人生はクソゲーだ
▼文章、ストーリー、描写などについての紹介など
どこからか自分を監視している
やたらと棒読みな効率厨に
襲いかかる厄災を教えられながらも
与えられる対策はひたすら効率的で
(7行省略されています)
残酷な選択肢ばかり
そんなクソゲーの話
▼読む際の注意事項など
昨今のRTA風に対するアンチテーゼのような作品
吐き気をもよおすような鬱ではないが
自分のことを路肩の石ぐらいにしか思っていない奴に
ひたすら振り回され鬱になる話なんで
普通にギャグを求めている人は辛いかもしれない
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今際の極/2020年10月31日(土) 07:05/★ (参考になった:14/ならなかった:2)
陽気な囃しには酸鼻な悲劇がよく似合う
昨今、ハーメルンではRTA風小説というものが流行になりつつあります。良作、駄作、未だ見ぬ作品が今後も次々と産み出されていくのでしょうが、本作はその中でも堂々たる「正統派」と言うべき作品です。
念のため、RTAとはなんぞやということを軽く説明しておきますと、これは本来ゲームのスーパープレイのことを指します。人力で、如何にして最速クリアないし目標達成するかを競うもので、特にニコニコ動画においては、そこにブラックジョークとスラングに満ちた解説を付与し、実況プレイ風動画と銘打ったものが広く流行していました。
さて、これは個人的な考えになりますが、実況プレイ風動画のノベライズというものは、書くにあたり、ひとつ大きな問題点があると思われます。それは、「ゲームシナリオと実況が並立しない」という点です。実況プレイ風動画、その本来の醍醐味は、まさにこの並立にあると言って間違いありません。主人公がシナリオを紡ぐさまを、そこにRTAプレイヤーが介入して引っ掻き回したり失敗して嘆いたりするさまを、視聴者は画面の内と外を自由に行き交いし、共に囃し立てて楽しむ趣向なのです。
それを文章に落としこむ……これはなかなか容易なことではありません。視点移動、それは神たる作者の御業にて行い、我々読者は唯々従うだけ。図式的に言い換えれば、「主人公とプレイヤー/それを見守る視聴者」というトライアングルの関係にあったものが、間に作者を挟み、視聴者は作者を通して主人公とプレイヤーを見る関係へと変わってしまうのです。そこに実況プレイ風動画本来の自由さは見当たらず、頻繁な視点変更が感情移入を妨げるのみ。これではむしろ、コンテンツの旨味を削って退化させたという見方すら可能でしょう。
(11行省略されています)
……長い前置きはこのくらいに。それでは本題に入りましょう。本作には――少なくとも最新話までは、プレイヤーの視点で主人公を眺める話は出てきていません。プレイヤーの扱いは徹底して「脅迫的な天の声」であり、物語は、それに翻弄される主人公ないし周囲の人物からの視点で描かれています。
これは一見すると欠点に見えます。前述した実況プレイ風動画の旨味、視点の行き来というものを完全に失ってしまっているからです。しかし動画のパロディであるという点から離れて、物語としての構造に目を向けてみればどうでしょうか。……打ち倒すべき敵は絶えず傍らにあり、打ち倒すべき理由もまた誰の目にも明らか。目標と動機を読者に鮮烈に意識させる、シンプルかつ強固な構造が浮かび上がってくるのです。
つまり、本作は目新しいものではありません。むしろRTAというドレスを脱がせば、「悪神に立ち向かう『ヒーロー』」という単純かつ古典的な原型が隠れています。しかし単純だからこそ力強く、深く雄弁に――RTAというコンテンツの全てを忠実に再現せんとするよりも、「RTA」を物語ります。作者は奇抜な手段を採らずして、見事、新しいものをより巧みに描き出したのです。これが冒頭、本作を「正統派」と評した理由となります。
推薦欄の文字数も残り少なくなって参りました。悲劇を描く作者の筆力、濃く立ちこめる不穏な空気、サイコパシーを感じるほどにおぞましい天の声など、素晴らしい点は挙げれば尽きませんが、それは実際に読んで味わっていただくとしましょう。
物語は未だ始まったばかり。幾人ものヒーロー、ヴィランと出会い、これから彼女に何が待ち受けるかは、神ならぬいち読者には知る由もありません。
けれどもきっと、読んだ貴方はこう思うはずです。
「こんな作品を読んでみたかった!」
と。
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ヰ宮まいみ/2019年12月06日(金) 07:24/★ (参考になった:53/ならなかった:26)
あまりにも斬新な切り口のRTA小説
▼文章、ストーリー、描写などについての紹介など
RTA走者という名の悪魔に人生を弄ばれるひとりの少女のお話です。
操作する側ではなく操作される側の視点というあまりに斬新な設定、RTA小説とは思えない陰鬱な展開、そして主人公にきちんと感情移入させてくれる確かな文書力、これらを兼ね備えたハイレベルな二次小説です。
ところどころに出る人生を狂わされた主人公の嘆きと慟哭は必見です。
(3行省略されています)
▼読む際の注意事項など
説明の通りかなり陰鬱な作品ですし鬱展開もあります。苦手な方は注意した方がいいと思います。
淫夢要素があります。まぁRTAだからね、しょうがないね。
概要欄にギャグと書いてありますが大嘘です、ほぼほぼシリアスで話は進んでいきます。ホモは嘘つき(確信)
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ニュルナ/2019年10月11日(金) 02:30/★ (参考になった:108/ならなかった:7)