ニワカは相手にならんよ(ガチ)
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推薦一覧(3件)
麻雀をよく知らなくても十分に伝わる最高の面白さ
原作を知らなくても、麻雀を知らなくても、熱い描写に感動できる素晴らしい作品です。
この作品で魅了されたのはまず感情移入間違いなしの闘牌描写で、
例え麻雀を知らなくても、さながら囲碁を知らずに熱中できたヒカルの碁のように、
麻雀卓上での魂と魂のぶつかり合いに熱中できたその描写力は何回読んでも輝きを失わない。
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また、未来予知や神を降ろしたり等の能力を持つ天才が蔓延っている咲の世界なので、
確率を必死になって計算するデジタル理論を身に着けても無駄な世界だと感じていた。
それだけに天才でないデジタル型の主人公が麻雀を愛する心で独り天才たちに立ち向かう。
この立ち向かっていく姿が非常に格好よく映って映ってしょうがない。
さらに主人公以外のキャラクターについても魅力的に描かれており、
原作そのままに等身大の原作キャラを描くのみならず、
原作で描き切れなかった各キャラクターの可能性すらも引き出しきれている。
主人公を上げるために原作キャラを下げるという簡単な手順を一切取らずに、
原作キャラの魅力を十二分に引き出した上で主人公がその上をいく描写には惚れ惚れする。
そんな主人公とチームメイトから成る、姫松高校の栄光への道のりを見届けよう。
(同じ紹介を自サイトでも投稿しています)
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夜市よい/2022年10月18日(火) 23:14/★ (参考になった:5/ならなかった:1)
TS転生オリ主原作改変と侮るなかれ! 咲-saki-二次界屈指の本格麻雀作品の登場だ!!
▼文章、ストーリー、描写などの紹介
本小説では咲-saki-の姫松高校がオリ主と共にインターハイの頂点を目指す物語を扱っている.
原作において能力者に囲まれながらも能力なしで奮闘することに定評ある姫松高校に,我々の住む世界によく似た別世界のデジタル派プロ雀士のオリ主がTS転生して入学・頂点を目指すというストーリーだ.
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オリ主が咲-saki-世界に馴染んでいく様子が丁寧に描写されており,純粋にキャラクターとして魅力的であることも相まって全くイヤミを感じさせない.オリ主無双モノでは決してなく,対等に研鑽を積んでいきそれぞれが得意分野を持つようになっていく形である.原作への敬意が垣間見え,少なからぬ独自解釈や設定が見られても抵抗感なく読み進められる作品だ.
この抵抗感のなさは登場人物の言動や結果に十分強い根拠があることが一番の要因であろう.各キャラクターの行動は納得感を伴うものであり,如何にも作られた・作者の主張のための展開とは感じられない.原作に対して無数に存在する平行世界の内の一つを作者が我々に教えてくれているような感覚になるものだ.オリ主やストーリー展開の自然さも秀逸だが,本作品の真髄はその丁寧な麻雀描写だろう.打牌選択や構想の理由を多くの場合で説明してくれるため,読んでいて麻雀の勉強になる作品だ.かといって咲-saki-世界の重要な魅力である能力麻雀を真っ向から否定するわけではない.能力者のような確率を超越した手強い打ち手も認めた上でとことん最善を積み重ねていく主人公たちは読者を魅せてくれるに違いない.
地の文など描写のレベルが非常に高く,まるで原作漫画を読んでいるかのように錯覚するほど巧妙な文章で綴られている.特に能力発動や回想シーンは原作の演出を脳内補完できるほどだ.これほど文学作品としての面白さと麻雀の丁寧さを両立した作品は類を見ないものであり,作者の物語作成の技量や咲-saki-と麻雀に対する情熱・想いが伝わってくる.実世界の競技麻雀ネタなど様々な小ネタにニヤリとさせられ,オアシスのような番外編により飽きることがない.姫松や麻雀が好きな人には是非読んでいただきたい作品だ.
▼読む際の注意事項など
主人公はTS転生であり,転生前は現実の某プロを彷彿とさせる人物故にナマモノさが感じられるかもしれない.しかしTS転生の悪さは本作にはほぼなく,各方面にリスペクトが感じられる書き方であるため,これらが悪い意味で気になることはないだろう.
最も注意すべき事項となるのは本作の独自設定・解釈かもしれない.詳細まで咲-saki-世界を知り尽くしている人にとっては気になる点も見られる可能性がある.能力の追加や改変及び各打ち手の解釈については【能力紹介回】としてまとめられているため,多少のネタバレをしてでも確認したい人はそちらを先に見ておく方が良いかもしれない.
読者の咲-saki-世界の麻雀の愛し方によっては,本作品のテーマとぶつかる可能性がある.「牌に愛されし子が圧倒的な能力と場の支配力とツモ運ですべてを蹂躙するのが咲-saki-世界の麻雀であり本質なのだ.ぷぷい」という人には正直おすすめできない.裏を返せば,原作でも非能力者ながら強者として描かれている愛宕洋榎や辻垣内智葉が好きな人や,大味な能力バトルより精密な闘牌を見たい人にはおすすめできるであろう.
なおタグにアンチ・ヘイトがついているが,本作品がその主題を表現するためにどうしても割を食うキャラクターに配慮して念のため付けられているようなものであり,上記注意事項に問題がなければヘイト創作だと感じることはないと思われる.
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chijan/2022年01月10日(月) 04:40/★ (参考になった:22/ならなかった:1)
単純に読み物としてレベルが高い麻雀作品
▼文章、ストーリー、描写などについての紹介など
『咲-saki-』という能力バトルになりがちな原作でありながら丁寧な闘牌描写をしてくれる作品。
読者の求める強能力の爽快感もありながら、話の軸は読者に身近なデジタルにおかれていて非常に読みやすいです。
文章が読みやすいのは勿論のこと、ストーリー展開がとても魅力的で回想や心理描写による、盛り上がりの作り方が巧いです。
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大味な展開になりがちな能力バトルにおいても、綺麗に感情を爆発させてくれるため、展開がわかっていても読み返そうと考えてしまう程巧いです。大味な展開を納得させてしまうキャラクターの掘り下げは『咲-saki-』のキャラクターをこれ以上なく魅力的に描いています。
必ず期待以上の感情を読了後に与えてくれるため、一話一話全てが読み返したくなり、暫くこれだけで生きていけるとすら感じる。
読者の求める盛り上がりを提供してくれる気持ち良さ、そしてその盛り上がりを一時の感情で終わらせない、伏線を含めた物語構成と文句を付ける点のない最高の出会いでした。
麻雀に少しでも興味があれば読んで欲しい、麻雀がしたくなる作品です。
▼読む際の注意事項など
主人公は強者であり、転生系であり、TS系。また、オリジナル要素も含まれています。
とはいえそういった要注意要素の悪い点は感じないため、生理的嫌悪をしてない限り問題は無いと思う。
また、麻雀描写が丁寧な分、麻雀がわからない人は難しく見えてしまう所もあるかもしれない。
が、ストーリー自体の魅力が高いため麻雀を知らなくても楽しめる作品だとは思う。
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ラー油@雀太郎/2020年06月21日(日) 01:21/★ (参考になった:48/ならなかった:2)