秋中旬、山もすっかり色んだ頃の忍術学園。今日も小三郎達は組はまぁまぁ真面目に授業を受けていた。
土井先生「此処をしっかり覚えておけよ!今度テストに出すぞぉ!」
全員「は〜〜〜〜い!」
土井先生「特に乱太郎、きり丸、しんべえ!よく勉強する様に!!」
乱太郎「そ、そんなピンポイントで言わなくても…。」
きり丸「生徒いじめはいけませんよ!」
しんべえ「お腹すいたぁ〜。」
土井先生の話を真面目に聞いているのやらいないのやら、そんな様子を小三郎は苦笑いで見ていた。そして授業が終わった。
小三郎「土井先生、乱太郎達が一番心配なんだね?金吾?」
金吾「まぁ、言っちゃ悪いけど…ねぇ?喜三太?」
喜三太「うん。まぁ、人のこと言えないけど、ペーパーは苦手だから。」
一年は組は3クラスの中で一番適応力が高いがペーパーテストは庄左ヱ門、小三郎を除いて壊滅的である。小三郎が来る前など全員の合計点が100点であり、その大半が庄左ヱ門の点数と言う有様。因みに小三郎が来てからは合計点がぐっと上がった。
職員室
土井先生「ふぅ。」
山田先生「お疲れ様です、土井先生。お茶でもどうです?」
土井先生「あっ。ありがとうございます。」
土井先生は机の前に腰を下ろし、山田先生に出されたお茶を飲む。
土井先生「はぁ。あの三人絶対わかってないなぁ!」
山田先生「ハハ。乱太郎達ですな?」
土井先生「少しは庄左ヱ門や小三郎を見習って欲しいものです。」
山田先生「まぁまぁ。それでも彼、小三郎の影響が多少なり出てると私は思いますがね?」
土井先生「確かに、宿題の提出率が上がりましたね?」
世間話をしていると、二年い組の三郎次が戸をノックした。そして入室。
三郎次「失礼します。山田先生。お客様をお連れしました。」
山田先生「客?いったい誰だろうか?まぁいい。通しなさい。」
三郎次「はい。どうぞお入り下さい。」
三郎次と入れ替わりである人物が入って来た。それは…。
????「ご無沙汰です。父上。土井先生。」
山田先生「利吉じゃないか!」
土井先生「やぁ!大分ご無沙汰じゃないか。利吉くん。」
やって来たのは山田先生の実子、山田利吉であった。
山田先生「どうしたんだ?何か用か?」
利吉「いやぁ。ようやく仕事が一段楽したので、母上に会いに行く前に父上の顔も見ておこうかと…。」
土井先生「親思いないい子ですね?山田先生。」
山田先生「や、やめて下さいよぉ。土井先生。こっぱずかしい。」
山田先生と土井先生と利吉であれこれ世間話をしていると再び戸がノックされた。
小三郎「失礼します。土井先生お見えですか?」
土井先生「小三郎だな?いるぞ。入って来なさい。」
土井先生の承諾を得て、小三郎は戸を開け中に入る。
小三郎「土井先生、この計算が……っと。お客様がお見えでしたか。出直します。」
山田先生「あぁっ!食満小三郎。少し待ちなさい。」
小三郎「はい?」
山田先生に呼び止められ再び振り返る。その時、利吉と小三郎の目があった。
小三郎「こんにちわ。初めまして。」
利吉「こんにちわ。」
小三郎は持ち前の愛嬌でニコリと笑う。つられて利吉も笑う。
山田先生「小三郎は初めてだな?こいつは私の息子の利吉だ。」
利吉「初めまして。山田伝蔵の息子、山田利吉。よろしくね?
小三郎「あぁっ!息子さんだったんですか!初めまして利吉さん。僕は食満小三郎と言うものです。今年一年は組に編入しました。不束者ですが、どうぞよろしくお願いします。」
土井先生「どっ……それは婚約挨拶……君のお約束だなぁ。」
苦笑いをする土井先生をよそに利吉は驚いた様に小三郎を見た。
利吉「食満?もしかして、六年は組の食満留三郎くんの?」
小三郎「はい!食満留三郎の弟です!」
利吉は山田先生を見て何かゴニョゴニョ言い出した。
利吉(まさか留三郎くんに弟がいたなんて。しかも言葉遣いが乱太郎くんより凄い。)
山田先生(私も最初は腹違いかと思ったがどうやら実の兄弟らしくてな?)
二人のゴニョゴニョを聞いていると小三郎はハッとした。
小三郎「分かった!矢羽音ですね!」
利吉「⁉︎」
山田先生「な、なんと!」
土井先生「覚えていてくれたかぁ!嬉しいぞぉ!小三郎ぉ!高い高いしてやる!」
『矢羽音とは忍者同士が語る暗号の様な物で、他人が聞いても分からない忍者の言葉のやり取りです。』
小三郎は見事言い当てた。土井先生は嬉しさのあまり、小三郎を抱きしめ回したり、高い高いをしたりした。
利吉「ちょ、ちょっと父上!彼は乱太郎くん達と同じクラスですよね⁉︎」
利吉の言葉に山田先生はふっと笑う。
山田先生「そうだが…彼は一味違うぞ?」
利吉「一味?」
山田先生は土井先生のとなりに立ち、小三郎を崇める様な姿勢を取る。
山田先生「彼こそ!我らがは組の期待の超新星!みんなのお手本!実技はクラスでトップ!」
土井先生「火薬委員会の守護神!食満小三郎だぁぁぁ!!!!」
パパ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン!!!!
小三郎「そ、そのフレーズ恥ずかしからやめて下さいよ!」
照れる小三郎を床に下ろした後、山田先生は何かを思いついたらしく利吉に近寄った。そして再び何やらゴニョゴニョ言い出した。そして小三郎は分からなかった計算方式をようやく土井先生に聞くことが出来た。続く。