瀟洒な召し使い   作:グランド・オブ・ミル

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原作前、無印編・12

 

 

 

私が任務を終えたラディッツ達を迎えてから数日後、惑星フリーザにべジータ王とエリートサイヤ人数名が召集された。

 

よく見ればまだ髪がある若かりし頃のナッパの姿もある。この頃のナッパは髭も若干薄めで、顔だけ見れば何となくリクームに似てるなぁと感じるのは私だけだろうか。

 

閑話休題

 

なぜサイヤ人を召集したかといえば、銀河防衛隊のことである。とうとう奴らを滅するべくフリーザ軍は奴らの本拠地惑星ジスへと侵攻するのだ。そのメンバーを決める会議が昨日行われたのだが、本当なら星ごとドッカンと破壊すれば簡単なのだが、奴らが拠点を置いている惑星ジスはかなり良好な星であり、フリーザがぜひとも自分の惑星コレクションに入れたがっているのだ。

 

そうなれば私達は星を破壊せずに惑星ジスの生物を全滅させなければいけないのだが、何しろ惑星ジスは広い。とにかく広い。重力は惑星べジータの三分の一程度だが、大きさは木星の約四倍程。そんな大きな星を破壊せずに生物を全滅させなければいけないなど面倒な話で、誰もやろうという者はいなかった。

 

そんな中、我らがフリーザ様はサイヤ人にやらせようと提案した。そういえばサイヤ人がフリーザ軍に入ってからまだこういった大きい仕事はしていない。そういった理由もあり、この件はサイヤ人にやらせることになった。

 

そして今に至るわけだ。フリーザは私が入れたワインを優雅に飲み、そんなフリーザの玉座から数歩下がって私、横にはザーボンとドドリア、そしてフリーザの前で跪くサイヤ人達という光景ができあがっている。

 

「というわけで、サイヤ人には惑星ジスの征服をお願いしたいのです。いいですね?べジータ王。」

 

「………はい。」

 

フリーザの言葉に返事をするべジータ王は忠誠心など皆無であることがまる分かりだ。拳は震える程握られており、そもそもセリフに心がこもってない。ザーボンもドドリアも思わずため息をついてしまっている。

 

「よろしい。明日までに侵攻するメンバーを決めて私か咲夜さんに教えてください。まあ、あの星の平均戦闘力は知れたものですし、高くても2000程度。下級戦士チーム一つ二つで充分です。」

 

「了解しました。失礼します。」

 

そう言ってべジータ王とエリート戦士達は立ち去っていった。サイヤ人の態度の悪さにさすがのフリーザも不機嫌を隠せていない。

 

原作でフリーザがサイヤ人を滅ぼした理由が何となく分かる気がする。超サイヤ人のこともあるが、こういった不愉快さもサイヤ人が気に入らない理由だろう。

 

彼らはプライドが高い故に、目上の者に対する礼儀がまるでなってない。縦社会で生きる上で必須スキルのごますりがまったくできないのだ。漫画を読んでいるだけでは分からなかったが、実際それを目の当たりにするとその不快感がよく分かる。私でさえ不快に思うのだからフリーザはよっぽどだろう。

 

サイヤ人が、惑星べジータが滅ぼされる日は思いの外近いのかも知れない。

 

 

 

 

 


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