小三郎は用意の良さは学園中に広まっていた。保健委員会の交流のあと、火薬委員会、作法委員会、生物委員会、用具委員会、体育委員会との交流が度々ありその度に小三郎の用意した道具は役に立たった。しかし未だに何処の委員会に入るかは決めてなかった。小三郎にしてみればどの委員会も楽しそうだからだ。学級委員長委員会でも小三郎の事は度々話題になった。
「ってな訳で、小三郎はまだ何処に入るかは決めてないんですよ。彼は気の利く奴だし。」
「彼はい組のようでは組だよねぇ?羨ましいよ。小三郎は色々手伝ってくれるんでしょ?」
庄左ヱ門の会話に一年い組、学級委員長の今福彦四郎が羨ましがる。その理由は……。
数日前。
庄左ヱ門が当番で教室の掃除をしていたら、小三郎がやって来て。「手伝うよ!早く終わらせよ?」っと言い箒を持ち出し。またある時は乱太郎が職員室に提出物を運んでいる時、「乱太郎!半分持つよ!」っと言い提出物を半分持ち。しんべえが鼻水を垂らしていた時に、「はい、しんべえ。鼻かんで?」っとペーパーを差し出し、団蔵と虎若の洗濯物騒動がまた起きてブチ切れた伊助を宥めたのち洗濯をささっと終わらせ、兵太夫、三治郎のカラクリ考案に付き合ったりと何かと世話を焼いていた。
「彼よく身が持つよね?」
「まぁ、彼の性分なんだろうけどね?でもお陰で僕は大分楽になったし、彼は今や、は組には欠かせない一員だから。」
「いいなぁ〜。い組は優秀かも知れないけど、たまに一平が手伝ってくれるだけで、伝七も佐吉も全然手伝ってくれないから…。」
庄左ヱ門と彦四郎の話を聞きながら、五年い組学級委員長、尾浜勘右衛門と五年ろ組の鉢屋三郎がクスッと笑い出した。
「どうしました?」
「いやぁ、やっぱり小三郎は留三郎先輩の弟なんだなぁ〜っと思ってね?」
「僕達も一年の頃はよく留三郎先輩に世話を焼かれたよ。」
留三郎先輩は昔から好戦的で文次郎先輩と会うたびに喧嘩していたけど、非常に仲間思いで世話焼きで、勘右衛門先輩が手裏剣で怪我した時なんかは伊作先輩を担いで飛んで来て、三郎先輩が忍者の才能がないと諦めて学園を飛び出した時なんかは全力疾走で連れ戻しに来たのち大泣きしてくれて、などなど留三郎先輩の活躍を庄左ヱ門と彦四郎に話した。
「「すっごい良い先輩じゃないですか!」
「だろ?そういう人の良さはそっくりだよ。」
学級委員長委員会の仕事が終わり、四人が部屋から出た時だった。
ガラガラガチャ〜〜〜〜ン!!!
工具箱を担いでいた富松作兵衛先輩が工具箱をひっくり返した。すると…。
「富松作兵衛ェェェエエ!大丈夫かぁぁぁぁ⁉︎⁉︎」
何処からとまなく留三郎先輩が飛んで来て安否を確認する。その向こうで喜三太が落とし穴にはまった。
「喜三太!大丈夫⁉︎」
何処からか小三郎が飛んで来て喜三太を引っ張り上げる。そして今度は廊下を踏み外し伊作先輩と乱太郎が転倒仕掛けた。
「伊作ゥゥゥゥ!!!」
「乱太郎ぉぉぉぉ!!!」
留三郎先輩が伊作先輩を小三郎が乱太郎を支えて阻止した。
「たしかに…。」
「似てる…。」
「「あっはははは!」」
その光景に思わず学級委員長委員会全員が笑った。