Tales of Promise   作:オレン・オラージュ

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Episode 5 黒の探求者の噂

 

 

「そういえば君達はあの魔物に心当たりは・・・ない、よね」

 

フレンが少し困った顔をして聞いて来た。いや、ないけど・・・そーいや何か見たことが無いとかどうのこうの言ってたような気がする。

 

「何か問題でもあったんですか?あの魔物・・・結構強かったみたいですけど」

「あの魔物は今までに見たことが無かったんです。少し前まではいなかったものなので・・・」

「つまり、今になって現れたということか?」

 

テヌートの言葉にフレンとソディアは頷いた。2人とも真剣な顔をしている辺り、あんな魔物が現れることは想定外だったらしい。

というか俺も俺でビビったなぁ・・・結構パワーもあったし、直撃してたら俺もまずかったかもな。っていうか。

 

「・・・あんときのシーフォ、すごい怪我じゃなかったか?治るの早くね?」

「ああ、これはですね・・・」

「私が治療したんですよ!」

 

エステルが自慢げに説明して来た。

 

 

 

どうも俺が倒れた後、慌ててエステルがこっちに駆け寄って来て必死になって起こそうと躍起になったらしい。その瞬間、エステルの持っていたムーンストーンの指輪が光だして、俺の残っていた傷を癒したんだそうだ。原理は分からないとはいえ、怪我を治すことが出来ると分かった瞬間みんなの怪我を急いで治しにいったんだとか。

 

だが、力の使いすぎが原因でその後フラフラしつつも騎士団とともにヘリオードへ向かったらしい。

そうエステルが話してくれた。

 

 

どうやらあの指輪を装着するとエステルは治癒の魔法が使えるようになるということか。ますます不思議だな、あの魔法。

 

・・・・・・って!!!

 

「アホか!!お前ちょっとは加減っていうものを知らんのか!!」

「しょ、しょうがないじゃないですか!怪我が治療出来る人もほとんどいなかったらしいですし・・・」

「それで倒れたら元も子もないだろ!!」

「人のことが言える口なのか?」

「うぐっ」

 

テヌートの正論にぐうの音も出ません。現にあの後倒れたしな、否定はしない。

そのやり取りを見て、シーフォがクスッと笑って言った。

 

「本当に仲がいいんですね、お2人は」

「ん?あー、まあな。いつもエステルがひっついてくるし」

「目を離したらいつ無茶をするか分かったもんじゃありませんからね。帰ったらフレンとガイに説教してもらいましょう!」

「そうなったらお前も同罪だぞ、何せ今現在向こうじゃ俺とお前は行方不明なんだからよ」

「あ・・・」

 

それを聞いた瞬間、エステルの顔が真っ青に青ざめた。それを見てテヌートがなるほど、とでもいうように頷いた。

 

「ああ、異世界にこちらへ来ているのだからそちらでは行方不明になっている可能性が高いか」

「あああ、どうしましょう・・・説教は私ごめんです!!」

 

未だ俺の後ろに隠れてるエステルが頭を抱え込むのを見つつ、シーフォが苦笑いをしながら言った。

 

「確かに早くそちらへ帰さなければご家族も心配しますね。焰達はこれからどうするんですか?」

「あー・・・特に決まってない、な」

 

 

そうだな、考えたらこれから何をするか決めてないや。元の世界に帰るための方法が分からないし、ここについてのこともあまり分からないし。大体本当にもとの世界に帰れるのか?うーん・・・。

 

いろいろ考えていたらクイクイと俺の服の袖をエステルが引っ張って来た。

 

「どうした?」

「私、この世界についてもっと知りたいです。この世界の歴史とか、技術とかたっくさん!すぐには帰れないと思いますし、いいでしょう!?」

「おいおい・・・」

 

そう即決していいものなのかよ、と内心で思ったがそういやエステルは本好きだったな。この世界にしかない本があるだろうから読みたいんだろうな。

エステルの考えを察しつつ、とりあえず今後の方針を考えるべきかと思った。

 

「ま、しばらく落ち着いてから考えをまとめてこれからのことを考えるさ」

「そうですか。では何かあったらいってください。我々はしばらくこの町に留まりますので」

「あ、ありがとな。テヌートはどうすんだ?」

 

俺が聞くと、テヌートは即答していった。

 

「俺も留まる。少し気になることがあるんだ」

「? おぉー」

 

俺は仮面を被っていて見えなかったけど、妙にテヌートの雰囲気が固くなっているのに気づいて少し首を傾げた。

 

 

 

 

 

 

 

「うわっ、すっげえっ!」

 

あれからシーフォと少し話をかわし(ついでにソディアには変なことをやらかすなと忠告された)エステルとテヌートと一緒に外へ出た。

町には大勢の人が行き交いしている様子を見て俺は感嘆の声を漏らした。俺達の世界にはない服を着ているし、洋風の町並みが目の前には広がっていた。途中で露店を開く人もいる。

 

「すごいですよね!私も初めて見た時思わず飛び跳ねちゃって、こっちのフレンに笑われてしまいました」

「飛び跳ねたくなる気持ちは分かるけどよ、お前17歳だろ」

「はーい」

 

てへっと笑うエステルにやれやれと俺は肩をすくめる。

するとテヌートが歩き出した。先で少し止まり、俺達に声をかける。

 

「俺は先に宿をとっておく。お前達はどうするんだ?」

「宿をとる?」

「普通路上で泊まる奴がいると思うか?」

 

あ、それもそうか。

少し考えて、宿は後に回すことにする。

 

「俺達は後にするよ。お金必要だと思うし、ちょっと換金してこねーとな」

「え、換金!?」

「俺達の世界のお金がこっちで通用すると思うか?」

「い、言われてみればそうですね・・・;」

 

エステルは気づいていなかった様だが、テルカ・リュミレースと俺達の世界じゃ何もかも違うからな。文字も違うだろうし、何より一番の問題が俺達は無一文だということだ。鞄も、エステル助ける際に投げ捨て来ちまったし。

 

懐からあるものを取り出そうとするとテヌートが聞いて来た。

 

「お前、換金出来るもの持っているのか?」

「ん?まあなー、大事なもんだけど非常事態だし」

 

そう言いながら俺はポケットの中にしまってあった星形のネックレスを取り出した。真ん中には本物のルビーが埋め込まれ、綺麗に装飾されてあった。

以前ルークから誕生日プレゼントに「大事に使えよ!」と言いながら渡されたものだ。あいつ結構金持ちの家らしいし、これ売ればお金になるだろ。ルークには悪いけど。

 

「そ、それ、ルークからの誕生日プレゼントじゃないですか!ダメです、そんな大事なものを売ったりしたら!」

「しょうがねえだろ!今は非常事態なんだからよ」

「でも・・・」

 

エステルがあたふたと止めようとするのを無視して、俺はペンダントを売れるかどうか商人を探した。が、歩こうとした瞬間。

 

 

ガァン

「いっでぇっ!!?」

 

いきなり後ろに衝撃が走り、うずくまった。後ろを振り向けば、そこには何かの鉱石が落ちてあった。

 

「持ってけ。貸し1つだ」

「へ?」

 

そう言ってテヌートは歩いていった。俺達はそれを呆然と見送っていった。

 

 

ちなみにその鉱石で換金をしたところ、なんと宝石の原石だったらしく3万5000ガルドという大金がもらえて、俺とエステルの目が点になりました。あいつマジで何者?

 

 

 

 

 

 

 

 

「まずは道具とか買い出しにいきましょう、焰」

「そーだな」

 

換金後、俺はエステルと一緒に露店を見て回った。まあ必要なものは一応全部揃えておかないとな。

途中、何かの話し声が聞こえた。

 

 「おい、聞いたか!?また出たんだってよ!!」

 「また!?それって、『黒の探求者』か!?」

 「ああ!今度はコゴール砂漠の近くでお宝を発見したらしい!」

「黒の探求者・・・?」

 

エステルもその話し声を聞いたようで、首を傾げた。

俺とエステルは顔を見合わせ、俺は話をしている2人に声をかけた。

 

「なあ、黒の探求者って何だ?」

「おいおいあんちゃん、知らねえのか?今世界中で話題になってる奴さ!すっごいんだぜ!!」

「落ちつけって」

 

男は興奮した様子で話してきた。もう1人の男はその男は宥めつつ、説明してくれた。

 

「3ヶ月ぐらい前から噂になっているんだ。強い魔物がいるところばかりのダンジョンを探索していって、たっくさんの秘法を見つけてるって噂になっているんだ!!」

「へえ〜、そんなにすごいのか?」

「すごいも何も、今まで帝国が見つけてなかったダンジョンも見つけたすっごい奴なんだ!!トレージャーハンターギルドの『遺構の門(ルーインズゲート)を押しのける程なんだ!!」

「でも、あまりに探索を広めていっているもんで帝国からは目の仇にされているって話なんだ。帝国秘匿の場所も見つけたらしいからなー」

「すごい人なんですね」

 

エステルの言葉に俺は頷いた。

どうやらこの世界にはトレージャーハンターなるものもあるらしいし、しかもギルドもあるらしい。そーいえばどっかの漫画か何かでギルドは情報が集まりやすいとか何とか言ってたな・・・。

 

「トレージャーハンター・・・ですか。その黒の探求者ってどういう方なんですか?」

「ああ、黒くて長い髪のべっぴんさんって噂らしいんだけど、顔とか見たことがないんだってさ。真っ黒な服装ばっかり着ているからみんな『黒の探求者』って呼んでいるんだ」

「男なのかも分からないのか?」

「ああ」

 

へえー、変わった奴なんだなぁ。その『黒の探求者』って。

俺は話を教えてくれた2人に礼を言って、再びエステルとともに歩く。

 

 

「何だか不思議な世界ですね、焰」

「そうだな」

「私、もっとたくさんのことを知りたいです。後で本屋に寄っていきましょう!」

「まず旅に必要なものを買いにいってからな」

「え?旅に必要なもの、です?」

 

首を傾げるエステルに、ガクっとずっこけそうになる俺。説明はしていなかったからそうなるのもしょうがないと思うけどさ。

俺はやれやれと思いつつ、説明した。

 

「このまま大人しくしていてもしょうがないだろ。町を転々としつつ、帰る方法を探そうぜ。そうすりゃこの世界でお前の読みたい本も見つかるだろ?焦ってもしょうがないだろうし、のんびりいこうぜ」

「・・・はいっ!焰、大好きです!!」

「だーもうひっつくな!!離れろ!!」

 

 

右腕に抱きついて来たエステルをあしらいつつ、俺はこの後のことを考えた。

 

 

 






週1の投稿が続く、どうも作者のオレンです。

テヌートやフレン達とは一旦お別れです。そしてエステルが治癒術が使えることが判明。やっぱりRPGとかは回復役はいないといけないよねと思いまして。エステルを選んだのもそういった理由。もちろん他にもありますけども。

テヌートが宝石の原石を持っていた理由は彼の上司が大きく関係していたり。宝石の原石って実は加工品よりも高いらしい・・・と、ある小説で知りました。
異世界によってはお金の単位が違うって、不便ですよね。ちなみに焰達の国は日本なので円単位。

原作ED後捏造の世界なので、ヘリオードは商店街とかが出来てもおかしくないよね!ということでヘリオードには露店などがたくさんあります。もちろん騎士団も在住しているため治安は安全な方。

黒の探求者については結構重要だったりします。正体についてはまだ不明。でも『黒くて長い髪のべっぴんさん』って聞いて何となく察している人はいるかもですが、まだ正体が分かるのは後々。


次回はいよいよ武器決め。割とこれが楽しみだったりします。カスタマイズとかはいつも時間をかけて考えるのが大好きです。

次回もお楽しみにー!




☆割と本作に関係ありそうな余談☆

現在別データでレディアントマイソロジー3を再度プレイして、焰達の技を研究しています。実際にプレイしていないと動作とか分からないもので・・・。
一番最初のデータは性別が女でメインが剣士。サブとして僧侶とか魔術師とかやってます。2週目では聖騎士でもやる予定。でも試しに2週目やってみたら仲間が強すぎてびっくりした。剣士はやっぱり王道だよね!
で、もう1つは始めたばかりですが、焰の技参考用に男で格闘家をやっています。サブで狩人をやり始めています。近々盗賊や魔術師でもやろうかと思案中。

皆さんはこういったアバターの職業とか決めるゲームだとどういう職業が得意ですか?よければ教えてください。ちなみに私は剣士とか魔術師です。
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