名もなき投稿者 ID:dh0zAzHo　　2020年09月28日(月) 22:58 (Good:2／Bad:0)　12話　報告

小学生の頃、ファーストガンダムにハマり、そこから宇宙世紀作品を中心に時系列を沿って、Vガンダムまでレンタルで一通り見ました。その中でもVガンダムはなんか丸っこいMSがいっぱい出てくるわ、主要人物がドンドン死ぬわ、知らんうちにカテジナがザンスカールのパイロットになって、まさかのラスボス化するわ、最後の方は会話すらまともに噛み合わないわでZですら人間関係の複雑さでパンクしていた小学生の私にはよくわかんない作品という印象が拭えませんでした。それから最近になってガンダムUCが映画作品として出たのを機にもう一度ガンダム作品を見直してみようとふと思い立ち、ファーストガンダムから宇宙世紀シリーズをもう一度見直してみたところ、モビルスーツのカッコよさくらいにしか、目が行っていなかった小学生の頃とは違い、ひどく見方が変わりました。ウッソという少年がモビルスーツをニュータイプとして操縦できることだけが、スペシャルと呼ばれた要因ではない事や、優しい男だと思っていたクロノクルが肝心なところで小者で最終決戦時のウッソとの会話から、カテジナの逃げ場所を用意してもそれを包み切れるほどの度胸も器量も持ち合わせていない優しさと甘さを履き違えていた男だったのかもしれないと思ったりなどなど。その中でも一番の疑問だったカテジナの豹変ぶり。パズルの最後のピースがはまらないようなもどかしさを感じていたのですが、この作品を見てようやく自分の中でカチリとハマったような気がします。カテジナは幼い頃からその頃では珍しいアースノイドのお嬢様として育てられたが生活とは裏腹に家庭環境が歪んでいたため、家族からの愛を感じることができず、お嬢様らしい世間知らずと他の人間に対する無意識な優越感と男を魅了する美貌や母親の満たされない愛を求めた女としての昼ドラのようなドロドロした不倫への嫌悪感も重ね合わさって生まれた潔癖感を持って思春期を迎える。この頃からメールが届くようになったウッソには不法居住者で父も母もいないにもかかわらずその純粋な子どもらしいどこまでもまっすぐな性格を羨ましく思うと同時に不法居住者に対する差別感と父、母がいないのにもかかわらず家族の愛を感じているウッソに対し、自分は父、母がいるのに愛を感じていないという劣等感が合わさりそれが嫉妬心へと変化し、なおかつ自分の写真を盗撮したり想いを届かせようと、ラブレターのような文ばかりを送ってくる純粋さを自分のキレイだという一面しか見ていないと心の片隅で既にウッソに比べれば子供から大人になったと感じていたカテジナは子供だと馬鹿にし嫌悪感を抱くようになり、そのくせ自分のやろうとする行動をいちいちうるさくまるで親のように糾弾してくるウッソに家庭環境が歪だったこともあり自分よりも子供のくせにと鬱陶しさを覚えるようになる。そこでウッソが口だけで何もできない人間であれば、そこで終わったのかもしれないが、なんの因果か彼は大人すらビビらせるほどの才能に恵まれ、なおかつ子供とは思えないほどのメンタリティで周りの大人たちにドンドン認められていく。普通の人間とは思えないほど達観視で物事を考えることができたウッソに対して、子供が人殺しに手に染めること自体を潔癖感から嫌い、なおかつデザインベイビーの如く育成されたせいでおかしなほどの達観した人生観を得ていたウッソとは違い、思春期真っ盛りな上普通の家庭に育てられたカテジナは、リガミリティアという汚い手を使うのも厭わない大人や大衆の理念を信じる組織の中で世間知らずと子供扱いで罵られることになり、爪弾きのように扱われるにおよび中心であるウッソだけでなくリガミリティアの中の大人たちすら嫌になり始めた。そんななかで出会ったのが、クロノクル。彼は軍人でありながら卑怯な行いを嫌う男で捕虜であるカテジナに対しても、お嬢様として誠実な態度で扱った。自分よりも年上な大人で、捕虜であるカテジナの望みを可能な限りかなえようとし、なおかつ自分を批判したり否定したりせずに受け入れてくれるクロノクルに家族に満たされなかった愛を与えられ、大人の女性として扱われたように感じたカテジナは、ザンスカール帝国のマリア主義の思想に触れ、母なる者を守るという思想に過去のことから憧れを抱き、ここは自分の本当の居場所であるように感じるようになり戦争の狂気にも当てられて今までうちに貯めていた現実に対する鬱憤を表に堂々と出して行動していくようになった‥‥。といったところかなと思いました。カテジナにとって皮肉だったのは子供だと馬鹿にして事あるごとにカテジナに理想を押し付けるような行動をとっていたいろんな意味で人間城塞のようだったウッソがカテジナの気持ちや立場を正確に理解していたのに対して、カテジナにとって甘い言葉を言ってくれる大人として接していたクロノクルの方がカテジナのことについて完全には信頼しきれず、まるで理解していなかった上に機体を撃墜されて姉に助けを求めるなど子供のような精神性しか持っていなかったってことですね。感動した作品でした。長文失礼いたしました。

norishio ID:ycXp8yt2　　2020年07月27日(月) 23:49 (Good:2／Bad:0)　12話　報告

ウッソ＆シャクティ達のウーイッグ組が原作後のカテジナさん救済は無理なのでは？…と思って読み始めましたが、どのキャラクターも自然な在り方で和解に向かっていて驚きました。

前向きでありつつも達観しすぎていて、ある意味で「気持ち悪い子供」と評されたウッソだからこそ、「戦後」と割り切れればカテジナさんとの関係修復の方向を模索することは確かに納得です。

カテジナさんが戦争の狂気から解放される素晴らしい作品を読ませていただき、ありがとうございました。

nekodango0001 ID:UVhK.rI.　　2018年06月16日(土) 16:25 (Good:2／Bad:0)　12話　報告

vガンダムあまり知らないけど感動した。良い話だ・・・
ついでに…頑張れシャクティ、きれいなカテジナさんになってきたらピンチだ（ヒロイン戦争的な意味で）！

返信：Mariah_Bastet　2018年08月24日(金) 19:13

お褒めいただきありがとうございます。

カテジナさんが完全回復してウッソを意識しはじめたら……さすがにシャクティに勝ち目はないかと。
もっともカテジナさんはウッソよりも、クロノクルの影を追いそうに思います。
そうなると、やっぱりウッソのパートナーはシャクティですね。

ウルトラスパーク　　2018年03月17日(土) 23:55 (Good:4／Bad:0)　12話　報告

戦いで人は変わる…良くも悪くも…
変わらなかったウッソが本当にスペシャル過ぎたんだ…
カテジナさんはそこまで強くあれなかった、お嬢様なんだから当然だよな
あまりに潔癖すぎて思春期の矛盾をはらんでいた中で戦争という非日常に放り込まれた
ガンダム三大悪女とか言われるけど俺は可愛そうな被害者だと思う
彼女への救いが見えたこの小説は読んでてすこしウルっと来たよ

ただし紫豚、テメーはダメだ

返信：Mariah_Bastet　2018年08月24日(金) 19:11

お褒めいただきありがとうございます。

三大悪女と言われるカテジナさんですが、やっぱり普通？　の女の子なんですよね。
ただ、才能がありすぎたのが災いしたというか……。

そんな彼女を救ってあげたくて、この小説を書きました。
それが伝わって良かったです。ありがとうございます。

sinononns　　2018年02月27日(火) 18:39 (Good:1／Bad:0)　12話　報告

Vガンダムはあらすじくらいしか知らないのですが、それでもこの作品には引き込まれるものがありました。
ウッソやシャクティ、そしてカテジナさんについては詳しく知識を持っていないので省きますが、それでも戦後はこんな感じなのだろうなと思いました。
ウッソが｢宇宙の人はやりっ放し｣と口にしたのにも、考えさせられました。

素晴らしい作品をありがとうございました

返信：Mariah_Bastet　2018年08月24日(金) 19:09

お褒めいただきありがとうございます。

戦後を書きたかった、というのもこの小説を書いた動機です。
それがうまく伝わっていたようなら、これ以上ない幸いです。

blackberry　　2017年09月20日(水) 22:43 (Good:1／Bad:0)　12話　報告

Vガンはガンダムの中でも一番好きかも知れないくらいの作品なのですが、まさかこんなにまともな二次創作がこのご時世に読めるとは思いませんでした。監督は絶対にこう言う話は書かないだろうなとは思いつつも、本編アフターとしては無理のない丁寧な描写の作品だったと思います。
シャクティとスージィの友情話に関しては是非とも読んで見たいですね。

Vガンは後の∀に繋がるような牧歌的描写に素晴らしい音楽、そこに登場する異形のモビルスーツ、F91以降の宇宙世紀世界の混沌など興味深い要素が幾つもあると思うのですが、見てる人は多分そこまで多くないと思われるのが残念ですね。
今巷ではGレコ劇場版について言われていますが、それはそれとして絶対ないとは思いつつもVガン新規作画劇場版を作って欲しいなと思ってしまいます。

返信：Mariah_Bastet　2018年08月24日(金) 19:08

お褒めいただきありがとうございます。

やはりＶガンファンは、他のガンダムに比べて少ないんでしょうかね。
私はいちばん好きなガンダムなのですが。

劇場版！　私も是非見てみたいです。
またシュラク隊の死を目の当たりにしなければならないかもしれませんが……。

ところてん ID:gXNrNN72　　2017年09月20日(水) 16:05 (Good:1／Bad:1)　12話　報告

とてもしんみりした良い物語でした。
Ｖガンアフターとして全く違和感のない展開・キャラクターだったと思います。

個人的にはＶガンはかなり好きですし思い入れもある作品です。
しかしガンダム作品の中では割と不評なんですよね……Ｘほどではありませんが。
(11行省略されています)

返信：Mariah_Bastet　2018年08月24日(金) 19:01

感想ありがとうございます。

確かにウッソは感情移入するには難しいキャラクターですね。
大人すぎるし、優秀すぎる。
子供が感情移入できたとしても、それはそれで地獄の世界が広がっていますしね。

お褒めいただき、ありがとうございました。

物書きモドキ　　2017年09月19日(火) 21:26 (Good:1／Bad:0)　12話　報告

Vガンダムの二次創作とは珍しいと、一気読みしました。カテジナさんの少女故の潔癖さと極端さがある種の注目ポイントだった私にとって、この小説は非常に好ましかったです。やっとカテジナさんの時間が動き始めるんだなって。しかし、ウッソ君もシャクティも十代前半なんですよね…流石スペシャル。あんな子供に正論言われたり、慰められたら惨めに思うよなぁ

返信：Mariah_Bastet　2018年08月24日(金) 18:58

感想ありがとうございます。

たしかにカテジナさん視点で物語を見ると、非常にみじめな気持ちになりますね。
しかも本人の人格も不安定だからよりのことだと思います。

そんなカテジナさんですが、幸せになってもらいたいですね。

テカジナ ID:nlizQzs6　　2017年05月16日(火) 19:00 (Good:2／Bad:0)　12話　報告

最終話まで楽しく読ませていただきました。完結おめでとうございます。

変に重過ぎず明る過ぎず、演出過剰を排した清涼感溢れる締めだったので、とても気持ちの良い余情に浸る事が出来ました。紆余曲折を経て、幾人もの犠牲の上で漸く成り立った和解故に殊更感慨深いものがあります。

彼等の将来が非常に気になる所ですが、三角関係の行方を描写するのは野暮なのかも知れません。スペシャルのウッソが何らかのウルトラＣで両取りとかしているかもわからないし。それだとマーベットさんにボコられるか。

何にせよ視力も戻るようで万々歳。カテジナさん達が再び戦渦に巻き込まれる様な事の無い平和な日々が少しでも長く続くと良いですね。

面白い作品をありがとうございました。

返信：Mariah_Bastet　2017年05月18日(木) 06:04

感想ありがとうございます。

とても読み込んで下さったようで、本当に書いてよかったという気持ちです。戦争後の話ですから、どうしたってひとりひとりの命の重みは、常に意識されるし、またされねばならないので、自然とドラマになりますね。

>>三角関係のその後

そうですね、そこまで書いてしまうとどうだろうか、というかこの小説はカテジナさんの救いの兆しが見えたところがゴールだと思って書いていたので、その先は、浮き沈みありながらも幸せになってほしい、くらいの気持ちです。
二股かけたらマーベットさん怒るだろうなあ……ウッソも「2人共面倒見ますから大丈夫ですよ」とか的はずれなこと言って更に怒りを買ったり……こういう想像は楽しいですね。

最後まで読んで下さって、本当にありがとうございました。

わらみ　　2017年05月14日(日) 22:36 (Good:1／Bad:0)　12話　報告

完結おめでとうございます！
叔父との再会やマーベットさんとの交流で生きる意欲を取り戻したカテジナさん
過去の幻影の中で過ごす必要はもうなくなっていくでしょう
カテジナさんの目は光に反応していることから、手術すれば見えるようになるのではないかと思っていましたから治るようになってよかったです
そして、一方的な薔薇ではなく目が見えない事を考えてひなげしの花を贈るウッソも成長したと言う事でしょうか

これからの展開も非常に気になる終わり方で続きが気になります
ハイランド組やウォレンとはどんな再開になるんだろうとか、ウッソの恋が再熱しそうだとかですね

返信：Mariah_Bastet　2017年05月15日(月) 22:53

ありがとうございます！

そうです、ウッソも成長したんですね。
ウッソの恋が再燃したとなれば、今度は本物の恋です。
そうなるとシャクティが太刀打ちできるのかどうか？

シャクティとの仲はケイトさんのお墨付きですけれど、
先のことなんて分からないことです。
少なくとも、みんな幸せになって欲しいですね。

最後まで読んで下さってありがとうございました。