「いくぜ!『緋炎連脚』!」
俺は炎を纏った脚で狼のような魔物『ウルフ』に連続の蹴りを当てる。後ろから気配を感じ、振り返り様に裏拳を放つ。殴ったのはどうやら『トゲトゲ』というカエルの魔物だった。
次々と襲いかかる魔物に俺は殴りや蹴りを入れて、『アレ』が整うのを待つ。
すると、後方で下がっていたエステルから声があがった。
「焰、避けてください!」
「おうっ!!」
その合図で俺は魔物から距離をとった。瞬間、テヌートの声がその場に響き渡った。
「雷雲よ、我が刃となりて敵を貫け!『サンダーブレード』!!」
瞬間、空から雷の剣が降り注ぎ、その雷光は魔物達を一掃した。
「大丈夫ですか、焰!!」
「ん、平気平気」
魔物との戦闘が終わり、一息ついた俺はその場に座りこんだ。そんな俺に、エステルが駆け寄って来る。
「ごめんなさい、私も戦えたらよかったんですけど・・・」
「いいだろ、お前治癒術の方が得意なんだしさ」
「ですけど・・・」
先ほどの戦闘に出れなかったのがよほど不服だったのか、ふてくされながら傷がついた俺の右腕に癒しの光を当てて来た。その様子を微笑ましげに見ながら、テヌートが駆け寄って来た。
「なかなか飲み込みが早いな、焰。技の連携が初心者とは思えない程に上手い」
「テヌート!次は私も前衛に出ます!」
「だから町につくまではお前は後衛だって言っただろ?闇雲に棍を振り回してたら俺に当たるっての」
「ですが・・・」
「安心しろ、後衛にしかできない仕事はいくらでもある。攻撃の術が使えるようになればいいんだが・・・よし、道中で下級だが教えてやる」
「本当ですか!?」
「テヌート、頼むから危険な術は教えないでくれよー」
俺達は今、ヘリオードから出てダングレストへ向かう最中だった。道中にはやはり魔物がよく現れるもので、俺達はその魔物と戦いを重ねていた。
もちろん俺やエステルの精霊石をならすためだけじゃない。魔物との戦闘が未経験な俺や、特にエステルはそもそも戦うということに不慣れだ。最初はところどころで襲われかけて、テヌートが前衛に出て来ることが多くなっていた。俺はすぐに慣れたが、エステルが闇雲に武器を振り回すから、ダングレストについたらテヌートに技を教えてもらうまで後衛という形になった。本人は不服のようで、テヌートに術を教えてもらうことになって嬉しそうだ。
俺はといえば何回かやれば平気になって、今じゃ詠唱を中心として戦うテヌートと治癒術を扱うエステルから注意を惹き付けるために率先して前衛をやっている。というかそれしか俺には出来ない。
テヌート曰く、術を使いこなすにはそもそも何年かの鍛錬を積んでおかないと行けない。詠唱の呪文はもちろん、見えないエネルギーを術に変換しなければいけない集中力のいるという。俺には向いてないな、と言えばテヌートに「むしろ俺みたいに術も技も使える奴が珍しいと思った方がいい」と言われた。まぁ確かにテヌートは剣技だけじゃなく高度な術も使えるみたいだからな。すごいと褒めれば、耳まで赤くなって照れてしまったが。
で、だ。俺は技に向いているとは反対に、エステルは術に向いているらしく、むしろ後衛の方が役に立つかもしれんとテヌートが話していた。それでも前衛で戦えないことには不服だったが・・・。
「むぅっ、私もあのまま格闘続けておけばよかったです」
「はいはい、拗ねんなって。それにしてもテヌートは術も得意なんだな」
「まあな。一通りの術は使える。個人差はあるが、エステルも使えるだろう。・・・適正属性があっていればの話だが」
「「適正属性?」」
聞き慣れない言葉に俺とエステルが首を傾げると、テヌートが説明してくれた。
「個人にはそれぞれ違った才能がある。それはダンスでもそうだし、学力もそうだ。生まれながらに記憶力に長けている奴もいれば、運動能力に長けた奴もいる。それと同じように、個人には属性と特に結びが強い『適正属性』というものがある」
「属性っていうと、ゲームとかでよくあるよな。炎とか、水とか」
「そうですね。属性は物語とかゲームによっては全然違いますが、大抵は炎、水、風、大地という万物の四元素、地水火風から来ていますね」
「その通りだ。個人には才能のように、適正属性という自らが扱える属性がある程度決まっている。その属性が一番自分と結びつきやすい」
「つまり、俺達にも扱える属性が限られているってことか?」
「そうだな。中には俺のように多くの属性を扱える奴もいるが、そんなものは稀だ。俺だって闇属性の術は使えんし、苦手な属性だと少ししか扱えない。逆に適正属性が合っていればその属性の術技は得意となってくる」
「へえ〜」
テヌートの説明に俺とエステルは頷く。
つまり人には適正属性があって、得意な属性であればあるほど、属性のある術技を使う際疲れにくい。逆に苦手属性だと、疲れやすいってことなんだろう。
するとエステルはあれ?と首を傾げ、テヌートに聞く。
「属性ってどんなものがあるんです?」
「それもおそらくその世界によって扱える属性が違う。俺が把握している範囲では『炎』『水』『風』『地』『光』『闇』『無』が一般的だな」
「そうか、俺達の世界じゃ属性が増えていたり、減っていたりするかもしれないのか」
「じゃあ、私達がどのような適正属性を持っているのか分からないんですね」
エステルが残念そうに言うが、テヌートがすかさずフォローを入れた。
「そう焦ることは無い。俺も自らの適正属性が分かるまでに何年もかかった。時間をかけて見つけていけばいい」
「そう、ですね・・・あっ!」
エステルが残念そうにしたが、ふと前方を指していった。俺達もその方角へ向くと、前方に大きな建物がいくつも立ち並んでいる町が見えた。
「おい、あれって・・・」
「間違いない、ダングレストだ」
ダングレストにはギルドの巣窟なだけあってヘリオード以上に活気づいており、傭兵らしい服装の奴らも何人か見かけた。
俺達は町を歩きながら、話をする。
「それで、ダングレストには情報がたくさん集まっているんだったよな?」
「ああ。まずは五大ギルドをあたってみよう。商業ギルドのトップ『
「商業ギルドならたくさん情報を持っていそうですよね」
でもギルドのトップだったら会いにいくのって大変じゃねえの?と心の中で思ったが口に出さないでおく。テヌートのことだ、何か策でもあるんだろう。
そう思ってたらテヌートがあることを言って来た。
「そうだな、『
「ブレイブ、ヴェスペリアです?」
エステルが首を傾げて聞くと、テヌートは頷いて答えた。
「ああ、この世界の赤い光を放つ一等星の名からとられた今の時代で有名なギルドだ。五大ギルドの1つでもある」
「へえ〜、そんなにすげえのか?」
「どうも数年前にこの世界を救ったギルドが『凛々の明星』と言われている」
「そんじゃ、そこへいくのが一番だな」
「楽しみですね〜、どんな人がいるんでしょう?」
エステルの言葉を聞いてうーん、と俺は考える。
確かにこの世界にはフレンやまだ会ってはいないけどお姫様になっているエステルもいた。だとすれば他にも別世界の俺達が存在すると見た方がいいよな。だとしても一体どんな奴がいるか・・・。
そう思いながら、俺はボソッと呟く。
「もしかしたらジュディスとかカロルとかいたりしてな」
冗談で呟いた・・・
つもりだった。
「あら、呼んだかしら?」
「・・・・・・ふぁい?」
急に声をかけられて俺は前を向いた。
そこには見慣れた青い髪の、尖った耳を持った綺麗な女性が立っていて。
「・・・・・はい?」
「あ、あれ?」
「こんにちは」
俺達の知っているようで知らない、ジュディスによく似た女性が微笑みながら立っていた。
ーいや、見つかるんの早えだろ!!?ダングレストについてから5分も経ってないんだぞ!!?と心の中でつっこんだのは秘密である。
皆さんこんにちは、もういい加減開き直ったオレンです。何事にも前向きで無いと意味がないと思いつつ、パソコンが三度フリーズしてしまったことに絶望しながら投稿しました。もう、何なんですかね・・・(涙目
という訳で解説いってみようっ!!
☆魔物との戦闘☆
やっぱり普通に考えれば魔物との戦闘って序盤は苦労すると思うんです。ゲームなんかは序盤操作が慣れませんもんね。という訳でそんな焰達の肩ならしという形で戦闘場面を入れました。短いけど。
以前説明した通り焰は格闘技、エステルは棍、テヌートは剣と術で戦っていきます。テヌートは術中心の魔法剣士になる予定です。
エステルをあえて戦闘に参加させなかったのは焰とは違って戦闘には慣れていないから。原作のエステルとも違って剣術も習ってない訳だから、最初は後方と言うか下がらせておくべきだろ。と言う訳で戦闘に参戦させませんでした。代わりに治癒術要員に。
☆適正属性☆
これが以前話していた個人個人にある属性のことです。二次元なら個人の属性があってもおかしくないよね、って感じでやりました。適正属性はいわば生まれつき人が持つ才能とかそういうのです。
☆属性について☆
一応現時点で決まっているのが本編にも挙げた『炎』『水』『風』『地』『光』『闇』『無』の7つ、そしてもう1つ決まっています。場合に寄っては『無』属性が無くなったり、増えたりするかもしれません。ご注意を。
☆ダングレスト☆
割とつくのが早いダングレスト。そしてジュディス発見です。
ぶっちゃけ道中とかは戦闘以外話すこととかがあまり無かったので(思いつかなかったの間違い)展開をさっさと進めました。
とまぁ、説明するところはこんだけでしょうか?
次回はジュディス達凛々の明星といよいよ会談!あと予定しているもので、登場人物紹介をかるーくやっておこうかなと思います。どうせ増えるし、ひとまず、ね。
という訳で次回もお楽しみにー!