最終的勝利
作者:TTオタク

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簑都薇 2021年05月12日(水) 19:09

延珠を失った蓮太郎の描写が美しかったです。
序盤のこれで一気に引き込まれました。
最後、蓮太郎が下した決断も。蓮太郎ならそうするよねと自然に納得できました。この作品、解像度が高いな。

前半の諏訪は蓮太郎を煽るようなことを言ってばかりで嫌な奴全開でした。こいつほんとは殺されたいんじゃないかとさえ。
(25行省略されています)


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TTオタク 2021年05月12日(水) 22:58

感想ありがとうございます。

 熱心な感想ありがとうございます。これほど熱心に拙作を読んでくださって感無量です。

 オリキャラの設定を語るなんておかしな行為かもしれませんが、私自身書ききれなかったという思いもあるので、ここで語らせて頂きます。

 諏訪についてなのですが彼は結構多面的な人間として設定しました。諏訪は蓮太郎より年上で、若い頃とはいえ十二分に思考能力を持った状態でガストレア戦争を体験しているので「変わってしまった世界」に対しての思いも、変わる前を知っているが故に強いです。
 なので元に戻すという思いも強く、何度も口にしている「最終的勝利」を自身の人生全てを賭してでも叶えたいと願っています。なのでその信念の元、冷徹に任務を遂行しています。任務の遂行に迷いはなく、それ故にまだ若い年齢ながら指示を飛ばす立場にいるのはそういう性質を買われての事です。

 しかし呪われた子供たちに対して何も思わないわけではなく、諏訪は元々医者になるため勉学に励んでいたので、人命に関しては、特に子供の命に関しては人類の未来そのものだと思っています。
 ただ、ガストレアになって死ぬ事が明白な女児の命と、東京エリアの安全どちらが大切かを天秤に掛け、東京エリアの方がはるかに重いと考え、延珠しかりその他の呪われた子供たち然り、殺してきました。
 呪われた子供たちはガストレアウィルスの被害者であるとも考えていて、諏訪の願う「最終的勝利」にウィルスの根絶や呪われた子供たちが普通の子供に戻る事を含めている辺りでその思想を語ってます。
 呪われた子供たちの悲劇は本当に悲しんでいるし、悔やんでもいる。だがそれはそれとして残りの人類にだって明日はあるし、この世界を変えるためには進むしかない以上、呪われた子供たちを殺してでも前に進む決断をしている感じです。

 なので諏訪の行動や言動の理由は検疫官としての「理論」と、彼自身の「思想」が混ざって行動しています。
 蓮太郎に証拠を掴ませて追跡させたのも、蓮太郎だけにやっているわけではなく、イニシエーターを殺害する場合は基本的に全員にやっています。ただ大概、イニシエーターをガストレアもどきとしてしか見ない民警だったり、ドライな仕事関係だったり、情を持って接していても諏訪にたどり着く前に諦めてしまったりとで、蓮太郎のようにたどり着く事は稀です。
 なので、辿り着いた蓮太郎はイニシエーターを愛しており、執念深く、行動力のある人物であるため、とても危険な存在です。
 身内を殺された側からしてみれば、どんな理論があろうが結局自分の家族を殺した相手を憎みます。蓮太郎のように愛情深く行動力のあるタイプはそれが行きすぎてテロだったりの反政府側に着きかねないと諏訪は危惧していました。
 諏訪が嫌味な言動をしたのも、蓮太郎がこの程度で激昂し自分を殺す様では、遅かれ早かれ残酷な現実を前に心が折れ、いずれ東京エリアに牙を向くだろうと考えていたためです。だったらこれ以上強力な存在になる前に、政府の役人を復讐で殺した罪人として処刑した方がマシと判断しての行動でした。
 残った身内を使った脅しも、身内に類が及ぶと判断した時に踏みとどまれるかを見ていたので、蓮太郎がそこでためらってくれたので諏訪は踏みとどまれるのではないかと考え、延珠の遺言を渡した感じです。

 ただ、自分を危険に晒す様な真似や、殺されにいくような言動をしていたのは諏訪なりの蓮太郎への誠意であり、延珠から蓮太郎との仲を聞いていたので、殺されても仕方がないなとは考えていました。
 人類の勝利を考えるならばそんな事をする必要は無いのですが、冷酷無慈悲にしか行動できない自分に比べて、愛や悲しみなどの感情を原動力に動ける蓮太郎をある種尊敬し、その思いが政府に楯突いて自分の破滅に繋がるとしても引き金を引いてしまうのであれば、それを受け止めるのも殺した者の役目だと考えていた感じです。

 ガストレアに勝利した人類が諏訪を差別主義の虐殺者として糾弾したとしても、彼は殺した者の役目としてそれを受け止め、裁きを受けたと思います。本人としては、人類が勝利し、理屈のみで動く悪魔であった自分が処刑されるのは、彼にとって最も理想的な結末かもしれません。

 蓮太郎に対する敬礼は本当に尊敬と、人類の勝利のために戦う同志としての思いがあっての事なので、そこだけは理屈抜きの諏訪の本心だったと思います。

 諏訪は、蓮太郎のように、イニシエーターと良好な関係を築けて、なおかつ優れた戦闘能力を持つプロモーターを残す事は人類を勝利へと進めてくれると信じているので、蓮太郎の再起を促したのですが、それだけでなく蓮太郎という、被差別対象の少女を一人の人間として愛せる素晴らしさを尊敬し、そんな少年が残酷な「理屈」にとり殺されて欲しく無いという思いもあったのだと思います。

 延珠望んだ結末に関しては、延珠ならそうしそうだという考えと、物語のあり方とを重ねて考えたので、気に入っていただけて嬉しいです。

 長々とすみませんでした。推敲も無しに一気に書いてしまったため色々とアラがあるかもしれませんがお許し下さい。

 短編でしかないこの作品を熱心に読んでいただき、ありがとうございました。



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