ドクタケ城、ドクタケ忍者隊詰所。
風鬼「全くどうなっているんだ!?あいつの服の中は!」
雷鬼「普通子供が持つか!?こんなの!」
ふぶ鬼の父親、風鬼。ケツアゴが特徴のドクタケ一のガンマン雷鬼が小三郎の脱がした装束の中を確かめていた。中からは大量の忍具、焙烙火矢など多々出てくる。さらには髷の中からこしころ。旅の中には苦無など多数。二人は頭を抱えた。
一方で座敷牢。小三郎は敷かれた布団の中で眠っている。そして目を覚ました。
小三郎「あ………はっ!」
小三郎は慌てて起き上がる。見渡すとそこは見知らぬ部屋。立ち上がるとそこは牢獄。しかし床は畳。戸を引っ張ってみるが南京錠が設けられて開かない。再度周りを見る。中の衝立の奥に戸を見つけて開けてみるとそこは厠。その横の戸が小さな風呂場。
小三郎「これって…座敷牢?」
小三郎は冷たい地下牢ではなくお姫様などが軟禁される座敷牢に軟禁されていた。すると外の戸が開き中に誰かがやって来た。
八方斎「目を覚ましたか。」
小三郎「だ、誰?」
八方斎「儂はドクタケ忍者隊首領、名を稗田八方斎。」
乱太郎達なら此処でチンゲンサイだのザーサイなどダサいなど間違い放題がお約束だが。
小三郎「稗田…八方斎さん?」
八方斎「おぉ!やはり。お約束が適用しないは本当か。」
八方斎は格子に近づく。小三郎は一歩下がる。
八方斎「大丈夫だ。言う事さえ聞けば酷いことはしないし、座敷牢の中では好きにしてればいい。………それにしても…なかなかどうして。自分で言うのもなんだが。儂の見立て服は似合っているな。」
小三郎「?……はっ!」
小三郎は自分の姿を見てようやく気がついた。装束ではなく能の舞台に立つ白拍子に似た服装になっていた。
小三郎「装束返して!」
八方斎「今調べ中だ。調べが終わったら返してやろう。しかしあんなに大量の忍具を…お前は戦にでも出かけるのか?まぁ。今はそんな事は良い。お前を攫って来たのは…。」
八方斎がニヤリと笑う。小三郎は良くない話に決まっていると思った。
小三郎「仲間にはならないぞ!」
八方斎「違う。」
小三郎「拷問されても吐かないぞ!」
八方斎「流石に子供相手には気が引けるが…。」
小三郎「忍術学園を脅す気か!?」
八方斎「それなら学園長を攫うだろうに。」
あれこれ小三郎は言うが八方斎は全て頭を横に振り否定。
小三郎「じゃあ僕に何を……ま、まさか!あんな事やこんな事や!ビー!とかバキューン!とか……僕をズバキューン!!!とか!?」
八方斎「だぁぁぁぁ!!」
まさかの爆弾発言に八方斎はずっこける。
八方斎「お前は儂とドクタケ忍者隊をなんだと思っているんだ!!幼気な子供にそんな事するほど外道ではない!!」
ドクタケ忍者隊「お頭…そんな趣味が…。」
八方斎「違うわ戯け!!!」
小三郎と幻滅な視線を向ける部下に声を張り上げて全力で否定する。ドクタケ言えど人は人、ましてや小三郎は十の子供。そんな子供相手にそんな乱暴をするほど悪ではない。
八方斎「お前を攫った理由は…。」
小三郎「ごくっ…。」
息を飲む小三郎。その様子を天井裏から一人の茶色の装束を着た忍者が見ていた。
????「ドクタケが子供を攫うなんてな……しかも忍術学園の…。」
茶色の装束の忍者はその場から離れていった。
一方で裏山では忍術学園ほぼ全員で小三郎の捜索をしていた。
庄左ヱ門「小三郎〜!!」
伊助「小三郎〜!何処なの〜!?」
虎若「そっちいた!?」
団蔵「ううん。川下にはいないみたい。」
兵太夫「秘密基地にもいない!」
三治郎「ダメだ!山頂の花畑にもいない!」
は組は手分けして小三郎の行きそうな場所を探すが何処にも手がかりは無し。
三郎次「小三郎〜!!何処にいったんだ〜!!」
左近「四郎兵衛!久作!どうだった!?」
久作「森の方へは斜堂先生率いるろ組が捜索中。」
四郎兵衛「街の方へ行ってないみたい。」
二年生は裏山周辺の探索を行っている。中でも珍しく三郎次が真っ先に飛び出し捜索している。
数馬「小三郎〜!小三郎〜!うわぁぁぁぁぁ!」
藤内「大丈夫!?数馬!」
二年生よりも東の方を隈なく探索していたら数馬が木の根につまづいてこけた。
数馬「僕は大丈夫!それよりも小三郎を!」
藤内「何処に行ったんだろう?こんなに探してもいないなんて。あっ!作兵衛!孫兵!」
別働隊の作兵衛と孫兵に合流。
藤内「いた!?」
作兵衛「東の池の方まで見て来たけど……見つかったのは孫兵の蜘蛛だった。」
孫兵「生きていたのかぁ!よかった!!」
藤内「だぁぁぁぁ!!」
藤内はこけたがその後ろから数馬が物凄い殺気を放った。
数馬「真面目に探してよ………!!!」
三年一同「ご、ごめん…!」
ちなみに左門と三之助は近くの木に縛り付けられていた。
そして四年生と五年生は裏山から裏裏山の間の森を探索していた。
平助「八左ヱ門!勘右衛門!いたか!?」
八左ヱ門「ダメだ!なんの手がかりもない!」
勘右衛門「妙だよ。こんなにも手がかりがないなんて!」
タカ丸「久々知くん!」
平助「タカ丸!三郎に雷蔵!どうだった!?」
三郎「裏裏山には行ってないみたいだ。」
雷蔵「足跡も痕跡もなかったよ。」
そして六年生。
留三郎「小三郎ぉぉぉ!!」
兄である留三郎は狂ったように辺り中を木々をなぎ倒しながら探索。
伊作「留三郎落ち着いて!」
仙蔵「文二郎!長次!小平太!いたか!?」
文二郎「何処にもいない…なんの手がかりもない…。」
長次「もそ…何処にもいない。」
小平太「走って海まで行って来たがいなかったぞ!」
意見を交換する中、留三郎は震えている。
留三郎「小三郎………。」
そして陽が傾き始め、全員が裏山前の広場に集まった。結果は何処にもいない。痕跡もない。
土井先生「山田先生…。」
山田先生「…………恐らくはかくれんぼの最中に忍者に攫われたのかもしれん。」
喜三太「忍者ですか!?」
金吾「なんでわかるんですか?」
山田先生「忍者は大体何かをした後は痕跡を残さないようにするのが常。こんなにも探索してなんの痕跡もないとするとよほど手練れの忍者。」
山田先生の発言に留三郎は頭を抱える。もう限界だ。
留三郎(何故だ?何故小三郎なんだ!?小三郎…お前に何かあったら…っ!)
伊作「留三郎…。」
伊作が励まそうとする、その時、木の上から誰かが降りてきた。
????「攫われたのは…食満小三郎と言う男の子か?土井半助。」
土井先生「お、お前は…!!」