俺のヒーローアカデミア   作:ダーク・シリウス

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一誠が1年A組だった場合
1年A組


縦長のバリアフリーに1-Aと書かれたドアに手を掛けて開け放った先に、教室の中は十人以上もあの受験を乗り越えたクラスメートとなる生徒達が誰かが来たと視線を俺に向けた途端に、目を見開いた。

 

「オ、オールマイトの養子!?」

 

「嘘、マジで!?」

 

「・・・・・っ!」

 

あー・・・・・やっぱ、この反応か。それに・・・・・知り合いが1人2人・・・・・。ん、席の数が21?俺の出席番号も21だけど、本当だったら20名が定員なんだが校長先生の配慮かなやっぱり。それにしても・・・・・人間っぽい奴じゃない奴もいるなぁ。一番最後列、自分の席へ足を運び鞄を降ろして席に座るや否や。

 

「・・・・・お久しぶりですわ」

 

「おう、久し振り」

 

擦れ違いざまに黒髪ポニーテールの少女=八百万百と再会の挨拶を交わした。このクラスの教室の席は○○ ○ ○○とこんな感じで間隔等に設けられている。よもや、八百万の隣だとはな。

 

「あの時、どうしていなくなったのですの。お父様が酷く残念がっていましたわ」

 

「見返りを求めて助けたわけじゃない。俺は当然のことをしただけだ」

 

「・・・・・その当然のことをして貰ったから私はここに居られるのです。―――放課後、私と一緒に家に来てください」

 

いや、だから・・・・・と彼女に言いかけたその言葉は。

 

「『来てくれないと、会社の屋上から飛び降りて自殺する』―――お父様の伝言です。しかも本気なのか、遺書まで書く始末なのです・・・・・」

 

「・・・・・」

 

それ、脅し以外なにもないじゃん・・・・・。そんな脅しに屈するわけにはいかないけど、彼女が嘘を吐くとは思えない・・・・・。

 

「・・・・・分かった。家に行ってやるよ」

 

「ありがとうございます。それと・・・・・申し訳ございません」

 

「?」

 

何故か最後に謝れた。不思議と小首を傾げる俺の視界の端に俺の中で件の少年が入って来たところで雄英高等学校の生徒として学校生活が始まった―――。

 

「―――入学式もガイダンスも無しにどこの学校でもやる体力テストで始まるかヒーロー科って」

 

紺色の生地に胸から上はU、腹部からズボンまでAという白い文字のような体操服を身に包む俺達1-A組の生徒達は担任の先生の個性把握テストをすると言われて動揺する。無造作に伸ばしている黒髪に布を首に巻き、くたびれと小汚い印象を与える中年の男性、相澤消太。

 

「ですが、ヒーローを目指すなら時間も惜しいということなのでしょう」

 

「その為の三年間という短期間の時間の中、時間を無駄にせず合理的に未熟なヒーローの卵たる俺達の育成に励む教師もそれを体験したんだろうな」

 

八百万と順番が来るまでの間、言葉を交わす。8種目の体力テストの内の一つ50m走をやっているところだが、皆、各々の個性を使って真面目に取り組んでいる。いや、当然か。

 

「―――トータル成績最下位の者は見込み無しと判断し除籍処分」

 

個性を思いっきり自由に使える楽しさと面白さ、その喜びと興奮に盛り上がったクラスメートにそう発破を掛けられたんだ。せっかくかの雄英校のヒーロー科に入れたのに入学初日で退学されちゃあ堪ったもんじゃない話しだ。

 

「特に問題ないだろうお互い」

 

「そうですが、私は手を抜きませんわ。常に下学上達、一意専心に励みますから」

 

その台詞は俺に向かって言う。俺のことライバル視をしているのかな?

 

「兵藤さん―――」

 

「一誠でいいよ。兵藤って呼ばれんの、好きじゃないから」

 

「・・・・・では、私のことも名前で呼んでください。あなたは私の恩人なのですから」

 

一拍遅れた「次、轟と八百万」と先生のお声が掛かった彼女からそう言われ、肯定と頷いた。

百と隣の男子、轟と二人の推薦入学者の走りだす光景を見送った後、俺はさっさとスタートラインに移動した。

合図はゴールラインにいるロボットがしてくれる。

 

『位置について―――ヨーイ』

 

バンッ!

 

空砲がしたと同時、目の前に空間を歪ませて開けた穴の中に飛び込み、次に外へ出た時はゴールの手前であっさりとラインを超えた結果。1.29という秒数が出たことで周囲から感嘆と称賛の声が上がるが。

 

「おい兵藤」

 

「ん?」

 

スッとスタートラインへ何故か指差す相澤先生。小首を傾げる俺にあんまりな言葉をくれた。

 

「ちゃんと走れ。やり直しだ」

 

「んなっ!?」

 

個性使ってのテストじゃ、ないの・・・・・?相澤先生・・・・・。無情にも仕切り直しをさせられる羽目になりトボトボとスタートラインに戻り、今度は・・・・・雷を全身に纏って雷の速度で走り切った結果、

 

『0.32』

 

絶対に誰にも破られない数字を叩きだしてやった。

 

第2種目 握力テスト―――

 

「計測器の数が限られている。合理的に3人1組となってやれ」

 

とのことで俺は百ともう一人、

 

「ウチもいい?」

 

長い福耳の先にプラグがあるおかっぱ頭の少女と一緒にやることになった。先に彼女からやらせることにした。

彼女が終われば次は百の番。

 

「ねえ、勘違いかもしれないけど訊ねたいことがあるんだけど」

 

「うん?」

 

「静岡に来たことある?」

 

百から計測機器を受け取り、全力で握りながら彼女の問いかけに・・・・・。

 

「ああ、来たことあるぞ。全国を旅しようとしていた最中だったからさ」

 

「―――そっか。じゃあ、やっぱりアンタだったんだね」

 

過去に助けた少女の言葉は意外だと俺に思わせた。

 

「なんだ、気を失っていなかったのか。てっきり覚えていないかと思ったけど」

 

「顔は覚えてなかったよ。でもアンタの髪の色とその声が薄らと覚えていた。ありがとう、助けてくれてさ」

 

「どういたしまして。後、俺のことは一誠って呼んでくれ。兵藤って呼ばれんの好きじゃない」

 

感謝の言葉をこの場でくれた彼女に気にするなと手を振り、相澤先生のところへ全力で握ったことで壊れた計測機器を返しに行く。

 

それからその後。

 

スムーズに進んで行く体力テスト。そしていっきに第5種目の―――ボール投げ。

 

「セイ!!」

 

うららかな雰囲気を纏う少女(彼女も久し振りだな)がボールを空に向かって投げるとフワ~~~~~な感じでゆっくりとゆっくりと空の彼方へと見えなくなるほど飛んで行きやがて相澤先生が持つ測定器の機能がある携帯に表示される数字は。

 

「「「「「∞!?」」」」」

 

わっと賑やかになるクラスメート達。∞なんて数字の記録、誰が出すと思うか?俺も出すとは思わなかったぞ。

 

「・・・・・無重力(ゼログラビティ)は伊達じゃないな」

 

「知っていたのですか?」

 

「助けた一人でもあるからな」

 

そう彼女に手を振るうと、彼女は顔を明るくして手を振り返してくれた。

 

「多分、普通科にも男子がいる筈だ。受験を受けていたらの話だけど」

 

「・・・・・色んな人を助け回っているのですか」

 

「必然的にそうなるだけだよ。そこに優劣とか特別とか一切無い。皆平等だ。さて・・・・・」

 

俺も∞の数値が出るぐらい思いっきり投げるか。お父さんの後継者も最下位ならないように頑張っているが・・・・・如何せん。まだまだ個性と馴染んでいないようだ。諸刃の剣と化している。今でも相澤先生に何か言われて発破を掛けられたのか、指先だけお父さんの個性を発揮してやっと常識を覆す記録を叩きだした。

 

「指が腫れ上がっていますわね・・・・・どういう個性ですの?」

 

「まるで個性を発現したばかりの幼児だね」

 

「ああ、そうだな」

 

知っている身としては教えたいところだが、お父さんに迷惑が掛かることに繋がるから言えない。

だからせめて、俺ができることをするまでだ。

 

「おい、手を出せ」

 

「へ?」

 

「早く」

 

この緑谷出久というお父さんの後継者。卒業まで見守ってやろう。時には鍛えてやるか。

右手の指にはめた翡翠色の指環から放たれる光のオーラに緑谷の腫れ上がった指が元の指に治っていく。

それは緑谷自身が一番驚いている。

 

「これで他の競技も満足にできるだろう」

 

やることを終えて二人の元へ戻る際、爆発したかのような逆立てている金髪に鋭い目つきの男子と擦れ違った。

その男子は後に相澤先生の布に捕縛され、体力テストの続きを再開の促しの言葉を俺達に掛ける。

それから残りの種目は次々と消化していきを全てやり遂げた俺達に結果発表をされる。

 

「あ、俺が一番だ」

 

「分かってはいましたがやはり悔しいですわ」

 

「オールマイトの養子としてやっぱりトップに立たないと。・・・・・ああ、そう思うとなんて重圧を背負っているんだ俺は?」

 

「いきなり何落ち込んでいるのさアンタ」

 

落ち込んでいるんじゃない。騒動の渦中に自ら飛び込んだ己に呆れているだけだ。

 

「因みに除籍処分は嘘だからな」

 

そして・・・・・合理的虚偽と個性把握テストの終わりを、幕を降ろした相澤先生に俺達は騙された感、嘘だと解っていた感の反応が分かれた。

 

「合理的虚偽って・・・・・」

 

「あんなのウソに決まっているじゃない」

 

「いや、あの人の目は本気だったぞ。でも、見込みが0じゃなかったからあんなこと言ったんだろうな。じゃなかったら―――」

 

唖然としているお父さんの後継者へ視線を意味深に向ける。

 

「諸刃の剣の個性と最下位のあいつを除籍処分をしないわけがない。ヒーローに目指すのに厳しい道のりだぞ」

 

「・・・・・良く見ていますわね」

 

「善し悪しを見極めることもヒーローの必要な要素さ」

 

 

 

初日終了下校時間―――。

 

「ああ、兵藤。お前は残れ」

 

「なぬ?」

 

「校長先生がお前と話しをしたいそうだ。一応失礼の無いようにな」

 

ついてこい、と先に行く相澤先生に百へ振り返り合掌するような感じで「ゴメン」と謝った。先生の後を追い掛け、案内されたのは仮眠室だった。

 

「・・・・・ここですか?」

 

「そうだ。先にいるだろうから校長先生と話してろ」

 

合理的にな、と台詞を残して来た道に引き返して去る相澤先生を見送り、仮眠室の扉を開け放った。

中に入ると―――動物がいた。

 

「やあ!久し振りだね兵藤君」

 

「・・・・・お久しぶりです校長先生」

 

整った白い毛並み、ネズミっぽいけど本人は校長だよと訂正されそうだ。

 

「さて、帰宅するところ悪いけど君とはちょっと話しをしたいことがあるからさ。取り敢えず座りなよ」

 

「あ、はい」

 

なんだろう、この違和感・・・・・解せん・・・・・。テーブルを挟む形で校長と座る。

 

「で、話って?」

 

「単刀直入でいうけど。君ってぶっちゃけ強いよね。実技試験でポイントを100までロボットを倒しまくったり、まだ時間があったのに他のことに費やした君に私達は驚かされちゃったよ」

 

「んまぁ、100まで倒せば十分だろうと思っていたし、お父さん・・・・・オールマイトから手加減しろと言われてたから」

 

「本気じゃなかったんだ?」

 

「その気になれば、他の受験生達に1ポイントも与えなかったですよ」

 

「飲みなよ」「あ、どうも」とお茶を用意してくれた校長から受け取りながら話に応じる。

 

「君の活躍も見聞しているよ。そして、日本に被害を被った筈の巨大な隕石の破壊の功績もオールマイトから聞いた。学園の長として深く感謝の念を抱いているよ。ありがとう」

 

「どういたしまして。不可能を可能にするのがヒーロー、英雄だと思っているから」

 

ズズズ、と適温なお茶を飲む。校長も一息を吐いて俺に問い掛け続ける。

 

「それで、異世界に帰る方法は見つかったのかな?」

 

「生憎まだ見つかって無い」

 

「それは残念だね。君のご家族も帰りを待っているだろうに」

 

「これからも探しますよ。俺はまだまだ若いんで」

 

そうさ。まだ俺は若い。ドラゴンの寿命は一万年も超える。そこまでこの世界に生きるつもりはないけど出来るだけ早く元の世界に戻って皆の傍で生きたい。湯呑みを持つ校長がそっとテーブルに置いて円らな瞳を向けてくる。

 

「さて、近況の報告の話を聞くのはまた後ほどにして。実は折り入って君にお願いがあるんだ」

 

「お願い?」

 

「そうさ。お願いとは、緊急時の時だけ君はこの学園の教師、プロヒーローと同等の権限を得て対応して欲しいってことなのさ」

 

うん?同等の権限って・・・・・どゆこと?

 

「緊急時とは・・・・・」

 

「有り得ないけど、絶対に無いとは言い切れない(ヴィラン)と遭遇した際の行動だよ。(ヴィラン)との戦い、戦闘の経験を積んだ君なら冷静な判断の元、生徒達を安全に守ることができると思ってさ。でも、相澤先生の指示の下でだけどどうかな?」

 

「・・・・・」

 

戦闘に関して俺もプロヒーローと同じ権限で戦えるってことか。まあ、別に提案なんてしなくてもお願いされたらその通りに動くし。

 

「別に構いませんよ。非常時以外、俺は一切の手出しはしませんし先生や他の教員から何も言わない限り動くつもりはないです。―――で、いいですかね?」

 

「うん、引き受けてくれてありがとう。それで構わないから生徒を守ってね」

 

「―――俺の力は大切なものを守る為の力であり、敵に対して圧倒的な力で倒す為の力ですから」

 

そうさ、俺の力の在り方は皆を守り敵を倒す。―――ただこれだけさ。

 

―――俺が来た(by一誠)―――

 

雄英高等学校の御膳は必修科目・英語などの普通の授業。

 

「んじゃ次の英文のうち間違っているのは?」

 

『・・・・・(普通だ)』

 

「おらッ!エヴィバディヘンズアーップッ!盛り上がれ―――――!!!」

 

ヒーローを目指す者としてはヒーロー科の授業を期待していたが、意外と普通すぎる授業に拍子抜けもいいところ。因みに英語の担当教師はプレゼン・マイクだった。うるさい。

 

昼は大食堂で一流の料理を安価で頂ける。ヒーロー科だけじゃなく、普通科やサポート科など大勢の生徒達が集う交流の場だ。料理を作る人もまたヒーローだったりする。名前はランチラッシュ。

 

「兵藤君!一緒に食べない?」

 

「一誠さん、一緒に食事でも」

 

「一誠、食べよ」

 

「うん、皆で食堂で食べよう。―――の前にちょっと待ってくれ」

 

旅先で知り合った百達からの誘いを待たせて貰い、教室から出て隣のクラス―――同じヒーロー科の1-B組のクラスの教室へと一瞬で来てみた。

 

「HEY!失礼しまーす!B組の皆!」

 

ガラッ!と明るく朗らかに扉を開けてみるや否や、B組の生徒達が怪訝に俺を見て、誰なのか理解すると目を大きく見開いて驚きの表情を浮かべた。

 

「オ、オールマイトの養子!?」

 

「あ、1-A組の兵藤一誠だからその認識は却下でよろしく。できれば―――」

 

「一誠っ!」

 

「兵藤さんっ・・・・・!」

 

おおう、やっぱりいたよ。もう一人の方は気付かなかったけど合格していたんだな。知り合いが学校に居ると楽しくなるなやっぱり

 

「久し振り、一佳と塩崎」

 

「え、茨を知ってたの?」

 

「お二人が知り合い?」

 

「一言で纏めると、旅先で出会った。以上」

 

「「・・・・・納得」」

 

「で、二人がいるなら丁度良い。友達と食堂で食べるんだけど一緒にどう?」

 

答えは案の定、肯定と頷いて一緒に来てくれた。百達と合流をして食堂へ向かいながら軽く皆と出会った経緯を教えると、

 

「彼に助けられた者同士なのですね私達は」

 

「私は一誠に鍛えてもらった方だよ。1ヶ月も」

 

「素敵な出会いをしました。今でもあの時のことを忘れません」

 

「私も助けてもらったなー」

 

「ウチも」

 

同じ境遇で出会ったからか、話しはスムーズに弾み、食堂では何故か・・・・・。

 

「ジャンケンで・・・・・いい?」

 

俺の隣席の特権を得る為に並びながらジャンケンをし出す五人を小首傾げる思いで不思議そうに見たのだった。で、結果は俺の隣席に一佳と百が座り他の三人は俺達の目の前で座る形で落ち着いた。食事をしながらの雑談は元の世界似る家族達を思い出す。ああ・・・・・必ず元の世界に帰って見せる。必ず、必ずだ・・・・・。

 

 

そして午後の授業。いよいよ誰もが待ち望んでいた授業だ。―――ヒーロー基礎学!!担当の先生は誰なのかこの場にいる面々は知らない。どんなヒーローが担当するのか、どんなヒーローらしい授業をするのか、ワクワクドキドキと期待感が満ち溢れているクラスメートを後ろから見ていた時、廊下から聞こえる声。

 

「わーたーしーがー!!」

 

あ、この声・・・・・。

 

ガラッ!と勢い良くドアが開くと同時に中に入って来たヒーローは・・・・・。

 

「普通にドアから来た!」

 

HAHAHAHA!と笑いながらリアクションのある登場をした俺の養父と全国的英雄、そしてヒーローのオールマイトその人だった。本人もノリノリなようで楽しげに教卓へと歩く姿にクラスメート達からざわめく最中、

 

「オールマイトだ・・・・・!!」

 

「すげぇや。本当に先生やってるんだな・・・・・!!!」

 

「あれ、銀時代(シルバーエイジ)のコスチュームね」

 

「画風違い過ぎて鳥肌が・・・・・」

 

とオールマイトに対する尊敬さが解ってくる。

 

「私の担当はヒーロー基礎学だ。ヒーローの素地を作る為、様々な訓練を行う科目だ。単位数も最も多いぞ」

 

威風堂々として皆の憧れの象徴と同時に平和の象徴。ヒーローに憧れる原点はオールマイトであると過言じゃないだろう。この場にいる全員もオールマイトを見て憧れ、己もヒーローになる志を抱いて雄英に進学したんだ。皆の目の色も変わるのも無理もないかな?

 

「早速だが今日の授業はコレ!!―――戦闘訓練だ!!!」

 

ババーン!と格好つけながら俺達に突き付ける感じで見せるカードにバトルと英語で書かれたソレ。

 

「そしてそいつに伴って・・・・・こちら!!!」

 

オールマイトが側面の壁に向かって指差すと、壁から棚のようなものが浮かぶように出て来て数字が記されたケースが収納されていた。

 

「入学前に送ってもらった『個性届け』と『要望』に沿ってあつらえた皆の戦闘服(コスチューム)だ!」

 

『おおお!!!!』

 

ヒーローとして可愛い、綺麗、格好いい等々、見た目も大切にしている。故にヒーロー科に所属する俺達もそれを着てヒーローとは何たるか学ぶのだ。三年間みっちりと。

 

「着替えたら順次グラウンド・βに集まるんだ!!」

 

『はーい!!!』

 

憧れの一種を現実になってはしゃぐクラスメート達。俺からすれば・・・・・いちいち着替えなきゃいけない戦闘服なんて面倒くさい極まりない。自分の個性の補助になる物なら話は別だけどさ。

 

―――グラウンド・β―――

 

「恰好から入るってのも大切なことだぜ少年少女!!―――自覚するのだ!!!!今日から自分は―――ヒーローなのだと!!」

 

先に移動していたオールマイトは出入り口から現れる1-A組の出で立ち。己の思い描いた戦闘服(コスチューム)を身に包み、威風堂々とした態度と雰囲気に口の端を吊り上げた。

 

「始めようか有精卵共!!!戦闘訓練の時間だ!!!」

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