小三郎と金吾と喜三太は他のチームより早く浜辺に戻った。
小三郎「第3チーム!ただいま戻りました!」
山田先生「おかえり。成果は?」
喜三太「ほら!」
金吾「こんなにたくさん採れました!」
山田先生「おぉ!これはすごい!」
籠の中には大量の貝などが入ってるのを見て山田先生はびっくり!
それから由良四郎さんに大きめの鍋を貸してもらい、中に水を入れ火にかけ沸騰するまで待った。
小三郎「では!調理開始しまーす!」
金吾&喜三太「は〜い!」
三人とも何処から持って来たのか割烹着姿になっていた。
小三郎「先ずは沸騰した水に先ほど採れたこのワカメなどの海藻を入れます。そして蓋をして5.6分煮ます。」
鍋に入れ、待っていると庄左ヱ門達、第1チームが戻って来た。
庄左ヱ門「第1チーム、ただいま戻りました!」
小三郎「おかえり〜。おぉ!大量だね!……な、なんか鯵がやたら多いような…。」
庄左ヱ門「いやぁ、じつはね?」
庄左ヱ門が言うに自分と伊助は色んな魚が釣れていたんだけど、団蔵が何故か鯵ばかり釣り上げてしまったらしく鯵率が半端なくなってしまったらしい。団蔵がうなだれている。
小三郎「あらら。でも坊主よりはいいじゃない?団蔵も元気出して!それに鯵は魚の中で一番ハズレがないから。」
小三郎の励ましに団蔵も笑顔に戻った。そして鍋がグツグツ言い出す。
喜三太「小三郎〜。もういんじゃない?」
小三郎「さて中身は?開封!」
パカンと開けると、中の煮汁が茶色っぽく変身している。
金吾「あれ?なんか色変わったね?」
伊助「ちょっとこれ大丈夫なの?」
伊助が怪訝な表情を浮かべる。
小三郎「どういうこと?」
伊助「いやだから。汚れが取れたんじゃ…。」
小三郎「違うよ!これが旨味なの!」
団蔵「えぇっ⁉︎こんなに出るの?」
伊助「なんか凄いのが出来そう!なんか手伝う事ある?」
小三郎「じゃあ鯵をさばいてくれない?」
伊助「わかった!」
庄左ヱ門「僕も手伝うよ。」
魚をさばくのは伊助と庄左ヱ門と疾風さんにまかせ、小三郎は次の行程に移る。
小三郎「次に海藻を取り除いて……ここで!僕たちが拾った貝の出番!」
団蔵「うわっ!すげー!」
小三郎はそのまま鍋に全てぶち込む。しかし勢い余って汁が飛んだ。
金吾「あちっ!」
喜三太「アチャチャ!」
団蔵「あっつ!」
小三郎「あぁっ!ごめん!」
金吾「もう!気をつけてよ!」
幸いにやけどする事はなかった。それから一煮立ちしてから貝を鍋からあげる。鍋の中の煮汁は濃い茶色に変わっていた。
金吾「なんか美味しそう!」
喜三太「凄いね〜!元々水だよ?」
小三郎はそこに醤油と塩など少しづつ加え味を整える。そして小皿に入れ団蔵と金吾に味見をさせる。
小三郎「どう?」
団蔵「うわっは〜!すげぇ美味い!」
金吾「これは…凄いねぇ!小三郎!」
大好評を頂いていると兵太夫達、第2チームも戻って来た。
兵太夫「第2チーム、戻りましたぁ。」
三治郎「大量です!」
小三郎「おかえり〜。」
虎若「あっ。なんだかいい匂い!」
鬼蜘蛛丸「なんだなんだ?」
再び小三郎の周りに集まり鍋の中の出汁を見る。そして全員、味見をせがんだが……そんなに味見したらなくなっちゃう!っと拒否。
小三郎「後からもっと美味しくなるから。じゃあ、今伊助と庄左ヱ門が魚をさばいているから、兵太夫、三治郎はそっちを手伝って。金吾、喜三太、団蔵、虎若はさっき出汁取った貝の中身を出して。」
小三郎が指示を出すとそれぞれ魚班、貝班に分かれた。ちなみに兵太夫と三治郎を魚班にした理由は器用そうだから。
由良四郎「陸酔い止め、ちゃんと効いているみたいだな?」
鬼蜘蛛丸「はい!おかげであまり気持ち悪くありません。」
小三郎「お、陸酔い止め……。」
小三郎は苦笑いを浮かべながらみんなと貝の中身をほじくった。
金吾「いよっと!」
喜三太「ほいっと!」
金吾と喜三太は爪楊枝で器用に中身を取り出すが、団蔵、虎若はと言うと……。
団蔵「うぅ〜!あっ⁉︎」
虎若「グギギギ……だぁぁ!もう!」
ほじくる途中で爪楊枝を折るわ、貝の身を強引に引っ張り千切ってしまうわでてんやわんや。細かい作業は苦手らしい。
すると。
????「第4チーム……ただいま戻りました……。」
土井先生「遅かったな?乱太……って!なんだ⁉︎どうした⁉︎お前達!」
全員「ふ、船幽霊!!」
乱太郎達、第4チームが帰って来たが三人とも、協栄丸もずぶ濡れの海藻まみれになっており、さながら海女房か船幽霊みたいになってしまっていた。
小三郎(あっ……また波に攫われたんだ。)
小三郎が察した通り、一度は先生方に助けられたが再び波に攫われたと乱太郎が説明した。ちなみに成果は坊主。
きり丸「お魚がぁ!!ああん!」
しんべえ「波で攫われちゃったぁ!うわぁん!」
小三郎「まぁでも無事で何より……早く塩を落としておいでよ。しんべえもきり丸も元気だして。」
小三郎に言われ乱太郎達は近くの小川へと歩いて行った。
伊助「小三郎。魚捌き終わったよ?」
小三郎「じゃあ次はその身をすり鉢で擦って?」
伊助「す、するの?てっきりお刺身かと…。」
小三郎「一部はお刺身で、あとの切り身は団子にしたいんだ。」
伊助「へ?……あぁ!なるほど!すり身にして、団子にして!このお出汁に入れちゃおう!ってこと?」
小三郎「ご明察!」
三治郎「何それ!すっごく美味しそう!」
喜三太「さっすがサブちゃん!いいお嫁さんになれるよぉ!」
小三郎「だから!嫁じゃないよ!婿にしてよ!」
冗談を交えながら、団蔵と虎若がすり身を担当する事になった。流石はは組の力自慢。あっという間にすり身が出来ていく。
小三郎「流石だね!は組の力自慢!」
団蔵「いやぁ。」
虎若「それほどでもぉ。」
小三郎の褒め言葉に二人は照れながら笑う。そして小三郎、三治郎、兵太夫でそのすり身を丸くしていく。
三治郎「……なんだか黒古毛般蔵先生が作る忍者食みたい。」
兵太夫「あぁ。分かる。」
小三郎「黒焦げになったパンを象が食べる?」
三治郎「だぁぁぁぁ!」
兵太夫「違うよ!黒焦げのパンじゃなくて黒古毛般蔵先生!」
三治郎がずっこけ、兵太夫が説明する。忍者食を研究している人でたまに忍術学園の食堂のおばちゃんのピンチヒッターでもそうだ。しかしゲテモノばかりな上不味いらしい。
小三郎「でも忍者食研究家なんでしょ?食べても害はないんじゃ…?」
兵太夫「舌に害ありまくり…。」
三治郎「でも、このすり身団子は美味しそう!」
そして、すり身団子を作り終え、刺身も出来上がり、あとは団子を鍋に入れて火が通るのを待つだけ。
協栄丸「小三郎くん。料理上手なんだね?」
小三郎「家で家事手伝いをやってたら自然と身について。」
疾風「俺たちの料理なんかワンパターンだからなぁ〜。」
由良四郎「大きくなったら是非兵庫水軍に来てもらいたいな!」
小三郎「そうですね〜…考えておきます。」
小三郎がそう言った時だった。突如空間がバリッと破けて、留三郎が現れた!
留三郎「それは解せ〜〜ん!!」
喜三太「あっ!留三郎委員長!」
留三郎「小三郎は大きくなったら俺と一緒に……むががが!!」
伊作「留三郎!小説で空間破りはあんまりわからないから!!ごめん小三郎、ここ貼っといて?」
小三郎「はい、兄者を頼みます。伊作先輩。」
留三郎「ま、まて!行かないでくれぇ!俺の可愛い弟!」
小三郎「はいはい。修正修正。」
は組一同「冷た!」
そんな騒動の中、鍋も出来上がり、持ち帰り用の魚も用意し、ようやく乱太郎達が戻って来た。
乱太郎「あれ?伊作先輩の声がしたけど?」
小三郎「気のせい気のせい。さぁ。もう食べれるよ?しんべえも満足できるくらい沢山用意したからね?きり丸、持ち帰り用の魚も用意したから。」
しんべえ「ほんと⁉︎うわぁい!」
きり丸「サブちゃん!神様仏様、海神様!」
小三郎「お、オーバーな……。」
こうして、お魚バーベキューならぬ、お魚パーティーが始まった。小三郎が作った鍋はとても好評で帰り際に協栄丸さんにレシピを渡した。
ちなみにその頃、忍術学園では……。
留三郎「小三郎ぉぉぉ!帰ってこ〜〜い!」
伊作「帰って来るから大丈夫だって!」