しかし、これは彼の結末の一つでしかない
彼は蟲に食われ死を迎えた。その先に待っていたのは剣神だった
これは、間桐雁夜が死後。剣神から様々な剣士達の剣術・剣技を得て、まだ自分が生きていた聖杯戦争から一年前の時に戻り、残酷な運命を斬り開く物語
続きは書きません
満月の夜
彼は間桐家に前に立っていた
間桐雁夜
それが彼の名である
彼は間桐家固有の魔術を嫌って11年前に出奔
以来フリージャーナリストとして海外を飛び回り一般人として生きてきた
だが、今起きている事に目を離す事は出来なかった
養女として出された遠坂……間桐桜の今も起きている惨劇から救出する為である
しかし、何故彼が間桐桜が惨劇を持たらしたという事を知っていたのか
正確には彼が何故そんな事が分かることが出来たのか
それは彼自身…いや、
少し時が立ち、雁夜は扉を強く開きある人物にあう
その人物とはマキリ・ゾォルケンこと間桐臓硯、雁夜の実の父である
雁夜は椅子に座っている臓硯の姿を確認し、立ち止まる
「雁夜、その面もう二度と儂の前で晒すなと…ん?」
「………」
臓硯は言い切る前に雁夜を見て疑問に思った
「雁夜よ。左手に持っている袋は何だ」
「………」
「ふん…黙りか」
「遠坂の次女を迎え入れたようだな」
「…ッフフフ。耳の早い」
臓硯は椅子から立ち上がり、杖をつくながら近づく
「そこまで間桐の因子を残したいのか」
「一体誰のせいでここまで間桐が零落したと思っておる。雁夜、お主が素直に家督を受け継ぎ、間桐の秘伝を継承しておればここまで事情は切迫せぬんだ。それを貴様という奴は…」
シャリン
その時である
臓硯で話をしている途中、何かが抜かれた音が聞こえた
その音に臓硯が聞き逃さなかった。すぐに音の正体を突き止めるべく、音のしたところを見た
それはさっきまで袋を持っていた雁夜の左手。だが袋はすでに床に落ちており、一本の刀が露わになっている。柄や鍔、鞘が真っ黒な刀である
「臓硯、お前のその耳障りな声は
「貴様、何を言って…!?」
その瞬間だった
今までなんとも無かった臓硯の体が両断されたのだ
それだけでなく両断されたところから大量の蟲が湧き出てくるも、同じように両断され部屋一面中蟲の死骸や血、体液が飛び散る
そして部屋に残った一匹の蟲、それは他の蟲とは違い酷く汚らわしい物だった
「カ、カリヤ…!キサマナニヲシタ!?」
「別に、ただ俺はお前が気づかない位の速さの居合をしたまでだ」
「イアイダト…?マジュツモロクニツカエナイキサマニ!ナゼソンナゲイトウガ!?」
「知る必要はない。何故なら」
雁夜は右手を柄に添え構える
「お前はこれから、俺に斬られるんだからな」
「フザケルナァァァァァ!!ミトメンゾ!キサマノヨウナヤツニ、コノワシガマケルハズナドナイィィィィィィィ!!」
臓硯は闇雲に雁夜に向かって突っ込む
雁夜は静かに目を閉じる
「いや、お前の負けだよ臓硯。どうしてそんな事が言い切れるのか。それはな」
右手で刀の柄を握り、左手の親指を鍔に掛け、言い放った
「既にお前は、俺の射程距離に入ってるからだよ」
シャリン ズババババババ!!
「ギャアアアアアアアアアアアア!!」
臓硯の蟲である頭と胴体以外が全て切り捨てられた
もはや何の抵抗も出来ず、雁夜の足元に転がり込む
「これで終わりだな臓硯」
雁夜は再び刀を構える
「マ、マテカリヤ!!キサマガキロウトシテイルノハオマエのジツノチチダゾ!?」
「お前が俺の実の父親なら、子の少し願いを聞いてもらえるんだろうな」
「ナ、ナニガモクテキダ!?イエ、デキルコトナラナンデモスルゾ!!」
必死になる臓硯
この言葉を待っていたのかのように雁夜は笑みを浮かべた
「俺の願いは…」
「おじさん?」
そこへ誰かがやってきた
雁夜はすぐに振り返った。そこには虚ろな瞳をした少女がいた
その少女こそが、間桐桜
雁夜が最も救いたい少女である
「…おじさん、何やって」
「ごめんよ、桜ちゃん」
雁夜がそう言うと居合の構えを取る
桜はまだ状況が掴めていない
ドス
「うぅ」
桜が呻き声を上げるとその場から倒れた
雁夜は刀を向きを逆さにし抜刀したのだ
雁夜は転がっている臓硯に目を向ける
「臓硯、俺の願いは一つだ」
「ナンダ!イッテミロ!」
「…この子の中の蟲を出せ。今すぐにだ」
「!?…ナゼオヌシガムシノコトヲ」
臓硯は驚きを隠せなかった
魔術を嫌う雁夜が桜の体内にいる蟲の存在に気づいたことに
「そんな事はどうだっていい。さっさとしないと」
雁夜は刀を見せ、臓硯を脅す
「ワ、ワカッタ!イマスグニダサセテヤル!!」
そう言った臓硯は念じるような声を上げ始めた
すると、桜の口から蟲が飛び出した。それを雁夜がすぐに両断する
「コレデイインダナ!」
「あぁ。一応礼は言っておく」
「ソ、ソウカ…」
シャリン
「…エェ?」
「お前の役目はここまでだ」
「キ、キサマ!ネガイヲキイタハズダゾ!!」
「願いを叶えたとしても、俺はお前を見逃すとはいってないぞ」
「カ、カ、カ、カリヤァァァ…ァァ…ァ」
その後、臓硯は両断された
「秘剣…――――零閃――――」
雁夜はそう言いながら、桜を抱え部屋を出る
「すぅ…すぅ…」
桜をベットに寝かせる
雁夜は頭を撫で微笑む
「良かった。本当に良かった」
雁夜は桜を救えた事に満足していた
そして撫でるのを止め、刀を持ち、鞘から抜き取る
「もしもこの力がなければ、こんな事は実現できなかった。まさか自分の来世が一年前の前世とは…可笑しな話だ」
雁夜は笑いながら刀を鞘に収める
「でも、あの訓練があっての居合の習得。ある意味長かったけど、この日の為に重ねてきたんだ。絶対に」
「聖杯を斬る」
はい、こんな感じです
皆さん楽しんで貰えましたか?