忍たま乱太郎〜食満留三郎の弟〜   作:誰かの影

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長らくお待たせしました。それではお楽しみください。


小三郎の装束の段

夏も過ぎ、秋になり涼しくなった。山も徐々に色んできた。

 

小三郎「よし。今日の宿題終わり!」

 

小三郎は自室で土井先生に出された宿題を素早く終わらせ一息つくために床に寝そべった。

 

乱太郎「小三郎〜。」

小三郎「ん?乱太郎。どうしたの?」

 

自室に乱太郎が訪ねてきた。手には湯呑みが持たれている。

 

乱太郎「勉強ご苦労様って思って。はい。お茶どうぞ。」

 

乱太郎がお茶を差し出す。

 

小三郎「な〜に?柄にもなくお茶の差し入れなんて。」

乱太郎「いやぁ。よく勉強教えてもらっているからお礼も込めてね?」

小三郎「まぁ、丁度喉乾いていたから、ありがとう。」

 

小三郎はお茶を受け取り、一気に飲み干した。

 

小三郎「ぷはぁ!ご馳走さま……あ、あれ?」

 

小三郎は急にウトウトし始めそのまんま横に倒れ眠りに落ちた。

 

乱太郎「フッフッフ……ごめんね、小三郎。」

 

乱太郎のメガネがキランっと輝くと、は組全員が小三郎の部屋に入り取り囲んだ。

 

庄左ヱ門「上手くいったみたいだね?」

乱太郎「なんたって善法寺伊作先輩秘蔵の眠り薬だから!」

 

 

乱太郎がピースサインをする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小三郎「すぅ…すぅ…むにゃむにゃ……。」

 

乱太郎「っと言うわけで、サブちゃんの懐の中はどうなっているのか!?みんなでチェックしよう!」

 

は組全員「おー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小三郎は用意がとても良い、いや、良すぎる。大抵の物は全部懐から出てくる。は組全員はその中はどうなっているのか気になった。

 

庄左ヱ門「まずは上着を脱がせないとね?」

 

庄左ヱ門が小三郎の装束を触ろうとした時だった。

 

小三郎「う…ん…。」(コロン)

 

小三郎が寝返りを打ちかわした。

 

庄左ヱ門「あれ?」

 

小三郎「兄者……それ、鉄双節棍じゃなくてネギ……むにゃむにゃ……。」

 

は組全員「だぁぁぁぁ!!」

 

 

 

全員が小三郎の寝言にひっくり返った。そして仕切り直しに次は団蔵と虎若が脱がそうとした時だった。

 

パシパシッ!

 

団蔵「え!?」

虎若「な、なんで!?」

 

なんと団蔵と虎若の手を小三郎が寝ているのにはたき落したのだ。

 

金吾「ま、まさか……起きてるの?」

喜三太「いや……喉が動いていない……完璧に寝ている…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここで土井先生のミニコーナー!

 

土井先生「狸寝入りかそうでないかの見分け方は喉の動きに注目しよう。人間は寝ているとき、唾液の分泌量が大幅に減る。朝起きた時に口の中がネバネバするのはこの為であり、狸寝入りの場合は本当に寝てはいない為、口の中では唾液の分泌量はそのまんまの為、いつかは飲み込まなくてはならなくなる。これが見分け方の基本である。」

 

 

コーナー終了。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

きり丸「じゃあサブちゃんは本当に……。」

しんべえ「寝てる。」

 

改めて全部が小三郎により興味を持った。そして兵太夫が袖をめくろうてした時だった!

 

小三郎「むにゃ……食満流体術丸秘奥義……仏滅掌…。」

 

ドスッ!

 

兵太夫「グエェッ‼︎」

 

小三郎が突如貫手を繰り出し、兵太夫に地獄突きを食らわした。

 

兵太夫「ゲホっ!ゴホッ!かはっ……。」(パタ。)

三治郎「兵太夫!?」

は組全員「大丈夫!?」

 

兵太夫が気を失い全員が駆け寄る。

 

伊助「じ、冗談でしょ?あり得ないよ!寝ながら体術を繰り出し、しかも急所に!」

乱太郎「と、とりあえず医務室に運ぼう!」

虎若「手伝うよ!」

 

気を失った兵太夫を虎若がおぶり乱太郎と共に医務室に向かった。

 

 

 

 

 

庄左ヱ門「まいったねぇ?迂闊に手を出すとやられる……。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全員が寝ている小三郎を見ながら悩んでいると、伝七と佐吉が足早にやって来た。

 

伝七「おい!さっき兵太夫がぐったりした様子で医務室に運ばれてったけど何があった!」

 

佐吉「ってなんでみんな寝ている小三郎を取り囲んでいるの?」

きり丸「伝七に佐吉!」

しんべえ「実は…かくかくしかじか、四角い豆腐の賽の目切りで……。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

佐吉「つまり、いつも用意のいい小三郎の懐の中はどうなっているのか知りたくて…眠り薬を飲ませたはいいけど、どう言い訳かまるで起きているかのように反応され、迂闊に手を出せないって事?」

 

佐吉の言葉には組全員がうなづく。

 

伝七「ふん。バカだなぁ!そんなの手と足を押さえればいいじゃないか!佐吉、小三郎の足を押さえて、手を押さえるから。」

 

 

伊助「ダメ!危ないって!」

 

 

伊助が叫ぶと同時に誰かがやって来た。

 

留三郎「どうした?お前ら?って何をしている!!」

 

しんべえ「あっ!」

喜三太「留三郎委員長!」

 

やって来たのは小三郎の実の兄、留三郎だった。しかししんべえと喜三太に目もくれず、伝七と佐吉を凄まじい血相で睨む。

 

留三郎「伝七に佐吉……お前ら今小三郎を手篭めにしようとしたな?あ?返答次第では鉄双節棍で砕いてやる!」

 

伝七「ヒィィィ!してません!してません‼︎」

佐吉「ほ、本当です!でもすみません‼︎」

 

あたふたする伝七と佐吉を見て、留三郎はフッと笑った。

 

留三郎「ハッハッハ。すまんすまん。冗談だ。」

 

笑う留三郎にその場にいた全員が胸をなでおろした。しかし……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴトッ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

留三郎の懐から鉄双節棍が滑り落ちたのを見てみんな凍り付いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

留三郎「なるほどな。つまり小三郎の懐の中を見たいか。だけどあたかも起きている如く反応され迂闊に手を出せないって訳だな?うむ。それは…。」

 

全員「そ、それは?」

 

全員が息を飲む。

 

 

 

 

 

 

 

 

留三郎「食満流体術・裏奥義・睡拳だ。」

 

 

全員「すいけん?」

 

乱太郎「よくニラと間違える…。」

留三郎「それはスイセン。」

きり丸「よく池に咲く…。」

留三郎「それはスイレン。」

しんべえ「よく田んぼに生える〜。」

留三郎「それはスイバだ。今となっては読者も知らん。」

 

留三郎はは組のボケに的確にテンポ良くツッコミを入れる。

 

 

留三郎「睡拳とは寝ながら相手を攻撃する拳法だ。」

伝七「んなアホな!」

佐吉「幾ら忍たまの二次小説でもそんな設定……。」

 

伝七と佐吉がやいのやいの騒ぎ出す…が。

 

留三郎「……っと言うわけで、こう言う場合は起きている時と同じように接してやるのが効果的だ。」

 

伝七&佐吉「む、無視されたぁ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

留三郎に言われ、一番仲がいい伊助が小三郎の耳元で囁いた。

 

伊助「お願い小三郎。懐の中見せてくれない?」

 

すると小三郎は仰向けに寝返りを打った。

 

庄左ヱ門「い、いいよって事かな?」

 

庄左ヱ門が恐る恐る近寄り装束に手をかける。すると小三郎はスゥスゥと寝息をたてているだけだった。そして脱がし終えると、不思議と軽かった。みんなも手に取り振ったりしたが特に変わった所はない。

 

伊助「これといって…。」

団蔵「特に変わった所は…。」

きり丸「ねぇな。」

しんべえ「だね?」

 

一通りぐるっと回り、再び庄左ヱ門の手に回って来た時、ある事に気がついた。

 

 

庄左ヱ門「あれ?なんだろう。このポケット。」

 

小三郎の装束の裏側に他にはないポケットが付いていた。庄左ヱ門が手を突っ込んだ。その時だった。

 

庄左ヱ門「あ、あれ?手が……抜けない!す、吸い込まれるぅ!!ウワァァァ!!」

 

全員「し、庄左ヱ門!!!」

 

なんと庄左ヱ門が小三郎の装束の裏ポケットに吸い込まれた!

 

 

 

 

 

庄左ヱ門「ウワァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」

 

 

 

 

 

 

一体庄左ヱ門は何処へ行くのか?

次回に続く。

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