瀟洒な召し使い   作:グランド・オブ・ミル

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原作前、無印編・17

 

 

 

 

 

 

 

フリーザの部屋には現在、咲夜に加えザーボンとドドリアも呼び出された。サイヤ人に対する今後の方針を決めるためだ。ギニュー特戦隊も呼び出す予定だったが、休暇を利用して海へ行っているらしく、徴収を拒否された。それについてフリーザが頭を抱えたのは言うまでもない。

 

「して、フリーザ様。本当にサイヤ人を滅ぼしてしまうのですか?」

 

「ええ、そうですよ。これはもう決定事項です。」

 

ザーボンが投げ掛けた質問にフリーザは頷く。

 

「いや~そうか。まあ、あいつらの態度から考えりゃ当然か。サイヤ人連中はよく働くもんだからおしいっちゃおしいな。」

 

ドドリアは腕を頭の後ろに組んで呟く。するとそこへ咲夜がワインとワイングラスを台車に乗せてやって来る。咲夜はフリーザの側で台車を止めるとグラスをフリーザへ手渡し、キュポンッと音を立ててビンのコルクを抜き、トクトクとグラスへワインを注ぐ。咲夜が注ぐワインをフリーザが飲む。この光景はこの一年ですっかり見慣れたものとなった。

 

「そういえば、さっきもサイヤ人の一団がカナッサ星を征服したと報告があったな。」

 

「誰なんだ?そのカナッサ星を滅ぼしたって野郎は?」

 

「バーダックというサイヤ人のチームだ。」

 

「バーダック?」

 

「咲夜と仲の良い連中だ。バーダックは下級戦士ながら幾多の戦いでエリートにも引け劣らない力を持っている。」

 

ザーボンがドドリアとの会話でバーダックの名前を出した時、咲夜の顔がほんの少し歪んだ。普通は気がつかない程の小さな変化だが、フリーザはその変化を見逃さなかった。

 

「咲夜さん。」

 

「っ…はい。」

 

「当然バーダックというサイヤ人も殺しますよ?」

 

「…存じ上げております。」

 

フリーザの言葉に咲夜は深く礼をする。その後「しかし」と顔をあげた。

 

「サイヤ人を滅ぼすにあたって一つお願いがあるのですが……」

 

「ほう、いいですよ。聞きましょう。あなたからはこの一年ほとんどそういったお願いを聞きませんでしたからね、嬉しいです。」

 

咲夜が若干しどろもどろになりながら言うとフリーザはニコリと笑って咲夜のほうへ向く。それに対して咲夜は「ありがとうございます」と礼をしてから話し始める。

 

「べジータ王は私のこの手で殺させていただけないでしょうか?」

 

「あぁ、なんだそんな事ですか。もちろんいいですよ。そもそもあんな塵一粒など本来私が出るまでもありませんからね。」

 

咲夜のお願いにフリーザは愛想良く笑みを浮かべ、快く了承すると再び向き直ってワインを飲む。すると今度はザーボンが「そういえば」とフリーザへ話しかける。

 

「何ですか?ザーボンさん。」

 

「サイヤ人を滅ぼすことには異議ありませんが、優秀な者一人くらいは手元に残しておくのが賢明かと。」

 

「ええ、私もそう思っていました。今回、べジータ王子は残すつもりでいます。」

 

「べジータ……あのガキですか?」

 

「ええ、あの子は愚かな父と違って礼儀正しく賢明ですからね。将来はいい兵士になってくれるはずです。」

 

そう言ってフリーザはワインのグラスを傾ける。隣でその会話を聞いていた咲夜はべジータがいい兵士になどならないことを知っているが口には出さない。余計な口出しをして原作が変わってしまっては困るからだ。

 

と、その時、ゴゴゴゴと突然地面が揺れた。強靭な肉体を持つフリーザ達は特に倒れることはなかったが、揺れのせいでフリーザはワインを数滴自身の膝辺りに溢してしまう。

 

「フ、フリーザ様!大変です!ひっ!!」

 

「……どうしました?アプール。」

 

そこへフリーザ軍兵士のアプールが慌てた様子で部屋へ駆け込んで来た。アプールはワインを溢したことで苛立っているフリーザに怯えた声を出す。そんなアプールに咲夜が問うとアプールは気を取り直して敬礼をした。

 

「サイヤ人が反乱を起こし、この星へ攻め込んできました!!」

 

「……サル野郎共め……!全く不愉快な連中だ……!」

 

フリーザは怒りの表情を浮かべた。恐怖に耐えきれなくなったアプールは「しっ失礼しましたぁ~!」と言って退出している。

 

「咲夜さん、ザーボンさん、ドドリアさん。」

 

「「「はっ!」」」

 

「予定を早めます。今日すぐにサイヤ人を滅ぼしますよ!」

 

「「「了解でございます。」」」

 

三人は綺麗に揃って礼をした。

 

 

 

 

 

 

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