夕陽の底、さらに下
作者:佐伯美鈴

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違う顔 ID:BDlKFC.s 2021年07月11日(日) 14:29

ネタバレを含む感想です。

前作に引き続き拝読しました。前半は、緊急時の混乱、人の意地悪さと時々もたらされる優しさ、実際に行うと煩雑さで閉口したくなる輸送や資材管理といった諸業務が淡々と(ちょっとユーモラスに)語られ、その時々で出会う隊長や艦娘達、色々な立場の人々との距離感が良い塩梅でした。主人公の真面目さ人の好さ、弱さ脆さが強調されずとも自然と伝わってきました。時々素の口調が出てくるのも微笑ましく応援したくなります。

後半は凄惨で主人公が後悔するだけで後味が悪い。やった事が裏目に出たこと、仲間達は陰で自分のために動いていたと分かること、人が死ぬこと。まだ活気のあった前半部が全て否定され、そういう話だと分かっていても辛かったです。時津風の台詞が全てで、そういうものだと割り切るしかないのかもしれませんが、この辺りは作風の合う合わないでしょうね。良く言えばリアルで悪く言えば生々しく理不尽でし……(167文字省略されています)


 5話 報告

佐伯美鈴 2021年07月11日(日) 23:51

 読んでいただいてありがとうございました。反応があるという嬉しさを噛みしめています。

 これもまた作品の中で語るべきことであって、ここに書き連ねるのは私の実力不足以外の何物でもないという前置きの上ですが、主人公は艦娘の死生観や物事の捉え方に異質さを感じながらも、すでにその心は抗いがたく艦娘に引き付けられ捕われています。艦娘に対して「どうしてそんなに淡々としていられるのか」と人間的価値観から疑問を呈しつつも、彼女自身も実はちょっと変わっているのです。
 かくして、真面目でややお人よしで変なところで度胸があり、家族や同僚や戦友の非命に涙を流しながらも、自分自身や周囲の反応には奇妙に集中力を欠いた主人公が生まれました。
 このお話では艦娘と人間の間の異質さ、その中間で立ち往生するという結末を迎えた彼女ですが(そのため後半の彼女は過酷な運命と身動きの取れなさにがんじがらめになりました)、前作での時雨への態度を見ると、まだ融和と対話の希望は捨ててはいないのでしょう。

 主人公の救済の物語か、あるいはまた別の(できれば人が死なない)お話か、今あるアイデアをまた形にできるよう、頭をひねってみたいと思っています。

 その時またお目に留まることがあれば、これに勝る喜びはありません。



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