~永遠 Side~
ワシが医務室に入ると、ベットの上には包帯を巻いたセシリアと鈴がおった
別のベットにはチビッ子がまだ気絶したまま寝かされとった
永遠
「二人共、怪我は大丈夫かの?」
セシリア
「はい、何とか…」
鈴
「平気よ。」
う~む…痩せ我慢しとるのか微妙じゃな…
簪
「…けど、二人がこんなにやられるなんて…」
鈴
「言い訳のしようもない…って言いたいけど…私はともかくセシリアは違うわ。」
永遠&セシリア&簪&本音
「え?」
セシリア
「どういう事ですか?」
鈴
「アンタさっき【ブルー・ティアーズ】に違和感を感じるって言ったわよね。」
セシリア
「え?はい…言いましたけど…」
鈴
「ラウラと戦っている時にその理由が分かったわ。…私も信じられないけど間違いないわ…セシリアの動きに【ブルー・ティアーズ】が着いて行けなくなってるのよ。…そうじゃなきゃいくら機体の相性が悪くてもアンタがラウラに負ける訳無いわ。」
セシリア
「そんな!?…【ブルー・ティアーズ】が…」
シャルル
「ちょっと待ってよ!いくら何でもISが人間の動きに着いて行けなくなるなんて…」
簪
「別におかしな事じゃない。」
シャルル
「え?」
本音
「ひののんでも他の機体を使えばそうなるよ~…」
シャルル
「そ、そんな…」
鈴
「本当よ。永遠があの3機以外を使えばセシリア以上に機体が着いて行かないわ。アンタもさっきの永遠の戦い見てたんでしょ?生身であんな動きが出来る奴に量産機が着いて行けると思ってるの?」
シャルル
「…た、確かに…」
簪
「でも、セシリアまでそうなるなんて思わなかった…」
鈴
「ええ、それも量産機じゃない第3世代の専用機でよ。」
セシリア
「………わたくしはどうすれば…」
永遠&簪&本音&鈴&シャルル
「………」
確かに機体が着いて行けないなんて状態、普通は無いからのぉ…
一夏
「どうかしたのか?」
織斑が遅れてやってきおったか…
今迄何しとったんじゃ?
まあいいか…仕方ない説明しとくか…
一夏
「………え?…ISが着いて行かなくなった?」
永遠
「そうじゃ。」
一夏
「そんな馬鹿な…」
鈴
「それだけセシリアは努力してきたって事よ。アンタもそのくらい頑張って貰いたいわね。」
一夏
「うっ!…はい…」
永遠
「セシリア、今は鈴と一緒に怪我を治す事に専念するんじゃ。【ブルー・ティアーズ】に関しては今は何とも言えん。機体の方も損傷が激しいんじゃ。修理が終わってから考えればよい。」
セシリア
「…はい…」
…帰ったら束さんに一度相談してみるかの?
ワシがそんな事を考えておると…
ドドドドドドドドドッ!!!!
永遠
「ん?」
簪
「何だろこの音?」
まるで地鳴りみたいな音が聞こえてきた
バンッ!!!
派手に扉が開かれると、大勢の生徒達が医務室の中に雪崩れ込んできおった
生徒1
「織斑君!!」
生徒2
「デュノア君!!」
生徒3
「火ノ兄君!!」
生徒達
「私とペアを組んでください!!!」
一夏&シャルル
「へ?」
…あ!そういう事か!
一夏
「ペア?何の事だ?」
永遠
「今度のトーナメントは、二人一組のタッグ戦に変更されたんじゃよ。」
一夏
「お前知ってたのか?」
永遠
「うむ、さっき織斑先生に呼ばれたのはそれが理由じゃ。タッグ戦じゃから賞品の【剣刃】を二つ造ってくれと頼まれたんじゃよ。」
一夏
「そうなんだ…」
生徒1
「私と組もう!織斑君!」
生徒2
「私と組んで!デュノア君!」
生徒3
「火ノ兄君!私と組んで!」
う~~~む…どうするかのぉ…
一夏
「悪い!俺はシャルルと組むから諦めてくれ!」
シャルル
「一夏…」
生徒1
「まぁ、そう言う事なら…」
生徒2
「他の娘と組まれるよりはいいか…」
生徒3
「男同士も絵になるし…」
ふむ、織斑はデュノアと組むか………ん?て事は…
生徒1
「じゃあ、火ノ兄君!私と組んでください!」
生徒2
「火ノ兄君となら優勝間違いなし!」
生徒3
「二人で賞品ゲットだよ!」
セシリア&簪&本音
「な!?」
まあ、そうなるわな………仕方ない…
永遠
「…ワシは誰とも組まんよ。確かペアがおらん場合、当日に抽選で決める筈じゃ。ワシはそうするわい。」
生徒1
「…まあそれなら…」
生徒2
「…運に任せるか…」
生徒3
「…他の子と組まれるよりは…」
ワシの答えに納得したのか全員医務室から出て行ってくれたか…
~永遠 Side out~
~シャルル Side~
簪
「永遠…ホントに誰とも組まないの?」
永遠
「そうせんと五月蠅いからのぉ…」
セシリア
「出来ればわたくしが組みたかったのですが…」
本音
「でも仕方ないよ~…」
簪
「そうだね…」
本当はこの3人が一番組みたかったんだろうな~…
真耶
「どちらにしてもオルコットさんは無理ですよ。」
一夏
「山田先生!」
今度は入れ違いで山田先生がやって来た
真耶
「お二人のISはダメージレベルがCを超えかけています。まずは修復に専念させないと、重大な欠陥が生まれますよ。ISの為にも参加の許可は出せません。」
鈴
「やっぱり…」
セシリア
「あそこまでやられては仕方ありませんわね…」
一夏
「?…随分あっさりしてるな?」
シャルル
「一夏、ISは起動している時間に比例して強くなるんだよ。」
一夏
「え?」
シャルル
「…ISは戦闘経験をを含むすべての経験を蓄積する事で、より進化した状態へと自らを移行させるんだ。その蓄積経験には損傷時も含まれてるんだよ。損傷が大きい時に無理に起動させると、不完全な状態を補う為に特殊なエネルギーバイパスを構築するんだ。それが今度は平常時に悪影響を及ぼすことがあるんだよ。」
一夏
「そうか…人間も怪我した状態で無理すると体に変な癖がつくっていうしな…」
真耶
「そういう事です。肝心な所でチャンスを失うのは残念な事です。貴方達にはそうなってほしくありません。」
鈴
「分かってます。」
セシリア
「はい。」
真耶
「分かってくれていてよかったです♪では私はこれで。」
山田先生は二人の機体の状態を教えると出て行ってしまった
シャルル
「…一夏…さっきはありがとう。」
一夏
「何がだ?」
シャルル
「ペアを組んでくれた事だよ。」
一夏
「ま、まあ同じ男同士で組んだ方がやりやすいだろ…」
シャルル
「それでもありがとう。僕も一夏との方が気が楽だから…」
一夏
「シャルル…」
永遠&セシリア&簪&本音&鈴
「………」
…やっぱり一夏は優しいな…
永遠
「…やはり織斑はホモじゃったか…」
セシリア&簪&本音&鈴
「ウンウン!」
いきなり何言いだすのこの人!!
一夏
「オイ!!何で俺がホモなんだよ!!」
永遠
「男同士で見つめ合っといて何言うとる!」
セシリア&簪&本音&鈴
「ウンウン!」
そうだ!僕は男だった!?
一夏
「俺はホモじゃなあああああぁぁぁぁぁーーーーーいっ!!!!」
永遠
「デュノアも満更では無さそうじゃし…」
セシリア&簪&本音&鈴
「ウンウン!」
…マズイ僕まで!?
シャルル
「ちちち違うよ!?僕はそんなのじゃないよ!!」
鈴
「あのさ、アンタ等がどんな関係かは知らないけどそう言うのは人前ではやらないでくれる?そんな事を平気でやるからアンタはホモって言われてるのよ?」
一夏
「り、鈴!?………スマナイ…」
シャルル
「?」
…何だろ?…また一夏の表情が暗くなったな…
…凰さんと何かあったのかな?
永遠
「………。ワシはそろそろ帰る。セシリア、鈴、二人は養生するんじゃぞ。」
セシリア
「はい♪ありがとうございます♪」
簪
「また明日♪」
本音
「サヨナラ~♪」
鈴
「ええ!」
永遠
「簪と本音もな。織斑、デュノア、そう言う事は部屋でするんじゃぞ。」
一夏
「だから違ああああぁぁぁぁぁーーーーーうっ!!!」
永遠
「ではな。」
一夏
「人の話を聞けーーーーーっ!!!」
あぅ~…火ノ兄君の中で僕までホモって認識されちゃった…どうしよぉ~…
~シャルル Side out~
次回『第077話:蒼い雫の行く末』