忍術学園、用具倉庫。そこでは用具委員会委員長、食満留三郎筆頭に漆喰を練り骨組みを作り、外壁の修補の準備をしていた。
留三郎「よし。骨組み完成!」
守一郎「道具も用意しました!」
下級生「漆喰と下地も塗り終えました!」
それぞれが道具を持ち壊れた外壁に向かう。外壁は爆破でもされたのか粉々。
留三郎「それにしても焙烙火矢の予習で外壁破壊されるとは…。」
作兵衛「す、す、すいません!留三郎先輩!藤内にはきつく言っておきます!」
留三郎「いやいいんだ。予習は悪い事ではない……はぁ。」
留三郎が作兵衛にフォローを入れるが何処と無く疲れているのか気分が乗らないのかため息。
しんべえ「留三郎先輩。なんだか疲れてません?」
喜三太「休んだ方がいいですよ?」
平太「倒れたら大変ですよぉ…。」
しんべえ達が心配そうに見る。留三郎はハハッと笑い。
留三郎「すまんすまん。ちょっと昨日のテストでな。なぁに、支障はないさ……ぬぉ!?」
守一郎&作兵衛「留三郎!?」
バシャァァァン!!
留三郎は石に躓きそのまま漆喰にダイブ。
作兵衛「やっぱり変ですよ!留三郎先輩!」
守一郎「伊作先輩見たいですよ!?」
留三郎「そ、それは伊作に失礼だと思うぞ?守一郎。俺は大丈夫だ!……はぁ。」
留三郎は起き上がるが再びため息。
作兵衛「ほらやっぱり疲れているじゃありませんか!壁の修補は俺たちでも出来ますから今日は休んで下さい!」
守一郎「そうですよ!不安全な状態は絶対事故に繋がります。休んで下さい。」
みんなに言われ留三郎も無下には出来ないと思い、何かあったらすぐに呼べとだけ言い長屋に戻っていった。
留三郎「……くそぅ。下級生に心配されるなんて…情けない…っ!」
留三郎はやけっぱちに石ころを蹴る。しかし小石は木にあたり跳ね返り自分の額に命中。
留三郎「いってぇぇ!?」
六年忍たま長屋。留三郎は自室に戻ると同室の善法寺伊作が薬を煮込んでいた。
伊作「あれ?留三郎……って漆喰まみれじゃないか!?どうしたんだい?」
留三郎「どうしたもこうしたもない!……はぁ。らしくないなぁ。」
留三郎は押入れから替えの装束を出して着替える。伊作はピンッと感じた。
伊作「昨日の鉄双節棍のテストだね?」
留三郎「っ……。」
それは昨日の鉄双節棍のテスト。鉄双節棍は留三郎の得意武器だが今回のテストでは全然本領を発揮出来ず、六〇点。しかも一位は名前も顔も出ない「喪部野喪部助」だった。それが留三郎を多大に凹ませた。
留三郎「文次郎ならまだなにくそ!って思うけどなんでよりによって喪部野喪部助なんだよ!!顔も出ない癖に!適当に思いつい「留さんメタ発言!」す、すまん伊作。はぁ。」
何かを言いかけたが伊作が遮った。再びため息。そしてふて寝。
伊作(かなり凹んでいるなぁ。)
伊作は医務室へ完成した薬を持って行く。するとそこに用具委員会のメンバーがいた。
伊作「用具委員会のみんな!」
作兵衛「善法寺伊作先輩!」
伊作「どうしたんだい?留三郎なら長屋だよ?」
喜三太「その留三郎先輩の事で…。」
医務室で話を聞くと、留三郎先輩の為に何か元気になる薬がないか聞きに来たらしい。
伊作「留三郎は病気でも疲れているわけでもないんだよ?ただ昨日のテストで自分に納得がいかないらしいんだ。」
しんべえ「なんか以外。」
喜三太「悪い点取ってもより練習に励むかと思いました。」
しんべえと喜三太の言葉に作兵衛は首を横に振る。
作兵衛「分からないでもないかも…俺だってそういう時はあったから…。」
守一郎「かえって下手な慰めも良くないなぁ。」
どう慰めるかと考える中、はっと平太が何かを思いついた。
平太「ねぇ。今度また用具委員会でピクニックに行くから、みんなで留三郎先輩のお弁当作ってあげたらどうかな…?」
平太の言葉に伊作が頷いた。
伊作「それはいいよ!留三郎は後輩大好きだからきっと喜ぶよ!」
そして喜三太が何かを思い出した。
喜三太「そうだ!どうせならあの時のヤケアトツムタケ忍者の愛妻弁当みたいに作りたいなぁ。」
しんべえ「あれ美味しそうだったよねぇ?は〜くまい、あずき〜♫それにだ〜いず〜み〜そ〜♬」
前に見た忍者のお弁当を思い出す。しかし作兵衛が制止をかける。
作兵衛「待て待て!弁当はいいけどあんなの作れるのか?それに今この中で誰が料理出来るんだ?」
全員「あっ。」
伊作は薬は作れるが料理は得意でない。守一郎は出来なくはないが素材そのまま。作兵衛は出来るには出来るがそんなにレパートリーがない。下級生は論外。
しんべえ「あっ!」
その時、しんべえにある人物が浮かんだ。
しんべえ「そんだ!なんで気づかなかったんだろう!出来るよ!愛妻弁当作れる人!」
作兵衛「誰か頼りがあるのか?」
作兵衛は首を傾げる。しんべえは満面の笑みを浮かべる。
しんべえ「留三郎先輩には愛妻ならぬ愛弟がいるじゃない!」
しんべえの言葉に全然があっ!と声をあげた。
全員「小三郎!!!」