル Side~

 

永遠

「デュノアか…何用じゃ?」

 

シャルル

「う、うん…火ノ兄君、これから空いてるなら一緒に訓練をと思ったんだけど…」

 

 彼については何の情報も無い…

 だから、少しでも一緒に行動して彼の事を知らないと…

 そう考えて訓練に誘ったんだけど…

 

永遠

「スマンがワシはもう帰るんでな。訓練は出来んのじゃ。」

 

シャルル

「帰るって…寮の部屋に?」

 

永遠

「いや、家にじゃ。」

 

シャルル

「え!?な、なんで…この学園は全寮制の筈だよ!」

 

永遠

「ワシは事情があって許可を貰って自宅通学をしとる。放課後になれば家に帰るんじゃよ。」

 

シャルル

「自宅通学って…あ!今朝、織斑先生が言ってた1日の半分はいないっていうのは…」

 

永遠

「夕方から朝まで学園におらんという事じゃよ。」

 

シャルル

「そ、そうだったんだ…」

 

 まずいな…学園にいないんじゃ一緒に行動する事も出来ない…

 つまり彼の事を知るには授業の間か、人伝に聞くしかないのか…

 いきなり出ばなをくじかれちゃったな…どうしよ…

 

永遠

「まあそう言う訳でワシは訓練は出来ん。じゃが週末じゃったら多少は出来る。その時にでもまた誘ってくれ。」

 

シャルル

「う、うん!その時はお願いするよ。」

 

永遠

「ん!では、ワシはもう帰る。皆、また明日な。」

 

セシリア

「はい♪また明日♪」

 

「さよなら♪」

 

本音

「バイバ~イ♪」

 

「じゃあね~。」

 

 火ノ兄君はオルコットさん達に挨拶をすると帰って行った

 

一夏

「千冬姉ええぇぇぇーーーっ!!」

 

セシリア

「まだやってますわね。」

 

シャルル

「…何があったの?」

 

「アンタは知らなくていい事よ…」

 

シャルル

「そ、そう…」

 

 深く聞かない方がいいみたいだな…

 

 ~シャルル Side out~

 

 

 

 ~千冬 Side~

 

 今は夜9時…私の前には前回と同じ様に一夏が正座している

 

千冬

「さて、第二回家族会議を始めよう…」

 

一夏

「………」

 

千冬

「一夏………」

 

一夏

「………はい…」

 

千冬

「やはりホモだったのかあああぁぁぁーーーっ!!!」

 

一夏

「違あああああぁぁぁぁぁーーーーーうっ!!!」

 

 私達の家族会議は今回も朝まで続いた…

 

 ~千冬 Side out~

 

 




 次回『第072話:放課後の訓練』


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