小三郎はきり丸のバイトの手伝いで町に来ていた。女装姿で。
きり丸「お兄さ〜ん?お安くしますよ?買ってくださ〜い?」
小三郎「……聞いてない…女装でなんて聞いてないよぉ!きり丸!」
きり丸「だって女装姿の方が客受けがいいんだよ。それに……かなり可愛いわよ?食満子ちゃん!」
きり丸の言葉に嘘はなかった。現に小三郎の方にはきり丸以上に人だかりが出来ているのだ。
待人「食満子ちゃん!これ売ってくれ!」
待人「食満子ちゃん!こっち見て!」
待人「なんて可愛いのかしら!ご両親が羨ましいわ!」
小三郎「は、はい!ありがとうございます♩またのご来店をお待ちします。(ニコッ)(あぁ。恥ずかしい)」
精一杯演技をして女の子らしく振舞う。その度に客は小三郎に釘付け。中には卒倒する者もいた。
きり丸「まぁまぁ。人気ね?食満子ちゃん!」
小三郎「大変よ!客捌きが!」
きり丸(でもサブちゃんはなんだかんだでやる時はしてくれるんだよな?)
全部商品が完売したのはお昼過ぎ。きり丸はバイト主にお駄賃をもらいご満悦。そしてきり丸オススメの蕎麦屋さんでお昼にする事にした。女装姿のまま。
小三郎「なんで着替えないの?」
きり丸「ここの蕎麦屋さん。女性なら少し安くなるんだよ!」
小三郎「きりちゃんのドケチ!」
きり丸は肉そば、小三郎は盛り蕎麦を頼み、来るまで色々話す。そして小三郎はなんとなく窓から外を見た途端、ドキッとした。
きり丸「どうしたの?食満子ちゃん。」
小三郎「や、やばい。兄者と伊作先輩だ!」
きり丸も外を見ると買い物帰りであろう善法寺伊作と食満留三郎がいた。
きり丸「おーい!伊作先輩!留三郎先輩!」
小三郎「なぜ呼ぶ!?」
きり丸の声が届き、伊作と留三郎が近寄ってくる。
伊作「やぁ。きり丸!なんで女装…あれ?」
留三郎「誰だ?その子?バイト仲間か?ん!?」
伊作と留三郎が小三郎を見る。そして小三郎の視線と留三郎の視線が一致。
ズキュウウウン!!!
留三郎のハートが射抜かれた。そしてジリジリと近寄る。
留三郎「こ、小三郎か?」
小三郎「あ、兄者?ちょ、ちょっと怖いんだけど?」
鼻息交じりに近寄る留三郎に席を立ち後ずさる。そして思いっきり抱きつかれた。
小三郎「ぎゃっ!」
留三郎「俺の妹ぉぉ!!」
伊作「弟でしょ!少し落ち着け留さん!」
ガン!伊作のチョップが留三郎の脳天にクリーンヒット!
留三郎「ゴフッ……。」
伊作「なるほど。つまり女装の方が客受けがいいからそんな格好を……。」
きり丸「そうなんすよー。でも、食満子ちゃん可愛いでしょ?」
きり丸の言葉に伊作は再度小三郎の女装姿を見る。艶やかな肌に少し軽めな紅の入った唇。パッと見れば女の子そのもの。
伊作「ほんと可愛いよね?その化粧は誰かにやってもらったのかい?」
小三郎「いえ。以前、立花仙蔵先輩と「とある所」という場所に密書を届ける時にご伝授してもらいました。」
留三郎「仙蔵グッジョブ!!!」
何時もあまり気の合わない立花仙蔵を留三郎が始めて褒めた。
きり丸「おかげでバイトも上手くいきました!ありがとう!食満子ちゃん。」
小三郎「そりゃどういたしまして!二度とやらないからね!」
やがて注文した蕎麦が来て、伊作達と食べ忍術学園へ戻る。道中、道行く人が小三郎に釘付けであった。小三郎は着替えようと思ったがどうせ洗うと思いそのまま。そして門前では乱太郎としんべえが待っていた。
しんべえ「あっ!帰ってきた!」
乱太郎「きり丸!小三郎!おかえ……!?」
しんべえ「あっ!食満子姫だ!」
乱太郎は絶句した。しんべえと喜三太から聞いてはいた。小三郎の女装は可愛いと。しかし想像を遥かに超えていたのだ。そして真剣な面持ちで小三郎に近寄り手を握った。
乱太郎「お嬢さん。どうか嫁になって下さい。」
小三郎「はい!?」
きり丸&伊作「だぁぁぁぁ!」
留三郎「やらん!!!」