忍たま乱太郎〜食満留三郎の弟〜   作:誰かの影

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簡素とか言っておきながら長くなった。


波乱な歓迎会の段

伊助と共に洗濯を終わらせ戻って来ると団蔵と虎若の部屋は随分と綺麗に片付いていた。

 

「うわぁ。綺麗になったね?」

「小三郎の働きっぷりを見ていたら手伝わなきゃって思って…。」

「あぁぁ…タダ働き〜…。」

 

乱太郎を始め、みんな苦笑い。きり丸はなぜか泣いた。

 

「団蔵、虎若。」

 

伊助が妙にニコニコ顔で団蔵と虎若に近寄っていく。

 

「「は、ハイィィィ……。」」

 

二人ともおとなしく正座をして伊助にこっ酷く怒られた。

 

「伊助って綺麗好きなんだね?」

「綺麗好きも度が過ぎてる部分があるけどね〜。ははは…。」

 

庄左ヱ門の苦笑いに小三郎は微笑む。

 

「でも、みんな嫌いじゃないんだね?」

「!…小三郎って鋭いなぁ!」

 

 

 

「「「あっはははははは!!!」」」

 

 

みんなで笑っていると小三郎は「友達ってこんなに楽しいんだな!」っと心底思った。その時半鐘がなると同時に小三郎の腹の虫が鳴いた。もう五時を回っていた。

 

「あっ……お、お腹すいちゃった……。」

「僕もぺこぺこ〜…。」

 

小三郎に続き、しんべえの腹の虫も鳴いた。

 

「じゃあ、みんなで食堂に行こう!」

 

庄左ヱ門を先頭に再度食堂に向かう。ちなみに団蔵、虎若は伊助の怒りに疲労困憊。その時、前から四年生と思わしき人物が歩いてきた。

 

「やぁ!一年は組のみんな!」

「こんにち…もうこんばんわかな?こんばんわ〜。」

「浜守一郎さん!斎藤タカ丸さん!」

「やぁ!乱太郎!一年は組に編入生が入ったんだってな!」

「留三郎先輩から食堂に来いって言ってたから、迎えに来たんだ。」

「そうだったんですか!小三郎!」

 

乱太郎に呼ばれ小三郎は前に出る。

 

「紹介するね、小三郎。こちら四年ろ組の浜守一郎さん。こちらが、四年は組の斎藤タカ丸さん。」

 

「始めまして、浜守一郎さん。斎藤タカ丸さん。一年は組に編入生となりました、食満留三郎の弟。食満小三郎です。どうぞ、よしなにお願い致します。」

 

小三郎はキラキラ輝くような丁寧な挨拶する。は組全員は「おぉぉ!」っと驚き、守一郎先輩とタカ丸先輩も「ほえー」っと言った感じで驚いていた。

 

「噂には聞いていたけど、丁寧な言葉を使うんだね〜。」

「よほどご両親の教育が良かったんだろうな?」

「あの〜、斎藤タカ丸先輩?」

「何かな?」

「タカ丸先輩って大人びて見えますね?」

 

小三郎の発言にみんなが再び驚いた。

 

「勘がいいね〜。そうだよ?本当は6年生の年齢なんだけど忍者の知識が浅いから四年生なんだよ?」

「そうだったんですか。」

 

 

 

 

 

「本当小三郎って勘がいいよね?」

「あの食満留三郎先輩の弟だけに見抜く力を受け継いでいるんじゃない?」

 

「ところで斎藤タカ丸さん。留三郎先輩が食堂に来いって…どういうこと?」

 

ヒソヒソ話をする乱太郎ときり丸をよそに三治郎がタカ丸先輩に尋ねる。

 

「準備が出来たんだ。」

「「「準備?」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

守一郎さんとタカ丸さんに連れだって食堂にたどり着く。すると小三郎以外のは組は何かを察したらしく、「小三郎、先に入って!」っと言われたので、なんだろう?っと入った。すると。

 

「「「「歓迎!入学おめでとう!食満小三郎くん!!!!」」」」

 

そこには学園のほぼ全員が集まっており、「食満小三郎くん、歓迎会」と言う張り紙が貼られていた。

 

「えっ…あの…これは…。」

「何ってお前の歓迎会だ!小三郎!」

「あっ、兄者!6年生の皆さんも!」

「6年生だけじゃないぞ!」

 

周りを見ると、一年い組、ろ組、二年生、三年生、四年生、五年生、くのいちの人も大勢が小三郎に注目していた。

 

「ぼ、僕のために?」

「そうだぞ!」

 

「一年は組には連絡が遅れちゃったけどね?」

 

留三郎とタカ丸さんの言葉を聞き、小三郎は再度全員を見る。思わず涙が溢れてきた。

 

「ど、どうしたの⁉︎」

「お腹でも痛いの⁉︎」

「小銭落としたの⁉︎」

 

「「「きり丸!それはない!」」」

 

 

 

 

 

「ご、ごめん。た、ただ嬉しくて…僕、こういうの初めてで…。」

 

しかし、泣くのは悪いと思い小三郎は嬉し涙を拭う。

 

「食満小三郎です!一年は組に編入となりました!至らぬところありますが、精一杯頑張りますので、よろしくお願いします!!!」

 

とびきりの笑顔を全員による向ける。みんなは拍手喝采で答えてくれた。そして指定された席に座り、机の上になんとも美味しそうな料理が並んだ。

 

「歓迎会だけど、お残しは許しまへんでぇ!!さぁ、召し上がれ!食満小三郎くんも遠慮なく食べてね!」

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

四年生の平滝夜叉丸と田村三木ヱ門が交互に話したり、綾部喜八郎が一緒に穴掘りしないかといったり、四年生は個性が豊か。二年生は全員真面目な人が多いが池田三郎次がいらぬお世話を焼き、川西左近に怒られた。

 

「個性豊かだね?」

「あはは、確かにね?」

 

伊助と話しているとオレンジ色の髪の三年生が近づいてきた。

 

「よぉ。三年ろ組、富松作兵衛だ。よろしくな?小三郎!」

「はい!よろしくお願いします。富松作兵衛先輩!」

 

作兵衛と挨拶を交わしていたら、突如留三郎が飛んで来た。

 

「富松作兵衛!」

「は、はい!すみません!決していじめたわけじゃ!!!」

「何を言っているんだ?」

「へ?」

 

留三郎は小三郎を隣に寄せる。

 

「こいつが俺の弟だ。いろいろ教えてやれよ!」

「は、はい!任せてください!じゃ早速用具委員会の仕事を…。」

「今教えなくていい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「富松作兵衛先輩って楽しい人だね?」

「でも、妄想が酷い時あるんだよね〜?ねっ、しんべえ?」

「ん〜!どれも美味しい!」

「って!聞いてないし!」

 

隣に座る喜三太の問いかけそっちのけでしんべえは美味しそうに料理を食べていた。

 

「そう言えば小三郎、厚揚げが好きって言ってたよね?それなら豆腐も好き?」

「うん。好きだよ。」

「それなら是非紹介したい人がいるんだよ!久々知先輩〜!」

 

伊助が五年生の席に声をかけると、長いまつ毛とくせっ毛に、太眉が特徴の先輩が歩み寄ってきた。

 

「呼んだかい?伊助。」

「小三郎、こちら久々知兵助先輩!僕の所属する火薬委員会の委員長だよ。」

「お初にお目にかかります。久々知先輩。食満小三郎です。よろしくお願いします。」

 

立ち上がりペコッと頭をさげると久々知先輩も頭を下げた。

 

「よろしくな。小三郎!でもなんで俺を紹介したんだ?伊助。」

「彼、厚揚げや豆腐が好きなんですって!ねっ?小三郎。」

「はい。作りたての豆腐は特に美味しいですよね?……久々知先輩?」

 

小三郎が首をかしげる、すると久々知先輩が物凄く嬉しそうな顔をして抱き、高い高いしたりくるくる回したりして来た。

 

「作りたて豆腐!その良さが分かるんだな!美味いよな!豆腐美味いよなぁ!厚揚げ美味いよな!あはははは〜〜♫」

「ちょっ…久々知先輩どうしたんですか⁉︎伊助どういうこと⁉︎」

 

困惑する小三郎を伊助は楽しそうに見る。

 

「久々知先輩は忍術学園では豆腐小僧と呼ばれるくらい豆腐が好きなんだ。小三郎が厚揚げ、豆腐好きと知って嬉しいんだよ。ちなみに豆腐作りも上手だよ?」

「な、なるほど…。」

 

理解すると久々知先輩はようやく小三郎を床に下ろし手を握った。

 

「是非火薬委員会に入ってくれ!火薬委員会は定期的に豆腐パーティーをするから!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

久々知先輩のこの言葉に委員会全員の委員長に火がついた。

 

「待て久々知兵助!食満小三郎は生物委員会だ!三治郎曰く、蚕が好きらしいからな!」

「生物委員会は大半が一年生じゃないか!」

「いや、彼は言葉遣いから教養がある。作法委員会だ。」

「ボソッ…物腰穏やか…図書委員会に欲しい…。」

「保険委員会だ。彼の物腰は保険委員向きだ。」

「金吾曰く、体を動かす事が好きらしいから体育委員会だ!イケイケドンドン!」

「いいや、会計委…「却下だ!」留三郎テメェ!話を遮りやがって!」

「文次郎!お前、団蔵や佐吉に飽き足らず、おれの弟を寝不足にして殺す気か!我が愛しの弟には貴様など指一本触れさせん!!小三郎は用具委員会だ!」

 

 

 

 

それぞれの委員会委員長がぶつかり合う。留三郎と文次郎など表に飛び出し派手に乱闘。

 

「や、やめて下さい!僕で争わないで!」

「大丈夫大丈夫!」

「きり丸!」

「ここは食堂。食堂には忍術学園、最強の食堂のおばちゃんがいるから。」

「乱太郎?食堂のおばちゃんが最強?」

 

乱太郎の言葉にキョトンてしてからおばちゃんを見る。そこには右手におたま、左手に鍋を持ち阿修羅の様な形相になった食堂のおばちゃんがいた。

 

「食堂で乱闘、喧嘩は!許しまへんでェェェエエ!!!」

 

そこから凄かった。羅刹の如く技の流れで一瞬で委員長全員を叩き伏せたのだ。

 

「ありゃりゃ。乱太郎に伏木蔵に左近。委員長全員を医務室に運ぶよ!」

 

三年生の装束を着た、紫色の髪の先輩が乱太郎と一年ろ組の伏木蔵と左近に指示を出すが、乱太郎も伏木蔵も左近もキョトンとして。

 

「あれ?」

「誰だっけ?」

「もう一人、編入生?」

「だぁぁぁ!」(ドテ〜ン!)

 

紫色の髪の先輩がすっ転んだ。

 

「三反田数馬だ!嫌がらせか!」

「「「冗談で〜す。」」」

「も〜!」

 

委員長全員が運ばれていき、料理もなくなり、波乱な歓迎会は終わっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜。お風呂に入った後、みんなが寝静まった頃、小三郎は自室で手紙を書いていた。

 

『拝啓、父さん、母さん。

忍術学園に無事に入学し、一年は組に編入となりました。は組のみんなはとても明るく、先生方や先輩達も優しく、すぐに友達もでき楽しく過ごせそうです。これから先、きっと色んな困難や悩むこともあるかもしれません。でも僕は逃げません!めげない!悄気ない!泣かない!僕頑張ります!!!

敬具。」

 

書き終えるとノックをする音が聞こえ、戸を開くと留三郎が立っていた。あちこち傷だらけだが。

 

「兄者!」

「ハハッ。見っともない所を見せてしまったな?」

「兄者。傷だらけ!」

「問題ない、すぐに治るし、いつもの事だ。」

「もう!兄者は好戦的なんだから!親より先に死んだら親不孝者だからね!それにちゃんと野菜食べてる?三食ちゃんと食べてるの?夜更かしはダメだよ!」

 

小三郎の注意にガクッとなり。「お前は俺のお袋か!」っと突っ込まれた。そして二人で月を見る。

 

「いつもより。綺麗に見える。」

「あぁ、本当だな。」

「兄者。」

「なんだ?」

 

留三郎が小三郎を見ると、今まで一番いい表情をしていた。

 

 

 

 

「友達、仲間って、いい者だね!」

「あぁ!そうだともな!」

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