忍たま乱太郎〜食満留三郎の弟〜   作:誰かの影

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お説教とお手伝いの段

秋も通り越し冬。昼間はまだしも朝と夜は寒い。そして、今日も寒い夜しかも雪がちらついている。ほとんどの部屋は火鉢が支給され誰しもが暖をとる中、氷の間の中で会計委員会の面々は近々やって来る予算会議に向けて算盤を操り、鼻水を垂らしながら計算をしていた。

 

団蔵「は、ハックション!さ、寒いぃ〜。」

佐吉「うぅぅ……。」

左門「潮江委員長!」

三木ヱ門「いくら貴方がギンギンに忍者でも風邪引いちゃいますよ!」

文次郎「バカタレ!暖を取ってヌクヌクしていたら眠くなってその隙に首取られるぞ!」

 

ガチガチ震える中、潮江文次郎が声を張り上げ喝を入れる。しかし寒すぎる。すると一番震えていた佐吉が突如震えなくなった。しかし唇が真っ青。そして…。

 

佐吉「あ、れ?眠くなって……あぁっ……。」

団蔵「うわぁぁぁぁぁぁ!!佐吉ぃぃ⁉︎」

佐吉「こ、これは流石に……。」

三木ヱ門「ま、まずいんじゃ……。」

 

みんなが心配する中、突如文次郎が佐吉を立たせ、頬を軽くはたき出した。

 

文次郎「佐吉!起きろ!寝たら死ぬぞ!!!」

佐吉「あぁっ……お花畑……。」

団蔵「佐吉ぃぃ⁉︎ダメだ戻って来い!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

騒ぐ会計委員会。その時、会計委員会室の戸が開いた。立っていたのは…。

 

小三郎「どうしたで……寒っ!って…何やってんですか⁉︎潮江文次郎先輩!!」

文次郎「食満小三郎!決して虐めているわけじゃないぞ?会計委員として根性を……。」

 

小三郎は慌て駆け寄り佐吉の体に触れる。

 

小三郎「会計も根性もクソもありますか!!!あぁっ!!こんなに冷たくなっちゃって!文次郎先輩!!!」

文次郎「な、なんだ…うっ…。」

団蔵「ひっ!」

 

その場にいた会計委員会全員が思わず息を飲み小三郎を見た。普段は優しく穏やかな彼だが今日は違った。髪を振り乱し、鬼を通り越して閻魔大王の形相になった食満小三郎がそこにいた。

 

小三郎「そこに正座!」

文次郎「は、はい。」

小三郎「団蔵!すぐに佐吉を風呂に入れてきて!佐吉死ぬよ!」

団蔵「わ、分かった!」

 

団蔵は佐吉を担ぎ風呂場へと向かった。そして、その後はキレた小三郎から文次郎へ説教の嵐。

 

小三郎「ギンギンに忍者は結構ですが!死んじゃったら元も子もないでしょ⁉︎って言うか先輩!結構臭いますよ!ちゃんと風呂入っているんですか⁉︎クマも酷い!寝ているんですか⁉︎えぇっ⁉︎まったく!バカタレは貴方ですよ!!!」

 

文次郎「…か、返す言葉が…って言うか言葉を出す隙がない!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな様子を左門と三木ヱ門は口をあんぐりと開け見る。

 

左門「な、なんて奴だ…!」

三木ヱ門「あの超ギンギンに忍者している潮江文次郎会計委員長を言葉で押さえ込んでる…!!!」

 

小三郎の凄まじいマシンガン説教の嵐を前に文次郎も本当の事を言われ何も言い返せずにいた。

 

文次郎(こ、こいつ…本当に留三郎の弟なのか⁉︎)

小三郎「聞いていますか⁉︎潮江文次郎会計委員長!!!」

文次郎「は、はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくしてから復活した佐吉と団蔵が帰って来て、小三郎の説教も終わった。その後、強制で先輩方を風呂に押し込め、そして小三郎は事務の倉庫から火鉢を引っ張り出して来て炭を焚べ火をつけた。暖かい気が部屋全体を包む。

 

小三郎「これで良し!」

団蔵「暖か〜い。」

佐吉「生きてて良かった〜。」

 

三人が暖をとる中、小三郎は机の上に広がっている会計報告書が目に入った。そしてチラチラと見ていたらある事に気がついた。

 

小三郎「団蔵。この計算間違ってるよ?」

団蔵「げっ!」

小三郎「佐吉。数字の端数は切れるところはスパッと切って揃えた方が見易いし計算し易いよ?」

佐吉「あぁっ⁉︎」

 

 

小三郎「これもこれも…こっちも!あぁっ!もう!」

 

 

 

小三郎がよく見ていくと、あるわあるわ。予算の偏り、ムラがある箇所。訂正していく小三郎を団蔵と佐吉は尊敬の眼差しを送る。そしてしばらくすると先輩方が帰って来た。

 

左門「こっちだぁぁ!ぐえっ!」

三木ヱ門「行き過ぎだ!」

文次郎「ふぅ。さて、とんだ邪魔が入ってしまったが……な、なんだ?」

 

 

 

 

 

シャカシャカシャカシャカシャカシャカ!パチパチパチパチパチパチパチパチ!シュッ!シャカシャカシャカシャカ!パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!

 

 

神崎左門と田村三木ヱ門と潮江文次郎が思わず目を疑った。そこには文次郎も出来ないようなスピードで算盤を弾き、新たな半紙に音速の如く、正確に筆を動かし書き記している小三郎とその横で合掌し拝む団蔵と佐吉の姿があった。

 

 

 

左門「は、はぇぇぇ!」

三木ヱ門「じょ、冗談だろ⁉︎10キロ算盤を意図も容易く……も、文次郎会計委員長?」

文次郎「………………。」

 

文次郎は真剣な面持ちで小三郎を見る。

 

 

パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!チャキィィィィン!

 

小三郎「良し!計算と振り分け終了!あっ!文次郎会計委員長。見違えりましたね!あと、勝手ながら予算報告書を訂正して起きましたのでご確認を願います!それでは、僕はこれで…あと、ギンギンに忍者やるなとは言いませんけど、適度な休息もして下さいね?」

 

小三郎が別に纏めた報告書を文次郎に差し出す、そして帰って行った文次郎は無言のまま受け取り確認を始める。そして……。

 

 

文次郎「お前、いや、食満小三郎!会計委員会に変更しろ!」

 

小三郎「はい⁉︎」

 

会計全員「賛成!」

 

 

 

 

 

 

全員が会計委員会に招こうとした時だった。

 

火薬委員全員「ダメェェェ!!!」

 

 

火薬委員会全員が飛び込んで来た。この後、会計と火薬が激しく論争したのはまた別のお話。

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