時に拳を、時には花を
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推薦一覧(3件)
勇気が湧いて――誰かに優しくできる、そんな物語。
▼文章、ストーリー、描写などについての紹介など
勇気を、希望を、愛を。
誰だって、胸に秘めて生きている。だけど色々な不条理が、苦難が、人間関係が、人の善性を表に出すことを阻んでる。
(41行省略されています)
主人公の竜児も大赦に心が囚われていて、勇者を犠牲にする世界の在り方に疑問を抱えていて――でも、だからといって、表立ってそれを否定することはできない。
それは当たり前のこと。
きっと誰だって、「間違っている」と感じていてもどうしようもないと諦観することはあるだろう。
そんな当たり前の心の機微がきちんと描かれている。
でもそれで終わりじゃない。
これは、そんな彼が一人前の勇者になる話でもあるのだから。
勇気を、希望を、愛を。
胸に秘めたその想いで、心が満たされる。
哀しいことだってあるしつらいこともある。だけどそれ以上に嬉しいし楽しい。
この作品は、希望に向かっていることが読んでいるとわかる。
絶望や苦難に満ち溢れているけれど、でも、前に進んでいる。
頑張れって応援したくなる。
でもやっぱりもう駄目なんじゃないか、と読んでいてつらくなることもある。思わず、涙を流しながら読んでいることもある。
この作品の凄いところは、それでもそれを超えた先に、「くすっ」と笑ってしまう部分があること。
シリアスな作品は、重たくて、読んでいると心がしんどくなって読むのをやめてしまう方もいらっしゃるかとは思います。
だけどあくまで”個人的には”、ということにはなるのですが、この作品ではそんなことはなかったです。
作品を読んだ余韻というものが、良い意味で大きくなかったのです。
それは、感情の落としどころが作中に作られているから。
本当に、凄いと思うのです。
読んだあとに、清廉な気持ちになれるような、勇気がもらえるような、優しくなれるようなものを読みたい方にはぜひおすすめしたいと思います。
結城友奈は勇者である。
この作品が好きな方には、ぜひ勧めたいです。
そのっち~。
▼読む際の注意事項など
タグを見ればわかることですが、ウルトラマンとのクロスオーバー作品ですね。
ですがマイナスポイントではないと言いたいのです。
何故なら私はウルトラマンを一切見たことがなく、それでいて、この作品を「最高に面白い」と感じたからです。
また私の友人は逆に、「ゆゆゆしらないけど読んだ」と言っていましたので、どちらか片方だけ知っていれば楽しく読めるのではないでしょうか。
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夜桜さくら/2019年07月21日(日) 09:53/★ (参考になった:19/ならなかった:0)
勇者の意味、その想い
▼文章、ストーリー、描写などについての紹介など
この作品は「結城勇奈は勇者である」と「ウルトラマンメビウス」ひいては「ウルトラマンシリーズ」とのクロスオーバー作品となっています。
事故から、平行宇宙からやって来たウルトラマンメビウスと融合することとなった主人公、熊谷竜児。
(16行省略されています)
孤児の彼は、拾われた大赦という組織で働きながら、その傍らで勇者を監視する任務についていたのだが、ウルトラマンと融合したことにより事態は急変する。
これは、一人の少年が運命に抗い、勇者と共に歩んでいく物語。
▼読む際の注意事項など
世界観のベースは「結城勇奈は勇者である」ですが、世界観や人物の説明など丁寧にされているので、双方の原作を知らない人でも楽しめると思います。しかし、やはりキャラクターの容姿だけでも知っておくと幸せになれるかも。
ウルトラマンシリーズ最新作、ウルトラマンジードに、フュージョンライズというものが存在します。有り体に言えば「AとBを合体させる」というものなのですが、これを利用したオリジナル怪獣などが出てきますので、そうしたものが苦手な方は少し気になるかも。
とはいえ……全く問題になりません。私もオリジナルは少し気になるタイプなのですが、理屈付けも丁寧で気になりませんでした。
作品全体を通して、かなり主人公の心を折りに来ます。もちろん、主人公はそれを越えようと頑張りますし、日常の明るい場面などもしっかりあるのですが、それと同じくらい辛い場面が何度も訪れます。
なので、ウルトラマンTUEEE!を期待されると期待はずれになってしまうでしょう。
しかし、ウルトラマンは強いです。あまり言い過ぎるとネタバレになるので、あとは本編を読んでください。
ウルトラマン好き、ゆゆゆ好き、どちらの方でも満足していただけるかと思います。
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特撮仮面/2018年03月23日(金) 17:16/★ (参考になった:24/ならなかった:3)
少年は、『絆』を繋いで『勇者』と至る
▼文章、ストーリー、描写などについての紹介など
「結城友奈は勇者である」と「ウルトラマン」のクロスオーバー作品。
敵はウルトラマンシリーズに出てきた難敵たち、その融合昇華体。勇者たちはもちろん、ウルトラマンメビウスさえ苦戦するような(弱体化しているとは言え)殺意の高い怪獣。
(25行省略されています)
そんな、一人では勝ち目のないような敵に、ウルトラマンとなった少年が、傷つき、折れて、曲がって、挫けそうになって、それでも友と触れ合い絆を繋いで『勇者』となっていく。
という王道成長型主人公の物語。
まず、勇者たちと主人公の交流が印象的。ひとりひとりを丁寧に細やかに描きながら、それぞれと違った関係を築いて行く。
時には励まし、時には励まされ。時には、手を引いて、時には手を引かれて。
そんな彼、彼女たちの深まって行く関係に心を打たれる。
後はとにかく展開が熱い。主人公の立ち上がる姿に応援したくなります。
▼読む際の注意事項など
作者はルシエドさん。ハードな展開に定評のあるお方です。
そのため、主人公たちの心を折りにくる描写や、展開などがあり、耐性のない人には注意が必要です。
ただ、そのまま救いがなく終わるのではなくきちんと希望が残るように続くので辛くなっても取り敢えず章の終わりまで読んでみてほしいです。
後は、内臓が飛び散ったり、腕がもげたり、体が一部大変なことになったりもします。苦手な人は少しきついかもしれません。
とても丁寧に描かれているので、どちらの原作も分からなくても楽しんで読めると思います。
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世嗣/2018年03月06日(火) 13:57/★ (参考になった:62/ならなかった:8)