予約投稿なのでどれくらい待ってくれてる人がいるかわからなくてガクブル笑
え?いなかったら心折れますけどなにか?
「サクシード南部剣術大会を開催いたします!」
「「「うおおおーーーー!!!!」」」
始まった……か……
ここからだ。
ここから始まるんだ。
――◇◆◇――
選手は全てで60人。その中から型の演武で16人に絞られる。そこから本戦が勝ち抜きトーナメント式で行われ、優勝者がアルガディア衛兵隊への入隊権を得る。
控え室で見ていたが、容貌は強面なメンツが多いが実際は権限レベルは俺より下だろう。
あとは反則に気をつけるだけかな……
何故だろうか。カヤバから情報を貰った時から、公理教会への盲信的服従が無くなった気がする。禁忌目録は守るが、逆に触れなければ何をしてもよい。そのような輩がいないとも限らないのである。今まではそんな奴に会ったこともなかったが、俺は情報として知っている。貴族の悪夢のような横暴を。
「54番!前へ!」
舞台に上がるとかなりの観客がいた。
このアリーナはコロシアムのような半球型をしており、おそらく1000人近くの収容規模があるはず。年に一度の大行事だ。自然人も集まるのだろう。
ひとつ大きく息を吐く。
メルトさんの助言を思い出す。
よし、舞おうか。
貴賓席、審査員席に礼をし、貸し出された銅剣を抜く。
アルガディア流一番の型……
――◇◆◇――
その演武はまさに舞うように優雅に、そして力強く行われる。細かい注意事項なども含め一挙一動が完璧に調和された舞に、やがて全観客が魅了され始める。
終盤になるにつれ、ざわめきがなくなり、まるでリオンのための舞台になっている。
そう。そこは彼の世界。
彼の掌の上……
――◇◆◇――
剣を仕舞う。
やりきった。と思ったらそれまで静かだった観客が爆発したように拍手してきてビックリした。静かなのはいいけど反応が薄いのは怖かった……
入れ替わりに入っていく青年が顔を青くしながら登ってくる。
この観客の雰囲気ではやりにくいか。期待満々だもんな。
審査員が公平であることを祈るよ。
青年に睨まれた。
いや、俺を睨まないでよ……
――◇◆◇――
やはりというべきか、本戦にリオンは選ばれた。恐らく観客にはリオンの演武しか頭にないだろう。
彼は光だ。
自分の存在を無意識に輝かせ、周りを魅了する。
そして彼はからっぽだ。
自分から求めることを知らず、傲慢になることも驕り高ぶることもない。
それゆえ人は彼に惹きつけられる。
そこを、彼のための世界にする。
それが、リオンの才能だ。
――◇◆◇――
三回戦も勝った。
ここまで勝ち抜いて来ただけあって相手の動きはなかなかよかったけど、俺の能力がチートすぎて笑える。
まるで銅剣が木の棒だ。軽い軽い。
さて、決勝なのだが……
相手が少し変だ。
明らかに能力は平均以下、権限レベルも同様だろう。
ならなぜ決勝まで?
確かめねばならないだろう。
今までになく気を引き締め、決闘の場に向かう。
――◇◆◇――
決勝戦なだけあって、観客の熱狂ぶりがすごい。
相手は先ほど考察した通り、剣気、構え、何から何まで弱かった。
………………一体何を?
「始めっ!」
剣を抜き構えるとその途端
「イャアアア!」
「っ!」
――ガキッ
刃の交わる音が響く。ビックリした……まさかいきなり切りかかってくるとは……
だけど……
「力比べなら負けないよ?」
鍔迫り合いで思いっきり押し込む。
だが、
「シッ……」
踏み込んだ右足の甲を踏み抜かれる。
「うっぐ……」
審判を見るが素知らぬふりをしている。観客からも足元なんて見えなかったのだろう、不思議そうに眺めている。
「お前……審判を抱き込んだな?」
「は?知らないね。足が滑ったんだよ」
こいつ……
「お前名前は?」
「見てなかったのか?いや、辺境の村からの出身じゃ文字も読めないか!いいよ教えてやる!俺はジン・アルガディアだ!」
「っ!?お前領主の……貴族の血か……」
読めるんですけど、と毒づきながら考える。
この世界には法を守るという絶対原則がある。しかし、それと同時に抵触しなければ何をしてもよいと考える輩もいるのだ。
例えば……ジンのように。
貴族はこのような利己的な考えが多い。むろん、全員がそうではないし、下等伯爵家では農民と結婚することもあることから正しい人柄の貴族が大半になってきている。俺はこれを貴族の血の呪いから来るものだと考えた。その血が濃くなればなるほど、やがて人として腐敗していく。
「貴様のような凡人が俺に適う訳が無かろう!諦めろ!ふはははは!」
こいつ……本来なら侮辱した罪で負けてもおかしくないはずなのだが、審判はやはり無視している。
「うるせえ……」
「な、なに?」
「うるせえよ……クズが……」
やはり、こんな世界間違ってる。なぜこいつは罰せられないのか?なぜ、人々はこいつに苦しまないといけないのか?なぜ……
「貴族とか、金とか、権力とか……俺には関係ない。法で裁けないなら、俺がお前を裁く」
「言ってくれるなぁ!?ならやってみろよ!」
「あぁ、その自尊心……ぶち壊してやる」
観客達も流石に焦れてきたのかざわめいている。
何の前触れも無く俺は剣を引きながら飛び退った。支えを失ったジンの剣が俺に迫る、が、
「せぁ!」
体術スキル【弦月】
後方に宙返りしながら放たれた蹴りがジンの剣の鍔に当たり、上にはじき飛ばす。
まさか蹴りで防がれると思わなかったのか、目が大きく見開かれる。そして細められた。というか、舌打ちしたよなおい……
「……アルガディア流秘奥義、《碧飛斬》」
おっと、秘奥義と来ましたか。
会場が大きくどよめく。そりゃそうだ。秘奥義なんてめったに使わないことになっている(それも個人の判断ではあるのだが)し、なにより
こいつ寸止め無視する気か?
いや、受けれなかった俺の責任ってことか。
「ふぅ……」
あの構えはソニックリープだな。突進技……なら。
大きく剣を引き絞り、前傾姿勢を取る。
「イェァァアア!!」
「せぁ!!」
2人ともほぼ同時に……いや俺の方が動き出しが少し早い。
思いっきり地面を蹴って剣を突き出す。
片手剣ソードスキル【レイジスパイク】
こっちも突進技で勝負だ。
ペールブルーの光に包まれたお互いの剣が交錯する、その時、
(ここっ!)
――キンッ
俺の剣がジンの剣の腹を思いっきり叩いた。
2人の突進が終わった、その丁度真ん中に破壊されたジンの剣が突き刺さる。
ジンの方を見ると肩を震わせているが、これでもう決着はついただろう。
呆然としていた観客がわぁ!!と歓声をあげる。今までにない見事な決着に貴賓席の貴族でさえ、手を叩いている。1人、息子が負けて腹立たしそうな男もいたが。
コロシアム全体に礼をすると会場を後にした。柄に手を当てて「ありがとう」と呟きながら。
――◇◆◇――
結果、リオンは優勝し衛兵隊に入隊することが出来た。彼が帝立修剣学院受験に必要な推薦状を得ることは、この日の戦いを見ていた人々ならわかりすぎるほど明らかだっただろう。
そして、衛兵隊としての天職をこなすうちに人々からの信頼もちゃっかり勝ち取っているリオンだった。
実は裏でファンクラブのようなものさえあったのだが、彼は知らないままだ。
どうも橘です。
何回も橘言ってるとくどいかな……
タグでもあらすじでも書いた通り、リオン無双です。はい。このあたりなんて敵無しです。戦闘描写が少ないのはそのせいさ、うん、きっと、たぶん。難しいからしょうがない……
あと、リオンは無意識にモテます。僕の妄想が爆発した結果です。やむをえん!
これでとりあえず溜めてた分は投稿し終わりました。
予約投稿なのでどれくらい読んでくれる人がいるのかドキドキです笑
いつになるかわかりませんがまたお会いしましょう!
それではこの辺で!