東方月陽向:新規改訂   作:長之助

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新異変です。


異変と異変

レミリア・スカーレット並びに西行寺幽々子が博麗霊夢に挑戦を叩きつける数刻前。八雲紫は博麗神社にやって来ていた。

 

「━━━はぁ?私に異変の片棒担がせろっていうの?流石に私もそこまでアホじゃないわよ?異変解決するのは確かに私の仕事みたいなもんだけど、故意に異変に参加させようってんなら私は参加しないわよ。

博麗の巫女がマッチポンプだなんて洒落にならないわよ。」

 

「もう人里のイザコザを止めるにはこれしかないのよ……そもそも、人間達が変な理由で対立しなければよかっただけだもの。」

 

「……レミリアと幽々子が私に挑戦を叩きつける。別にそれくらいなら構わないわよ。紅魔館全員と白玉楼の2人を相手にしろって言うならやってあげるわ。

けどね、それでどうして人里のいざこざが終わるのかが分からない。それに、自分達のことは自分達でした方がいいじゃない。人里の事に首を突っ込むほど暇じゃないでしょう、貴方も。」

 

レミリアと幽々子が挑戦を叩きつけた理由。それは紫が頼み込んだからである。『人里の混乱を収めるべく手伝って欲しい』と。

どうせなら、と異変では無く博麗霊夢に挑戦するという形に収まったが。

 

「……博麗霊夢が相手をしない場合は人里から人を攫っていく、って表向きの条件をつけてるのよ。」

 

「はぁ!?何考えてるのよ!!何でそんな事のために一々人攫いなんてするのよ!!いくら人里のいざこざを終わらせたいからってそこまでする必要ないでしょ!?」

 

「だから表向きって言ってるじゃない。

実際攫うのは聖白蓮派の人間よ……既に彼女から、彼女の側についてる者達に説明してもらってるわ。流石にそこまでの根回しをしないでこんなことしようとは思わないわ……まぁ、比那名居天子にも協力を仰ごうとしたけれど相変わらず腹が立つから頼まなかったけれど……」

 

紫の言ってることに呆れながら大きなため息をつく霊夢。予め相談されていたのならまだしも、一切の相談なく物事が勝手に進められている、というのは彼女からしてみれば自分自身の都合を無視されて進められているも同意なのだ。例え何も無かったとしても、自分の知らないところで操作されるのは気に食わない。

 

「……まぁ、いいわよ。起きてることは仕方ないし、やらなきゃいけない状態になってしまってるって言うのもわかってるもの。

けど、そういうのって人攫いした方が人里で協力しやすくなるんじゃないの?発表された直後に私があいつら退治しても何も問題ないでしょう?」

 

「大丈夫よ、この挑戦をするのはある一定人数を攫ってからということに決めていたんだもの。後は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。って状況を作り出せばいいだけだもの。」

 

「……あんた、やることえげつないわねほんと。だから私に先に情報提供したって訳?私が後からでも出られる様に。」

 

「えぇ、そうよ。」

 

ニコニコしながら言い放つ紫。霊夢は今度は軽いため息をついてから仕方ない、と決心した。起こってしまったことはしょうがないため、嫌でもしなければならないのだと。

 

「それで?私はいつごろに向かえばいいの?」

 

「あと数時間したら出ていいわよ……その頃になったらスキマで新聞を届けてあげるから。」

 

「ん、了解。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「という訳で、今回私達は一切関わらないということにしてあるわ。ここに新聞が届いたのも、わざわざ少ない部数刷ってもらってここに回してもらったからなのよ。」

 

「……それで、天狗達の情報網云々の話はどういうことか教えてもらえますか?」

 

時は戻って八雲邸。既に霊夢に新聞を届けていた紫は帰っていた。そして、陽達に事情を説明して今回は手を出すなという通告をしていたのだ。

 

「あぁ、簡単な話よ。射命丸文は写真を撮って新聞を刷った、けれど大天狗から『人里に手を出すな』と言われて会えなく断念………という設定にしてあるのよ。

実際は天狗側には人里に手を出すどころかハナから自分の領地を守る事しか考えてないから初めから関わることなんてないのよ。

今回天狗が関わることと言えばせいぜい新聞を刷った彼女くらいのものよ。」

 

「……手は出さない、って事だけど。なら何でわざわざ新聞を届けたんだ?どうせ紫がいないと出られないんだし。俺らに伝えなくても良かったんじゃないか?」

 

「事情を説明したのだからいいじゃない。それに、人里事情を陽鬼や月魅から聞いてるでしょう?なら予め新聞見せてあとから事情説明を私に乞う様に仕向けて置かないと貴方ってばすぐに人里に行こうとしたでしょ。『自分は人間だから話し合えるんじゃないか』くらいのことは言ってそうよ。」

 

「うぐっ……」

 

自分でもそんな気がして、陽は紫の言った事に反論は出来なかった。けれど、それでも何もしていない自分が嫌になっていた。

 

「まぁ、様子くらいなら見せて上げるわ……本気で戦うようには言ってあるけど……レミリア達に負けて貰って……それで円満解決になればいいけれど。えーっと例の水晶はどこ置いたかしら……」

 

「にしても……こんな事をよく引き受けてくれたよね。自分達が嫌われるようなことをよく受け入れてくれたもんだよ。」

 

陽鬼が呟いた疑問を千里眼に近い効果を持つ水晶を取り出しながら紫が付け足すように答える。

 

「簡単な話よ。未来永劫妖怪として差別されながら嫌われるより、主犯格で退治された故に反省した妖怪……として生きた方がマシってことよ。人里に食料を買いに来るから後から普通に食料調達できる方法をとるわよ、あの二勢力は。」

 

「なるほど、確かに私ならご飯食べれる方を取っちゃうなぁ……」

 

「貴方は食い意地が張りすぎですよ……それで遠くのものを見られるのですか?」

 

紫の取り出した水晶を見る月魅。紫は軽く頷いた後に、それをテーブルの中心に起き、少し念じる。すると、透明の水晶に景色が映し出され始め、全員がそれに注目し始めたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全く……異変なんてもうしないと思ってたら……もう一回退治されないと懲りないのかしら?って貴方の主に伝えておいて欲しいのだけれど。」

 

「ふん……幽々子様のやることを決めるのは幽々子様だけだ。博麗の巫女が決めることじゃないだろう。」

 

「それもそうね……私がやるのは、あくまでも矯正で強制させる事だもの。」

 

人里上空、そこでは既に霊夢と妖夢が対峙していた。互いにお互いの武器を構えて呆れ顔で対峙していた。

 

「大変ねあんたも……どうせ幽々子の事だし『わぁ〜楽しそうね、妖夢、やりましょうよ〜』か『ご飯が無くなるなんて耐えられないわ、妖夢やりましょうよ〜』の二択でしょどうせ。」

 

「……『ご飯が無くなるのも嫌だけど、なにより楽しそうだからやりましょうよ妖夢〜』が正解ですよ。まぁここには私の刀の手入れをしてくれる人もいますしね、行けなくなるのは辛いですよ。自分で覚えろと言われたらそれまでですが、白玉楼には手入れの施設をおけるほど自由が利く訳でもありませんし。」

 

「……本当に大変ねあんたも。で、結局1番手はあんたって訳ね。二番目以降は誰かしら?」

 

「二番目は紅魔の門番、3番目に動かない大図書館、4番目に瀟洒なる従者、5番目に我が主、6番目に紅魔の悪魔……という順番ですよ。

ですが……ここで私を倒せる前提で話すのはやめてもらおうか!」

 

声を荒らげながら真っ直ぐ突っ込んでくる妖夢。楼観剣を縦横無尽に的確に振っていく。しかし、霊夢はこれを涼しい顔で尽く避けていく。

 

「くっ……手を抜いてるつもりは……無いのにッ!」

 

「ほら、当てないでいるとどうなるか分かってるでしょ?一応攻撃速度は早いせいで私攻撃出来ないんだから……ねっ!」

 

右へ、左へと次々に振り抜いていく妖夢。両手で振り抜いてすぐさま片手で刀の向きを変えてさらにすぐに降り抜く。それを繰り返しているにも関わらず、霊夢は未だ体を刀を避けるために動かしているだけだった。

 

「ならっ……!これなら!」

 

一旦妖夢は離れて斬撃型の弾幕を放っていく。しかし、霊夢はそれでも避けていく。だが、段々と弾幕が服に掠っていく様になってくる。霊夢は自身の動きが悪くなったのではなく、妖夢の弾幕の量が物理的に多くなったのだと気づいた。

 

「あんた……物理的には増やすのは構わないけれど……流石に疲れないかし……らっ!!」

 

流石に確実に命中すると思った霊夢は札を使って妖夢の弾幕を相殺していく。そして、陰陽玉も使い妖夢の弾幕を弾いていく。

 

「………流石に強いですね。流石に考え無しで二刀流をするのも考えもの……ですが!人符[現世斬]!」

 

ある程度弾幕を放ったところで妖夢は霊夢の弾幕を掻い潜り、二刀で弾きつつ高速の斬撃で霊夢に近づいていく。

 

「……霊符[夢想封印]!」

 

「え━━━」

 

瞬間、色とりどりの光弾が妖夢に襲いかかって、妖夢を気絶させていったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「という事があったのよ、美鈴。」

 

「へ、へぇー……そ、そうなんですかぁ………で、でも紅魔館には近づけさせませんよ!今改修中だしあっちにいるのはメイド妖精とゴブリンくらいですし!」

 

「えぇ、だから今から場所を聞くつもりだったのよ。ほかの奴らはどこにいるのかって……その体にね。」

 

「目が本気に見えるんですけど!?私は『霊夢は手抜きしてくれるからやられたフリでもしておきなさい』って咲夜さんから聞いてたんですけど!?」

 

そして人里の紅魔館側の出口、そこでは美鈴が霊夢の前に立っていた。妖夢はやられた後に適当な場所に寝かせておいてこちらに来ていた。

 

「それはあのメイドが遠まわしに『勝てないから最小限の傷で終わらせてこい』って言ってるのね、懸命な判断ね。というわけで表向きは退治させてもらうとするわ。」

 

「なんでも表向きっていえば満足すると思うなよこんちくしょう!!やってやりますよー!私だってその気になれば勝てる筈ですし!!」

 

「その気になって勝てるなら今頃私は誰にも勝てなくなっていると思うんだけれどね……」

 

美鈴のヤケクソに放たれる弾幕を涼しい顔で回避していく霊夢。反面美鈴は若干泣きかけながらバンバン撃ちまくっていた。

霊夢は少しいたたまれない気持ちになったが、負けるつもりはハナからないので本当に気持ちだけだった。

 

「何で当たらないんですかぁ!!こちとら本気で撃ってるのにぃ!!」

 

「あんたもうちょい弾幕量抑えなさいよ。さっきから私あなたの弾幕処理でお札使っちゃってるんだけど?弾幕には弾幕をぶつけるだけじゃ数が足りないしどうしてくれるのよ。」

 

「そのお札どこから出てるのかってくらいいつも出してるしいいじゃないですかぁ!!寧ろそう思うなら当たってくださいよ!」

 

「ごめんなさい、私も一応人間だから当たったら痛いの。痛いのは嫌なのよ。というわけでさっさと沈んでくれると私としてはとっても有難いのだけれど。」

 

「その台詞は1度でも私の弾幕に当たってから言ってもらおうかぁ!!一度も当たったことないのにそんな事言われても信用できるわけないじゃないですかぁ!!」

 

美鈴が叫び泣き、霊夢が淡々と避けていく。そして隙を見ては美鈴に攻撃を当てていく。美鈴の体自体はかなり頑丈に出来ているので多少の攻撃では怯まないのだ。

 

「それよりも相変わらず頑丈よねほんと……あの不良天人に比べれば柔らかい方だろうけど技の精度的に貴方の方が強いのかしら?」

 

「……確かめたことないからわかりません……って言うか逐一攻撃当てて来ないでくださいよ!もうボロボロですよ私!!」

 

「だったらどけ。今の私には貴方に使う体力はないのよ。

というわけで隙あり。霊符[夢想封印]」

 

「あ……私やっちゃいま━━━」

 

またもや光弾が放たれ、今度は美鈴が餌食となる。だが、それでも霊夢は涼しい顔を保っていた。

 

「さて……このまま進ませてもらうとしますか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……霊夢、こんなに強かったんだな初めから強いとは知っていたけどさ……まさかこれほどまでとは。」

 

「今まで数々の異変を解決させてきた猛者だもの。残りは4人………さて、霊夢はどう戦うのか……見ものね、頑張って欲しいわ。」

 

八雲邸、そこで紫達は霊夢がこの異変を解決させる様子を見守っていた。だが、残りは4人というこの状況で霊夢はどうするのか?マッチポンプとはいえ異変は異変なので、霊夢がどういうふうに戦うのか見たことなかった陽には丁度いい戦いを学べる場となっていた。

まだ、異変は終わらない。




前の火災は事件ですけど、今回は異変扱いです。
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