原作準拠について

拙作では「ワールドトリガー」という作品の世界観を壊さず、それでいてオリ主の物語を描くためにできる限り原作の内容と矛盾が起きないようにしています。
タグにも「原作準拠」と入れていますが、ワートリに限らず二次小説を書く人にとってこれはごく当たり前のことだと思っています。
「ワールドトリガー」では原作第1話の約4年半前に第一次近界民侵攻があって、その半年後に現在のボーダーの組織がスタートしています。
そして遊真がこちら側の世界にやって来て修と出会い、ラッド事件や黒トリガー強奪未遂事件を経て大規模侵攻、B級ランク戦と進んでいきます。
その流れを無視した作品にしてしまうこともできますが、この原作の流れに従っているのですから「原作準拠」で間違いはないはずです。
ですがオリキャラが存在する場合はこの原作の流れとまったく同じにすることはできないわけで、さらにオリキャラが原作キャラと関わる以上は原作キャラの考え方や行動なども原作とは違ってくるはずです。
この「原作準拠」を守らなければ二次小説としても破綻してしまうと思います。
たとえば弧月は攻撃手用のトリガーであることが前提となっていますから、オリジナル展開だからといってそれを狙撃手用トリガーの名称にしてしまったり、原作で弧月に相当するトリガーに別の名称を付けてしまったら大混乱となるでしょう。
城戸正宗が総司令でなかったり、忍田真史が存在しなかったり、玉狛支部のメンバーが「近界民は殲滅すべし」という考え方を持つ集団であったりしたら、もうそれは「ワールドトリガー」の二次小説ではない別のものになってしまいます。
だから誰もが「原作準拠」で書いているはずなのです。

先日、感想の投稿でIntroductionの章を読んだだけの方から「ほぼ原作のコピペであること。オリ主が絡む場合は少しだけ変化があるようだが、10話にしてほんの一部しかない。オリ主がいることで、という変化は今のところ見られない」と言われてしまいました。
Introductionの章はオリ主と原作キャラの出会いから大規模侵攻直前までの話です。
そこで原作と大きく乖離してしまうような内容にすると、大規模侵攻以降の内容がもっと大きく変わってしまうことになりますので、極力変化のないように「敢えて」描きました。
黒トリガー強奪未遂事件についてですが、ここでオリ主を迅と一緒に太刀川たちと戦わせることもできますが敢えて参加させず、迅のサイドエフェクトで「玉狛支部が直接襲撃される未来」が視えたことにして、背後の守りをオリ主に任せるという流れにしました。
これは迅がひとりで暗躍している原作に対し、オリ主のことを信頼している迅が彼女ひとりだけに本当のことを話して協力を求めたことになります。
修たちに知られないようにするために玉狛第1の3人にも内緒にしていたことをオリ主にだけ話したのですから、このエピソードで迅とオリ主の関係性が少しは見えてくると思うのです。
(迅がオリ主を信頼している、頼りにしているという点についてわかるエピソードが大規模侵攻の後に出てきます)
他の作者様の作品でオリ主が黒トリガー持ちで黒トリガー強奪未遂事件に迅と参戦しているものがありますが、ここでオリ主が黒トリガーを持っていたらこの時点で原作の流れから大きく外れてしまうことになるでしょう。
別にそれを非難する気はないですが、そうなるとその後の展開が原作の流れと矛盾してくるはずです。
玉狛側に風刃以外の黒トリガーが存在して活躍してしまえば、風刃の価値を高く評価させるという迅の企みは失敗となるでしょう。
だからといってA級上位部隊側にも黒トリガー持ちのS級隊員を登場させたら、それではもうトリガーのインフレ状態となりますし、その後の大規模侵攻ではオリジナルの黒トリガーが2本も参入することになって、通信員が殉職したりC級が32人もさらわれたりする犠牲は出なくなる可能性が高いです。
いえ、むしろボーダー側には黒トリガーが5本も存在することになって、それで被害が抑えられないのであればなんとも情けない話になります。

物語の冒頭の時点でオリ主を物語に深く関わらせてしまうとその後の展開が大きく変わってしまうのは当然です。
ですから拙作では原作の流れとほぼ同じものにしたのですが、それをわかってもらえなかったことは非常に残念でした。
まあ、本来なら冒頭部分で読者の「続きを読みたい」という気持ちを盛り上げなければいけないのですけど。
この作品のプロットを考えた時点で非常に長い物語になることが確定しており、オリ主がどんな人間であるか、彼女の過去にどんなことがあったのかをきちんと描かないと彼女の行動原理が理解できない「突拍子もないことを考えている人間」になってしまうためにIntroductionの章ではオリ主の基本情報(玉狛支部所属、旧ボーダー時代からの隊員、迅にとって最も信頼できる人物等)を原作の流れの中に散りばめ、大規模侵攻やB級ランク戦では彼女の戦力や戦い方についてわかるように描いたつもりです。
そして変転の章からが拙作の「本編」ですから、ここまでの長い「序章」があってこそ本編の流れがスムーズになるはずなのです。
ただしオリ主本人すら知らない過去の事件や彼女の出生の秘密などはすぐに明かされていませんから、過去編を読まなければわからない部分が多いです。

ですので読者様におかれましてはわからない部分・納得できない部分がありましたら感想でもDMでもお問い合わせください。
ネタバレにならない限りお答えいたします。
ただ初めの部分をちょっと読んだだけで評価を入れたり、盛り上がりに欠けるからつまらないと読むのをやめてしまうのだけは勘弁してください。
わたしが描きたかったのは変転の章からの物語であり、読み進めていけば疑問に思った部分もちゃんと伏線回収してわかるようになっているのですから。


これは活動報告と言うよりも長い愚痴になってしまいましたね。
それを最後までお付き合い下さった読者様に深い感謝を捧げます。


日時:2021年02月16日(火) 01:49

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