俺のヒーローアカデミア   作:ダーク・シリウス

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旅先は出会いと別れ事件だらけ(5)

「ん~うまうま」

 

愛知の名産を食しつつ歩く昼時、過ごしやすい気温の街中を歩き回り(ヴィラン)をのんびりと探し回る。(ヴィラン)や騒動がなければ変わらない日常と変わらない風景と光景、笑み溢れる人々の姿を飽きるほど毎日見れて繰り返す日が続くだろう。そうすればヒーローも自然と姿を消して平和な国となる筈だ。

 

「ここの地域も異常無し」

 

『平和そのものであるな』

 

「何事も事件なんて起きない方がいいさ」

 

もはや食べ歩くことが日課になっている俺はその日に食べたものをオールマイトへ届けることも始めた。

メールでも俺がいる県の名産や特産品が食べたいと要望をしてくるほどだ。満足してくれているなら少しほっとする。迷惑だったら申し訳ないからな。

 

「そうだ、八百万にも食べてもらおうかな」

 

何が好きで何が嫌いなのかは分からないが、出たとこ勝負みたいに渡せば分かることだ。今昼だし、誘き寄せれば来てくれるかな?誰かと食事をするのは一佳以来だなぁと思い浮かべて電気製品を扱っている店の前に横切った。

 

『八百万財閥の長女、八百万百さん(14)が消息を絶って三日目となりました。身代金による誘拐の可能性が濃いと警察は全力で捜査をしていますが未だ発展の目途は立っておらず―――』

 

ピタリと歩む足が止まりテレビが映すニュースの内容に条件反射で目と耳を疑った。

 

「行方、不明だと?」

 

三日前・・・・・俺が八百万と初めて屋上で出会ったその日ではないか―――?

 

「・・・・・呑気に食べ歩きをしている場合じゃなかったか」

 

一気に食べ終えて胃の中に送る。体の向きも変えて自分が何をすれば八百万の学校で確かめる必要があると凄まじい跳躍力で移動、その途中で天使化となって光の軌跡を残すほどの速度で飛翔する。

 

『探すのですか?』

 

「放っておけない性分だって」

 

『だが、どうやってだ?』

 

「情報収集するに決まってるだろう?有力な情報を持っている奴がいるかもしれないし」

 

内にいる家族と会話をしながら自分の手を見つめる時、ある少年の顔を思い浮かべた。

この『個性』なら、確実に八百万の居場所が分かるかもしれない。

 

「―――心操、お前の個性を使わせてもらうぞ」

 

と、とある個性の使用を決意したところで八百万が通っていた中学へと辿り着いた。

 

 

暗闇に、鎖のなる音が響いている。激しく打ち鳴らされる金属の音と絡まって空間を震わせるのは放電する電気に悲鳴をあげる少女の声だった。

 

「あ、あああああああああっ!」

 

冷たい石の空間にまた悲鳴が広がって響く。全裸で首輪、頭に犬の耳のカチューシャを付けられ、尻尾までも排泄する穴に深く差し込まれて完全に人の扱いをされていない。少女を苦しませる電気が途絶えるとガクリと全身の力が抜ける。

 

「いい加減に屈服しろよ牝犬が」

 

首輪に繋がっている革製の紐を乱暴に引っ張り少女の顔を自分の顔へと近づけた少年の顔はどこまでも狂喜で歪んでいた。

 

「そうすれば、一生可愛がってやる。俺達皆でな」

 

「・・・・・っ」

 

その意味と少年の意図を察し、反抗的な目で睨みあげた。誰がそんなことを、視線で訴えて。しかしそれは少年に嗜虐的な精神を奮わせ高ぶらすだけだった。

 

「いいねぇ、その目付き。屈服するまで何時まで続くかな?でも、心から俺達の奴隷になる言葉を言う前にマわしてもいいけどそれじゃ駄目だ。俺達の心を傷つけたんだからさ、お前の心も徹底的に痛めつけなきゃ」

 

徹底的に八百万の心を抉りだすようなことをして、自分から形振り構わず懇願させたい少年は思考の海に潜り、ふと腕に巻いた時計を見ていやらしい笑みを浮かべた。

 

「―――そうだ、好いこと思い付いた」

 

「―――何が思い付いたんだ?」

 

「決まってるだろ。こいつの体に媚薬を注入して乱れる姿を見るんだよ。俺達の前で自ら懇願して自ら堕ちる瞬間も記憶してさ」

 

不意に自分は誰と喋っているのだろうと気付く。今の時間帯は怪しまれずに学校へ行っている仲間は自分以外いない。早く帰って来たか?と少年は振り返り様に、顔が何かとぶつかって体が吹っ飛ぶ感覚を覚えた。

 

「見てみたい気持ちは分からなくないが・・・・・理不尽に強いられる女を目の前にいて俺がそうさせると思ってるのか?」

 

少年が壁に叩きつけられ、拳を固く握って淡々と述べる少年の視線の先は全裸で体の至る所に傷がある八百万。

 

「もう大丈夫だ八百万。俺が来た!」

 

「あなたは・・・・・っ」

 

ちょい前―――。

 

人気のない裏校舎に足を運ぶ。未だ学校に生徒や教員達がいては情報収集をするのにリスクがある。放課後になるまで校長から拝借してもらった生徒達の名簿と住所を見ることにした。片手にファイルと名簿を持ち、校舎の壁に寄り掛かりながらでもと足を前へ地面を踏み続ける時、キラリと光るものを見つける。金属のゴミか何かかとあまり気にしなかったが近づくにつれ「100」と書かれた銀色の硬貨だった。

 

『100円?』

 

誰かが落としたのかと不思議に思いつつ触れようとすると―――地中に繋がっているのかと思うほど持ち上げることができなかった。

 

『・・・・・』

 

100=百・・・・・八百万「百」?

 

『まさかな・・・・・?』

 

あまりにも突拍子的な考えだな。と思いながらも可能性として掘ってみた結果―――。

 

「地中に埋もれていた受信機のデバイスがあってな。使ってみればここに辿り着いたわけだ。凄い判断力だなお前」

 

「それを見つけたあなたも凄いですわ・・・」

 

経緯を伝えられ、救いに来た相手に称賛する八百万。よもや、三日前に出会ったばかりの少年が警察やヒーローよりも早く駆けつけてくるその行動力は普通ではない。痛々しい痕が残っている裸体を晒す少女を一瞥して今回の事件の元凶へ目を向ける。

 

「さて、八百万は親の下へ―――」

 

「っっあああああああああああああっ!?」

 

いきなり八百万の全身に電気が走る。拷問道具の一種、電気椅子みたいな感じで八百万を苦しめ始めた。

 

「ふざけるな、その女を渡すかよ・・・・・っ!」

 

声がした方へ視線を向けると携帯用でなんらかの装置を握っていた。それを持つ少年は鼻から血を流し、俺を敵意が籠った視線を放つ睨みを向けている。

 

「そいつは俺達の、俺の女だ!後からしゃしゃり出てきたお前に渡すぐらいなら殺して俺も死んでやる!その首に巻かれている首輪は俺の個性に呼応して放電する仕組みだから俺を止めない限り八百万

は一生苦しみ続ける!」

 

それを見せ付け、脅し掛けてくる少年は凶器を孕んでいた。懐から拳銃すら取り出して突き付けて来る始末。中学生が拳銃を持つ、その緊張感が一気に場を支配し包まれ始める。

 

「に、逃がしてやるから俺達のことを忘れろ。誰にも言うなよ、言ったら―――」

 

「殺すとかほざくなよ?」

 

「っ!?」

 

俺を殺すか八百万を殺すか、どっちか言うつもりだったかもしれないし言わなかったかもしれない。名も知らぬ少年の言葉を遮り、呆れが籠った息を吐く。

 

「監禁罪、暴力、そして銃刀法違反と罪を重ねている上に殺人罪まで犯そうとしているお前は何もわかっちゃいない。もう、何もかも迷惑を掛けてヒーローとしての道も閉ざしていることもな。それを分かってやっているなら後悔なんてしてないよな?」

 

「だ、だったらなんだってんだよ・・・・・!」

 

「俺は一切、お前に手を出すつもりはない」

 

未だに電気で苦しんでいる八百万の傍で跪き、首輪を触れようとする。

 

「だ、駄目です・・・・・あなた、までも・・・・・」

 

「オールマイトなら笑ってこの程度の枷を外すさ。俺もオールマイトの養子として笑いながら外してやらないとお前を救えないだろう?」

 

制止する彼女に笑みを浮かべながら躊躇も無く電気を流す首輪に触れてバキッ!と引き千切るように外したことで八百万の首から枷がなくなる。電流も流れなくなり、苦痛から解放された少女は少年の胸の中に抱きしめられた。

 

「・・・・・っ」

 

ダンッ!

 

凶弾が飛ぶ。一発だけでなく何度も何度も。だが、弾倉(シリンダー)に装填されている銃弾の全ての弾丸が一誠の腕で受け止められた。

 

「な、なっ・・・・・!?」

 

「そんなモンで俺を殺せると思ったら大間違いだぞ」

 

自らの腕で銃弾を受け止めた行動に少年は驚く。八百万を片腕で胸に顔を押し付けるように抱き締めて守る姿勢をされていたので何がどうなったのか分からない。が、その後に一誠が淡々とした口調で言いながらこの空間の出入り口へと視線を意味深に向けた。八百万もその視線を追うようにして目を向けた矢先、ドタバタと駆けてくる足音が徐々に聞こえだし・・・・・。

 

「警察だ!銃を捨てろっ!

 

現れた警察官達によって場が収拾しようとした。

 

「警察・・・・・!?な、なんで・・・・・!」

 

「ん」

 

ポケットから携帯を取り出して見せつけた。携帯は通話状態で―――。

 

「俺がここにいると警察に教えて以降、今までお前が言動した事全て警察署へ通話状態にして筒抜けだ」

 

「「―――っ!?」」

 

「言っただろう。俺は一切、お前に何もしないと」

 

一誠の腹黒さを知らない少年は完全にしてやられた。あっけなく少年は証拠も証言も揃っている条件下で現行犯逮捕とされた後、少年に加担していた八百万に愛憎を抱いている男子中学生達も同じ運命を辿る。八百万も警察官の手によって救助されたことと世間に広がり、一誠は一誠で腕に包帯を巻かれる重傷を負ってもその日の内に驚異的な治癒力で完治して密かに次の県へと旅立つ。

 

―――私が来ました!(by発目明)―――

 

俺は何から間違えたんだろうか。興味を持って参加したからか?俺しか作れない物で優勝したからか?

―――こんな自分の欲求に素直な女は初めて見たかもしれない。

 

「―――私と結婚してください!あなたをのドッ可愛いベイビーと私のドッ可愛いベイビー達を組み合わせれば大企業の一社や二社なんて目じゃないほど注目されますから!」

 

「・・・・・その前に聞きたい。―――お前は誰だっ!?」

 

事の始まりは三時間前に遡る―――――。

 

「京都・・・・・ここも変わって無い物があれば変わっている物もあるんだな」

 

『妖怪の気配は一切感じませんね。他は相変わらずといった感じです』

 

『いたらいたで我らには関係の無い。我らはこの世界の存在ではないからな』

 

『まぁ、妖怪のような顔をしている人間共がちらほらといるがな。あれで、人間と数えられるのがまた不思議だ』

 

俺の中で最も長く見守ってくれている家族達とこの世界の人類と世界を見てきたが、これが「普通」、これがこの世界の日常―――。

 

「ん、だったらこの姿をしても平気だろうな」

 

路地裏にスッと入り込み、別の道に出た俺は腰辺りに九つの金色の狐の尻尾と頭に狐の耳を生やした出立ちに変わっている。髪も金髪に変えてみた。さて、周囲の反応は・・・・・。

 

「・・・・・めっちゃ普通に馴染んでいるというか受け入れられとる」

 

『『『異世界、ハンパねぇ』』』

 

感嘆するどころか、世界の常識とやらの包容力に仰天してしまった俺達だった。誰一人、俺のこと奇異な視線を向けてこないからだ。狐の―――異形型の個性の人間と認識されているのかと思い、悩むことが馬鹿馬鹿らしくなったのでこの姿のまま闊歩することにした。京都駅からわざわざスタート点として歩き始め、京都タワー、有名な場所、観光名所、名産や名物、娯楽的な物から何まで見聞して先に―――。スタジアムで何らかのイベントが始まろうとしていた。それが何なのか分からない為、カップルの男女に声を掛けた。

 

「すいません。何かイベントがやるんですか?」

 

「え、知らないの?今日は自分が作った物を披露して優勝を目指す為だけの催しが始まるのよ」

 

「作った物?」

 

「うん、主にヒーローの役立つコスチュームや開発した物の性能と機能が世界中に注目される、この手の事を関わる人にとって大事な催しでもあるんだよね。特に雄英のサポート科に入るなら年に数度行われるこの時期を見逃せない大イベントだ。雄英のサポート科に入る前の腕試しとしても出来る場所だから」

 

「それって参加は自由ですか?」

 

「そうだよ。ほら、あそこで長蛇の列と化している人のところが多分受付を待っている人達だよ。もしも君も参加したいなら自分が作った作品のお披露目をするのに場所も限られているから早く並んだほうがいいよ」

 

「ん、ありがとうございました」

 

親切にも教えてくれたカップルにお辞儀をして―――女性が「触ってもいい?」と言いながら耳や尻尾を触れられ堪能された後に、俺も面白半分で参加することに決めた。

 

それから一時間以上待って受付で参加の登録を済ませた俺は、出す作品の大きさと幅を記入して提出した結果、スタジアムの中の端に指定された。かなり大きい作品だと場所を指定され開催する側も調整が必要なことを理解した。

 

「おー、色んな人や作品があるんだなぁ」

 

俺が出す空間の場所へ赴きながら他の参加者やこの日の為に作った物を展示し始めようとしている姿を見る。

小物から大物、様々な道具や衣装などがあり、雄英のサポート科に入る腕鳴らしとして参加している少年少女達や大人や老人まで幅広い年代の参加者が集っている様子を窺える。

 

「お、ここか」

 

俺の専用場所に辿り着き、早速俺の作品を魔方陣から出した。それは三メートルの大きさで金属や装甲で覆われたマルチフォーム・スーツ兼パワード・スーツの機体だ。宇宙空間の活動を想定した機体で、俺とあのヒト達と心を弾ませながら完成させた数少ないロボットの一つだ。

 

「これで優勝できたらお父さんに報告をしよう」

 

目指せ優勝!と内心そう目指すことしばらくして、全ての参加者が自分の作品の展示をし終えたことでイベントが始まった。約一時間、一般人や大企業の人達が作品を見回りそれから三十分間、作品の機能と性能を演説や演出する機会が終わったら最終審査が始まる仕組みだ。最初の見回りは作品を展示する俺達参加者も含まれているので、一時間が過ぎるまで俺達も他の作品を見ることができる。よって俺も見ることにした。

 

―――一時間後。

 

一般や企業、参加者達の見回りの時間は終わり、次は作品の演出の時間となった。俺の出番はぶっちゃけ後半な為にそれまで待機をし続ける必要がある。その間、見回った作品の機能と性能の演説と演出を参加者の手で観られる。

 

「ふむふむ、なーるなる」

 

自信作と自信に満ちた表情と声音で説明を語る参加者達を見続ける。人の手でああまで出来上がるのかとやはり人間は凄いと思った。

 

『お前も「元」人間だろうに』

 

今はドラゴンだけどな?後悔してないよ一瞬たりとも。

 

「次はー●○●○号の方ー!」

 

と、ようやく俺の出番となった。ロボットを浮かせて視線が集まるステージの上へと移動する。審査する五人の老若男女の人達の前へロボットを静かに置きだすと始まる進行。

 

「こんにちは、君の作品は随分と大きいね。これは動かすことができるのかな?」

 

「はい、主にこのロボットは自然災害で隔離された人の救助ができたり(ヴィラン)退治に役立てたらといいなと思って作りました」

 

「なるほど!道路では進めない場所へこのロボットが代わりに行くということだね。でも、翼みたいなものが無いんだけど?」

 

「ああ、これは待機状態にしていたんで―――起動」

 

ポチッとスイッチな物は無い。音声で起動する仕組みだ。俺の声に反応してロボットはバシュッバシュッ!と圧縮された空気が抜ける音を発しながら変形していく様は―――観客達から感嘆を漏らすほど胸を躍らしたようだ。

 

「これが起動状態です」

 

「あ、コックピットみたいな乗れそうな部分があるね!」

 

「はい、そこに座る感じで乗るんですよ。こうやって」

 

実際にロボットを操縦して見せ付ける為に身を乗り出して装着してみせた。後はただ己の意志で動かすのみ。スラスターにエネルギーを伝動させ、噴く動力源となっているエネルギーでロボットは俺の手で宙に浮き始める。

 

「おお、浮いた。本当に浮きました!」

 

「浮くだけじゃロボットは務まりませんよ」

 

「え?うわっ!」

 

審査員をお姫様だっこにしてスタジアムの中で飛行を始めた。螺旋を描きつつ上へ上へと上昇しついにはスタジアムから空へと飛翔して数十秒後、スタジアムに戻って降ろした。

 

「どうもすいませんでした。一緒に飛んだ感想はどうでした?」

 

「あ、うん。凄く速かったね・・・・・。ジェットコースターに乗った気分だったよ」

 

「これでもまだ全速力ではなかったですけどね」

 

「まだ速くなれるのかいこのロボットは!?」

 

驚愕する進行員の人。審査する人達も驚きの雰囲気を醸し出している。

 

「他にも様々な機能があるのですが・・・・・後がつっかえているのでこの辺にしておきます」

 

「そ、そうだね。あ、因みにこのロボットは何て名前かな?」

 

―――それを待っていたとばかり俺はあからさまに笑みを浮かべた。少しでも印象に残ってくれることを願い高らかに言った。

 

「インフィニット・ストラトス。略してISです。この機体は宇宙空間の活動を想定し、可能にした俺しか作れない最高傑作の機体です」

 

その一言が決定的になったのか・・・・・全ての作品の審査が終えた審査員の人が結果を発表した。

 

 

1 兵藤一誠

 

2 発目明

 

3 柊 才

 

 

「あ、一番だ」

 

初参加にして堂々の一位を獲得した。後でオールマイトに連絡しよと思いながら優勝者に賞金500万とトロフィーを受け取った。

 

「・・・・・え、兵藤一誠って・・・・・。―――オールマイトの養子の子ぉおおおおおおおおおおっ!?」

 

『な、なにぃいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!?』

 

あ、やっぱりそんな反応をするよな。スタジアム中に絶叫の轟きが生じ、半ば呆れる俺に何か熱い視線を感じた。

 

「・・・・・」

 

隣の二位の少女、桃色の髪にスコープのような目をしている少女の目から視線を向けられていることに気付き、なんだ?と小首を傾げる思いで見ていると。瞳をキラーン!と妖しく輝かせたと同時に俺の手を力強く両手で握ってきた。

 

「―――私と結婚してください!あなたをのドッ可愛いベイビーと私のドッ可愛いベイビー達を組み合わせれば大企業の一社や二社なんて目じゃないほど注目されますから!」

 

「・・・・・その前に聞きたい。―――お前は誰だっ!?」

 

と、冒頭の話しになった理由がこういうわけだ。勿論俺はその場で即断即決に断り、逃げるように空へ飛んで次の県へ向かった時、発目明という少女の目が本気の目をしていたのを見なかったことにしたい。

 

 

―――同時刻、NASA国際宇宙ステーションが宇宙空間にある衛星を経由してとんでもないことが発覚した。

 

「隕石の軌道が変わっただとっ!?」

 

「地球の引力に引っ掛かり、確実に落下してくる確率は85%を超えました!」

 

「急いで落下する場所を特定をしろ!」

 

騒然と化する宇宙局の局員達。人類の滅亡の可能性も考慮してコンピューターで計算や落下した際に生じる災害と二次災害の予想、その他諸々を調べ上げた結果。

 

「落下予測地点は・・・・・ドラゴントライアングルがある海域です!」

 

「―――日本かっ!?隕石が落ちてくるのは何日だ!」

 

「・・・・・」

 

パソコンの画面を食い入るように凝視し、局員は感情が籠って無い声で漏らした。

 

「15日後の午前0時です」

 

―――俺が来た!(by一誠)―――

 

『米国の国防省が隕石の落下予測地点を発表して7日が経過しました。ドラゴントライアングルがある海域に大規模な小惑星帯が直撃することで日本に地震と津波が発生すると報道されました。もしも本当に隕石が日本の海域に直撃することになれば日本はどうなるのでしょうか?』

 

『えー、隕石の落下速度と隕石の大きさに比例して規模も違ってきます。ですが、米国の宇宙局の局員達の隕石の大きさの規模は日本列島の約半分ぐらいの大きさ・・・・・。一番近い関東と中部と続いて関西に扇子状と広がりつつ巨大な津波が押し寄せてくると思います。他の北と南、北海道と九州までも第二次災害で予想もできない被害を被るかもしれません』

 

『で、では・・・・・』

 

『仮定として考えを述べさせてもらいますと、津波と地震によって日本人は絶滅の危機に瀕しています。我々は日本を捨てなければいけない状況下にいると過言ではありません。生を望むなら外国へ、祖国と共に在りたいなら死を受け入れる他ないのです』

 

「・・・・・」

 

三重県のとある少女の家でお世話になっている俺も見飽きたほどニュースが報道されている。この話が日本だけじゃなく世界中にも伝えられてからは彼女の学校は休校状態、いや、閉鎖状態と続いている。店も閉じたままだったり、この危機を乗じて(ヴィラン)が活発的になったり日本は混沌と化していく一方だった。

 

「すみません。少し用事ができました」

 

「え、兵藤君っ?」

 

やることができたとばかり立ち上がりながらちゃんとした別れも挨拶もせず一家の前から姿を消した。

 

『本気でやるのか?』

 

「ああ、やるさ。この世界でようやく人の役立つことができるんだから」

 

海の上―――話題の隕石が落下してくるだろうポイント地点に佇み、荒々しい天候の中で

 

「誰もできないことを俺がする。偉業を果たして誰も知らない影の英雄となってやる」

 

『祀られることが好きでないあなたがそれで満足なら何も言いませんよ』

 

「ん、もしもの時は皆、手伝ってくれ」

 

『了解した、我が主よ』

 

時間は十分にある。距離もまだある。俺がするべき行動はここに来る時に決まっている。両手は真紅のオーラに包まれ、オーラが金の宝玉がある籠手へと具現化し―――。

 

『Boost!』

 

と音声が発する。

 

「さあて・・・・・オールマイトの養子として恥じない行いをしようか」

 

不敵に笑みを浮かべる俺の余所に力は倍増し続ける。

 

 

 

 

 

そして・・・・・小惑星帯が予想を遥かに超えた速度で地球の大気圏に突入してくる3日前。ドラゴントライアングルの海域から超極太の真紅の光がビームのように天へと昇り、これが巨大隕石と直撃―――貫き、爆砕&粉砕。大気圏に突入した際に残った隕石の残骸は燃え尽きながら流星群みたいに全世界へ散らばり、焼失した。誰が意図的に隕石を破壊したのか、荒れている天侯の領域に確かめることができないまま日本は滅びの運命から救われたのだった。

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