そして軌跡は0から1へ―――
遂にリィンのリベールでの物語が、空の軌跡が終わりを迎えたので、この区切りに推薦を書かせてもらいます。
まず特出すべきは、作者のアルカンシェル様の力量です。
文章は読みやすく、キャラ達の行動やセリフにも違和感は全く見受けられません。
それだけでも原作への深い敬意と理解が伺えます。
(52行省略されています)
また話のテンポも程良く進んでいき、コメディやバトルシーン、シリアスなど場面ごとの描写も上手く描かれています。
そのためコメディシーンではニヤリと笑い、一方のシリアスシーンでは胸をうたれることでしょう。
そして何より、読者の予想を超えていくシナリオ構成力には脱帽を禁じ得ません。
ストーリーはあらすじの通り、リィンが空の軌跡の舞台となるリベールへやってきたところから物語は始まります。
あらすじではネガティブなことが書かれていますが、確かにその一面もあります。
特にFCでは少しネタバレになってしまいますが、教授にトラウマを抉られ、剣帝にボロ負けし、重剣に罵倒されたりもします。
ですが――
太陽のようにリィンの心を照らして前を向かせた、初恋の人であるエステル。
人の力は鬼に負けないことを証明してみせた、姉弟子のアネラス。
剣の道で大きな壁として立ちはだかる、剣帝レーヴェ。
何だかんだでリィンのことをよく見ているオリビエ。(なおネタばらしは想像以上にヒドイ)
そして、“少女”との出会い――。
その全ての経験と、リベールの仲間達がリィンを大きく成長させていく。
そんな忘れられない旅路(物語)です。
軌跡シリーズではバトルシーンも欠かせません。
その点でも、この作品は原作に劣らない程の手に汗握る熱い戦いを繰り広げます。
戦う相手も結社の執行者達だけではなく、碧や閃の登場人物達も現れては、時に戦い、時に共闘したりします。
何度も激突することになる剣帝。リィンに訪れる『試練』の数々にリベル=アークで繰り広げられる激闘。
TC編での『影の国』だからこそ実現される相手との、正しくドリームマッチな戦い。
(なお裏武術大会もあり想像通りにヒドイ)
原作に負けず劣らずな名勝負の数々は、間違いなく読み手の胸を熱くさせることでしょう。
多くの出会い、数々の戦い。
それらを経て、最初にあった『迷い』も『畏れ』も乗り越えて。
剣の腕も精神も天井知らずに成長していくリィン・シュバルツァー。
アルカンシェル様の紡ぐリィンのリベールでの旅路。
そして訪れる帝国の呪いとの戦い。
これを機に読んでみては如何でしょうか。
~以下は割とネタバレ~
そう、あまりの成長ぶりに敵であるはずの結社内でリィンのファンが多数出来て、
修羅場を潜り過ぎてSCの後半からはパーティー内でも最強の一人になり、
でもまだ《初伝》なので、何かしら仕出かす度に「初伝詐欺」と巷(感想)で話題になり、
自分だけの八葉を編み出し、更には奥義級の技すらも生み出し、
若干16歳で『理』に手を掛け、『剣聖』の域に足を踏み入れた、
八葉一刀流《初伝》、『超帝国人』リィン・シュバルツァーの物語を。
あなたは思うだろう、《初伝》とは何なのかを――。
そして、一人だけ推定レベル150オーバーがいるような状況で始まる閃Ⅰ。
更に入学当初はⅦ組全員とリンクブレイクでスタートする模様。
果たしてⅦ組との関係はどうなるのか。
そして超帝国人を相手に、帝国解放戦線や貴族連合は生き残れるのか!?
(なお、リィン・シュバルツァーは更に成長する模様)
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空之風/2019年01月07日(月) 06:01/★ (参考になった:79/ならなかった:4)