忍たま乱太郎〜食満留三郎の弟〜   作:誰かの影

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用具委員会がブチ切れます。


兄弟じゃないか!の段

小三郎に声を掛けた相手、それは。

 

小三郎「あ…兄者!びっくりしたぁぁ…。」

留三郎「びっくりはこっちだ!…で、火器倉庫で何コソコソしているんだ?ん?それは会計委員会、四年ろ組、田村三木ヱ門の石火矢ユリコじゃないか。それに背負っている箱は火縄銃の箱、小三郎!何処に戦しに行くつもりだ!」

 

腕を組み、小三郎を見る、小三郎は俯く。そして顔を上げる。

 

小三郎「兄者!僕は火薬委員会。これは火薬委員会の秩序を守る為には必要なんだ!」

留三郎「ち、秩序⁉︎まてまて!話が見えん!火薬委員会をぶっ壊すつもりか⁉︎久々知兵助の豆腐をぶっ飛ばすつもりか⁉︎」

 

小三郎は説明を始めた。火薬委員会のが管理している火薬を火器組の三人が狙っていること。その為に自分は虎若と田村先輩の無力化を図る為に二人の大事にしている火縄銃とユリコを人質に取る為に行動していること。そして今、他の火薬委員会が時間を稼ぐ為に戦っている事。

 

 

 

 

留三郎「な、なるほど…。確かに虎若と三木ヱ門は火器が好きだからそれで無力化は謀れるだろう。人質としては有効だ。しかし小三郎。仙蔵はどうする気だ?あいつは主に焙烙火矢を愛用するが、焙烙火矢は言い方を悪くすれば使い捨て。仙蔵が虎若と三木ヱ門の分の火薬を持って逆に脅してきたら、人質計画はその時点で形勢が逆転してしまうぞ?」

 

ごもっともな留三郎の意見。しかし小三郎は火薬庫から持ち出しておいた、大きめの焙烙火矢を取り出した。留三郎に嫌な予感が走る。

 

小三郎「その時は、特攻を仕掛け!僕諸共、立花先輩と爆死する!」

留三郎「おいやめろ!お前は忍たまだ!何処ぞの特攻兵か!俺泣くぞ!」

 

留三郎は小三郎の体を掴む、しかし小三郎は暴れる。

 

小三郎「離して!兄者!男にはやらねばいけない時があるんだよ!」

留三郎「お、男前!だからって死んだら下の子もないだろ⁉︎」

 

それからは両者、やめろ!やめない!っと押し問答が続いた。その時、留三郎を探しにきた富松作兵衛を筆頭に用具委員会がやって来た。

 

作兵衛「あ、留三郎先……。」

守一郎「な、何やっているですか⁉︎」

喜三太・しんべえ・平太「兄弟喧嘩⁉︎」

 

留三郎「お、お前達!小三郎を止めてくれ!こいつ立花仙蔵と爆死する気だ!」

用具委員会「えぇぇぇぇ⁉︎」

 

 

 

その後、小三郎は作兵衛がいつも迷子組を縛る縄で縛られた。その後、守一郎に持ち物チェックされ「こしころ」一本、袴の中に苦無4丁、懐に手裏剣、火車剣、多数の投射武器が出て来た。

 

作兵衛「ま、マジだ…マジで立花先輩と刺し違える気満々だ…!恐ろしい奴…!」

守一郎「よくもまぁこんなに隠し持って…。」

しんべえ「流石小三郎!」

喜三太・平太「準備怠り無しだね?」

留三郎「褒めてどうする!」

 

 

小三郎「離してよ!早くしないと火薬が奪われちゃう!!」

 

小三郎は縛られていてもジタバタと暴れる、喜三太としんべえ、平太が抑える。

 

喜三太「どうしちゃったのさ!小三郎!普段は真面目で優しい君なのに〜!」

留三郎「俺から説明しよう。実はかくかくしかじか、四角いムーブ…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作兵衛「つまり、火薬を守る為にユリコと火縄銃は確保したけど、立花先輩には人質が通用しないから…特攻を仕掛け共に爆死しようと⁉︎おめぇは南蛮の狂信者か⁉︎テロリストか⁉︎」

 

守一郎「兄が武闘派なら、弟は過激派だったとは…。」

 

小三郎「でもやらなきゃいけないんだ!僕は火薬委員会!火薬は守る!」

作兵衛「お、男前だ…!」

 

小三郎の決意の瞳に作兵衛が後ずさる。

 

 

 

 

 

次の瞬間。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

留三郎「馬鹿野郎ォォォォ!!!!!!」

 

スパァァァァァァァァァァァァァァアン!!!

 

 

 

 

 

 

 

なんと留三郎が小三郎をはたき飛ばしたのだ。そして小三郎の胸グラを掴んだ。その場にいた誰しもが固まった。

 

留三郎「早死には親不孝って言ったのはお前だろが!たかが10歳がカッコつけてんじゃねぇ!!!………ッ……なんで俺を頼らないんだ…ッ!俺はっ…俺らは…ッ!!!血を分けた兄弟じゃないか!!!」

 

小三郎「!!!」

 

用具委員会一同が目を疑った。忍術学園一の武闘派と呼ばれた食満留三郎が……。

 

 

留三郎「うぉぉぉぉぉ………ッ!!!」

 

泣いているのだ。そこにいるのは用具委員会がよく知る留三郎ではなく、一人の兄としての留三郎だった。

 

小三郎「うっ…ヒック…兄者ぁぁ……ごめんなさいッ!ごめんなさいッ!うわぁぁぁん…ッ!!!」

 

泣きながら謝る小三郎を留三郎は縄解き、力一杯抱きしめた。

 

作兵衛「…ッ…ヤベェ…俺まで泣けてきた…。」

守一郎「うん…兄弟って…ッ…良いもんだねッ!」

 

すすり泣く作兵衛と守一郎の後ろから喜三太としんべえと平太が泣きながら小三郎にくっ付いた。

 

喜三太「死んじゃいやだよ…ッ!」

しんべえ「一年は組には小三郎が必要なんだよぉぉ…!うわぁぁぁん!」

平太「僕はろ組だけど…ッ…君が大好きなんだよぉ…。」

 

 

小三郎はようやく自分の過ちに気がついた…簡単に命を散らしてはならない…自分をこんなにも大事にしてくれる仲間がここにいる。大好きな兄がここにいる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

死んじゃダメだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小三郎「ごめん!ごめんねッ!死なないよ!まだみんなと一緒にいたい!泣かせてごめんねッ!!!」

 

 

小三郎は喜三太としんべえと平太をがっしりと抱きしめた。その外から留三郎、作兵衛、守一郎が抱きしめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

火薬庫では既に戦意喪失した火薬委員会を尻目に火器組が火薬を物色していた。

 

仙蔵「よし、今回はこれくらいで良いだろう。」

三木ヱ門「そうですね!早くユリコの所に行かなくちゃ!」

虎若「これで照星さんの火縄銃が試せる!…それにしても…小三郎が見当たらなかったのは引っかかりますね?」

 

真面目な小三郎が委員会をサボるような事はしないと思い虎若は首をかしげる。

 

伊助(小三郎…早く…!火薬が持ってかれちゃう!)

三郎次(小三郎…裏切ったのか…。)

久々知(大丈夫…彼なら…彼なら必ず…っ!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

火器組が火薬を外に持ち出して行き、いよいよダメかと思ったその時だった。

 

三木ヱ門「ん?な、なんだ?あれは?」

仙蔵「どうした?三木ヱ門。」

 

三人が前方を見ると、土煙を上げながら何かが全力でこちらに向かって来ている。

 

 

留三郎「こらぁぁぁぁ!!火器組ぃぃぃ!!!」

 

それは荷車を全力で車の如くスピードで迫り来る食満留三郎、並びに荷車に乗る用具委員会と小三郎だった。

 

伊助「さ、サブちゃん!!」

久々知「戻って来てく……な、なんで留三郎先輩と用具委員会のみんな、あんなに殺気立っているんだろう?」

 

 

 

 

 

 

 

 

留三郎「富松ぅ!いつもはぶっ放しまくる三木ヱ門に今日は逆にユリコをぶっ放してやれ!!!」

作兵衛「へい!ユリコ!ファイヤー!!!」

 

ズドーン!

 

荷車に乗っているユリコを三木ヱ門に向けてぶっ放した。

 

三木ヱ門「ユリコ!うわぁぁぁ!…ユリコの浮気者ぉぉぉぉぉ!!!」

留三郎「富松ぅ!そのまま三木ヱ門に打ち続けろ!!」

作兵衛「イエッサー!!!」

 

伊助「な、何がどうなっているの⁉︎」

三郎次「い、戦⁉︎」

タカ丸「ぐ、軍隊?」

 

戸惑う火薬委員会を横に、荷車を作兵衛と守一郎に任せ、留三郎と喜三太、しんべえ、平太が降りて来た。そして一年は虎若に駆け寄った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

喜三太「虎若!」

しんべえ「よくも小三郎を泣かせたな!」

平太「ゆ〜る〜さ〜な〜い〜よ〜?」

 

虎若「は⁉︎な、泣かしてないよ!なんの話⁉︎ち、ちょっと!へ、平太!なんかキャラ違くない⁉︎」

 

後ずさる虎若に三人がジリジリ近寄る。そして、喜三太がナメクジ壺を向け、しんべえが鼻を構え、何故か平太が袴を脱いだ。

 

喜三太「かかれ!ナメクジさん達!」

しんべえ「忍法・鼻水固め!」

平太「即席奥義・ちびっちゃった袴アタック…。」

 

それぞれがばっちい物を虎若目掛けて放った。

 

虎若「ギョエェェェエエ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仙蔵「な、何がどうなっているんだ⁉︎」

留三郎「立花仙蔵ぉぉぉぉぉ!!!」

 

困惑する仙蔵のもとに、土煙を上げながら鉄双節棍を振り回し、鬼のような形相の留三郎が突っ込んで来た。

 

留三郎「よくも俺の可愛い弟を泣かせたな!!!勝負だぁぁぁ!!」

仙蔵「な、なんの話だ⁉︎くっ!」

 

仙蔵はその場に火薬壺を置き、苦無二本で節棍を受け止めた…が…。

 

留三郎「しゃぁっらぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

仙蔵「ぬおぉぉおぉぉぉ⁉︎」

 

なんとそのまま凄まじい馬力で仙蔵を押したのだ。

 

仙蔵「待て待て!どこにこんな馬力があるんだ⁉︎文次郎の時は互角なのに、これでは文次郎以上…。」

留三郎「うるせぇぇぇ!!お兄ちゃんパワーを舐めるなぁァァァァ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

火薬委員会が呆気に取られていると、小三郎が取られた火薬を抱えながらメンバーのもとにやってきた。

 

小三郎「食満小三郎!任務完了しました!」

久々知「い、一体どういう事なんだ?これは…。」

 

 

こうして火薬委員会の秩序は守られた。

 

 

 

一方で火器組はリミッターの外れた用具委員会に追いかけ回されていた。

 

留三郎「まてぇぇぇ!腰抜けェェェエエ!」

作兵衛「ファイヤー!!!」

喜三太「待て!虎若!」

平太「待って〜?」

 

 

三木ヱ門「ユリコォォォォ!僕の何が悪かったんだ!!!」

虎若「やめてぇぇ!僕知らない!知らないってばぁぁぁ!!」

仙蔵「と、とにかく逃げるぞ!」

 

その日一日中、火器組は用具委員会に追いかけ回されたそうな。ちなみに虎若の火縄銃は小三郎が後でもとに戻しましたとさ。

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