~永遠 Side~
ワシは休みの間に簪と鈴の【
で、授業も全部終わったんで二人に渡そうと思うたら…
千冬
「火ノ兄、すまないが職員室に来てくれ。話がある。」
織斑先生に呼ばれた
永遠
「ぬ!…分かったが、ちと待ってくれ。…セシリア、本音、スマンが簪と鈴に渡すのが少し遅れると伝えといてくれんか?」
セシリア
「分かりましたわ。では、わたくしは鈴さんに伝えておきます。」
本音
「私はかんちゃんに言っておくね~♪」
永遠
「スマンが頼む。…待たせたの。」
千冬
「いや、あの二人の分が出来たのか。どんな物だ?」
永遠
「それは言えんの。初めに見せるのは簪と鈴じゃからな。」
千冬
「フッ、そうだな。」
永遠
「それで用件は?」
千冬
「今度のトーナメントの事だ。詳しくは職員室で話す。」
ワシはその言葉に頷くと織斑先生について行った
~永遠 Side out~
~セシリア Side~
わたくしは永遠さんからの伝言を伝える為に2組を訪ねたのですが、鈴さんは既にアリーナに行ってしまったそうなのでそちらに向かいました
アリーナに着くとISを展開した鈴さんがいました
セシリア
「鈴さん!」
鈴
「ん?…セシリア、どうしたの?」
セシリア
「永遠さんから言伝を預かってきました。鈴さんの【
鈴
「そっか…早く見たかったけど千冬さんに呼ばれたんじゃしょうがないわね~…」
セシリア
「そうですわね。鈴さん、これから訓練をされるならわたくしと模擬戦をして下さいませんか?」
鈴
「いいけど…どうしたの急に?」
セシリア
「…実は最近【ブルー・ティアーズ】に違和感を感じる様になっていまして…」
鈴
「違和感?」
セシリア
「はい…それが何かを確かめたいんです。」
鈴
「ふ~ん…そういう事ならいいわよ。」
セシリア
「ありがとうございます!ではすぐに準備してきますので!」
わたくしは急いで着替えるとアリーナに戻り、【ブルー・ティアーズ】を展開しました
セシリア
「お待たせしました。」
鈴
「そんなに待ってないわよ。…そういえばさ、セシリアはあの噂って聞いてる?」
セシリア
「噂ですか?…もしかして今度のトーナメントで優勝すれば織斑さんと付き合えるという話ですか?」
鈴
「そうよ。」
実は数日前からトーナメントに優勝すれば織斑さんと付き合えると言う噂が広まっているのです
セシリア
「鈴さんはどうされるんですか?もし優勝出来たら?」
鈴
「私?私は付き合わないわよ。アイツにはもう恋愛感情何て無いんだもん。」
セシリア
「…そうですか…」
…本気で言ってますわね…鈴さん程の女性に愛想をつかされるなんて…馬鹿な方ですわね
セシリア
「ですが、何故その話をわたくしに?」
わたくしが織斑さんに興味が無いのは鈴さんは知っていますし…
鈴
「別に大した理由じゃないわよ。誰が噂の出所になったのかなって思っただけよ。」
セシリア
「そういう事ですか。それなら…恐らく篠ノ之さんではないですか?」
鈴
「箒か…確かにそうかもね。」
セシリア
「織斑さんに優勝したら付き合って欲しいと言った所を他の生徒の方達が聞いていて、今の様な噂になったと思いますわ。」
鈴
「多分そうでしょうね。………さて、無駄話をしたわね。始めましょうか!」
セシリア
「はい!」
鈴さんとの試合を始めようとした瞬間…
ドウゥゥンッ
セシリア&鈴
「!?」
わたくし達の間を砲弾が通り過ぎました
鈴
「な、なに!?」
セシリア
「誰ですの!いきなり攻撃するなんて!」
わたくし達が砲撃してきた方向を向くと、そこにいたのは…
鈴
「アンタ…」
セシリア&鈴
「ラウラ・ボーデヴィッヒ!!」
鈴
「いきなり何のつもり!」
ラウラ
「…4人がかりで一人に負ける人間が代表候補生か…余程人材不足の様だな。数と古いだけの国は。」
セシリア
「何を言ってますの?永遠さん相手に4人で勝てる方がおかしいのですわ!」
鈴
「そうよ!アンタこそ代表候補生のくせして相手の実力も分からないの?」
セシリア
「織斑先生が言っていると思ったのですが?」
ラウラ
「!?…ああ、確かに教官は言っていた!…だが!奴が強いのは機体のせいだ!奴自身が強い訳では無い!!」
セシリア
「…今の言葉は聞き捨てなりませんわね…永遠さんの強さが機体のお陰ですって!」
鈴
「アイツがどれだけ自分を鍛えて手にした力かも知らないで…よくそんな事言えるわね!」
ラウラ
「なら、二人がかりでかかって来い。貴様達の言う事が本当の事か証明してみせろ。」
セシリア&鈴
「!?」
鈴
「上等っ!!」
~セシリア Side out~
~永遠 Side~
織斑先生の話が終わって職員室を出ると簪と本音がおった
永遠
「二人ともどうしたんじゃ?」
簪
「本音から話を聞いて早く私の【
永遠
「さよか。じゃったらアリーナに行くかの。鈴もそこにおるじゃろ。」
簪&本音
「うん♪」
ワシ等は鈴を探しにアリーナに向かおうとした時…
生徒
「ねえ聞いた?今、第3アリーナで代表候補生3人が模擬戦してるんだって!」
模擬戦の話が聞こえてきた
永遠
「3人?」
簪
「セシリアと鈴かな?」
本音
「でも後一人は誰だろ?」
永遠
「嫌な予感がするのぉ…行くぞ!」
簪&本音
「うん!」
何事も無ければいいんじゃが…
~永遠 Side out~
~簪 Side~
第3アリーナに着いた私達が見た物は…
永遠
「セシリア!鈴!」
ボーデヴィッヒさんに倒されている二人だった…でも、あのセシリアが負けるなんて…
一夏
「止めろラウラ!止めるんだ!」
織斑一夏達も来てたんだ…
永遠
「アイツ…ワザと痛めつけとるな!」
簪&本音
「え!?」
そんな!…だとしたらヒドイ!
一夏
「来い!【白式】!!」
【白式】を展開した!まさか!
一夏
「【零落白夜】!!」ガキンッ「何っ!!」
バリアに弾かれた!?
まさか、今のアリーナのバリアは強化された状態になってるの!
これじゃあ中に入れない!
簪
「永遠どうするの!?このままじゃ二人が!」
永遠
「分かっとる!【ラインバレル】!!」
永遠は【ラインバレル】を展開した
簪
「そうか!【ラインバレル】なら中に入れる!」
永遠
「簪、本音、掴まれ!」
永遠にそう言われ私と本音は【ラインバレル】の腕を掴んだ
永遠
「しっかり掴まっておれ!行くぞ!」
一夏
「!?…待ってくれ俺も…」
織斑一夏が何か言おうとしたけど永遠は【転送】を使って私達ごとバリアの中に転移した
~簪 Side out~
~鈴 Side~
ラウラ
「やはりこの程度か。」
私はともかく、セシリアがやられるなんて…
機体の相性のせいかもしれないけど…
セシリアの動き…まさか!?
ラウラ
「止めだ!」
セシリア&鈴
「クッ!」
永遠
「そこまでじゃ!」
ラウラ
「!?」
セシリア&鈴
「永遠(さん)!?」
現れたのは【ラインバレル】を纏った永遠だった
一緒に簪と本音もいた
ラウラ
「どうやって入って来た!…そうか【ラインバレル】の能力か!?」
簪
「セシリア!鈴!」
本音
「大丈夫~…」
二人が声をかけてくれたけど…正直ISの破損もヒドくて、無事じゃあ無いのよね…
鈴
「…簪…本音…」
セシリア
「無様な所を…お見せしましたわね…」
私達のISが強制解除されたか…当然と言えば当然よね…
ラウラ
「貴様が来たのは驚いたが、ここで貴様も始末してやる!」
永遠
「………」
永遠はラウラの言葉を完全に無視して、私達の方に歩いて来た
ラウラ
「!?…何とか言ったらどうなんだ!!」
無視されたのが気に食わなかったのか永遠の後ろから右手首の手刀で斬りかかった
セシリア&簪&本音&鈴
「永遠(さん)!!」
ガキイィィン!
ラウラ
「何っ!?」
永遠は後ろ手でいつの間にか持っていた2本の剣でラウラの攻撃を防いでいた…
でも、この剣って…まさか!?
ラウラ
「何だそれは!?」
簪
「…永遠…それってもしかして!?」
永遠
「左様!これが簪と鈴の【
やっぱり!私と簪の【
永遠
「簪の【天空の光剣クラウン・ソーラー】と、鈴には【紫電の霊剣ライトニング・シオン】じゃ!」
鈴
「…【紫電の霊剣ライトニング・シオン】…」
私の【
簪
「…【天空の光剣クラウン・ソーラー】…」
そして簪の【
ラウラ
「それがそいつらの【
永遠
「…断る…」
ラウラ
「何!!」
永遠
「断ると言ったんじゃ。この二本は簪と鈴の為に造った物、この二人でしか使えん様になっとる。無論、セシリアに渡した【メイルシュトロム】もそうじゃ。」
セシリア&簪&鈴
「え!?」
永遠は二本の【
永遠
「例え力づくで奪っても【
ラウラ
「主と認めないだと!たかが武器の分際で偉そうに!武器は武器だ!より優れた人間が使ってこそ価値があるんだ!」
永遠
「なら試してみるか?」
ラウラ
「何?」
永遠
「今この二本は地面に突き刺さっとる。これを抜いてみろ。抜ければ貴様にくれてやる。」
簪&鈴
「永遠!?」
ラウラ
「いいだろう!その言葉、後悔するなよ!」
永遠
「やるなら早よせい!」
ラウラ
「!?…よく見ていろ!」
まずは私の【ライトニング・シオン】に手をかけた…
ガシッ!…バリッ!バリリリリリリリリリッ!!
ラウラ
「ぐあああああああっ!!」
【ライトニング・シオン】が突然放電し始めた…まるで、ラウラを拒んでるみたいに…
鈴
「【ライトニング・シオン】…」
ラウラ
「くっ!ならこっちだ!」
今度は【クラウン・ソーラー】を掴んだけど…
ガシッ!…バシュウウウウウゥゥゥゥーーーーンッ!!!
【クラウン・ソーラー】から衝撃波が発生して吹き飛ばされてしまった
ラウラ
「うわあああああぁぁぁぁぁーーーーーっ!!」
簪
「【クラウン・ソーラー】…」
永遠の言う通り…この【
ラウラ
「…ふざけるな…ふざけるなあああぁぁぁーーーっ!!…!?」
【クラウン・ソーラー】に吹き飛ばされたラウラの隣にセシリアの【メイルシュトロム】が落ちていた
【メイルシュトロム】を手に取ろうとした瞬間…
ドボオオオオオオオオオオンッ!!
【メイルシュトロム】から水柱が立ち上り水圧でラウラを再び吹き飛ばした
ラウラ
「うわあああああぁぁぁぁぁーーーーーっ!!」
セシリア
「【メイルシュトロム】…貴方まで…」
ラウラ
「グッ!…バカな…こんな事が…」
永遠
「これで分かったか?【メイルシュトロム】も含めてこの3本は貴様を拒絶した。貴様にはこの【
パチンッ!
永遠は突然指を鳴らすと…
カッ!
【メイルシュトロム】【クラウン・ソーラー】【ライトニング・シオン】の3本が光り始めた
永遠
「行け!お前達の主の手に…」
3本の【
セシリア&簪&鈴
「!?」
私達が手を出すと手の平の上に乗り、光が消えるとそこにはあの3本の【
セシリア
「これは!?」
永遠
「【
鈴
「こんな事も出来たんだ…」
永遠
「さて【
簪
「あ…うん!」
本音
「分かった~!」
簪はセシリアに、本音は私に肩を貸してくれた…
ラウラ
「許さん…許さんぞ貴様!!よくも恥をかかせてくれたな!!」
永遠
「…何を言うとる?ワシは無理じゃと言うたのに【
永遠の言う通りよ…永遠は使えないって言ったのに私達の【
ラウラ
「黙れ!…火ノ兄永遠!私と戦え!」
永遠
「………よかろう。」
セシリア&簪&本音&鈴
「永遠(さん)!!」
永遠
「…ワシも貴様がセシリアと鈴にやった事は許せん!叩き潰してくれる!!」
ラウラ
「それはこちらの台詞だ!貴様の化けの皮を剝がしてやる!!」
永遠はそのままラウラに向かって歩いていくと【戦国龍】の刀を抜いて構えた
ラウラ
「…何のつもりだ?…その刀は確か【戦国龍】の待機状態だったな?何故展開しない?」
永遠
「必要無い。」
ラウラ
「何だと!?」
永遠
「お前如きにISは必要無い。このまま相手をしてやる。」
セシリア
「と、永遠さん!いくら何でもそれは無茶です!!」
簪
「いくら永遠でも生身で何て!?」
私達が心配すると…
永遠
「安心せい。ワシは負けんよ。」
私達に笑って答えてくれた
永遠
「ほれ、チビッ子…かかって来い。」
ラウラ
「貴様!…ならば死ねえええぇぇぇーーーっ!!!」
そして生身の永遠とISを纏ったラウラの戦いが始まってしまった
~鈴 Side out~
次回『第074話:怒りの奥義!九頭龍閃!!』