IS世界を舞う剣刃   作:イナビカリ

78 / 155
第074話:怒りの奥義!九頭龍閃(ここのつがしらのりゅうのひらめき)

 ~箒 Side~

 

一夏

「アイツ…何考えてんだ…」

 

 一夏の言う通りだ…生身でISと戦うとは正気か?

 

シャルル

「い、一夏!火ノ兄君って生身でISに勝てるの?」

 

一夏

「アイツは確かに強いけど…いくら何でも無茶だ…」

 

シャルル

「なら急いで止めないと!」

 

一夏

「分かってる!でもここからじゃ中に入れない!」

 

シャルル

「そうなると管制室でバリアを解除するか、下から回り込むしかないね!バリアを解除すると観客席の皆が危険だから…」

 

一夏

「下から行くしかない!急ごう!」

 

箒

「一夏!」

 

一夏

「箒!お前はここにいろ!専用機を持たないお前じゃ危険だ!」

 

箒

「!?…専用機…」

 

シャルル

「一夏、早く!!」

 

一夏

「ああ!」

 

 一夏はデュノアと行ってしまった…

 

箒

「………」

 

 …私はまた見ているしか出来ないのか

 私にも専用機があれば…

 

 ~箒 Side out~

 

 

 

 ~三人称 Side~

 

 ≪アリーナ≫

 

 アリーナで相対する永遠とラウラ…だが、その表情は互いに違っていた

 ラウラを睨みつける永遠に対して、ラウラは余裕の笑みを浮かべていた

 

ラウラ

「貴様など…この一発で終わらせてやる!!」

 

 ラウラは肩の大型レールカノンを永遠に向けた

 

鈴

「アンタ!生身の人間を本気で撃つ気!?」

 

ラウラ

「当然だ!」

 

 鈴の非難の声もラウラには届かなかった

 

ラウラ

「くたばれえぇぇーーっ!!」

 

 ラウラがレールカノンを撃とうとした時…

 

永遠

「【飛天御剣流 飛龍閃】!!」

 

 永遠は右腰の【ラインバレル】の太刀に手を置くと、体を大きくひねりながら、鞘に納めた太刀の鍔を親指で弾いて飛ばした

 

ラウラ

「何っ!?」

 

 飛ばした太刀はレールカノンの砲身の中に入ると…

 

 ドガアアァァーーンッ!!

 

 誘爆を起こし爆発した

 

ラウラ

「何だと!?」

 

 爆煙の中から【ラインバレル】の太刀が飛び出てくると永遠はそれを手に取り鞘に納めた

 

ラウラ

「ば、馬鹿な!?」

 

 永遠がレールカノンを破壊した事にラウラはもとより、後ろにいたセシリア達も信じられなかった

 

簪

「…う、嘘…」

 

鈴

「レール砲を…破壊した…」

 

セシリア

「何ですの…今の技は…」

 

本音

「…刀を飛ばしたよ…」

 

 ラウラはレールカノンを破壊された事で先程までの余裕の表情が一変、険しい顔をしていた

 

ラウラ

「貴様!…よくもやってくれたな!!」

 

永遠

「どうしたんじゃ?一発で終わらせるのではなかったんか?」

 

ラウラ

「!?…ならばこれでどうだ!!」

 

 両肩とリアアーマーに装備された6機のワイヤーブレードを全て打ち出した

 自分に向かって来るワイヤーブレードに対して永遠は…

 

永遠

「【飛天御剣流 龍巣閃】!」

 

 ドドドドドドオオォォーーンッ

 

 高速乱撃によってワイヤーの先端のブレードを全て叩き落し、破壊してしまった

 

ラウラ

「なっ!?」

 

 レールカノンに続いてワイヤーブレードまで全て破壊されてしまい、ラウラには遠距離から仕掛ける武器が無くなってしまった

 

永遠

「さて、次は何じゃ?」

 

ラウラ

「くっ…くそっ!?」

 

永遠

「お主…レール砲にワイヤー…さっきから相手から距離を取って使う武器ばかりを使っとるな…あれだけ偉そうな事を言っておいて、生身の人間に近づく事も出来ん腰抜けか?」

 

ラウラ

「何だとぉぉーーっ!?」

 

 永遠の挑発に乗せられたラウラは両腕のプラズマ手刀で接近戦を仕掛けてた

 

 

 

 ≪観客席≫

 

箒

「…ば、馬鹿な…」

 

 箒は今アリーナで行われている戦いの光景が信じられなかった

 それは彼女以外の生徒達も同じだった

 生身の人間が刀だけで第三世代の新型を圧倒しているからだ

 

楯無&虚

「………」

 

 別の場所で二人の戦いを見ていた楯無と虚もまた言葉を失っていたが…

 

楯無

「………何て子なの…生身でISと戦えるなんて…」

 

虚

「…何ですか…あの技は…」

 

楯無

「…簪ちゃん…本音ちゃん…貴方達…何て男に惚れたのよ…」

 

虚

「お嬢様、それは今関係無いと思いますけど?」

 

楯無

「え、でも…虚ちゃんも自分の妹が…」

 

虚

「私は別に気にしてませんよ。本音はアレでも人を見る目はあります。あの子が選んだ相手なら認めるつもりです。簪お嬢様と同じ人を好きになるとは思いませんでしたけど…」

 

楯無

「そ、そう…」

 

 話がドンドン脱線していっている二人だった…

 

 

 

 ≪通路≫

 

一夏&シャルル

「ハァハァ…」

 

 一方、アリーナに向かっていた一夏とシャルルは、アリーナの出口まで来ていたが、そこにいたのは…

 

一夏

「千冬姉!?」

 

シャルル

「何でココに!?」

 

 出口にはISの近接ブレードを持った千冬がいた

 

千冬

「…お前達こそ何しに来たんだ?」

 

一夏

「何しにって…ラウラを止める為だ!このままじゃ火ノ兄がアイツに殺されちまうぞ!」

 

シャルル

「そうです!織斑先生こそ僕達より先に来ていたなら何で止めに入らないんですか!ブレードまで持ってきているのに!」

 

千冬

「ああ、それはな…私も最初はお前達の言う通り止めようと思ったんだが………」

 

一夏&シャルル

「?」

 

 言葉を濁す千冬に二人は首を傾げた

 

千冬

「…説明するより実際に見た方が早い。アリーナを覗いてみろ。」

 

一夏&シャルル

「え?」

 

 千冬に言われた通り二人はアリーナの中を見ると…

 

一夏&シャルル

「な!?」

 

 二人が見た物は肩に装備されたレールカノンが破壊され、6本のワイヤーを引き摺っているラウラの姿だった

 

一夏

「な、何があったんだ!?」

 

千冬

「見ての通りだ。ボーデヴィッヒは火ノ兄によってレール砲とワイヤーを破壊されている。」

 

一夏

「う、嘘だろ…」

 

シャルル

「そんな事…出来る訳が…」

 

千冬

「ならアレはどう説明する?」

 

シャルル

「そ、それは…」

 

千冬

「あの通り、今は火ノ兄が優勢だ。止めに入ろうにも入りづらくてな…もう暫く様子を見ようと思ってここにいた。」

 

一夏&シャルル

「………」

 

 

 

 ≪アリーナ≫

 

ラウラ

「死ねえええぇぇぇーーーっ!」

 

 永遠はラウラの手刀を全て受け止めず受け流す様に捌いていた

 

ラウラ

「くそっ!!」

 

永遠

「何じゃ?この雑な攻撃は?これが代表候補生の実力か?」

 

ラウラ

「き、貴様!?」

 

 永遠に攻撃を捌かれた瞬間、ラウラの両腕が広げた状態となり、それを永遠が見逃す筈も無く、一瞬で懐に潜り込んだ

 

ラウラ

「!?」

 

永遠

「【龍巣閃】!!」

 

 ドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!

 

 今度は本来の【龍巣閃】の使い方による高速乱撃をラウラにみまった

 

ラウラ

「ぐあああああぁぁぁぁぁーーーーーっ!!」

 

 【龍巣閃】を受けラウラは一端距離を取ると…乱れた呼吸を落ち着かせた

 

ラウラ

「ハァ~ッ…ハァ~ッ…(落ち着け!…落ち着くんだ…奴は生身…一撃当たれば終わりだ………ならば!)」

 

 ラウラは残った武装で永遠を倒す方法を考えた結果【シュヴァルツェア・レーゲン】に搭載されている特殊機能を使う事にした

 

ラウラ

「調子に乗るのはここまでだ!」

 

 ラウラは永遠に向けて手を翳した

 それを見た瞬間セシリアと鈴はラウラが何をしようとしているのかに気付いた

 

セシリア

「永遠さん!AICです!」

 

鈴

「それを受けると動けなくなるわ!」

 

 二人が叫ぶと同時に…

 

永遠

「!?…【土龍閃】!!」

 

 永遠は刀を地面に叩きつけ土石をラウラに向かって放った

 

ラウラ

「何!?」

 

 そして、永遠を止めようとしたAICは向かって来た土石を止めてしまっていた

 

永遠

「ほぉ…これがAICか?本当に止めとるのぉ…じゃが、一方向にしか使えんようじゃの…」

 

ラウラ

「し、しまった!?」

 

 永遠の放った【土龍閃】の土石によってラウラのAICの効果範囲が浮き彫りになっていた

 

永遠

「しかも、手を翳さんと使えんようじゃし、かなりの集中力がいる様じゃの。お主の手にさえ気を付けとけばいい訳じゃな。」

 

ラウラ

「!?」

 

 永遠の言う通りだった…AICは発動するには相当な集中力が必要であり、一方向にしか発生させる事が出来ないのだ

 それを見抜かれてしまった以上永遠にはもうAICが通用しない事になる

 永遠の動きならばラウラの手の動きで即座に範囲外に出る事もでき、また、先ほどと同じように【土龍閃】で止めると言う方法があるからだ

 しかも今のラウラには遠距離武器が無い為、AICを囮にして攻撃する事も出来なくなっていた

 

ラウラ

「くっ…くそっ!」

 

 ラウラには武装はプラズマ手刀しか残っておらず、それはつまり格闘戦しか戦う方法が無いという事になっていた

 

 

 

 ≪通路≫

 

シャルル

「ほ、本当に押してる…」

 

一夏

「…【飛天御剣流】…俺が喰らった技の他にもあんな技があったのか…」

 

千冬

「まさかここまでの強さとはな…」

 

 千冬でさえ永遠の圧倒的な強さに恐れを抱いていた

 

 

 

 ≪アリーナ≫

 

永遠

「さて、そろそろ終わらせようかの?」

 

 刀を逆手に持つとラウラに向かってそう言い放った

 

ラウラ

「終わらせるだと…終わるのは…貴様だぁぁーーっ!!」

 

 永遠にプラズマ手刀で斬りかかると、永遠もまたラウラに向かって行った

 

永遠

「【飛天御剣流 龍鳴閃】!!」

 

 永遠はラウラの頭上をすれ違う様にジャンプすると、ラウラと交錯する瞬間、刀を鞘に納刀した

 

ラウラ

「フンッ!何だそれは?ただ刀を鞘にしまっただけではな…!?」

 

 ガシャンッ!!

 

 ラウラは言いながら振り向くと突然倒れてしまった

 

全員

「!?」

 

 そして、何故倒れたのか?それはラウラ自身にもアリーナにいる者の誰にも分からなかった

 

ラウラ

「き、貴様…何をした!」

 

 立ち上がろうとしたが上手くバランスが取れずラウラは中々立てなかった

 

永遠

「【飛天御剣流 納刀術 龍鳴閃】…ISを纏った相手に効くかどうかは分からんかったが、どうやら効果は十分だったようじゃな。」

 

ラウラ

「納刀術…だと!」

 

永遠

「納刀言うんは刀を鞘に納める事じゃ。【龍鳴閃】は高速で刀を鞘に納める事で鞘と鍔のぶつかり合いで発生する高周波を相手の鼓膜に叩き込む技じゃ。コイツを喰らったもんは一時的に聴覚は破壊され、三半規管もマヒ状態に出来るんじゃよ。」

 

ラウラ

「ば、馬鹿な…そんな事が!?」

 

永遠

「ワシの声が聞こえるという事は、どうやら、聴覚より三半規管の方がダメージが大きいようじゃな。ほれ、待っといてやるから早よ立て。」

 

ラウラ

「ぐっ…くそっ!」

 

 永遠に施されラウラは何とか立ち上がったが、まだ完全には回復していなかった

 

永遠

「立ったか…ではこの一撃で…終わりじゃ!!」

 

 永遠は正眼の構えを取ると全身から凄まじい気迫を発した

 

ラウラ

「!?」

 

永遠

「【飛天御剣流 奥義】!!」

 

全員

「!?」

 

 奥義と言う言葉にその場にいた全員が反応した

 

永遠

「【九頭龍閃(ここのつがしらのりゅうのひらめき)】!!!」

 

 ドウゥゥンッ!!!

 

ラウラ

「ぐあああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!」

 

 目にも止まらぬ速さでラウラに向かって突進し、次の瞬間にはISを纏っているラウラが後方に吹き飛ばされ壁に叩き付けられた

 そして【九頭龍閃(ここのつがしらのりゅうのひらめき)】を受けたラウラのISは強制解除されてしまった

 

ラウラ

「…ぐ…ううっ…」

 

 永遠は倒れているラウラの元に向かうと…ラウラの首元に刀を当てた…

 

ラウラ

「ヒッ!」

 

永遠

「………」

 

 首元に刀を当てられ無言で睨みつける永遠にラウラは恐怖し、遂に意識を失ってしまった

 

ラウラ

「………」

 

 永遠は白目を剝いて気絶しているラウラを一瞥するとアリーナの入り口の一つに視線を移し…

 

永遠

「チビッ子はそっちで頼む。」

 

 刀を鞘に納めながらそう言うと、永遠はセシリア達の方に歩いて行った

 

永遠

「待たせたの。医務室に行くぞ。」

 

鈴

「あ、うん…」

 

永遠

「どうしたんじゃ?」

 

簪

「…あの…永遠が強いのは知ってたけど…」

 

セシリア

「…ここまで強いなんて…」

 

本音

「…思わなかったよ~…」

 

永遠

「カカカッ♪何の事は無い、修行の賜物じゃよ!修行すれば誰でも出来るわい。」

 

セシリア&簪&本音&鈴

「出来るか!!!」

 

鈴

「………アンタ、ホントにさっきラウラをぶっ飛ばした永遠なの?…さっきと雰囲気がまるで違うんだけど…」

 

永遠

「そうかの?自分では分からんのぉ?」

 

鈴

「…どっちが本当のアンタなのよ?」

 

永遠

「ワシはワシじゃよ。お主等が知る永遠じゃよ。」

 

セシリア

「フフッ♪そうですわね。永遠さんは永遠さんですわね♪」

 

簪

「そうだね♪」

 

本音

「うん♪」

 

鈴

「………まあ、アンタ達がそう言うならいいけど…」

 

永遠

「さ!いい加減行くぞ!」

 

 永遠はそう言うと【ラインバレル】を再び展開した

 

セシリア&鈴

「【ラインバレル】!?」

 

簪

「大丈夫!【ラインバレル】の【転送】で行くだけだから。」

 

永遠

「そういう事じゃ。飛ぶぞ。」

 

 永遠はセシリア達4人と【転送】を使い、医務室へと転移した

 アリーナには気絶したラウラ一人が残された

 永遠達が消えると入り口から千冬と一夏、シャルルの3人がアリーナに入って来た

 

千冬

「………」

 

一夏

「…【飛天御剣流】…何て剣術だよ…」

 

シャルル

「…ISに勝てる剣術があるなんて…」

 

千冬

「…お前達…ボーデヴィッヒを医務室に連れて行くぞ。」

 

一夏&シャルル

「は、はい!」

 

千冬

「それと…今後、学年別トーナメントまで、一切の私闘を禁止とする!!!」

 

 千冬はアリーナにいた全生徒に聞こえる様に宣言すると、3人は気絶したラウラを連れてアリーナを出て行った

 観客席にはまだ二人の戦いに驚き動けない者が大勢残っていた

 

 ~三人称 Side out~

 

 




 次回『第075話:御剣の理と二大奥義』

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。