短編ですが、少しでも楽しんでもらえたら幸いです。
ウォール・マリア南端に位置する町シガンシナ区。
そこは今、「巨人達」によって地獄と化していた。
100年もの間、人類を守ってきた城壁が突如として現れた「超大型巨人」によって破壊され、多数の巨人が市街地に侵入。
悲鳴を上げながら逃げ惑う人々を次々と捕らえ、口に放り込み無残に食い殺していく光景はまさに地獄だった。
そんな中、少年エレンは幼馴染の少女ミカサと共に家の下敷きになった母カルラを助けるために柱をどけようとするが、子供二人の力では精々柱が少し浮くだけであった。
カルラは必死に二人に逃げるように言うが、エレンは母を見捨てる事が出来ず、その声を無視し何度も柱をどかそうとする。
そしてそれはカルラを母同然に慕うミカサも一緒であった。
しかし二人がどう頑張ろうと結果は変わることはなかった。
そうしている間にも巨人が迫ってくる。
「このままじゃ・・三人とも」
カルラがそう呟いた時。
駐屯部隊兵士のハンネスが立体機動装置を使い駆けつけてくる。
「ハンネス!子供達を連れて逃げて!!」
カルラはハンネスにエレン達を連れて逃げるように頼む。
ハンネスは無理にでも笑顔を作ると。
「見くびってもらっちゃあ困るぜ、カルラ。俺は巨人をぶっ殺してきっちり三人とも助ける!!」
ハンネスはそう言うと、巨人に立ち向かおうとした瞬間。
ドッゴン!!
凄まじい音と共に15メートル級の巨人の体が宙に浮く。
「なっ!?」
余りに非常識な光景にハンネスの顔が驚愕に変わる。
そしてそれはエレンやミカサも一緒であった。
カルラもエレン達の様子から何かが起こったことを感じた。
ハンネスは宙に舞った巨人を良く見ると、右足の膝から下が拉げていた。
巨人は数秒ほど宙を舞うと、そのまま仰向けの状態で地面に叩き付けられ、その衝撃が辺りに突風と砂煙を撒き散らす。
「ぐっ!!」
ハンネスは腕で突風から顔を守ると、倒れた巨人を見ると。
「!!!?」
ハンネスは目の前の光景に驚愕する、それはエレンやミカサも同じであった。
そこで繰り広げられてた光景は。
ズッシャ!!
見たこともない「怪物」が巨人の喉を手刀で貫いていた。
巨人は体を一回激しく痙攣させると、そのまま動かなくなり気化するように朽ちて消滅していった。
どうやら巨人の弱点である、うなじを破壊したようだ。
誰もが唖然とするなか怪物が此方を見る。
「く!?」
ハンネスは咄嗟に剣を引き抜き構える。
それを見た怪物は肩を竦めると。
「おいおい、そんな物騒なもんを向けないでくれるか?」
言葉を喋った。
ハンネスはもう何回目の驚愕をするが、必死に頭を落ち着かせると。
「お前は一体何者だ?言葉が分かるのか?」
剣を構えたままハンネスが問いかける。
怪物はその問いに。
「言葉?ああ、分かるぜ。俺が誰かそれを答える前に」
怪物はそう言うと、その体格から想像出来ない跳躍でエレン達の前に降り立つ。
「か、怪物!!」
「母さんに何をするつもりだ!!」
「来るな!!」
「カルラ!エレン!ミカサ!」
カルラが怪物を見て声を上げる、エレンとミカサは怪物の前に立ちふさがり、ハンネスはエレン達の下に走り出すが。
「落ち着けよ。今からソイツを助けてやるから」
怪物はそう言うと柱を掴むと。
「フン!」
大人数人でないと持ち上げれなさそうな柱を簡単に退かしてしまう。
怪物は瞬く間に他の瓦礫を退けると。
「俺が誰か教えてやる」
怪物は驚く四人を見つめると。
「俺はゾアノイド、グレゴールだ」
怪物いやグレゴールはニヤリと笑いながらエレン達にそういうのだった。
845年
超大型巨人によってウォール・マリア南端の突出区画シガンシナ区の城壁が破られ巨人進行。それと同時に人類はゾアノイドと遭遇した。
ちなみにこの話は連載する予定ですのでその時も見て貰えたら嬉しいです。
それでは感想や意見を待っています!!