忍たま乱太郎〜食満留三郎の弟〜   作:誰かの影

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深夜の授業の段、後編。

三階の教室に着くと、まず小三郎がゆっくりと戸を開ける。そして中を確認する。

 

小三郎「右良し、左良し、天井良し、床良し!」

 

戸を全開にして教室に入る。

 

団蔵「ねぇ。どうして今中を確認したの?」

小三郎「んが!どうしてって!………ほら、こう夜だと暗くて見えづらいじゃない?もしかしたら此処に曲者がいたらやられちゃうでしょ?だから先に中が安全か確かめたんだ。………誰だ!」

 

団蔵とみんなに説明を行うと背後に気配を感じ振り返ると同時に懐から苦無を取り出す。

 

????「ま、待て待て!俺だ!小三郎!」

小三郎「その声は…。」

は組一同「土井先生!」

 

暗がりから出席簿を持った土井先生が冷や汗を流しながら出てきた。

 

土井先生「小三郎なら気付くと思ったが…お前いつも苦無持ち歩いているのか?」

小三郎「はい。有事に備えて。いつでも殺れます!」

 

土井先生「うっ。ま、まぁ。忍者としては正解か…。」

は組一同「サブちゃんこぇぇ!!」

 

全員教室に入りいつもの定位置に座る。

 

土井先生「え〜。それでは、深夜の授業1時間目を始める。だが先ずは…小三郎!流石はは組一出来る子だ!まずは安全を確認する。基本中の基本だ。みんなも小三郎を見習え。先ずは安全だぞ!」

 

は組一同「は〜い!」

 

それから授業が始まる。深夜の授業とは言えやる事は基本変わらない。しかし薄暗くて忍たまの友がよく読めないし字もろくにかけない。隣に座る金吾、喜三太は眠そうに欠伸。しかし小三郎は真面目に授業を聞く。

 

土井先生「では乱太郎、きり丸!夜道で暗い時はどうする?」

 

乱太郎&きり丸「は〜い!明かりをつける!」

小三郎「だぁぁぁぁ!」

土井先生「それじゃあ敵に居場所を教えているも同じじゃないか!!」

 

乱太郎ときり丸の答えは間違いではないが、それは一般人の答え。忍者が夜明かりをつけるのは命取り。小三郎はひっくり返り、土井先生の声が響く。

 

土井先生「全く…小三郎。答えてくれ。」

小三郎「はい。夜、暗くてよく見えない時は、地面に伏して雲をすかすように見るようにすれば、暗闇に目が慣れてよく見えるようになります。」

 

指名された小三郎は浦風藤内先輩を見習いちゃんと予習していたのでバッチリと答える。

 

金吾「流石だね?」

喜三太「よっ。流石は出来る子!」

 

全員が拍手する中、小三郎は首を横に振った。

 

小三郎「あのねぇ…いつも言っているけど…忍たまの友を見ればちゃんと書いてあるんだってば!!」

 

忍たまの友をみんなに見せバシバシとページを叩く。

 

乱太郎「ほんとだ!」

きり丸「土井先生ぇ〜。書いてあるなら最初から…。」

 

 

土井先生「お前たちは…。」

小三郎「君達は…!」

 

土井先生と小三郎はわなわなと震え出す。そして。

 

土井先生「ちゃんと!」

小三郎「教えてもらってたじゃないか!!」

 

土井先生がチョークを投げ、小三郎が背後から筆を乱太郎ときり丸に投げる。チョークは額に、筆は後頭部に挟み撃ち。

 

乱太郎&きり丸「あいでぇぇ!!」

 

 

土井先生が腹を抑える。

 

土井先生「あぁあ……胃が痛い…。」

小三郎「胃薬と水。どうぞ。心情お察しします…。」

土井先生「小三郎ぉぉ!!」

 

小三郎が素早く駆けつけ、懐から胃薬と水を取り出し差し出す。土井先生は小三郎に泣きついた。

 

乱太郎「それにしても…。」

しんべえ「眠い…。」

 

全員があくびをすると、小三郎は再び懐に手を入れ、何かを全員の空いた口に投げ入れた。

 

「へ?」

「な、何?…………げっ!?」

 

 

 

 

 

は組一同「すぅーすぅーするぅぅ!!!!」

小三郎「ハッカ飴!少しは眠気が飛んだだろ!」

 

小三郎が投げ入れたのは子供は少し苦手なハッカ飴だった。

 

三治郎「サブちゃん…アグレッシブ!」

兵太夫「流石、食満留三郎先輩の弟!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二限目は山田先生の実技の授業。みんなは再び小三郎を先頭に校庭に出る。そして再び出口で今度はみんなで確認する。

 

伊助「右良し。」

虎若「左良し。」

団蔵「上良し。」

庄左ヱ門「地面良し。」

 

みんなが確認すると小三郎がしんべえの鼻にちり紙をあてがう。

 

小三郎「しんべえの鼻水!」

しんべえ「ちーん!!」

小三郎「良し!」

 

は組一同「だぁぁぁぁ!!」

 

全員がすっ転んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

山田先生「では深夜の授業、手裏剣の練習を行う!忍者は夜戦う時もある。しかも相手は見えずらい!」

 

山田先生が的を指差す。月が出ているとは言え見えづらい。

 

乱太郎「よし!てやぁぁぁ!」

 

乱太郎が手裏剣を投げたのを引き金に全員が的めがけて投げる。お分かりだろうか?は組が手裏剣を投げると必ず先生に向かう事を。小三郎は山田先生の前にスタンバイしている。案の定ブーメランの様にこちらに手裏剣が飛んでくる。

 

 

きり丸「!小三郎危ない!」

 

きり丸が声を上げると同時に小三郎はかっと目を見開き懐から苦無を取り出し両手に持つ。そして飛んでくる手裏剣を叩き落として行く。そして、最後に飛んできた手裏剣を人差し指と中指で挟み受け止めた。

 

小三郎「食満流体術、二指○空把!」

虎若「あっ!なんかで見たことある技!」

 

虎若の言葉に耳もくれず、小三郎は受け止めた手裏剣を投げる。投げられた手裏剣はみんなの間を通り、見事的に命中した。

 

山田先生「素晴らしいな!流石は出来る子!」

小三郎「ありがとうございます。みんなも的をちゃんと見て!」

 

小三郎は振り返り的を指差す。

 

乱太郎「でも小三郎〜。」

きり丸「こんなに暗くちゃ…。」

 

いつのまにか月が雲に隠れて的が見えずらい。

 

しんべえ「どうせ見えないから、適当に♫」

 

は組一同「適当に〜♫」

 

 

全員が楽しく適当に投げた。すると。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

見事、全ての手裏剣が的に命中していた。

 

は組一同「おぉ!的に当たった!」

 

全員が的に当たった事を喜ぶ中、山田先生と小三郎は頭を抱えた。

 

山田先生「あちゃー。適当に投げたら当たるとは…。」

小三郎「…これがは組にとっては常識なのでしょうか?僕がおかしいのでしょうか?」

 

色んな意味でショックを受けた小三郎は項垂れた。山田先生が慌てて小三郎を揺さぶった。

 

山田先生「そ、そんな事はない!君が正しいんだ!そんな変なショック受けるな!君が来てくれたおかげでは組の成績が上がったのも事実なんだ!」

 

実際はそうである。小三郎が来る前は宿題は忘れるわ、道具は壊すわ、ふざけるわで大変だった。しかし小三郎が来てからは真面目な小三郎がみんなの良きストッパーになっているのだ。

 

小三郎「山田先生……はい!僕もっと頑張ります!!」

山田先生「小三郎!それでこそは組最後のストッパー!!」

小三郎「な、なんか二つ名がまた増えた様な。」

 

 

 

それからは塀登り、鉤縄、マラソンなど行った。塀登りではジャンプのタイミングを誤り、団蔵と虎若が塀に激突。鉤縄では伊助が投げた鉤縄が何故か三治郎に絡まり、マラソンでは先頭を走る庄左ヱ門が石に躓き、後続者全て、小三郎も含み転倒。幸い怪我人は出なかった。

 

 

 

 

 

 

こうして全ての深夜の授業が終わり、朝日が昇って来る。一年生は長屋に戻り、朝食まで自由時間。

 

 

小三郎「はぁ。疲れたぁ。」

 

小三郎もみんなと同様に自室で布団に寝転ぶ。小三郎は山田先生の言葉を思い出す。

 

山田先生「君のおかげでみんなの成績が上がったんだ!」

 

 

 

 

小三郎(僕のおかげで…か…。だったら…頑張らなきゃだよね?…みんな、大切な友達だから…。)

 

ふっと笑むと小三郎は寝息を立て始める。その様子を土井先生と山田先生が見ていた。

 

土井先生「おやすみ、小三郎。」

山田先生「お疲れ様。朝食までゆっくり休みなさい。」

 

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