今日は秋晴れ。空は晴れわたり心地よい陽気が忍術学園を包む。一年は組の良い子達は食堂でお昼を食べていた。因みにメニューはちょっぴり辛めのカレー。さらに今日は忍術学園恒例の深夜の授業。
乱太郎「深夜の授業が忍術学園恒例の行事だなんて知ってた?」
きり丸「知らなかったぁ。おまけに今回が一年生の番だなんてな?」
乱太郎「夜くらいゆっくり寝たいよね。」
乱太郎ときり丸がため息をつく。すると。
留三郎「何を言っているんだ!」
声をかけて来たのは忍術学園一の武闘派、食満留三郎先輩だった。
乱太郎「食満留三郎先輩!」
留三郎「小三郎!夜は忍者にとってなんだ?」
小三郎「夜は忍者にとってゴールデンタイム。夜に授業は深夜での行動を身につけるために行うもの。だよね?兄者。」
留三郎の後ろから小三郎が現れる。
きり丸「おぉ!久しぶりの食満兄弟お揃いで。」
留三郎と小三郎はカレー皿を取り席に座り食べ始める。
留三郎「忍者は常に戦いを意識して行動せねば……辛!」
小三郎「食事の時くらい楽にしたらどう?兄者。……辛!」
意外とカレーが辛かった為、二人は水を飲む。
乱太郎「………やっぱり兄弟だね?同じだ。」
きり丸「違いない。」
乱太郎達はしばらくしてしんべえと合流し、忍たま長屋へ。小三郎は食事を終えたら、留三郎と軽く鍛錬をする。
留三郎「いいぞぉ!前より断然キレが良くなっている!」
小三郎「そう言って…くれるのは嬉しいけど…っ!」
留三郎の蹴りをギリで交わし、バク宙を繰り出し間合いを取る。
小三郎「未だに兄者から一本取れないなぁ。」
留三郎「ハハ!そう易々と取らせんぞぉ!大好きな弟でもなぁ!!」
微笑ましい光景を他の六年生が物陰から見ていた。
文次郎「普通大好きなんて口に出すか?」
仙蔵「いや、俺は留三郎の気持ちがわかる。小三郎は可愛い奴だからなぁ。」
文次郎「あんなキレたら手に負えない奴がか!?」
伊作「確かに小三郎はキレたら怖いけどいつも保健委員の仕事を手伝ってくれるし、いい子だよ。」
長次「もそ……。」
小平太「どうした?長次?」
六年生全員が長次を見る。
長次「小三郎…めんこい…。」
六年生全員「だぁぁぁぁ!」
長次の言葉にひっくり返った。
留三郎「な、何やってるんだ?あいつら。」
小三郎「さぁ?」
しばらくして鍛錬を終え、忍たま長屋に戻る。ちらっと隣の金吾と喜三太の部屋を除くと、二人は既に夜に向け寝ている…ナメクジだらけで金吾が魘されているが。
小三郎「…今度改造してあげよう。」
小三郎は自室に戻る。そしてみんなと同じく布団を敷き夜の為に寝る。しかしみんなとは違う部分はちゃんと戸や窓に暗幕を張り、光がなるべく入らないようにしている。こうする事でぐっすり眠れる。
そして深夜。小松田さんのフクロウの鳴き真似声の合図で起床。小三郎は筆記用具と忍たまの友、その他諸々手に持ち、懐に入れ、庄左ヱ門引率のもと教室へ向かうのだが………。
小三郎「なんで僕が先頭?普通学級委員長の庄左ヱ門でしょ?」
庄左ヱ門「いや〜。流石に夜の教室って不気味で…うん。正直に言うね?」
小三郎以外「怖い!!!」
小三郎「それでも忍たまか!!もう…あれ?」
乱太郎「どうしたの?小三郎?」
小三郎が立ち止った。乱太郎が前を見ると階段前でい組がたむろしている。
佐吉「で、伝七先に行ってよ…。」
伝七「こ、ここは学級委員長の彦四郎に…。」
彦四郎「や、やだよぉ!怖い!一平!」
一平「なんで僕に降るのさぁ!」
そこには二階の暗がりが怖くて尻込みする一年い組がいた。
小三郎「どうしたの?伝七、佐吉、彦四郎に一平?」
い組「ギャァァァァ!」
小三郎の声に驚きい組全員が卒倒し魂が抜ける。
乱太郎「あぁ!い組達の魂が!」
小三郎「乱太郎持ってて!」
小三郎は筆記用具と忍たまの友を乱太郎に渡すと懐から虫取り網を取り出す。そして素早く魂の飛んでいく方へ先回りし網を振り回し、い組の魂を回収。
兵太夫「おぉ!」
三治郎「さっすがサブちゃん!」
全員が拍手を送る中、小三郎は回収した魂をい組に戻す。そして彦四郎達は目を覚ました。
小三郎「声かけただけで驚かないでよぉ。そんなギャァァァァ!だなんて。お化けでも見たような声出して。」
彦四郎「ご、ごめん。」
佐吉「悪かったよ。」
伝七「起こしてくれて…ありがとう。」
一平「迷惑かけてごめんねぇ。」
素直に謝るい組に乱太郎達はコソコソ話す。
きり丸「なぁ。い組の奴ら小三郎には素直じゃないか?」
乱太郎「まぁ。サブちゃんはい組ろ組分け隔てなく接するからねぇ?」
しんべえ「小三郎はは組、もとより、一年生中最強だからじゃない?」
乱太郎「それもあるね?」
らんきりしんが口々に言う中、小三郎は階段に足をかける。
小三郎「暗くて足元がよく見えないから、気をつけて登るんだよ。しんべえは一緒に登ろうか?転げ落ちたら危ないし。」
しんべえ「わぁい!ありがとう。小三郎。」
小三郎がしんべえの手を握り一緒に登り、他のは組も後に続く。
金吾「サブちゃん男前!」
虎若「一年生一イケメン!」
小三郎「おだてても何も出ないよ!ほら行くよ!」
は組一同「はぁぁい!」
彦四郎「ま、待って!」
一平「僕たちも一緒に行く!」
佐吉「ひ、彦四郎!い組のプライドはないのか!?…で、伝七?」
伝七は何故かぽ〜としている。
伝七「男前だよな?小三郎って…。」
佐吉「で、伝七ぃぃい!?」
い組も交えて二階へ上がる。三階の教室へは廊下を抜けた反対側。みんながビクビクする中、小三郎は躊躇なく歩む。
乱太郎「小三郎怖くないの?」
小三郎「お残しした時のおばちゃんと、入出門表で死ぬまで追いかけてくる小松田さんの方がよっぽど怖いよ。」
全員「だぁぁぁぁ!!」
全員がすっ転ぶ。
団蔵「こ、怖さの方向が違いすぎる!」
喜三太「サブちゃんメンタル硬いよねぇ?」
廊下を歩いていると、先頭を歩いている小三郎が足を止めた。
乱太郎「どうしたの?小三郎。」
小三郎「誰かいる。先に言っとくけどお化けじゃないからね?」
団蔵「出た!お化け〜!って騒ぐはずのお約束を壊した!お約束ブレイク!」
前方を見るとそこにはいかにも火の玉が浮かびそうなクラスの子達。
乱太郎「あっ。一年ろ組の伏木蔵に孫次郎に平太に怪士丸。」
伏木蔵「こんばんわ〜。乱太郎。小三郎〜。」
孫次郎「こんばんわ〜。サブちゃん。」
平太「怖いよ〜!」
怪士丸「落ち着いて。平太。」
そこには同じ一年のろ組の面子。聞くところによると平太が暗がりを怖がり上に上がれないのだとか。
小三郎「いつも日陰ボッコとかしてるのに?」
平太「怖さが違うよ〜!」
涙目でビビる平太に小三郎は階段の上の暗がりを見る。何もいない。
小三郎「じゃあ平太。あの暗がりと骨格標本のコーちゃん。どっちが怖い?」
平太「骨格標本のコーちゃん!!」
は組一同「即答!?」
小三郎「じゃあ大丈夫だね?」
い組一同「何が!?」
ツッコミが飛び交う中を小三郎はスルーして階段を上る。その後をピタッとくっ付いてくる。こうして一年生全員が無事に三回にたどり着いた。そこには…。
斜堂先生「こんばんわ〜。一年生の良い子達…。」
一年生一同「ギャァァァァ!お化け「お化けじゃなくて斜堂先生ね!」。」
騒ぐ事を見越して小三郎が制止する。
小三郎「こんばんわ。斜堂先生。」
斜堂先生「はい。小三郎。こんばんわ〜。」
一年生がそれぞれのクラスに入り、いよいよ、ちょっぴり怖〜い深夜の授業が始まる。